東京だからこそ出会う人や店をつれづれなるままに紹介


by cafegent
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寒さ増す大寒、目黒で「九絵づくし」の至福。

朝から終日撮影のため、六本木のスタジオにカンヅメ。
廻りの連中のタバコの煙りとエアコンの暖房で喉と鼻の中がバッド・コンディション。
スタジオでロケ弁を食べていると、星野ジャパンの監督、星野仙一さんが隣のスタジオに現れた。隣のスタジオでは雑誌撮影らしかった。
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「豚角煮せいろ弁当」は見た目は小さいと思ったが、結構なボリュームだった。うぅ、満腹。
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撮影の方は思いのほか順調で予定時間よりも早く終わりホッとした。

夜は目黒の寿司屋さんへ行く予定をしていたので、オフィスに戻らずそのまま行く事にしたのだが、途中、六本木交差点も西麻布も渋滞で可成り焦ったがギリギリなんとか予約の時間には間に合った。

今年最初の目黒「寿司いずみ」は、今までで一番のご馳走を用意して待っていてくれた。
昨年の暮れから、クエが入ったら是非食べたいと伝えていたら、先週末に親方からお電話を頂いた。「小振りの九絵が手に入ったので週明けあたりどうですか?」とのお誘いであった。

玄関を開けると、店内はもう一杯で賑わっていた。席に腰掛けるなり親方がやってきて、「今日はそこの席だけ他のお客さんとは違う料理を用意してあるからネ!九絵ずくしでイクから楽しみにしててよ。」って、もう食べる前から喜びが胸をこみ上げて来たのだった。

サッポロの赤星を一本頂く。最近、「いずみ」のビールが赤星になったのでサッポロビールの友人を連れてこなければならんナ。

まず前菜に平鱸(すずき)の皮を昆布出汁で合わせた煮こごりが登場。
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上にかかった梅の味が程よく効いて上品に仕上がっていた。

親方から「この平鱸の後は、全てクエで攻めるからねェ」と。
最初は「九絵とあん肝のタタキ なめろう仕立て」から。
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加賀味噌とあん肝が渾然一体となって九絵の白身に絡まっている。木の芽の香りもタタキの味を一層引き立てていた。

続いて、「クエの皮」の小鉢。
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コラーゲンたっぷりそうな皮は酢で和えてあり酒の肴にぴったりだ。

それでは酒にしようと、宮城の「阿部勘」のしぼり酒を頂く。
昨年、杜氏が亡くなり、今の杜氏の方が一念発起して初めて造った酒だそうだ。しかもまだ試験的な段階らしく12本だけしか無く、新しい杜氏が「寿司いずみ」の料理に合う味をイメージして造った酒だそうな。いやはや、恐れいるネ。
うん、スッキリした口当たりで美味い濁り酒だ。
これに合う肴だ、とキンちゃんが九絵の胃袋と腸を焼いてくれた。
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所謂、九絵ホルモン焼きだが、これがまた酒が進んだ。

お次は揚げ物だ。
他のお客さんには能登で捕れた「げんげんぼう」(「水魚」とも云うが)を使って揚げ物を造ったのだが、こっちにはそれを九絵にしてくれたそうだ。
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これも親方の新作料理だそうだ。
蔵王クリームチーズを九絵の白身で巻き、アーモンドスライスを衣にして揚げ出しにする。その上に刻んだ自家製ザーサイと摺った山芋を和えた餡が乗っている。
初めての味に驚きながらもペロリと食べてしまった。しかし、親方は何処からこの様な料理を思いつくのだろう。

さぁ、今度は九絵の頭が登場だ。
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鋭い歯が沢山付いた九絵の頭を九条ネギと一緒に酒蒸しにしてある。先ほど食べた九絵の皮はコリコリとした食感で美味かったが、じっくりと蒸された皮はトロットロになっている。もう手づかみで骨の廻りをしゃぶるのだ。浸けダレに刻んだ手作りザーサイを薬味にして食べたが、実に旨かった。

そして、お待ちかね「九絵しゃぶ」だ。
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しゃぶしゃぶのタレは、なんとあん肝を摺った「あん肝胡麻だれ」だ。これを指ですくって舐めてるだけで酒のアテになるほど旨い味だった。
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しゃぶしゃぶの具材は、シンプルに九絵の刺身と肝、それに野菜はセリだけだ。

鍋の中では九絵の骨と昆布で取った出汁がぐつぐつと煮え出し、白身と肝をしゃぶしゃぶで戴く。
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最初の刺身はサッと出汁にくぐらせ、すこしプリっとした刺身の食感を楽しむ。次は少し長めに鍋に入れ、完全に火を通す。これもあん肝胡麻だれとマッチして云う事無しの美味しさだった。
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レアくらいに出汁にくぐらせた九絵の肝は牛モツに負けない程の味であった。

今度は福井の酒「花垣 純米大吟醸」を頂く。
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しゃぶしゃぶの熱気で躯が温まり、気持ちよくなってきた。

今戴いたしゃぶしゃぶの出汁を使って、「九絵茶漬け」が登場。
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ご飯の上に「このわたのヅケ」を載せ、しゃぶしゃぶの出汁をたっぷりとかけて戴く。いやはや、たまらない美味しさに感動だ。

ここから、握りに突入となる。
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先ずは、九絵の白身握り
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続けて、九絵の白身 皮乗せ握り

新筍焼き握り これもこれからの時期の「いずみ」の名物だ。
群馬の地酒「水芭蕉」で、握りが続く。
(オっと、ここでデジカメ電池切れ!悔しい!)

一手間を惜しまずかけた「九絵のそぼろ」の握りから。江戸時代、日持ちしない魚の保存法として生まれた「そぼろ」「おぼろ」「でんぶ」も今では寿司屋でも余り自家製では造られなくなったそうだ。普通は鱈で造るおぼろを今回は贅沢にも九絵の身で造ったそうだ。
ほんのり甘い九絵のおぼろの握りを戴く。ん、んまい。続いて、山葵を効かせたそぼろ握り。おぉ、これもウンまい。

ここで、親方から新しい小肌を進められる。
親方、得意気に「小肌ジーンズだナ!これ、新作だから」と。
なんだそりゃ?

いつもだと、このへんで小肌三段攻撃となるのだ。赤酢〆、白酢〆、柚酢〆の定石から、今回は思いっきり脱線したのでビックリした。

ナント、スペイン産ジンを酢と合わせて小肌を〆ていたのだ。成る程、ジンと酢でジーンズだったのか。
数日しっかりと寝かせることで酢の強さが飛んで、まろやかな味になっている。しかも、ほんのりとジン特有の松ヤニ風味が効いている。こんな小肌は初めてだが、美味い。
これにライムを絞り、「小肌のジンライム」になっていた。

白魚さかしお蒸し
〆鯖
煮蛤
海老おぼろ
煮穴子

あぁ、もう満腹だ。これ以上は入らない。

青柳も巻物も食べたかったが無理だった。寿司を食べ終えると、親方から古酒をご馳走になった。味が強いので、寿司には合わないからと、食べ終わった頃合いに注いでくれた。
これは「益荒男」の8年物で、ホント食後にじっくりと味わえる強い味だった。
親方が大好きな杜氏の農口さんが造った酒だと聞いた。
親子三代杜氏と云う農口尚彦さんは石川県の酒蔵「鹿野酒造」に移り、あの銘酒「常きげん」を生み出した杜氏である。

美味い九絵料理づくしを堪能し、最後に美味い古酒で〆る。外の寒さはグッと増していたが、心も胃袋も十二分に暖まっていた。さてと、何処へ呑みに繰り出そうかナ。
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by cafegent | 2008-01-25 18:45 | 食べる