東京だからこそ出会う人や店をつれづれなるままに紹介


by cafegent
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毎晩良く呑み、良く食べる。此れも健康と云う事か。

昨日は久しぶりに記憶が遠のく程呑んだ。
「立ち飲み なるきよ」で始まり、都会の渓谷「VALLEY」で呑み、隠れ家「マルクス」で酔い潰れた。月曜だったせいか、なるきよは珍しく客が少なかった。主人の成清君はパリコレからその朝戻ったばかりだと云うのにいつも通り元気よく包丁を握っていた。
其れにしても、もう随分と「Yoji Yamamoto」のコレクションのお抱え料理人に成っているネ。
此の日は、カワハギの肝和えと蛸の刺身が大変旨かった。
また、パリ土産で戴いたチーズも酒の肴に丁度良かった。ありがとう。

昨夜は、僕の師匠とも云うべきコピーライターの御大と久しぶりに呑んだ。美女が居るかと期待したVALLEYは店員も客も野郎どもしか居なくてガッカりだった。「マルクス」では友人たちが盛り上がっており、僕も酔いに任せて誰かを口説いて居たカナ?あぁ、まるで記憶無し。

さて、此処の処ずっと会食が続いている。

この間の赤坂「辻留」では、其れはもう素晴らしい時を過ごす事が出来た。男五人だったので、随分と広い座敷を用意してくれた。
此処の懐石料理は実に美味しい。そして、決して僕らの会話を邪魔しない「おもてなし」の対応の見事な事。
此の、料理と接客の絶妙な調和が「辻留」が代々受け継いでいる真心なのだろう。
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此の夜の献立は次の通り。

先付「からすみ烏賊巻き」
向付「平目、うど、天草わかめ」
椀盛「伊勢海老蒸と長ひじき」
口取(八寸)「小鯛寿司はじかみ、車海老ウニ焼き、酒かす衣あげ、くるみ素あげ、もろこ旨煮」
焚合「聖護院大根、合鴨ロースみそ煮、せり、粉山椒」
焼物「さわら味噌漬」
進肴「あげ出し湯葉、花かつをつゆ」
酢物「浜防風とこぶし、胡麻酢あえ」
椀「赤だし 蓮よせ、のり」
御飯「貝柱ご飯」
香物「すぐき」
果物「いちご、バナナ串さし」
菓子「西玉母」
そして薄茶「千代昔」で〆た。

ビールで始まり、口取あたりから日本酒のぬる燗に切り替えた。どの料理も上品で美味しかった。旨い酒も後押しして、三時間程ゆったりとした時間を過ごした。
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〆の貝柱ご飯も美味しかった。
冬から春に変わる季節の移ろいを懐石で感じることが出来た事が、とても良かった。
世話をしてくれたお運びさん達もとても気を使ってくれたので、心付けもちょっと奮発してしまった。

先週月曜は銀座「牛庵」にて神戸牛しゃぶしゃぶの宴となった。松坂屋の脇を曲がり昭和通りに出る一つ手前の処に在るのだが、銀座に居る事を忘れてしまいそうになる田舎の古民家風の造りだ。
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此処は神戸牛のステーキ、すき焼き、しゃぶしゃぶがリーズナブルな価格で味わえるので随分と流行っているのだが、昼どきのハンバーグステーキが実に旨い。ただ、何時も混んでいるので12時前に入らないとすぐ品切れになってしまうのだ。
此の日は寒かったので、しゃぶしゃぶで躯を暖めた。ワインも進み、肉を追加する。この時も男五人だったが、元ラガーマンの大飯喰らいが居たので、懐石と云う訳にはいかない。胃潰瘍で調子悪いと云いながら、〆の雑炊も生卵ダブルにしてしっかり喰っていた。凄いなぁ。
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水曜は昨年11月に西麻布に支店を開いた「鮨 青木」へお邪魔した。オープンしたばかりだから、ご主人の青木さんが居るかなぁと思っていたが、平日は矢張り銀座店で握っているとの事だった。此れは少し残念だったナ。

先ずとても素敵なインテリアに驚かされた。亀の甲羅模様のような六角形の床タイル、カウンターの背面の庭園も大変素晴らしい。
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聞けば、内装も庭園も京都から職人を呼んで仕上げたそうだ。
また、お寿司屋にしてはとても珍しいなぁと思ったが、カウンター席の奥の壁に有元利夫画伯の絵が掛けてあった。
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38歳の若さでこの世を去った天才画家だが、僕が好きな作家の一人だったので、其れだけで此処を気に入ってしまった。

其のカウンター席には女性二人客が居た。京言葉が響いていたが、京都から来たそうで、銀座の「青木」を気に入ったので、今回はこちらに伺ったそうだ。和服の着こなしがとても粋だったが、京都の女性らしく凛として素敵だったナ。
その二人が帰ると客は僕らだけである。ゆっくりと流れる時間に身を任せ、ひとときの至福を味わう事が出来た。

まだ若いが実に丁寧に鮨を握る田久保さんと落語家の瀧川鯉昇にそっくりな鈴木さんが中々面白かった。
生ビールで喉を潤し、肴を幾つか出して頂く。昆布締めも良かったが、煮アワビと煮蛸が素晴らしく美味しかった。

ビールを二杯で止め、日本酒に移る。ハリオの薄でのビアグラスも良かったが、冷酒は大変美しいデザインのピューターだ。江戸切り子のお猪口でくいくいと酒が進んだ。塩辛も二種類の自家製からすみも文句無く美味しい。こう云う肴が有るから酒が旨くなるのだ。
握りも良かった。かすご小鯛、車海老、鮪、烏賊、さより、穴子、何れも文句無し。さよりの皮を炙ってもらったが、此れも酒に合った。
素材も良く、こちらが実に気分良く鮨を食い、酒を愉しめる処だった。

それにしても、入店してまだ二年足らずと云う若手に新規店を任せる青木さんと云う親方の度胸が凄いナと思ってしまった。
京都の陶芸家や画家たちが東京に来ると必ず此処を訪れると聴いて、今回初めてお邪魔したのだが、一歩足を踏み入れた途端、京都にワープした様な空間だった。ナルホド、京都人も気に入る筈だ。

少し路地を入っただけで、西麻布と云う都会の喧噪を逃れる事が出来てゆったりとした時を過ごせるのだ。銀座とはまた違う「鮨 青木」は、誰を招待しても満足してもらえる一軒かな。
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寿司屋は使い方によって、幾つかの店を知っておくと良い。
誰と行くか、仕事かプライベートか等々、時と場合によって自ずと行く店が変わるのだ。

常磐新平の著書「おとなの流儀」の中に「そうだなぁ」と唸る事が書いてある。
「寿司屋の勘定ほど不思議なものはない。寿司屋のおやじは客の一人一人を採点して、勘定を足したり、引いたりしているのではないか。彼らもまた人間であり、寿司屋だから好き嫌いの感情が人一倍はげしいように思われる。寿司の大好きな奴がわかるのではないか。好きな客と嫌いな客をはっきりと分けてつきあうのではないか。寿司屋でいい客になりたかったら、握ってもらったのをまずさっと食べることだ。」その通りだと思った。
僕は良く行く店で、幾ら食べても、何れだけ呑んでも大抵、今日も此れくらいカナと思う勘定になる。店の方もコイツは此のくらいだナと決めているのだろう。そしてちょっと何時もより多く呑むとその分増える気がするのだ。

「西麻布 鮨青木」を出た後は、歩いてすぐのバー「flask」へ。
木の扉を開けると、いつもと同じ緩い空気が流れている。ずっと日本酒を呑み続けていたので、此処はひとつモヒートをお願いした。
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エノチンの作る此の酒は旨い。この味もいつも通りである。途中で、ハイボールの話になったので、角のハイボールを作ってもらった。
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矢張り角はキリリとした味だ。
微かに香るレモンピールも中々上出来じゃないか。
先客が帰った後、エノチンが一杯ご馳走してくれた。二月は僕の誕生日だったし、ちょっとした祝い事も重なったので、シャンパンを振る舞ってくれた。
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うーん、美味い寿司の後にシャンパンだなんて。
この日も実に素敵な夜を過ごす事が出来た。皆に感謝である。

しかし、毎晩毎晩、酩酊している気がするナぁ。
by cafegent | 2008-03-04 13:45 | 食べる