冬の奈良は面白い。十二月「遷幸の儀」と二月「修二会」は必見だろう。
2007年 12月 28日
昔は地元の鳶職人さん達がしめ飾や門松などの正月飾りを造って店を出していたのが年の瀬の風物詩のように感じていたものだが、今ではコンビニや花屋で扱っていて、風流なんて味わう事が出来なくなってきた。
星が天高く輝く午前1時になると、ご神霊がお旅所に入る。
この松の木は「影向(ようごう)の松と云うのだが、神様はこの影向の松の前で巫女たちの舞う姿を観る事になる。
全国の能舞台の後ろの背景には必ず大きな一本松が描かれているが、これが影向の松なのである。しかし、能舞台では後ろに松が在るために、これではご神霊にお尻を向けてしまうことにってしまう。しかし、松に向かって能を舞えば今度は観客に背を向けることになる。
そこで、この松の事を「鏡の松」と呼ぶことになったそうだ。神様よ、決してそなた様に尻を向いて舞っているのではない、これは鏡に映っている後ろ姿の松なのだ、と云う訳なのだ。
観客から見れば松の木が後ろを向いている形になるのだが、これはお客の方が南を向いて座っている事を表しているそうだ。中国の故事の「君子南面」が由来とも聞く。
奈良町の猿沢の池から程近い光明院町に在る「酒処 蔵」は古い呉服屋だった所を改築した居酒屋なのだが、中々雰囲気も良く美味い焼き鳥を食わせてくれる。奈良の地酒「八咫烏」も美味い。
先日はカウンターで呑んでいると偶然、映画「殯(もがり)の森」で主役を務めたうだしげきさんに出会った。隣のオッサンほろ酔いである。