東京だからこそ出会う人や店をつれづれなるままに紹介


by cafegent
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カテゴリ:食べる( 282 )

先日新年を迎えたばかりだと思っていたが、もう二月も後半に入っていたのだネ。ボクも昨日から確定申告の書類作成にてんてこ舞いだ。面倒なことは早々に済ませてしまった方が気が楽になるから、今月中には提出しておこうかナ。

暦の上では既に春を迎え、「立春」から「雨水」へと季節も移ろいだ。「雨水」とは、山に降る雪が雨に変わり、氷が解け出して裾野の田畑に雪解け水が流れ込み人も大地も潤いを見せる季節なのだネ。だが、それも暦のハナシ、実際はまだまだ寒い日も続いているものネ。先日も東京で20度を超える春の陽気の翌日に雪が降った。身体の方が気候について行けずに調子悪くなってしまい、風邪を引いてしまったヨ。

それでも、春の気配を感じると心も弾み、ウキウキとした気分に浸れるから不思議だネ。
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我が家の近くの公園でも早咲きの川津桜が見頃を迎えている。保育園児たちも桜の花の下で駆け回ったり、昼時になると主婦たちがピクニックシートを広げてランチを楽しんでいる。
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木の上では可愛いメジロたちが花の蜜を求めて集まっていたナ。
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小鳥は、可愛いナァ。  
     ◇           ◇           ◇
閑話休題。

二月は僕の誕生月でアル。毎年、誕生日には天ぷら屋に行くことが定番になっていたのだが、今年は肉祭りにしてみたのだナ。

そして、吉祥寺に在る名峰『肉山』の頂上を目指し登山へと向かった。
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平日の午後5時、酒朋ルイちゃんとダンディ岩崎さんを誘って肉山の登山口へと階段を昇っていく。
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この日は店主の光山さんが出迎えてくれた。
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さぁ、肉好き男女四人のパーティで肉山踏破に挑むのだ。
先ずは生ビールで乾杯!
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肉山一合目に登場したのは、お馴染みのパテ・ド・カンパーニュだ。
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濃厚な味わいに酒もススむススむ。

続いて牛肉ソーセージだ。
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これには赤ワインを合わせよう。

いつもの肉山では牛肉、豚肉、馬肉、鹿肉、鳩肉等々、様々な肉の赤身にこだわったものが出てくるのだが、この日は牛肉がメインとなった。

どうですか!この牛のランプ肉のローストは圧巻だネ。
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味良し、歯ごたえ良し、あぁ、堪らないネ。
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ルイちゃん、口いっぱいに頬張ってご満悦だ。
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極太のエリンギとアスパラガスのソテーもよい箸休めになるナァ。
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二本目の赤ワインと共にやって来たのは名物の80分じっくりとローストした豚ロースだ。
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エゴマの葉に乗せてガブリと行こう。オォ、相変わらず素晴らしい豚肉だナ。

お次に登場したのは、肉山では初お目見えの牛カツだった。
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薄い衣を身に纏った厚切りの赤身肉は実にジューシーだったナァ。ロースト中心の肉山では新鮮な出会いだったネ。

そろそろ、六合目辺りを登り切った頃かナ。
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キュウリが登場した。これがまたサッパリとして肉と肉の合間にピッタリなのだヨ。
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続いて牛肉が登場したのだが、部位を忘れてしまった。失敬!

さぁ、肉山の頂上に辿り着いたゾ。四十日熟成させたと云うサーロインのローストがやって来た。
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これは見事な牛肉だネ。噛めば噛むほどに肉の旨みが口の中に広がっていった。肉をじっくりと味わう楽しみはこの店で改めて再発見したと言っても過言ではないネ。前回の馬肉尽くしも素晴らしかったが、今回の牛肉オンパレードも最高に素敵な登山となったネ。

我ら四人ガッツリと肉を喰らったネ。
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〆のご飯は胡麻油と塩で頂く卵かけご飯と特製カレーライスから選べるのだナ。
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僕ら夫婦は一つずつお願いして交互に食した。
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ダンディさん、ルイちゃん、お付き合いありがとうネ!

帰り際、光山さんから誕生日祝いにと赤ワインを一本プレゼントして戴いた。
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こんな粋で優しい気遣いがまた次回へと繋がるのだネ。
たっぷり二時間の肉山登山も無事に終わり、下山した。

午後7時、僕らは腹は満たしたが、酒はまだまだ足りないモードだ。
そんな訳でハーモニカ横丁へと吸い込まれていったのだナ。
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by cafegent | 2016-02-23 14:24 | 食べる | Trackback | Comments(0)
東京は今夜からまた雪が降るらしいネ。大寒も中頃を迎え、七十二候では「水沢腹く堅死」(みずさわあつくかたし)の季節、沢の水が分厚く氷り張りつめる時季が来たのだナ。

今の季節は「三寒四温」と云って、三日ほど寒い日が続いた後は、四日ぐらい暖かい日がやって来ると伝えられている。この1週間ほどは、正に三寒四温を肌で感じているネ。
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毎朝散歩する公園でもアオジやウグイスが地面に落ちた木の実や落ち葉の下の小さな虫などを探して食べている姿を見かけるようになった。また、民家の軒先などでは胸に色鮮やかな橙色を輝かせているジョウビタキのオスの啼く声を耳にする。
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ジョウビタキは人を余り恐れないので、近くからカメラを構えても逃げずに居てくれて、素敵なポーズを決めてくれるのだナ。
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昨年のデング熱の騒ぎから、野趣に溢れた公園も蚊の対策として一斉に草木が刈られてしまいハゲ野原になってしまった。草むらが無くなると野鳥たちが姿を隠す場所が無くなり、カラスや猛禽類に襲われる機会が増えてしまう為に、今まで毎年渡りの途中で飛来していた鳥たちが来なくなったと云う訳だ。

野鳥探しを毎朝の愉しみにしている僕にとっては、実にサビしい限りでアル。
        ◇            ◇            ◇
閑話休題。

今週も都立林試の森公園に野鳥を探しに出かけ、昼飯どきになったので何を食べようかと思案しながら我が家の方へと歩いた。

桐ヶ谷斎場の脇を不動前駅の方へと下り、攻玉社中学校の裏手で永年暖簾を出しているのが、『中華こばやし』だ。
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ガラリと戸を開けて赤い暖簾を潜ると、其処は「ザ・昭和」な世界にワープするのだナ。

テーブル席はそれぞれ一人客が居り、ラーメンを啜っている。カウンター席のお客さんはラーメンと餃子に半チャーハンだ。僕は此処のわんたんめんが好きなのだが、この日は店に到着する前から「軟らかいヤキソバ」にしようと心に決めていたのだ。それに餃子もお願いした。

此処は創業昭和40年、今年51年目を迎える老舗の街中華なのだネ。

「半わんたん」や「半チャーハン」があるので、その日の気分で組み合わせを変えるのも此処に来た時の楽しみのひとつなのでアル。

実はココ、偶然に見つけた中華屋さんなのだナ。30年以上住んだ白金台を離れ、新居を探している時に不動前周辺を歩き廻っている途中で見つけて、その佇まいに一目惚れして暖簾を潜ったのが8年前のこと。

そしてこの店から徒歩7、8分のところに住むことになったのだナ。以来、時々来ているってワケだ。

澄んだ醤油ベースのスープと柔らかめな細麺は、子供の頃に食べた屋台のラーメンの味そのものだった。この日に食べた「軟らかいヤキソバ」は生麺を使っており、その名の通り軟らかい焼きそばであり、どこかホッとする味なのでアル。
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武蔵小山『自慢亭』の軟らかい焼きそばとはまるで違う代物だが、僕は甲乙つけがたいほどにどちらも好物なのだナ。

カウンターに座ると正面に小林さんの奥さんが立っている。
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その横でご主人が黙々と中華鍋を振ってチャーハンを炒めている。この光景を眺めているだけで、朗らかな気持ちになれてしまうから不思議なのだよナァ。今日はどんな鳥が居たの?と奥さんから声を掛けられた。先ほど写したジョウビタキやウグイスの写真をお見せすると、この辺りでもメジロやウグイスが啼いているわネ、と答えてくれた。
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チャーハンを作り終えたご主人も僕の写した小鳥の写真を眺めて、ニコリと笑みを返してくれた。
餃子をつまみながら飲む昼間のビールも最高に旨い。
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此方の餃子は、ファイト餃子を小ぶりにしてもう少し柔らかくした感じなのだネ。もっちりとした厚めの皮が独特なのだナ。小さめのサイズなので6個でもペロリと食べられてしまうのがイイ。

 小さな店である事を恥じる事はないよ。
    この小さな私の店に人の心の美しさを一杯に満たそうよ。
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ご主人は店の壁に幾つもの言葉を貼っている。「生涯現役」の言葉も僕らにはウレシい限りなのだ。

此処が地元の小林さん、ご両親がかき氷屋さんなどをこの場所で営んでおり、23歳の時に中華食堂として開業したそうだ。今年74歳になるであろうご主人、白い帽子と白衣に年季の入ったブルージーンのエプロンが板についている。

小林ご夫妻のメガネの奥から覗く目も笑みを絶やさず、僕らを幸せにしてくれるのだナ。

よし、次回はわんたんめんと半チャーハンにしようかナ。三寒四温の冬の午後、眩しい日差しの中を歩いて我が家まで戻ったのでアール。
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by cafegent | 2016-01-29 17:04 | 食べる | Trackback | Comments(0)
暦では既に「大雪」だネ。季節を72に分けて表した七十二候では「熊穴に蟄(こも)る」の時季、熊が穴の中に入って冬ごもりをする頃と言う訳だが、今年は見事に暖冬だネ。今日の東京もピーコートを来て歩いていると汗ばんでしまう程だった。

そう云えば、今日から東京の冬の風物詩「世田谷ボロ市」が始まった。
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四百年以上も続くボロ市だが、毎年世田谷で12月と翌1月の二度開催され多くの人が訪れて活気に満ちあふれるのだナ。ところ狭しと古道具屋などが出店し、掘り出し物を求めて歩き回るのが愉しいのでアル。
僕の場合は、酒器にまつわる物を探して歩くことが多い。何処かの居酒屋が使っていた酒徳利とか、祝い時に造られた盃などを見つけると胸が躍るのだナ。
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そして、長い行列に並んできなこや大根おろしのからみが美味い「代官餅」を買うのも毎年恒例の行事となっている。
今年は明日からまた出張なので、年明けの1月に行く事にしよう。

僕の野鳥好きは、もう長い間続いているので地元の酒仲間たちも皆知っている。夕べも武蔵小山の大衆酒場『牛太郎』で一人呑んでいるとガラリと戸が開いて「おぉ、居た居た!」と近所で骨董屋を営んでいる知人が入って来た。

「こんな本を見つけたので、是非読んでみてよ!」と手渡されたのは昭和15年に出版された中西悟堂(ごどう)の著書「野鳥と共に」だった。
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中西悟堂と云えば、鳥類研究の第一人者であり、日本野鳥の会の創立者なのだネ。
ヨシゴイを放飼し育てた記録や野鳥を捜し求めた旅を綴った「探鳥紀行」など実に面白い内容だったナァ。しかし、旧仮名遣いや読めない漢字も多く、読み進めるのも一苦労した。
それでも、こんな貴重な古書を見つけてくれるのだから、骨董屋さんって凄いネ。ちなみにこの御仁は牛太郎の店主と中学校の同級生なので、時々店で顔を合わせたり、朝の公園で野鳥探索をしている際に出逢うのだナ。
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素晴らしい本に巡り会えて、益々野鳥探しが愉しくなりそうだ。
     ◇           ◇           ◇ 
閑話休題。

さて、年の瀬の師走を迎え、いつも季節毎に訪れる寿司店も今年最後の訪問となった。武蔵小山駅から毎朝野鳥を探しに散歩をする都立林試の森公園を抜けた住宅街の中にひっそりと佇んでいるのが『寿司 いずみ』でアル。
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10席程のL字のカウンターのみの小体のお寿司屋さんなのだが、一年中予約で埋まっているのだネ。故に此処は「営業中」の看板を出したことがなく、いつも「準備中」になっているのだネ。  
この日の予約は午後七時、ガラリと戸を開けると既に三人のお客さんが居た。

先ずはサッポロ赤星で、喉を潤そう。
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ゴクリ、あぁ旨い。この日は何処にも寄らず此処が一件目なので、最初の酒なのだ。
そして最初に登場したのは、お馴染み「茶ぶり海鼠(なまこ)」だ。
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能登の海鼠を番茶にくぐらせたいずみの名物の一つなのだナ。土佐酢に柔らかい海鼠と自然薯のトロロが絶妙にマッチして唸る美味さだ。

続いて登場したのは「新海苔の卵焼き」だ。
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風味豊かな海苔の味がダシと卵と三位一体となっていた。

国産物の鮟鱇の肝だ。海外物に圧され築地でも国内のあん肝はキロ1.5から2万円はすると云う。山口萩産のあん肝は濃厚で甘い。
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ここで、酒を日本酒に切り替えよう。宮中で出される酒「御苑(みその)」を戴いた。
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信州の酒とのことだが、酒米も酵母も明かされないらしいネ。

一切れ残したあん肝を荒く箸で潰し、青森で獲れた寒ビラメに合わせるのだナ。
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5日程寝かせたヒラメの刺身にたっぷりとあん肝を絡ませて口へと運ぶ。ん〜ッ、美味い!日本酒もススむススむ。  

お次は刺身だ。佐渡産の寒ブリのはしり、そして寒メジだ。
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メジマグロは腹の部位と背中の部位を切ってくれた。いずみの刺身は、淡路の新玉ねぎの擦りおろしと京都宇治のユーサイドの久保田さんが造る和芥子(わがらし)で戴くのでアル。
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切り身の上におろした玉ねぎと和芥子を載せてから、旭川の野性のアイヌネギのタレに浸けて食べるのだナ。寒ブリも脂乗りが程よく、素晴らしい味わいだった。

次に登場したのは「真牡蠣の茶碗蒸し」だ。
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蓋を外すと濃厚な牡蠣の香りが僕の鼻腔をくすぐった。おぉ、こりゃ凄いナァ。
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大将曰く、ひとつの椀の中に南三陸の荻浜で育った天然真がきが10個すり潰して蒸したので、この日はお客十人だから百個の真がきをすり潰したんだとか。更にその上には甘味噌で焼いた牡蠣が一つ乗っていた。牡蠣そのものの蒸し物には驚いた。テンメンジャンと隠し味のニンニクの餡が牡蠣の味を引き立てていたナ。

日本酒は、広島の地酒「旭鳳(きょくほう)」を戴いた。
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土井杜氏が仕込む年内搾りの蔵の酒はガツンとくる味だった。

こちらは「鯖のつみれの椀」でアル。
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中にキウィを入れてつみれにした鯖を三日間寝かせて熟成させたのだとか。たぐり(一番)湯葉を載せて、返しにサッとくぐらせる一品だ。一口目はそのまま味わい、二口目は山椒を少し振り掛けて口へ運ぶと風味が増してさらに美味くなった。

さぁ、いずみ劇場の第一幕目はこれにて終了だ。幕間は珍味タイムとなる。痛風まっしぐらなアテで日本酒を堪能しようか。
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いずみと云えばこの「カツオの塩辛」と「マグロの塩辛」だネ。毎年正月もこれを爪楊枝でつまみながらチビチビと酒を呑み続けるって訳だ。そして、上は「真がきの塩辛」だ。
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こちらの四角い皿の上は「アワビ肝の酒粕漬け」と「ボラ子の塩辛」でアル。

酒は明鏡止水でお馴染み信州大澤酒造が造る「明鏡の鬼辛」を戴いた。鬼辛純米は日本酒度+12!超辛口の純米は爽快で新しい味わいだった。濃厚な珍味にベストマッチだナ。

珍味の合間に出て来たのは東京湾で獲れたウツボを焼いたものだった。
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ウツボと云えば高知産が有名だが、東京湾物も身がしっとりとして皮部分のコラーゲン凄し!ねっとりと歯にまとわりつくコラーゲンを日本酒で流しこんだ。むふふ。

そして更に「痛風まっしぐらパートⅡ」だ。
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筋子に軍鶏(シャモ)のべっ甲卵、沖ボラのからすみ、からすみの味噌漬けだ。8週間風干しして仕上げたからすみは酒のアテに最高だナ。

続けて出されたのは、なんと四年もの間熟成したイカの塩辛だった。
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これはもう、塩辛を通り越して別の珍味になっていたが実に美味し。あぁ、酒がススむ。

幕間の珍味もこのへんで締めくくろうか。
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よし、いずみ劇場の第二幕は、もちろん握りだネ。先ずは、いずみ恒例の小肌四連発からだネ。
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こちらは、赤酢〆の小肌だネ。
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そして、白酢(米酢)で〆た小鰭(コハダ)だ。
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こちらは、キビ酢〆だ。
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最後は、白板昆布で〆た小肌を口へ運んだ。相変わらず善い仕事をしているネ。

寿司いずみでは、握りを置くゲタが無いのだナ。板前が握った寿司をいの一番で口へ運んで貰いたいとの思いから客の手のひらに直接置いていくのでアル。なので、こちらは置かれた握りをそのまま口へ放り込めばいいのだネ。

酒は山形、新藤酒造店が造る「九郎左衛門 雅山流(がさんりゅう)新・影の伝説」純米吟醸 無濾過生詰酒の登場だ。
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裏・雅山流が三年ぶりに造った酒だと伺ったが、吟醸ならではの香りも優雅で、口当たりもまろやかでフルーティーな味わいの純吟だった。

お次は、東京湾の千葉側で水揚げされたスミイカのヅケだ。
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ねっとりと甘く、程よいヅケに仕上がっていた。

こちらは、穴子の白蒸し握りだ。
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間に梅肉が挟まっており新しい味わいだった。そして、イワシの握りだ。
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擦りおろしの玉ねぎが良いアクセントになっていた。

続いて手に乗るのは真牡蠣の昆布〆だ。
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おぉ、牡蠣の旨味を昆布の風味が包み込んで極上の味わいだ。

さぁ、握り劇場はどんどん続くぞ!
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こちらは、大トロの外套を身に纏ったマグロのヅケでアル。こりゃ、反則ワザだよネ、美味いに決まっているじゃないの!凄いのが来たナァ。
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天然の赤貝もスバラシイ。そしてこちらも寿司いずみの名物「車海老のおぼろ」だ。
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「おぼろ」とは、江戸の頃の魚の保存法のひとつ。車海老を漬け込んだおぼろを酢飯の代わりにして握るのだネ。これも一度食べたら病みつく美味さなのだナ。

そして、煮蛸の握りだ。蛸の風味豊かなツメが実に旨い。
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此処いずみでは、魚それぞれに違うツメを使っている。穴子のツメは穴子を煮た汁を煮詰めて作り、蛤のツメも蛤の煮汁で作る。そんな訳で当然ながら、煮ダコのツメも蛸を仕込んだ煮汁を煮詰めて作っているのでアル。おぉ、柔らかくい!美味いのなんの、南野陽子!なんちて!(我ながら久しぶりに出たナ)

酒は明鏡止水の変わり種「ラヴィ・アン・ローズ」を戴いた。マスカットの様なフルーティーな香りが心を豊かにしてくれて、口に含めばサラッとした華やかな味わいが口一杯に広がった。

新雪の様なこの握りは、真ダラの焼き白子だ。
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おぉ、濃厚で美味い。本当は巻物も食べて締めくくりたかったのだが、胃袋の許容量が限界に達して来た。よし、今度は年明けにまた来よう。
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最後は有明の新海苔ともずくのお吸い物を戴いて締めくくった。
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途中でバルサミコ酢をほんの少し垂らすとまた違った味になり二度美味しいのだネ。

僕の左隣りの若者二人は初めてのいずみに感動していたネ。右隣りの5人組もそのうち4人が初いずみらしく喜びの声が何度も聴こえてナァ。それにしても、こんな素晴らしい名店に後輩たちを連れて来てご馳走してくれるのだから、なんて素晴らしい上司なのだろう。羨ましい限りでアル。

左端の若者はまだ40代前半だが、某球団社長だった。寿司いずみには何故か球団社長の方が常連になっているが、野球選手も方々も多いからかナ。連れて来てくれた若者たちも諸先輩の活躍を励みに成功を手にして、自分の財布で此処に通ってくれるとイイネ。

あぁ、ご馳走さまでした。外は12月とは思えない程、生暖かい風が吹いていた。酔い覚ましに歩いて帰るとしようか。
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by cafegent | 2015-12-15 16:06 | 食べる | Trackback | Comments(0)
暦が「処暑」を迎えた途端、東京の気温がグンと下がったネ。今朝は肌寒ささえ感じて、長袖のシャツを着た。

この時季、台風が次々と到来する季節でもある。沖縄から九州にかけて猛烈な勢いで台風が襲来したネ。今後の台風が日本列島を直撃しないことを願うばかりでアル。

夏の間、毎朝の公園散歩は野鳥が居ないため足元の昆虫ばかりを探して歩いたが、昨日は秋の気配を感じたのか、渡りの途中の野鳥が公園の樹々に舞い降りて来た。

留鳥の四十雀(シジュウカラ)の群れに混じり、センダイムシクイが数羽入っていた。
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小鳥だから撮影が難しい。
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派手に飛び廻るサンコウチョウも二羽見つけることが出来た。
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懸命に虫を捕らえて食べているのだナ。

これから九月に入ると更に色々な種類の渡り鳥がやって来る。大きな筒鳥(ツツドリ)の姿も来週あたり見られるだろうか。
    ◇           ◇           ◇
閑話休題。

行きつけの酒場の夏休みが終わり、酒場難民もやっと救われた。と云う訳で、いつもの武蔵小山『牛太郎』の暖簾を潜った。
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馴染みの酒場は、どの時間帯に訪れても知った顔に出逢えるから愉しいのでアル。

先ずは、瓶ビールの大瓶を戴いて、喉を潤す。

「牛太郎」には冷暖房という設備が無い。故に此処に来る連中は、皆さん扇子(せんす)か団扇(うちわ)を持参して来るのだナ。
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中には小さな扇風機持参の御仁も居るのが笑える。

左手で扇子を扇ぎ、右手でビールグラスを持ち上げる。クゥーッ、冷えたビールが「命の水」の如く乾いた喉を滑り落ち一気に火照った躯を爽快にしてくれた。
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アテに頼んだのは、煮込みだ。此処の煮込みは玉ねぎが入っているのが特徴的だネ。玉ねぎの甘さとモツの味が絶妙に絡み合い酒に合うのだ。

昨日は俳優の金井裕太クンもやって来た。
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映画にドラマにと大活躍だけに中々飲みに来られない様子だが、合間を縫って「牛太郎」には来てくれるのだからウレシイ限りでアル。

お次は、名物の「とんちゃん」だ。汁気が飛ぶまで鍋で蒸し焼きにされたモツはニンニクが効いて酒がススむススむ。あぁ、薩摩白波の水割りも旨いナァ。

「牛太郎」を出て、向ったのは武蔵小山駅前の飲食街「りゅえる」に在るビストロ『キャトル・アブリル』だ。フランス出身のジャン・ボスコさんがオーナーシェフを務める小さなビストロはいつも混んでいるのだが、この日はタイミング良くカウンター席に座ることが出来た。
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此処は何を頼んでも美味しくてハズれが無い。しかもボリューム満点だからワインもススむのだ。

先ずは前菜の盛り合わせから。皿が見えなくなる程に盛られた料理はビストロならではだネ。
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サクサクの生地が美味しいキッシュもボスコさんの自信作だネ。鴨のスモークも赤ワインに合うのだナ。

二杯目のカラフェをお願いした頃にお待ちかねのメインディッシュが完成した。この日ボスコさんがオススメしてくれたのは大きなラム肉のローストにたっぷりのロックフォールチーズがかかった一皿だ。
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ブルーチーズの青カビ臭は好きな人には堪らないのだヨ。フランス最古のチーズと云われているだけに、ボスコさんのレシピは抜群だ。さすが、フランスの三ツ星ホテルでシェフを務めていた経験が存分に生かされているのだネ。付け合わせのレンズ豆のソテーもラタトィユも美味しかった。
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満席の店内をボスコさん一人で切り盛りしているのだから、大変だネ。もうスグこのエリアは再開発のために取り壊しとなる。「キャトル・アブリル」も新たな移転先を探している最中だと伺った。好い場所が見つかることを願うばかりでアル。

ボスコさんのビストロを後にして、スグ近くの酒場『長平』へ。
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この日は日付が変わると我がカミサンの誕生日だったので、店主の充クンから赤のスパークリングをプレゼントして戴いた。
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こちらも満席だったので、暫くはスタンディングでワインを愉しんだ。
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カミサンがゴキゲンだと実に平和なのだ!
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「牛太郎」のご常連たちも集まり、賑わっていたナ。
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そんなこんなで夜が更けて行ったのでアール。
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by cafegent | 2015-08-26 16:56 | 食べる | Trackback | Comments(1)
季節を72に分けて表す七十二候では「土潤溽暑」(つちうるおいて、むしあつし)の頃、ムッとした熱波が漂い肌にまとわりつく蒸し暑い季節がやって来た訳だネ。「溽暑」とは、いささか難しい漢字だが「じょくしょ」と読む。腕の毛穴から汗が吹き出して来る、そんな湿度の高い蒸し暑さを指す言葉でアル。
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「溽暑」が過ぎれば、今度は「炎暑」の到来だ。クラッと目眩のする様な砂灼(すなや)くる暑さは堪ったもんじゃない。ゆらゆらと陽炎の様に熱波が揺れる灼熱のアスファルト、打ち水をして涼をとる光景を目にする季節だネ。

    柔らかく女豹がふみて岩灼(や)くる    富安風生

酷暑が続く八月の夏真っ盛り、長屋の一角、開け放たれた玄関の簾の向こうに肌襦袢姿で畳の上に横になる女の姿を目にして、灼けた岩の上でしなやかな姿態をさらけ出す女豹(めひょう)にでも見立てたのだろうか?
あぁ、そんな光景に出会(でくわ)してみたいものだナ。
      ◇           ◇           ◇
閑話休題。

先日、久しぶりに大好きな寿司屋へと出掛けた。我が家から歩いても10分程に在るのでもっと通えるのだが、如何せんその店の主人(あるじ)が15年以上修業した寿司屋さんに行くことが多いので、ご無沙汰してしまっている次第なのだ。

その店は目黒と五反田の間、桐谷斎場の通りから脇に入った処に在る。
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『なかのや』の暖簾を潜ると主人のキンちゃんが笑顔で迎えてくれた。

席に着くと、先ずは日本酒と塩のみで味つけした白身の骨と貝ヒモの出汁で仕上げた一口大の雑炊が出て来た。
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柚子の香りが立ち、胃に優しい一品だ。最初にこれを戴くと悪酔いしないかもしれないナ。

続いて、三浦半島で獲れた蛸を粗塩で戴いた。
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うん、旨味が凝縮して噛めば噛む程に美味さが広がっていく。これに合わせる酒は、「魚沼」の辛口純米だ。むふふ。
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出汁に漬け込んだ子持ちシャコも実に美味い。そして、漬け込んで二ヶ月の茶ぶり赤なまこの登場だ。
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こんな手間のかかる仕事ぶりは、キンちゃんが研鑽を積んだ目黒の『寿司いずみ』仕込みだネ。さっぱりとして、涼を感じる一品だ。

再び、シャコが出てきた。
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愛知産の蝦蛄を酢で〆ている。おぉ、これまた美味い。酒を和歌山の地酒、平和酒造の「紀土(キッド)」に切り替えた。純米の風味豊かな香りにしっかりとキレのある口当りの酒だった。クゥーッ、旨い。

お次は、琵琶湖の天然鮎だ。
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季節を味わうってのは、至福のひとときだナ。小さいながら、豊富な藻を食べて育った鮎の肝に琵琶湖の味を感じることが出来た。
今度は、ホシガレイだ。
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こちらは、肝ポン酢に付けて戴いた。ギュッとした歯ごたえも美味さを引き立てる。続けて、ホシガレイのエンガワの炙りだ。
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皮付きのエンガワは、口溶けが凄かった!あぁ、幸せだ。

さぁ、この季節がやって来た。
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エゾバフンウニの濃いオレンジ色が磁器の器に映えている。ムヒョーッ、口へ運ぶと濃厚な旨味と甘味がズンと残る。可成り後味が強いウニだネ。冷酒がクィクィと進むのだ。
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外房で獲れたアワビの蒸しも素晴らしい。
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山葵をちょいと載せて口へ運ぶ。おぉ、身が柔らかく味も濃い。

次に出て来たのは、青柳を干したモノだった。
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コレは酒に合う珍味だナ。噛めば噛む程旨味が口一杯に広がり、酒を誘う。

続いてもまた珍味だ。
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アワビの肝の味噌粕漬けか。キンちゃん、「寿司いずみ」の大将仕込みの味をしっかりと受け継いでいるネ。酒は山形の地酒「銀嶺月山」の純米だ。おぉ、酒米の仄かにフルーティな香りが僕の鼻腔をくすぐる。月山の名水で仕込んだ酒ならではの、まろやかで優しい喉越しの酒だ。クィッと呑める一杯だ。

さぁ、キンちゃん劇場の第一幕が終わり、握りの幕が上がった。

先ずは、小鯛のおぼろ握りから。
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おぼろに漬け込んで小鯛の味を濃く出していた。こんな江戸前の仕事は、中々他店では味わえないのだナ。むふふ。

こちらは、蒸しあゆの握りでアル。
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鮎の肌の色が美しいネ。
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続いて、中トロの握りと静岡で獲れた小肌の握りだ。
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どちらも云うこと無しの美味さだネ。

続いて出たのは、キタムラサキウニの握りだ。
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こちらは、エゾバフンウニよりも色が白い淡い味が特徴のウニだネ。
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愛知のトリガイは、歯ごたえも良く良い味がしていた。
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鹿児島のアジ握りも脂の乗りが良く旨い。
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マグロ赤身、クルマエビおぼろ漬け握りと美味い寿司が続く。
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そして、箸休めになかのやの焼き印が押された卵焼きを戴いた。
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おぉ、甘くて美味い。
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キンメ昆布締めには、広島の地酒「極鳳」の純米酒を合わせてみた。間違いない取り合わせだナ。
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沢庵をかじり、ホッと一息。

お次は、三重桑名のはまぐりの二つ合わせ握りだ。
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あぁ、もう申し分ない美味さに感動だナ。

立て続けに煮穴子の登場だ。
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穴子のためだけに煮詰めたツメが極上のテリを魅せていた。
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イカの握りも甘い。

マイワシの細巻きをリクエストしてみた。
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むほッ、脂の乗りが絶妙で美味い。細巻きなので、パクパクとイケるのだナ。

そして最後の締めくくりは、銚子の金目鯛の炙りだ。
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脂乗りも凄い!口の中で溶けるようだった。

キンちゃんの握り劇場も無事に終演だ。
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〆の味噌汁が満腹の胃袋をサラリと流してくれた気がした。

相変わらず、良いおもてなしをしてくれたネ。残った酒をグィと飲み干し、ご馳走さま。
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渋めのお茶を戴いて、酔いを冷ますことが出来た。

次回はいつ訪れようか。ウニの季節にもう一度来ようかナ。外はすっかり暗くなっていた。我が家を通り過ぎ、そのまま武蔵小山『長平』に向ったのでアール。
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by cafegent | 2015-07-29 16:49 | 食べる | Trackback | Comments(0)
台風6号が本州を通り過ぎ昨日から夏日が続いている。今朝も東京は朝から青空が広がった。午前中からどんどん気温が上昇し、昼過ぎには30度を記録したそうだ。毎朝1万歩を歩くようにしているが、さすがに今朝は汗をかいた。

いつもの公園では、今年初のセンダイムシクイに出逢うことが出来た。
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野鳥の鳴き声を言葉になぞらえて表現することを「聞きなし」と云うのだが、有名なのはホトトギスの「特許許可局」だが、このセンダイムシクイの場合「焼酎一杯グィーッ!」なのだナ。普通に聴けば、ツィツィツィッツィーッ!なのだが、よっぽどの酒好きの野鳥研究家が、こう「聞きなし」したのだネ。

樹の幹などに居る小さな虫が好物なので、鳴き声を頼りに樹の上をじっと探し続けると見つけられる。だが、上ばかり向いているので首が疲れるのが玉に傷だ。
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ウグイスの仲間で、目の上の白い眉線がウグイスに似て特徴的なのだ。

百合の木の花も咲いていたナ。
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この樹は、チューリップに似た花が咲くので、別名「チューリップの木」とも呼ばれている。また、葉っぱが軍配に似ていることから「軍配の木」の名も持っているのだネ。

夏の様な温かさになったら、急に蝶々も沢山飛び廻るようになった。
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ツマグロヒョウモン蝶は日向に咲く花の蜜に夢中だった。
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クロアゲハは3羽のオスがメスを巡って飛び廻っていた。
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アオスジアゲハは葉っぱで一休みしていたナァ。
      ◇          ◇          ◇
閑話休題。

先週の金曜日、久しぶりに吉祥寺に出掛けた。目的は山登り!と云っても『肉山』登山でアル。今年の1月以来なので、4ヶ月ぶりの登頂となった。
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この日は、ゴールデンウィークで仙台から戻って来ている酒朋ビリー隊長と登ることにした。

先ずは一人、武蔵小山の老舗酒場『牛太郎』にて0次会。
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ビールで始めて、夜の赤身肉への思いを馳せて赤ワインを戴いた。
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この日の予約は午後8時、中央線が人身事故の影響でストップしていたので、渋谷から井の頭線で吉祥寺へと向ったでアル。

吉祥寺の駅前は学生たちで溢れ返っていた。5月に入り、新入部員が増えた同好会の飲み会の集まりだろうか。僕らオジサン連中も気だけは若い。学生に負けじと、颯爽と吉祥寺の街を歩いていったのだナ。

駅から10分弱で『肉山』に到着だ。
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この日は天候にも恵まれ、素晴らしい登山日和となった。階段を上がり、いざ登山の開始だ。

此処は赤身肉の専門店なので、牛肉、豚肉、馬肉、鹿肉等々の様々な種類の肉の赤身をシンプルな味付けで喰らうのだ。

先ずは生ビールでカンパイだ。クゥーッ!「立夏」を迎えた東京の夜8時、喉を通るビールが最高に美味い季節到来となったネ。
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プチトマトとキムチをアテにビールがススむ。

最初はお馴染み、池尻大橋のフレンチ『OGINO』が造るパテ・ド・カンパーニュから。
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店主の光山さんが懇意にしているので、この絶品パテを分けて戴いてるそうだ。濃厚な味で美味い。

続いて出たのは、80分間じっくりと焼いたした豚ロース肉からスタートだ。
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肉山では、肉本来の持つ旨味を最大限に活かすように調理している。
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このエリンギのローストもバカウマだ!

よし、赤ワインを戴こう。
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AOCテール・デ・シャルドンのマージナルの赤を選んで頂いた。
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シラーの持つスパイシーな香りが口の中に広がるのだナ。このワインに合わせるかの様に登場したのが、赤牛のもも肉ローストだ。
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ワサビを載せて口へと運ぶ。牛の赤身は噛む程に旨味が増幅する、肉らしい味わいだ。

箸休めならぬ肉休めは、もろきゅうだ。
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甘辛の味噌をつけてポキリと噛む。まだ登山は五合目あたりか。
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こちらは、牛肉のソーセージ!
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肉山自慢のチリマスタードを載せて戴くのだ。うひょーッ!むふふ、な美味さだナ。
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お次は、牛のランプ肉!ウヒョーッ!としか喩えようがない。
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アスパラガスも甘くて美味い。二本目のワインもAOCのボルドー、シャトー・オー・コロンビエ赤をチョイス。
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結構ガツンとくる濃い目の赤だったナ。赤身肉に合うぞ、コレは!

さぁ、出てきたのは馬肉のフィレだ。
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これは柔らかくて赤ワインがススむ味だった。この日は馬肉まつりか!
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続けざまに出てきた馬のハラミ肉は、この日ナンバーワン間違い無しの一皿だった。馬肉がこれほどまでに美味かったとは、恐れ入った。

そして最後の肉は、40日間熟成したリブロースだ。
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エイジングならではの旨味を纏っており、ここで再び牛肉に戻るとはヤラレたネ。無事に山頂に到着出来た!

あぁ、大満足。

〆は名物の肉山カレーと卵かけご飯を1つずつチョイス。
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此処の卵かけご飯は、醤油ではなく塩とごま油で食すのでアル。これが、実に美味い。
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カレーの味は日々進化しているそうだ。開店当初の味は、レトルトカレーとして販売されており人気上々だそうだが、現在は更に美味しくなったとスタッフが笑顔で答えてくれた。

ビリー隊長御夫妻も喜んでくれたみたいで、次回の予約をしっかりと取っていた。さて、満腹満足、お土産に自家製チリマスタード瓶も買わなくちゃ。

こうして吉祥寺の夜が更けて行くのでアール。
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by cafegent | 2015-05-14 16:48 | 食べる | Trackback | Comments(0)
久しぶりに目黒の『寿司いずみ』にお邪魔した。

都立林試の森公園の裏手の住宅街にひっそりと佇む寿司屋は、開店以来ずっと「準備中」の札が出ているままだ。
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何故ならば、小体の店ゆえに常に予約の客で埋まっているので、ふらりと訪れても空いていないのだネ。

この日は「名残の鮟鱇を食べ尽くす」と云う会が催されており、たまたま二席だけ空いていたので、入ることが出来たのでアル。

そんな訳で、僕ら以外は皆さん鮟鱇づくしの宴となっていた。
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もちろん、僕らはいつもの様に大将にお任せだ。

先に『牛太郎』でビールを戴いていたので、此処では日本酒からスタートしよう。先ずは富山県滑川の「千代鶴」純米吟醸を戴いた。
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口当たりは少しトロッとした感じだったが、後味がサラリとして旨い。

此処では、料理が出ても決して先に箸をつけてはいけない。そんなルールがあるのだ。どの料理も大将が手間を惜しまずに試作を繰り返し完成したものばかりなので、大将の講釈(料理の説明、魚の産地など)を聞いてからじゃないと食べてはいけないのでアル。

もしも先に勝手に食べたなら、「勝手な行動をすると感情的になって、勘定100倍にやるよ!」と一括だ。この究極なオヤジギャグに苦笑いしながら、過ごすひとときもまた愉しいのだヨ。

そして、この日も「名残の鮟鱇を食べ尽くす」会の方々に同じギャグを言いながら、突然こちらに振るのだナ。
「アチラのお客様は、常に勘定二倍を戴いているので、いつでも好きな時に食べていいんですヨ!」だとサ。この容赦ないイジリに心ならずも幸せを感じるのでアール。

さぁ、「いずみ劇場」の幕開けだ。最初はお隣さん達の鮟鱇のお裾分けから。「あんこうの冷や汁」の登場だ。
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能登では、あんこうの卵巣を「布」と呼ぶ。平板状で布切れのようなので、ヌノと呼ばれているそうだ。この布を大根と一緒に冷や汁仕立てにしているのだが、凝縮された旨味がすべて大根に滲みていた。まさに深まる春に相応しい一品だったナ。

お次は「焼き蝦蛄」だ。
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岡山浅口で獲れた蝦蛄は、香ばしくて酒がススむ。岡山ではシャコはおやつ代わりに食べているらしく、我が家でも毎年カミサンの実家から大量の蝦蛄が届く。カミサンは手慣れた手つきで殻を剥くのだが、僕は可成り手間取りながら剥くことになる。慣れとはスゴイよネ。

そして「タコの桜煮」が出た。
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桜の花と葉を一緒に煮込むため、桜の良い香りが食欲をソソルのだナ。
タコは「明鏡止水」でお馴染み大澤酒造が作るサイダーを使って煮込んでいるのでとても柔らかい。器まで桜の花とは、この時季ならではの料理だ。

酒は富山県高岡の「勝駒」しぼりたて新酒を戴いた。
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これはまたフルーティで爽やかな新酒だナ。

この酒に合わせるようにカツオと花鯛の刺身が登場。
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「いずみ」では、刺身は玉葱の擦りおろしに和芥子を載せて食す。今回は静岡山の新玉葱に、いずみ自慢の和芥子を合わせる。大将曰く、この和芥子はユーサイドの久保田社長渾身の本物の和がらしで、からしの産地は季節によって変わるそうだ。
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カツオに載せて口へ運ぶ。あぁ、むふふの瞬間だ。
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花鯛は、きび酢で軽く〆ており、酒がススむススむ。

お次は再び、あんこうのお裾分けだ。
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「あん肝玉子」は、たっぷりのあん肝が入っており「痛風まっしぐら」な一品だった。赤山椒をパラリと振り掛けて、戴いた。あぁ、最高に美味い。

今度の酒は千葉県の飯沼本家が造る「一喜」を戴いた。
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この酒蔵は「甲子(きのえね)正宗」が評判だが、この一喜もフルーティでスッキリとした呑み易い酒だ。では、この一杯の喜びをじっくりと味わおう。

蕗(フキ)味噌をアテに酒がススむ。
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油炒めをしていないので、蕗の旨味をストレートに味わっている感じだったナ。

料理は続く、どこまでも!
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さぁ、お次は大将自信作の「桜蒸し」の登場だ。
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お椀の蓋を取った瞬間に桜の香りが、僕の鼻腔を突き抜けた。芝えびのすり身でサクランボの実を包み込み、大島桜の葉で巻いてある。その下には桜鯛の身だ。これを大島桜の花と葉を刻んだあんに絡めて戴くのだナ。むふふ。視覚、臭覚、味覚が渾然一体となって、小さな椀の中に百花繚乱の桜を表していた。

     世の中にたえて桜のなかりせば
            春の心はのどけからまし

この味に、思わず在原業平(ありわらのなりひら)が詠んだ歌が浮かんだ。
この世の中に、桜の花がなかったら、どんなにも春を長閑(のどか)な気分で過ごせただろうに、と詠っているのだネ。

親方の料理の世界は、本当に素晴らしい。お椀の中の壺中天だナ。小さな器の中に無限の宇宙が広がっているかのようだ。
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お次もまた蓋物だった。
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こちらは、あんこうの肝と身のクリーム煮だ。濃厚なあん肝を優しい味で上品に仕上げてあるのだが、これも間違いなく「痛風まっしぐら!」な一椀だネ。ぐふふ。

酒は東北・塩釜の阿部勘酒造が造る「阿部勘」特別純米を戴いた。
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阿部勘と云えば、東日本大震災の被害を受けた酒蔵だが、この4年間で完全に復活したのだネ。

2006年に他界した阿部勘の名杜氏・伊藤栄さんの愛弟子である平塚杜氏が仕込んだ渾身の酒は、僅かに感じる酸味と米の旨味が口一杯に広がり実に味わい深い一杯だった。

この酒に合わせてもう少し珍味を戴こう。
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今回は鯛の子で造った明太子、赤貝の塩辛、それにアワビの肝を出して戴いた。
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あぁ、シアワセのひとときだ。もう、痛風でも何でも来いってもんだ!

更に追い打ちをかけるように出てきたのは、再びあんこうのお裾分け!
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あん肝の酒だった。
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おぉ、濃厚な甘みと旨味が酒とマリアージュしていたナ。

料理の最後は、北寄(ホッキ)貝のお造りだ。
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北海道出身の僕は、この貝に目がない。ほんのり桃色の貝は、本来東北北海道あたりの食べ物なので、東京では馴染み薄だったが、回転寿司屋さんのお陰でやっと日の目を見ることとなった貝かもしれないネ。食感も良く、噛むほどに旨味が広がるのだナ。
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さて、酒を切り替えて「いずみ劇場」第二幕の幕開けだ。

白く濁った酒は「アームストロング砲」の異名を持つ「鍋島」の特別本醸造活性にごり生酒だ。
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フルーティーで甘みの強い酒だが、シュワシュワッとしたスパークリングの炭酸感が食事の幕間をリフレッシュさせてくれた。

握りの最初は細魚(サヨリ)から。
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季節を味わうって素敵だネ。

こちらは、鯵の赤ちゃん仁丹(ジンタン)だ。
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先ずは酢〆で戴く。うん、美味い。
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続いて白板昆布を載せた仁丹の昆布〆だ。甲乙つけ難くどちらも素晴らしい。

そして、陸奥湾の内側、関根浜で獲れた本州ムラサキウニの握りを戴いた。
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口に入れた途端、思わず口角が緩んだ。いやぁ、本当に甘くて旨味が凝縮されいる。

寿司いずみでは、季節毎に美味いウニを各地から取り寄せているので東京に居ながらにして全国ウニの旅が出来るのだナ。

酒は新潟の大洋酒造が造る「越の魂」純米吟醸を戴いた。キレがよく爽快な口あたりの辛口で、いずみの大将もお気に入りの酒でアル。

握りは、春を告げる魚シロウオだ。
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純白なシロウオの群れが泳いでいるような握りだネ。むふふ、のふ。こちらは、マカジキだ。あぁ、これも美味し。

さぁ、寿司いずみ恒例の「小肌三本〆」でアル。
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先ずは赤酢で〆た小肌から。云わずもがなの美味さだネ。お次は、白酢で〆た小肌だ。
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そしてトリは、白板昆布で〆た真打ち登場。いずみと云えば小肌三種の食べ比べだが、時には柚子酢になったり、洋酒ジンを用いたジン酢だったりと大将の遊び心が溢れている。だが、何れもが大変に美味いのだから、只々驚くばかりなのだナ。

最後の酒は、「明鏡止水」でお馴染み長野の大澤酒造が造る変わり種「ラヴィ・アン・ローズ」で締めくくった。盃を口に持って行けば、鼻腔をくすぐるマスカットの様な果実香にクラッとし、口に含めばサラリとした軽やかな味に安堵する。そう、少々呑み過ぎたかナ、と思った時の〆に持ってこいの日本酒がコレだ。

新玉ねぎの擦りおろしを載せたカツオのヅケも味に深みがあり美味し。
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花鯛の握りは、歯ごたえも良く甘い。
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本マグロも云うこと無し。
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香ばしく炙った筍の握りも最高に美味かったナァ。

この後、いずみ自慢の煮蛤に煮穴子も握って戴き、最後は大好きな海老のおぼろで終了した。「おぼろ」とは江戸の頃の寿司種の保存法であり、保存用に車海老を漬け込んでいたおぼろを酢飯に見立てて、握りにするのだネ。
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最後は、春を運ぶ桜のお吸い物で締めくくった。

あぁ、この夜も最高に幸せな時間を過ごすことが出来た。我が家では、ハレの日は大いに奮発することにしている。この日は結婚記念日だった訳だが、夫婦二人が幸せな気分に浸り、酒に酔えるなんてちょっと贅沢だが、これからも続けて行けることを願うばかりでアル。

ご馳走さまでした。次回は北海道のウニの季節に来れたら良いナァ。穏やかな気候の春の夜、林試の森公園を抜けて武蔵小山まで歩こう。まだ『丸佐 長平』が開いている時刻だしネ。
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by cafegent | 2015-05-01 15:37 | 食べる | Trackback | Comments(0)
今年は、弘法大師空海が高野山に道場を開いていから1200年目である。

最近、若い女性を中心に日本各地の仏像を巡る旅が流行っており、僕の俳句仲間、イラストレーターで文筆家の田中ひろみさんもコミックエッセイ『真言密教の聖地 高野山へ行こう! (単行本)』を上梓した。
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高野山でも今年は春の大法会に始まり、様々な記念行事もとり行われるそうだ。

この開創1200年を記念して、日本橋高島屋にて「高野山 祈りの美」が催されている。
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守屋多々志画伯の手による襖絵など、これまで高野山に奉納された美術品・工芸品の数々が一堂に集められ、1200年の時空の旅を愉しむことが出来た。その中でも今回注目されるのは現代を代表する日本画家・中島千波氏による全12面の桜の襖絵だ。

この「桜の間障壁画」は中島氏が開創1200年を記念し制作した作品で、今回の展示が終了すると襖に仕立てられて高野山の金剛峯寺奥殿に納められるそうだ。
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明け方の桜を描いたそうだが、左右、正面と三方に咲き誇る満開の桜に一足早い春の息吹を感じた。金箔、銀箔に描かれた幽玄な桜の姿に、1200年の悠久の歴史を旅することが出来た。暫く三面の桜の前に立ち、満開の桜に酔いしれていたが、近くに寄って改めてその絵を眺めてみた。

中島画伯の気の遠くなる様な緻密な桜の花びらの画筆は、本当に驚かされた。高野山に納められると非公開となるため、この機会に是非目に焼き付けて欲しいものだナ。
      ◇            ◇            ◇
閑話休題。

今年もまた新橋の小さな店『すし処まさ』へとお邪魔した。今回の予約をしたのは、2年前だったか3年前だったか、もう定かじゃない!ハテ?でも、万が一、忘れていても必ず一週間程前に店主の優(まさる)さんから電話が入るから助かるのでアル。

今回は、いつも立石でお世話になっているダンディ岩崎さんとホッシーを誘っていたので、先ずは新橋駅前ビルに在る『信州おさけ村』で集合となった。
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此処で余り吞み過ぎてしまうと旨い寿司の味がボヤけてしまうので、僕はビールを戴いた。
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午後8時半、待ちに待った「すし処まさ劇場」の幕開けだ。
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信州おさけ村で仕入れた酒は中山道宿場町の造り酒屋「小野酒造店」が造る純米吟醸「夜明け前 生一本」だ。
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果実の様な仄かな香りが、料理や寿司の邪魔をしないのだナ。

この後はもう他のお客さんも来ないので、優さんとも乾杯!
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この日の刺身は、三宅島のメジマグロと北海道の牡丹海老だ。
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海老のねっとりとした食感と甘みに日本酒もススむススむ。

お次は、のれそれだ。「のれそれ」とは、穴子の稚魚だネ。
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こちらは、愛知県産だそうだが、喉越しを愉しむ一品だナ。

そして、アワビだ。
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これも身肉が柔らかく、山葵を少し載せて口へ運べば、自然と笑みが出てしまう。こりゃ、酒との相性も抜群だ。
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皆で顔を綻ばせながら、酒を酌んでいると恒例の一皿が登場した。
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庭先に咲く一輪の椿の様に盛りつけられたのは、メジマグロでアル。
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横に添えられた小皿には自慢のつけダレが黄金色に輝いている。このタレは粒マスタードを裏漉しして、同量の醤油でなじませて、酢を少量だけ加えて作っていると伺った。
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刺身でも食べられるメジマグロの切り身を熱々の鉄器の上で炙り、マスタード風味ダレを付けて口へ運ぶ。あぁ、至福のひとときだ。

続いて出して戴いたのは、自家製の濃い豆乳で作った豆腐だネ。
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これは、何も付けずにこのまま食べる。大豆本来の旨味と風味を五感で戴く逸品だナ。
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さぁ、ここからは二幕目、握りの始まりだ。

先ずは、本マグロのヅケから。
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むふふ、の旨さに皆大喜びだ。

お次は大分は中津の赤貝だ。
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これは噛む程に貝の旨味が口の中一杯に溢れ出したネ。
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僕は、店主の優さんのこの優しさに満ちあふれた笑顔が大好きなのだ。寿司の味はもちろんのこと、この笑顔に包まれながら過ごすひとときが堪らなく好きなので、何年先でも待ち、通っている訳だ。

この細かい仕事を施してある握りは、天草産の小肌だ。
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おぉ、〆具合も抜群だった。

続いて細魚(サヨリ)の握りだ。
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目にも美しく、食べて旨い。もう最高だナ。
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鹿児島の鯵は、脂の乗りも程よく日本酒と良く合った。
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この蛤(ハマグリ)の握りは、上に塗るツメも蛤の汁を煮詰めて作ってあるので、実に美味い。思わず唸ってしまったヨ。

このウニは根室産だったかナ?忘れてしまったが甘く濃厚な味は記憶している。
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軍艦ではなく握りなので、海苔の香りが無く純粋にウニの味を堪能出来るのだネ。

そして、鉄火巻き。
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赤酢の飯とマグロの朱色が美しいネ。
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最後は、子安で獲れた穴子を白焼きにしてタレで握って貰った。

持ち込んだ酒一升もすっかり空になり、大満足、大満腹だ。
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優さん、毎回本当に美味しいお料理とおもてなしに感謝多謝!ご馳走さまでした。
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次回の予約は2019年、東京オリンピックの前の年だナ。その時もまた、気心知れた酒朋たちと愉しいひとときを過ごしたいものだ。
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by cafegent | 2015-03-13 14:14 | 食べる | Trackback | Comments(1)
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「奇跡のリンゴ」で全国的に知られるようになった青森の無農薬リンゴ栽培の木村秋則さんが作ったリンゴふじを戴いた。
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木村さんが監修をしている雑誌『自然栽培』に僕も旅の紀行文を連載しているご縁で、頂戴した貴重なリンゴだ。
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収穫前の2週間以上続いた異常寒波によりリンゴが凍り収穫できない状況が続いたそうだ。
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木村さん自身、樹の上でこれ程何度も凍りついたリンゴは初めての経験だったそうだ。それゆえに味はバラツキがあるとのことだったが、木村さんが手塩にかけて育てたリンゴなのだから、心してじっくりと味わってみたいのだナ。
    ◇          ◇          ◇
閑話休題。
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天麩羅屋の名店老舗がひしめく茅場町・八丁堀界隈に於いて、革新的な天ぷらに挑み訪れる人達をもてなしてくれるのが、八丁堀2丁目の雑居ビルの中にひっそりと佇む『てんぷら小野』だ。
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二代目のご主人、がっしりとした躯とは対照的に、実に優しい笑顔で客を出迎えてくれるのだナ。
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L字型カウンターは、総てのお客さんをもてなすのに丁度良い大きさだ。この日は早めの時間に訪れたので、店主とゆっくりと会話を愉しみながら、旬の野菜や魚介を味わうことが出来た。

毎年、誕生日には大好きな天ぷらを食べに出掛けることが多い。
『みかわ』、『てん茂』、『近藤』、『山の上ホテル』『よこ田』しかり、でアル。ここ『てんぷら小野』は前々から友人たちに薦められていたのだが、今回初めての訪問となった。

先ずはビールを戴き、喉を潤す。
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その間、主人は黙々と天ぷらの支度に動いている。

先ずは、対馬の鱚(キス)からだ。添えられた塩で戴いた。
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おぉ、ふっくらとした鱚の白身に香ばしい衣が絶妙だったナ。

続いて、沖縄産の車海老だ。
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さいまき程の大きさの海老には、同じく沖縄の紅芋の色素で色付けされた塩で味わった。
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頭も香ばしく揚がり、実に美味い。

ビールの次は白ワインを戴いた。
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奥様がずらりとオススメのワインを出してくれた。大いに悩んだが、サンセールを選んだ。
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アンドレ・ヴァタンが生産するAOC.サンセールのシャルム2013年は、程よい酸味とフルーティな香りで、芽キャベツの天ぷらに実に良く合った。

お次は、二代目店主が自信を持って薦めてくれた三陸沖のホタテ貝の天ぷらだ。
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贅沢な白トリュフを使った塩で戴いたが、芳醇なトリュフの香りが、ホタテの旨味と絶妙に絡み合った。むふふ、な味わいだったナ。

続いては、神経〆をして四日目の墨イカだ。
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しっかりと熟成されたイカはとても甘く、頬が緩む美味さだった。

そして、山形の蕗の薹(とう)の天ぷらだ。
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まだまだ冬が続いているが、暦ではもう春でアル。蕗の薹の苦みに一足早い春の息吹を感じることが出来た。
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主人に薦められて、この蕗の薹にこれから旬を迎えるホタルイカを載せて、一緒に口へと運んだ。ガーンッ!ふきのとうのほろ苦い味わいとホタルイカのワタの旨味が渾然一体となって、僕の脳を刺激した。

聞けば、二代目の志村幸一郎さんは、縁あってこの『天ぷら小野』の娘さんと夫婦になったそうだ。以来、初代の味を活かしながら、革新的な天ぷらを日々探求し、天ぷら激戦区に於いて暖簾を守り続けているのだネ。志村さんのホスピタリティは、天ぷらの味はもちろんのこと、お客への気配り目配りにも冴え渡っている。
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得意の英会話を活かし、海外からのお客様からの人気も絶大だ。この日も馴染みのイタリア人が休暇を取って家族4人で日本旅行をしている途中に、此処を訪れた。

小さなお子さんたちにも天ぷらを好きになって貰いたいとの思いから、揚げ方、衣の付け方、食材と、きめ細やかに対応していたのにも驚かされた。イカの天ぷらもイタリアに行けば「フリット・ディ・カラマリ」と似て非なる食べ物があるからネ。

不器用にも必死で箸を使うイタリア人一家に、自らフォークを差し出さないことも、彼らの努力を尊重した見事なもてなしだったナァ。
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さぁ、天ぷらは群馬のアスパラガス、椎茸と続く。

僕はこの日、この椎茸が一番感動したナ。
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肉厚で濃厚な味と薫りをしっかりと衣で包みじっくりと時間をかけて揚げていた。食材の味や時季によって、衣の厚さ、硬さを変える辺りも心憎いのだナ。この椎茸にはブルゴーニュのピュイ・フュッセ、白ワインがベストマッチ。
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ドライでガツンとくる味に椎茸の旨味が絶妙に絡み合った。

志村さん、仕事の合間を縫って日々、多くの料理人と交流を深め、刺激しあっているそうだ。それは、料理人だけではなく野菜を作る農家の方々も同様だ。足で探し歩いて自分で納得した野菜農家と契約して分けてもらっていると伺った。鶴岡の井上農場の小松菜を使った野菜サラダは本当に旨いと思った。
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この武井ファームの無農薬で育てた蕪の天ぷらも絶品だったナ。
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熊本産の早採りの筍、沖縄のさんぴん人参も甘くて美味い。
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旬の野菜の天ぷらが続いて、春を独り占めした感じだったネ。

お次のワインは、ブシャール・ペール・エ・フィスのピュリニー・モンラッシェだ。割と良いワインだが、誕生日と云うハレの日なので、まぁ良いか。
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遥か遠くのブルゴーニュの葡萄園に思いを馳せながら、天ぷらとのマリアージュを愉しんでいる。
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さぁ、今度は〆てから一週間置いた天然とらふぐの天ぷらだ。
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これにも重めのモンラッシュが合ったナァ。
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完熟の赤胡椒を振り掛けたとらふぐは香ばしくて頬が緩むゆるむ。
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白子の天ぷらには、沖縄産もずくを合わせて食べた。
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菜の花、長野の自然薯(じねんじょ)も素晴らしい味だった。
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ワインはムルソーへ。
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木の実の薫り漂う濃厚なワインの味に合わせたのは穴子と大間のウニだ。
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ウニは、沖縄のあおさを和えて揚げてくれた。あぁ、むふふ、な旨さに脱帽だった。

一通りの食材を戴いたが、小ぶりだけど旨味の詰まった牡蛎が有ると云うので、それも追加で揚げて貰った。
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その間も店主は、イタリア人一家を相手に饒舌な会話で食材の説明などをしていた。ホタルイカを「ピッコリ・カラマーリ!」と云うなんて、ニクいよネ!

〆のご飯は、卵の黄身を天ぷらにした卵ごはんにし、連れは天茶をお願いした。
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卵の天ぷら飯しと云えば、高円寺の大衆天ぷら『天すけ』がお馴染みだが、此処のはその極上版といったところか。
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十二分に満腹となったが、最後の金柑が口の中をさっぱりとしてくれて、良き〆となった。

此処は誰かをもてなす時に最適な一軒だナ。居心地も天ぷらの味もワインの味も、総てが僕の心を捕らえてしまったようだ。こりゃ、ハレの日と云わず、旬毎に訪れてみたくなった。
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ホッコリとしたひととき、実に最高な誕生日の夜であった。

外に出ると雨もすっかりあがり、少しだけ春の香りが漂っていたナ。
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by cafegent | 2015-02-24 16:30 | 食べる | Trackback | Comments(0)
早いもので、今年ももう一ヶ月が過ぎたのだネ。
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今月は「如月(きさらぎ)」でアル。本来、旧暦の2月を如月と呼ぶのだが、今では新暦の2月として用いられている。旧暦の2月はまだまだ寒さ厳しいので、衣服を更に着重ねる時季だから、衣を更に着る月で「衣更着(きさらぎ)」となった説がある。

如月は、耳に響く語感が素敵だよネ。2月は他にも、梅が咲き始める時季だから「梅見月(むめみつき)」とも呼ぶ。

2月3日は節分だ。
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今年もまた早稲田の穴八幡宮にて「一陽来復(いちようらいふく)」のお守りを授かって来た。毎年、冬至から年明けの2月3日の節分までの期間に頂けるお守りだ。
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商売繁盛や開運に御利益が有り、特に「金運」に強いと言われているから、この日も穴八幡宮では長蛇の列が出来ていた。

古いお守りを納めて、今年も無事に新しいお守りを頂くことが出来た。
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「一陽来復」とは、陰の気が去って、陽の気が再びやって来る、良く無いことが続いた後に、ようやく良いことが訪れると云う意味でアル。

毎朝歩く公園ではもう紅梅の花が咲き、そこはかとなく春の薫りが漂い始めていた。
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時折吹く風はまだまだ冷たいが、陽射しはもう春色だ。あと数日で暦も大寒から立春に移るネ。今年も恵方の方角に「一陽来復」のお守りを祀るとしよう。そして明日は運気好天を願ってお不動様へ節分のお詣りに行こうかナ。
     ◇           ◇           ◇
閑話休題。

先日、酒朋ネイリストまゆみちゃんに誘われて美味い肉の宴を催した。
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向うは吉祥寺の名峰『肉山』だ。過去、多くの方々が肉山の頂上を目指し、その美味さと豪快さに圧倒されて下山している。
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この日も完全踏破に向けて昼飯を抜き、万全に体調を整えて肉山に向った。そして午後五時、男女五人のパーティで挑んだのでアル。

此処は一人五千円の「お任せコース」なので、お酒だけを頼めばあとは店主にお任せだ。
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プラス五千円で「飲み放題コース」にもなるのだが、この日は酒より肉を喰らおうと意気込んでいたので、飲み物は個別にしてみた。
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チャンンジャやプチトマトで肉を待つ。
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先ずは生ビールでカンパイだ!

最初に登場したのはエリンギだ。(画像、ブレブレだネ!)
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このままでも十分美味しいが、自家製マスタードを少し付けると更に美味さが増したナ。

そして肉の登場だ。
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先ずは80分かけて焼いたと云う豚ロース肉だ。
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豚肉ってこんなに美味しかったのか、と再認識させられる美味さに一同唸ったネ。

お次は、牛モモ肉の赤身だ。
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これは山葵を付けて戴いたのだが、赤身肉ならではの噛む程に増す旨みに感動した。
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肉が来たので、赤ワインをお願いした。
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此処は肉に合うワインをお任せで選んでくれるので、実にラクチンでアル。
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あぁ、幸せなひとときだネ。
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アスパラガスとパテの登場だ。

このパテも濃厚な味わいでワインがススむススむ。
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聞けば、池尻大橋のフレンチレストラン『OGINO』のパテ・ド・カンパーニュを分けて貰っているそうだ。どうりで、こちらも美味しい筈だ。
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箸休めのキュウリで口をさっぱりとリフレッシュ!
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赤ワインをもう一本追加ッ!

続いて、馬ヒレ肉がドーンッ!と登場。
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どうですか!このボリュームを楽しみたいなら大勢で来た方が良いね。
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みんな馬肉の旨さに驚いていたナァ。

そして、知り合いが仕留めて送って来たと云う鹿肉のローストだ。
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どの肉も凝った味付けはせずにシンプルな塩加減を効かせている。これが、肉本来の味を堪能出来る秘訣なのだネ。冷凍じゃない生の鹿肉ならではのレアな赤身が最高に美味しかった。

さぁ、肉の最後は牛イチボだ。
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これはもう何も語る必要無しだナ。あぁ、完璧に肉山の凄さに圧倒された。無事にこのパーティ全員で頂上に辿り着いた。
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〆の飯は、カレーライスと卵かけご飯だ。
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此処の卵かけご飯は醤油ではない。胡麻油と塩で味付けがしてあるのだが、これがまた旨いのだナ。

たっぷり二時間の肉山登山が終了した。
次回の予約もしっかり取ったし、安心して下山した。店主の光山さん、本当に感動しました!ご馳走さまでした。
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無事に下山した一行は、ハモニカ横丁へと移動。
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『ハモニカキッチン』の屋上階で二次会と相成ったのでアール。
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『肉山』の予約を入れてくれたマユミちゃんに感謝多謝!
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by cafegent | 2015-02-02 15:54 | 食べる | Trackback | Comments(0)