東京だからこそ出会う人や店をつれづれなるままに紹介


by cafegent
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良からぬ者こそ面白い、か。「傷だらけの天使」再び登場。

今から半年前、10月の或る晴れた朝の事。
目黒川から仕事場へ向かう途中、ショーケンさんにお会いし立ち話をする事が有った。

テンプターズの「純愛」からファンになり、「前略おふくろ様」ですっかりサブちゃんの語り口を真似て、「傷だらけの天使」の時は中学3年だと云うのに背伸びして東京に出掛け、青山キラー通りに在った「メンズビギ」に白いバギースーツを買いに行ったっけ。そしてホーン・ユキに何度お世話になった事か。

他愛の無い話をし、お会い出来た事を感謝すると、別れ際に「大分時間が掛かったけれど、君が大好きだったあの名作を復活させるから」と云って別れた。後ろ姿に「其れって、傷だらけの天使ですかっ?」って語り掛けるとただ黙って笑って、片手を高く上げながら向こうに歩いて行って仕舞った。

先日、本屋に行くと小説現代の別冊が積まれていた。
タイトルはズバリ「不良読本である。そして、其の表紙を飾っていたのは紛れも無くショーケンさんだったのだ。
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ページをめくり冒頭の浅田次郎のエッセイ『不良の精神』も中々面白く「非行」と「不良」の違いを語り、生涯不良ジジィとしての威厳を感じた。
そして、再びページをめくると、ガツーンッと脳天パンチ!だ。
『傷だらけの天使リターンズ』の登場なのだ。僕の大好きなハードボイルド作家、矢作俊彦が書き下ろしているのだ。しかも、原案が当時ドラマの脚本を手掛けていた市川森一であり、挿絵は「孤高のグルメ」の谷口ジローときている。こりゃ、凄いに決まっている。

ドラマの最終回「祭りのあとにさすらいの日々を」から30数年経った今の小暮修の物語なのだ。タイトルも其のまま引き継いで、「魔都に天使のハンマーを」と洒落ているじゃないか。第一話から最後の第二十六話まで、必ず「ホニャララにホニャララを」が定石だった。
堂々、三百ページ書き下ろしは読み応え十分だし、当時のオサムやアキラが甦ってきた。

時代小説作家の海道龍一朗が最後に「零式 傷だらけの天使」なるエッセイを書いているのだが、此れも可成り笑わせてくれた。僕と同郷の北海道出身で、歳も同じ作家なので、当時親の目を盗んで此のドラマを見ていた状況が目に浮かぶのだ。

講談社はコソクにも萩原健一自伝『ショーケン』を出版し、其の直後に此の『不良読本』を発行した。その表紙にショーケン登場なのだから、正に確信犯的仕掛けなのだ。

矢作俊彦のセンスが随所に光る作品に仕上がっており、半年前のショーケンさんの云った通りの見事な『傷だらけの天使』の復活だった。
小説を読んで居ても、脳裡に浮かぶ小暮修は矢張りショーケンなのだ。実に格好良いじゃないか。

缶酎ハイ飲みながら、一気に読んで仕舞った。
半年前の、後ろ向きに片手を上げて去って行ったショーケンさんが未だに忘れられないのだ。
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不良読本 Vol.1 (1)

他にも花村萬月、石田衣良、山本一力などが書き下ろしており、読み応え十分で1,260円はもちろんソク買いだろう。
by cafegent | 2008-04-15 16:37 | ひとりごと