先日、構成作家の溝渕君が手土産を持って来てくれた。しかも、僕の大好物「阿佐ヶ谷うさぎや」のどら焼きである。どら焼き、鯛焼きの類いは散歩の途中に買い食い出来るから良い。手に持って、其のまま食べて歩けるからだ。そして、何よりも手土産に大変良いのである。皿も要らず、羊羹の様に包丁で切る事も無い。だから、男所帯の仕事場には、なんとも素晴らしい手土産なのである。

仕事の手を休め、渋目のお茶を煎れて、皆でしばしの休憩をとる。
疲れた躯に甘いお菓子がエネルギーとなって午後の仕事も頑張れる訳である。美味しいどら焼きをありがとう。
打ち合わせの途中、芝大門に在るエロ爺ぃの薬膳中華の店「味芳斎」に行った。中に入って驚いたのは、壁一面に張り巡らされていたヘアヌードカレンダーの写真などが一掃されて仕舞ってるじゃないか。こんな健全な「味芳斎」なんて!実に悲しい限り、である。
まぁ、しかし孫たちから見れば恥ずかしいのだろうナ。前にも爺さんが病で暫くの間休みを取っている間に全部剥がされてしまったのだが、復帰して間もなく新たなヘアヌードが貼られていたものだ。

ただ、一つ残っていてホッとしたのは、棚の漢方薬の瓶には相変わらず「不感症に効く」と貼って有った事だ。

ピーマンレバーの味も変わらずだ。此の辛さに更に辣油をかけて極辛にする。此れでスタミナバッチリ、仕事に望めるって訳だ。
此の日は、夕方渋谷で打ち合わせが終わり、仕事仲間と二人で「富士屋本店」へ。
ハムカツとトマトをアテに大瓶1本で乾杯。酒を焼酎に切り替えK君はロック、僕はホッピーを呑んだ。仕事帰りのサラリーマン達が続々と来店し、混み出して来たので、僕らは此の辺で仕舞いである。
K君と別れ、目黒に戻りメイルチェックをして、武蔵小山「牛太郎」の暖簾を潜る。何時もならば3,40分は待つだろうと覚悟する時間帯だったのだが、タイミング良くスッと座る事が出来た。こんな「小さな幸せ」がたまらないのだ。「とんちゃん」をアテにホッピーを戴く。既に酒が入っているので、一杯目から心地良い。お新香を貰い、焼酎中身を追加。〆て700円のお勘定。此処から祐天寺へ移動し、馴染みの赤提灯の明りを目指すのだ。
「もつ焼き ばん」は相変わらず混んでいる。だが、此処は皆が親切に席を作ってくれるのだ。テレビ下の席で手を振ってる客が居た。ひとみ姐さんとハヤマさん達だ。お尻を少しづつずらして席を空けてくれた。嬉しいネェ。

ハヤマさんは此処の常連さん、僕もいつも仲良く呑ませて貰って居る。
水曜日は「玉子の日」じゃ無いのに、何故か此のテーブルの上に茹で玉子が有るじゃないか。おかしいなぁと思っていたら、ハヤマさんがティンカーベル似のレイちゃんに無理を言って茹で玉子を貰ってくれたのだった。彼女の笑顔が可愛いのだ。

「なんやわタレ」を食べ、生レモンサワーに大いに酔い、僕と同い歳の豊浦さんとも仲良くなり、愉しい休日前を過ごした。
三軒ハシゴ酒で可成り酔ってきたのだが、足がそのまま学芸大へ進む。「ばん」から皆で歩き、居酒屋「楽助」でシソ味の自家製バイスに大変美味しいニラ玉を作ってもらった。

此処の大将加藤さんが以前目黒で居酒屋を営んで居た時の僕のお気に入りの一品だったので、作ってもらったのだ。

何時食べても美味しいなぁ、此れは。

大将、旨いアテをありがとう。此処でも友人ヤスが現れて、酒宴は無限大に盛り上がったのだった。
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その昔、五反田駅から目黒川方面に進んだ裏通りに、すこぶる「お茶漬け」の旨い居酒屋が在った。「てやん亭」と云う店だったが、赤提灯の亭の字に濁点が打ってあり、立石「宇ち多”」と同じである。縄のれんの渋い店だった。
酒を呑まずとも、食事処としても親しまれていたので、家族連れも随分多く利用していた。僕だって此処に来たのは、酒の呑めない未成年の頃だった訳だから。
此の店で印象に残っているのが、壁に貼ってあった「放歌高吟、席外献酬、他座問答、乱酔暴論(モチロン、ショウレイシテイルノデハゴザイマセン)」と云う色紙がだった。「アレ、何て読むの?」って聞いたもんだ。
随分と長い事、此の「居酒屋禁止語録」を忘れていたが、15,6年前に神田古本街を歩いて居て、見付けた「兵六」と云う居酒屋の壁に、此れに近い文句が書いて有ったのだ。あぁ、懐かしい文句だなぁ、と思いながら芋焼酎を呑んだ事を思い出す。
「兵六」のは確か「他座献酬、大声歌唱、座外問答、乱酔暴論」だったっけ。僕が覚えていた文句と少し違うのだが、まぁ殆ど一緒だ。
今、書店に並んでいる料理専門誌「料理通信」の中で、森一起さんが此の「兵六」の事を書いてるのだ。
此のコラムを読んで、久しぶりに「兵六」の存在を思い出した訳だ。
しかし、何処も何時の間にか代替わりしているのだネ。此処も先代の甥御さんがしっかり受け継いで居るらしい。近々、「兵六」にお邪魔してみたくなった。
今でも薩摩の芋焼酎がウリなのだろう。
其の前に何冊か本を買って「ランチョン」のビールを呑みながら、頁をめくるのだけれどネ。
春分の日は、春の嵐の如く激しい風と雨が一日中続いた。穴の開いたスニーカーを履いて出掛けたので、足がぐしょぐしょに濡れて仕舞った。家に戻り、バスルームで靴下を脱ぐと足の指がフヤけてた。まるで浴槽で殺された水死体の様な足を眺め、我ながらトホホになってしまった。