薫風に 真白きシーツ はためきて 八十八
梅雨入り前のこの季節は、本当に外で過ごすのが気持ち良いネ。

日曜日の朝、シーツを洗濯し布団を干した。公園に出掛け、午後に戻ってくるとシーツはもうすっかりサラサラに乾いていたナ。
暦の上では、もう「初夏」でアル。樹々の上では営巣していた四十雀やコゲラなどが、小さなヒナを孵している。

僕の住む街でもマンションの軒下などでもツバメが子育てを始めた。

ツバメが飛来する姿を毎朝窓辺から眺めるのもこの時季の愉しみのひとつなのだ。
五月雨を あつめて早し 最上川
誰もが知っている松尾芭蕉の句だネ。初夏を迎えると、先ずこの句が浮かぶ。
最上川は、山形を流れる大きな河川だ。以前、最上峡芭蕉ライン舟下りに乗ったことがある。新緑の時季だったので、川面から眺める雄大な自然の景色が見事だったことを覚えている。
いつの日か、芭蕉の歩いた「奥の細道」を辿りたいものだナ。
◇ ◇ ◇
閑話休題。
土曜日は、いつもの様に朝から京成立石へと向かった。
戸越駅まで歩けば、そこから一本で立石まで行ける。いつもより早い電車に乗り、土よ宇朝酒へ。
いつも仕事場まで徒歩なので、立石までの電車の中が唯一の読書タイムとなる。文庫本一冊あれば、長い移動もまるで気にならないネ。

宇ち多゛歴三十数年の大島さんと車中でお遭いし、一緒に宇ち入りだ。
毎週土曜の朝、『もつ焼き宇ち多゛』に集う面々はいつも殆ど同じだ。
初めて訪れた方々も此処を気に入った人は、毎週顔を合わすことになりいつのまにやら土よ宇朝酒の仲間となるのだナ。

毎週自転車でやって来る星さんもその一人。この日は家から宇ち多゛までのタイムを大幅に縮めたらしくとても上機嫌だったネ。

店内では、まだ仕込みの真っ最中。約1時間外で待つ訳だが、気候も良く、他愛無い世間話に花を咲かせるのが愉しい。
午前10時半、赤い暖簾が下がり口開けとなる。

9時50分頃にはもう満席の人数を越し、口開けには入れない。もう30分ばかり待つことになる。まぁ、どんなに長っ尻でも皆さん1時間程で席を立つので、多少の辛抱は仕方がない。
先ずは瓶ビールの大瓶を戴き、喉を潤す。宗さんは、寶焼酎の梅割りを出すよりも先にビールの栓を抜いてくれるので、誰よりも真っ先に酒に有り付けるって訳だ。むふふ。
この日は、シロよく焼きをタレで戴いた。

タンお酢掛けのお酢にシロタレを浸すと程よい酸味と甘みが絶妙に絡み合い、酢豚風味のもつ焼きとなるのだ。毎回、こうやって自分独自の味を見つけるのが、これまた愉しいのでアル。
ビールをチェイサーに梅割りも美味い。

古参ご常連のイシさんに教えて頂いたのは、梅割りを少し吞んだところへウーロン茶を注ぐ呑み方。これが実に美味い。梅の甘みとウーロン茶の苦味がマリアージュ。嘘じゃないので、是非お試しあれ。

表側も裏も続々と人が並んでいる。40分程で切り上げてご馳走様だ。この日のお会計は、1,260円也。あぁ、至福の土よ宇朝酒だった。
二軒目は、ヨーカドー裏の『ゑびすや食堂』へ。

此処は『宇ち多゛』帰りの面々が集まるのだナ。
土曜日は朝ご飯を食べる前に酒を吞んでしまうので、いつも此処で白飯を食べる。この日は、ハムエッグに小ライスと味噌汁だ。

半熟の目玉焼きに醤油を垂らし、熱々のご飯に乗せる。黄身だけの濃厚玉子掛けご飯となり、実に美味し。
もちろん、酒も欠かせない。焼酎の緑茶割りを戴いた。

最近始めたと思うハムカツも頼んでから厚切りのハムに衣を付けて揚げてくれる。熱々で美味い。
この日は、酒朋の深谷さんと有意義な話も出来て良かった。
程よく酔ったナ。これにて、ご馳走様。
さて、僕は一足お先に皆さんと別れた。立石から金町へと移動し、『水元公園』へ。

この季節、公園も新緑の薫りに包まれて、実に気持ちが良い。ツバメが気持ち良さそうに薫風に乗って水面を舞っていた。

釣り場では大勢の方々が釣り糸を垂らして居たナ。

東京とは思えない程に自然が広がっている。野鳥に出逢うため、広い園内を歩いた。
野鳥たちの写真は、また次回。自然の中を数時間歩いたらすっかり酒が抜けた。
◇ ◇ ◇
金町から西馬込行きに乗り、中延駅へ。此処で東急線に乗り換えて、大井町駅へ。
この日は、友人の藤本陽平クンが本を出版したので、ささやかな祝宴を開催。彼とは表参道のゴールドジムで知り合ったのだが、酒仲間の美沙ちゃんのパーソナルトレーナーを引き受けてくれてからの付き合いだ。

彼の本は「
股関節スローストレッチ―10年先も元気なカラダ!
」だ。

彼の肩書きが「筋肉デザイナー」となっているのが面白い。僕もいつもジムで見ていたが、彼のボディは、ミケランジェロの彫刻像の如くキレの良い美しい躯なのだ。
今は二子玉川でパーソナルトレーナーをしているが、美沙も毎週通っているそうだ。僕も早速、股関節ストレッチを開始しなくちゃ。
さて、この日の酒宴は大井町『そのだ』だ。

此処は、ひな鶏の素揚げが評判の店だ。立石の名店『鳥房』も大好きだが、今は無き蒲田の名店『なか川』の味を受け継いだ『うえ山』直伝の素揚げを味わえるとあって連日賑わっている。
美沙も陽平クンも初訪問。

先ずは、生ビールで乾杯!陽平クン、出版おめでとう!

鶏ナンコツ揚げカレー風味が、ビールに合う。

このマッシュルームの素揚げも人気だ。

酒をレモンサワーに切り替えた。
さぁ、『そのだ』に来たら、先ずこれを食べなくちゃ!の「揚げたてあつあげ」だ。

外はカリっとしていて、中はフワフワのこの食感は、市販の厚揚げとはまるで違うのだヨ。二人とも気に入ってくれて、お代わりをした程だ。
此処の「手作りポテトサラダ」も美味い。

リンゴが入っているのもなんだか懐かしい。
最後はお待ちかねひな鶏の素揚げだ。もも肉とむね肉のセットを二つお願いした。

揚げ加減が素晴らしく、香ばしさと肉の柔らかさが際立っている。肉の味をじっくりと味わえる様に塩味は控えめだ。塩が足りない方には、岩塩のローズソルトを降るも良し。
むね肉には手羽も付いている。
そしてこちらが、もも肉だネ。

あぁ、本当に美味しい。午後6時を廻ると、もう店内満席だったナ。
酒もススみ、ご馳走様でした。此処の店主もまた、実に腰が低い。
この日も忙しい中、わざわざ外に出て僕らを見送ってくれた。味のみならず、この人柄が此処を評判の店にしているのだナ。
相変わらず素晴らしい店だった。また次回を愉しみにしよう。
駅方面に戻り、飲み屋街の東小路へ。大井町に出店したばかりの立ち飲み屋『晩杯屋』へ初訪問。此処は武蔵小山に本店が在るのだが、朝から晩まで本当にいつも人が溢れている。晩杯屋ならぬ満杯屋だナ。
武蔵小山本店は小さな立ち飲み屋だが、こちらは大箱だ。一階が立ち飲みで二階は椅子席となっている。
我々は一階の立ち飲み席へ。品書はムサコと同じ。二人とも初めてだったので、この価格設定に驚いていたネ。なんせ、マグロ刺身が180円なのだから。

赤羽『いこい』直伝の酒と肴は、大井町でも大人気の様子だった。
天羽の梅の焼酎ハイボールで再び乾杯だ。名物レバホルも美味い。

ホッピーもススみ、皆さん大満足。三人で2千円とちょっと、一人700円づつとなった。
気を良くした一行は、もう一軒行こうと云うことになる。『晩杯屋』の斜め前、ワインバー『8 huit』(ユイット)へ。

タイミング良くカウンター奥が空いていた。此処は小体の酒場なので、入れない事が多いのが玉にキズ。
この日はオーナー店主の平野由希子さんも居ましたネ。

彼女はル・クルーゼを使った料理が評判の料理研究家だ。故に、此処のル・クルーゼ料理も素晴らしい。

最初にグラスワインを戴いた。

酒の肴は、馬肉のタルタルをお願いした。
この日のル・クルーゼ鍋料理は「うさぎと筍のオリーブ煮込み」だったネ。

クミンの香りが刺激的なキャベツもワインがススむ一品だ。
陽平クンと美沙と三人でハイ、パチリ!

勢い付いた我々は、赤のボトルを一本御願いした。

平野さんオススメは、「Chevrot Bourgogne」。

ブルゴーニュのピノ・ノワールだ。余り重くなく、ハシゴ酒には丁度良いワインだったナ。

鴨のリエットとパンも貰い、ワインがススんだ。

平野さん、ご馳走さまでした。
出版の世界では、平野さんの方が大先輩。陽平クンもしっかりとアドバイスを受けたし、次の本や彼のメディア登場を応援しなくちゃネ。
そんなこんなの土曜怒濤のハシゴ酒の旅、終了。
あぁ、また日記が長くなっちまったがご勘弁ネ!