うしろ姿のうなじに惚れて 酔いに任せて口説いてみれば 起こされガクり夢の中
2008年 01月 30日
先日、テレビを見ていたら秋田の家に里帰りする若いコの母親が手作りのきりたんぽを作っていたのが随分と印象に残っていたせいか、無性に食べたくなった。
昔から「冷や」と言ったら其のまま注いだ酒の事だ。こっちもしつこく「だからぁ、冷やって言ってるでしょ。」って云うと「あぁ、それは常温ですね。」だって。困ったもんだ。酒は熱燗、ぬる燗、冷や、冷酒だよナぁ。
そして、80近いウチのオイちゃんは「ひや」とも云わねぇ。
「しやくれ、しや!」と江戸っ子そのままなんでアル。こりゃ伝わらんわナ。
熱々のきりたんぽで酒が進むと、あっと云う間に「天狗舞」が終了。続いては「一ノ蔵」。本醸造の酒は燗酒が良い。
こんな都々逸(どどいつ)を思い出した。
酒を飲む人花なら蕾 今日も咲け咲け明日も咲け
そうだ、家の向かいの枝垂れ梅の花が花が咲き出したっけ。
酒場仲間でもある畠山順さんのWEBサイトを見ていたら「赤色エレジー」のDVDが紹介されていた。確か昨年の夏に発売されたモノだが、まだ見ていなかったナ。
「イメージエフのサイト」
1970年頃、青林堂から出ていた月刊誌「ガロ」に連載していた林静一の漫画だ。この名作漫画を林静一自らが監督と作画を手掛け、あがた森魚と鈴木慶一が音楽を担当、そして石橋蓮司がナレーションをしているのだ。漫画を紙芝居の様に構成したアニメーション作品で「画ニメ」と呼ぶらしい。林氏は元々が東映動画でアニメーターとして働いていたのだから、アニメーション作品もセンスが光っている。
僕は当時まだ小学生だったのだが、兄貴の影響もあり、この頃から横尾忠則や佐伯俊男、林静一などが大好きで、随分とマセたガキだった。
あがた森魚が歌った「赤色エレジー」は大ヒットを飛ばし、中学になった頃には僕もギター抱えてコピーしたっけなぁ。
また最近は「画ニメ」制作の他、に岩絵の具を使った日本画を描いており、本展覧会でも飾られているそうだ。
夏目漱石の「草枕」をモチーフに、数々の絵画をCGに取り組み製作した漫画「夢枕」を発表した。漱石の美術観を林静一ならではの解釈で表現しており、見応え十分の作品だ。
久しぶりに漱石の「草枕」を読み返してみた。
冒頭の「智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。兎角に人の世は住みにくい。」は高校の授業で先生が取り上げていたので、今でも覚えている。
「智と情と意」、漱石は精神作用をこの三つに区別し、それらを当てはめ説いている、と云っていたが、ハテ、未だにちゃんとした意味は判らないままだ。
さて、八王子まで行くならば、久しぶりに風情漂う料亭「鶯啼庵」でも行こうかしら。