東京だからこそ出会う人や店をつれづれなるままに紹介


by cafegent
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真夏の夜の出来事。目黒の住宅地に「マタギいずみ」が。

今朝は昨日の集中豪雨が嘘の様に爽やかに晴れた。
紫外線も強く、信号待ちの間も肌がジリジリと焼けそうな日差しだ。
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太陽の横では、真っ白な入道雲がモクモクと蒼い空を覆っていた。

先日、久しぶりに昼間の酒を控えてみた。平日の話じゃなく、週末のハナシだが。
とは云え、夜はまた目黒の寿司屋さんでの宴会となっていたので、ゴールドジムで躯を痛めつけ、有酸素にて酒を補給する余地を体内に与え、万全の体制で宴に望むことにした訳だ。

この夜の寿司いずみは先日の創業三十三年を祝ういずみ感謝祭で同じ20番テーブルに集った方々で結成した「二十番会」の初の宴であった。

サッポロ赤☆で喉を潤し、まずはマグロの中鮪(ちゅうぼう)から。
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ホンマグロの40キロ前後の小振りのモノは中鮪と呼ばれる。
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刺身に和芥子と淡路産新玉葱のすり卸し醤油たれに浸け、その上に蔵王産クリームチーズを乗せるのだ。前回、鰹で体験した味を今度はマグロで堪能させて頂いた。

お次は焼き蝦蛄。
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香ばしく焼き上がっておりビールに合う。
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「蛸の桜煮」も柔らかくて、云う事無し。

そして、夏の定番「鮑と冬瓜のスープ仕立て」である。
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冷たくて濃厚な鮑の味が滲みた冬瓜は口の中いっぱいに夏を運んで来てくれた。
鮑を昆布で包み、酒のみで三日間煮る。そして三日目に冬瓜を合わせてまた煮るそうだ。この一手間が「いずみ」ならではなのだ。
ここで酒を青森の「八仙」に。
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アワビのブツ切り刺身をそのまま何も付けずに口に放り込む。
アワビは海中でカジメやワカメ、岩のりと云った海藻を食べて育つ。そんな自然の味が楽しめる。まるで、シングルモルトの「ラフォロイグ」のようだネ。
続いて肝を乗せて戴くのだ。そして、残った肝に酢飯を入れてもらい肝飯を食す。
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これがまた病みつく味なのだ。

さて、続いての新作は奄美産夜光甲貝だ。親方は先週休みを取って、奄美大島まで出掛けていたそうだ。親方の旅行は新しい食材探しの旅だから、今回も色々と探して来た様子だ。
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夜光貝はアワビとサザエを足して、二で割ったような味なのだが、この貝を白ワイン、日本酒、オリーブオイル、ガーリックで焼いていた。
貝を食べ終え、残った汁に酢飯を入れてリゾット風に食すと、なんとも地中海料理のような味わいだった。
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酒を「平泉」に変えたところで、今回の宴のメーン・イベントの始まりだ。
「寿司いずみ」改め「ビストロ いずみ」か「マタギ いずみ」と云った趣向になっていたのだった。

先ずは「日本もみじのユッケ」から。丹沢産の鹿肉である。
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もみじ肉は高タンパク、低脂肪となんともヘルシーだが、クセも無く甘い味だった。

お次は、これも奄美で手に入れてきたのだろう「蘇鉄」(ソテツ)を赤ワインで伸ばした味噌が登場。
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これにぼたん肉をつけて食べる。福島産の猪肉は歯応えも良く、甘い味噌が実に合っていた。蘇鉄の実のツブツブがナッツの様な食感で未体験の味である。

酒は「杉錦」の純米酒。野生味溢れる料理には、こんなマイルドでスッキリした酒が合うのだね。

さぁ、ここで親方が奥からまた何か持って来た。巨大な白いボーリングの玉の様だが、ハテ何かしら?
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親方もニコニコ顔で「コレ、判るかナ?ダチョウの卵ダヨ。」と云って「今から、これを目玉焼きにして、そこに本日のメイン食材をつけて食べてもらうからねーっ!」と云って卵を持って、厨房へ消えていった。

暫くすると、巨大なダチョウの目玉焼きがやってきた。
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以前、テレビで見た事があったが、まさか本当に目玉焼きにして出て来るとは恐れ入った。
でも、親方のハナシだとこれは脇役なのだ。

で、待ち遠しくなり厨房を覗きに行って、あぁビックリ。なんと!小さな四つ足が網の上で焼かれているではないか。それも「今年の干支」でアル。
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香ばしい匂いが厨房から漂っているが、この夜の特別料理はアマゾン産の「山ネズミ」の姿焼きだったのだ。
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ジビエ料理以上のパフォーマンスだったが、意外や意外食べると美味しいので驚いた。
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ダチョウの卵の黄身も中は半熟であっさりした肉にマッチしていた。
山ネズミの身は食用ガエルやハトの様に肉自体はそんなに多く付いていないが、良く使う足の筋肉の部分は大変美味しい味だったナ。

一堂、この未体験ゾーンに突入してからは、目が点になっていたが、中々どうして魚介じゃない「いずみ」も凄い。
親方は次回ワニを食べさせてくれると云っていたが、それもきっと美味しいのだろう。うーん、今から楽しみだ。

至高のショータイムはこれにて終了。
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ここからは金ちゃんが腕を振るう「いずみ劇場」に戻っていった。

最初は「青鱚」の握りから。前回に続き、またも貴重なキスを戴いた。
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九州の豊前海で捕れた青ギスは味が白ギスよりも濃い味なのだ。

さぁ、夏が来た!って事で「シンコ」の登場だ。
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うーん、さっぱりして美味い。

お次は「赤酢のじんたん」と云ったなぁ。
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「じんたん」ってハタハタの小振りの奴だったっけ?鯵だと思ったけれど、これはハタ坊の幼魚なんだろうなぁ。

酒が群馬の「水芭蕉」に替わり、ウニ三連発の登場だ。酒の仄かな甘みとウニの甘みが絶妙にマッチするのでアル。
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今回は先ず奄美大島で捕れた「白髭ウニ」から。
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続いて青森の「赤紫ウニ」、むふふ。
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そして最後は北海道の「蝦夷馬糞ウニ」だ。

最初の白髭ウニは初めて食べたが、意外とあっさりしていた。青森や北海道沖で捕れるウニは今が一番旬だろうから、素晴らしい美味さだ。
さぞ、上等の昆布を食べて育って来たのだろうネ。ムフフ三昧なのだ。

続いて「鮪のちゅうぼうのヅケ」握り。
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鮪はヅケにした方が美味い、と云うか酒に合う。

そして、「八戸の赤貝」だ。
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このところ続く地震の影響で魚介の漁もさぞ大変な事になっているのだろうか。心配だね。それにしても、この赤貝は美味しい。

次は「煮蛤」でアル。
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これも此処ならではの蛤専用のツメが使われ、程よい甘さが嬉しい。
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「越乃魂」もクイっと飲み干し、「鮪中落ちの鉄火巻き」を戴いた。

石川県の吉田酒造蔵の「手取川」の大吟醸には、「クロダイの卵巣の味噌漬け」がアテに登場だ。
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ちびちび舐めて吞む冷酒は最高だ。

今度は「煮穴子」なのだ。
「いずみ」では、穴子、蛤などツメをそれぞれ別に作っている。これを味わうためだけでも、此処を訪れる価値があるってモノなのだ。
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うぅ、素晴らしい穴子だった。

そろそろ満腹になってきたが、「四万十川の鮎」はハズせない。
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酢飯と鮎の間には鮎が餌にする川海苔が挟まっていて風味を引き立たせている。あぁ、幸せ。

最後は「寿司いずみ」ならではの江戸の仕事を戴くことに。
いつもは車海老を漬けているが、今回は「蝦蛄のおぼろ」握りだ。
冷蔵庫も無い江戸時代の魚の保存法は酢で〆た粟の中に魚介を埋めて保存したそうだ。此処では粟の代わりに卵の黄身を使っており、それをシャリに見立てて握るのだ。
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コレ、一度食べた時から僕の大のお気に入りの握りでアル。どんなに満腹になろうとも最後はコレを握ってもらうのだ。嬉しいなぁ。

今月は二度の訪問となったのだが、親方は至高のメニューを用意してくれていた。感無量とはこの事だネ。
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一緒にこの夜の宴を堪能した皆も大変満足した様子だったナ。

冗談で「次回は初心者と伺うので、ノーマルな寿司でお願いします。」なんて云う愉快なご夫妻も居たが、今回の「マタギいずみ」は実に面白かったネ。「いずみ二十番会」はこれからも愉しく歩んで行けそうだ。

幹事役の西沢さん曰く、次回は「寿司いずみ」を飛び出して、新橋に在る「四万十川の天然鰻」を堪能する会を催すそうだ。こりゃ、今から楽しみだナ。
by cafegent | 2008-08-06 16:00 | 食べる