東京だからこそ出会う人や店をつれづれなるままに紹介


by cafegent
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<   2008年 10月 ( 8 )   > この月の画像一覧

もう十月も終わりだね。七十二候では、「霎時施」。 
小雨がしとしとと降る頃と云う訳だ。
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先週末は浅草雷門の「簑笠庵」(さりゅうあん)へお邪魔した。
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暖簾をくぐると知った顔ばかりで驚いた。
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いつも真っ暗な酒場で会う連中なので、明るい店で会うとお互いにチト恥ずかしい気もするネ。
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ひとみ姐さんはすっかりワインでゴキゲン状態。

此処へ来たら絶対に食べたいのがアジフライなのだが、あいにく彼等に先を越されてしまった。売り切れならば仕方無い、とガッカリすると、板場で鯵を捌いてトントン叩いてる。アジフライの代わりにアジのなめろうを作ってくれていたのだ。嬉しいねぇ。

遅い時間にお邪魔したから、お通しも無くなっちゃったからと、美味しいイカの塩辛を出してくれた。
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先ずは塩辛でビールだ。プハッ!

なめろうには日本酒だろうと、お次は湊屋藤助の純米大吟醸を戴いた。
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うん、キリリと冷えて旨い。
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矢張り、なめろうとの相性も抜群だった。

お次は里芋の白煮。
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あっさりと薄味に仕立ててあって上品な味わいだ。酒もススむね。

そして、アボカドと海老のサラダをお願いした。
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酸味が効いてて、美味いのなんの南野陽子、なんちて。サラダと云うよりも美味い酒のアテだナ、こりゃ。スバラシイ味でした。
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酒は芋焼酎の薩摩古秘に切り替えた。

カレイの干物を戴いた。
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カレイは煮付けも好きだが、こうして干物にすると水っぽさが取れて旨味だけが凝縮されるのだネ。

美味いモノが続くともう箸が止まらない。今度は豚の角煮だ。
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トロットロで実に美味い。焼酎に角煮はピッタリだナ。
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お肉の次はあっさりと根三つ葉の辛し和えと小松菜のお浸しを戴いた。
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お浸しにも辛しが合うのだね。むふふ。
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箸休めにサッパリと鳥スープを戴いて、更に酒の杯がススむ。
魚も綺麗に食べなくちゃネ。
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卯の花をアテに古秘が旨い。

兵六のわかめちゃんこと、稲毛のきょうこさんが手土産に「うさぎや」のどらやきを持って来てくれた。
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これ、僕の大好物でアル。池波正太郎も好物だったネ。大好きなモンを戴くと最高に幸せだね。嬉しいね、愉しいね。

翌日は、「簑笠庵」の京子さんと山本さん両名もお休みでアル。
そして、僕らは熱烈なFC東京サポーターと共に味の素スタジアムへ応援に出掛けるのだ。
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このブルーのカップでたらふくビールを呑みながら、90分ジャンプし続けて応援するんでアル。

試合の結果はご存知の通り、強豪鹿島をホームで倒し、日曜の夜の宴は大いに盛り上がった。まぁ、その話はまた今度。

さて、今宵は何処に呑みに行こうかナ。
by cafegent | 2008-10-30 19:47 | 食べる
先週の木曜は東銀座での打ち合せが終わり、ちょうど良い酒の時刻。コピーライターの森一起さん含め、呑ん兵衛野郎たちはタクシーに乗って勝どき橋を真っすぐ渡ったのだった。

目指すは「かねます」。そう、此処は立ち飲みながら、あのスペイン「エルブリ」の天才シェフ、フェラン・アドリアも日本に来たら立ち寄ると云う恐るべき立ち飲み屋なのでアル。長年、此処に通っている森さんと一緒なら至福の一時を味わえることだろう。
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戸を引くともう人で溢れている。それでもズズズいと奥へ進めば後ろのカウンターが空いていた。おぉ、ラッキーと振り返ると目の前にも友人が居た。スーツ姿も板について来たガマン君だ。
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彼は家と会社の中間地点に「かねます」が在るので、週に三日は通っているそうだ。人の事は云えないが、皆さん凄いねぇ。

そう云えば、昔ガールフレンドを連れて「かねます」で呑んで居たら、急な仕事が入ってしまいそのコを森さんに預けて恵比寿まで戻ったコトがあったナ。アノ時はマイったナ。

デザイナーの坂井君は初めての訪問で、期待に胸を躍らせていたが、そんな期待を絶対に裏切らないのが此処のスバラシイところなんだよネ。
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ちょいと時間が遅かったので、名物「生雲丹の牛肉巻き」は終わっていた。うーん、残念。ガマン君が「鱧きゅり」がまだ残っているよ、と教えてくれたので早速それからお願いした。
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そして、ハイボールで乾杯だ。此処のハイボールは下町の焼酎ベースではなく、ウイスキーベースだ。「ホワイトオーク」なる安酒に独自の調合を配した梅エキスが入っているのだ。コレが滅茶苦茶旨くて、どんな料理にも合うのだ。
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呑んだ分だけレモンスライスが増えるので、間違ってもレモンを喰ったりしちゃイカンのだ。
そして、皆ハイボールのお代わりをする時は必ず大将にお願いするのでアル。何故なら息子さんよりも酒を多めに入れてくれるからだ。このタイミングが実に難しいのだナ。
ガマン君、「大将に作ってもらえば、確実に酒一杯分は得するのだ!」と息巻いていた。可笑しいね、愉しいね。

ハモのお次は、牡蠣の土手焼きだ。
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もう牡蠣の時期が来たんだね。大粒の牡蠣はプリップリで、こんがりと焦げた味噌との絡みかたが絶妙だった。残った味噌だけでもスバラシイ酒のアテになるのだナ。此処は立ち飲みなれど、料理の味は天下一品。その辺の割烹料理屋、顔負けなのだ。世界中のシェフたちが興奮してメモを取るのが判る。

そして、〆サバを戴いた。
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酢の〆め具合といい、酒が進む一品だった。

続いて、からすみの登場だ。
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いつも思うが、こんなに分厚くしちゃってイイのかなって程に厚切りのからすみを大根と戴くのだ。

「かねます」初体験の坂井君、しばし興奮気味でアル。気がつきゃグラスの中のレモンが5、6枚になっている。おぉ、そんなに呑んだのか。それじゃぁ、駄目押しにと森さんが「ゆば」をお願いしてくれた。
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生ゆばに百合根などが入り、出汁の効いた餡が掛かっている。美味い。
もう、むふふなのだ。
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たらふく食べて、たらふく呑んだ。これでまた皆元気に仕事が出来るってもんだ。次の日、坂井君は今もまだ口の中にアノ湯葉の味が残っていると興奮して語っていたナ。

渋谷に戻り、「Non」へ。
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そう云えば、此処のヨッさんは勝ちどきに引っ越ししたのだったネ。
「かねます」に顔を出してからでも、「Non」の開店には間に合うね。
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いいなぁ、家の近所に素晴らしい酒場が在るってネ。

と云いながら、良い酒場が在るなら何処へでも行ってしまうワタクシなのでアル。

先週は土曜日に朝から仕事が入っていたので、金曜の晩に「宇ち多”」へお邪魔した。
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時間が遅かったが、まだ煮込みもレバ生も残っていた。
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いつも土曜日に顔を合わせるお馴染みさんと隣同士になり、話が弾むとつい梅割りの杯も増えてしまった。いかん、この後も呑むのだからナ。

程良い酔い心地で電車に乗り込み、一路神保町へ。
「兵六」の暖簾をくぐると、いつもの笑顔と笑い声が僕を温かく迎えてくれた。辛し合えをアテに薩摩無双の白湯割りが胃に滲みる。

此処でもついつい呑み過ぎる。三つ目の無双で締めくくり、ラストの時間が近づいたので手作りの焼き餃子をお願いした。
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コレ、本当に旨いのだ。渋谷「大芽園」が無くなってから、酒と餃子と云えば「亀戸餃子」まで足を運んでいた。あの懐かしい餃子の味を此処で思い出せるとは嬉しいものだ。「大芽園」も店が終わってから、よく大将と二人でワインを飲んだっけナ。

「兵六」を出た後は、そのまま真っすぐ「銀漢亭」だ。最近、このコースが定石になってきたナ。
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シークァーサーサワーを呑みながら、下らないバカ話で盛り上がる。
ホント、どうしようもない爺ぃ達だな、僕ら。
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小腹が空いたから、頼んでみたカレーが結構美味くて驚いた。うーん、また酒がススむのだ。

そして、神保町からどうやって帰ったのか、まるで記憶無し。
ひとみ姐さんは青山一丁目のホームのベンチで寝ていたらしい。
駄目だね、まったく僕らって。またもやトホホな金曜の晩であった。
by cafegent | 2008-10-27 13:02 | 飲み歩き
暫く顔を出していなかった武蔵小山の「牛太郎」へお邪魔した。

仕事帰りだったので、既に席は埋まっており、20分程後ろの待ち合いで待つことに。ここのところ焼酎が続いているので、大瓶ととんちゃんを戴いた。うーん、相変わらず旨いね、これは。
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じっくりと蒸し焼きしたモツにニラやニンニクが入った特製味噌で味を締める。ピリ辛の味が酒のアテに丁度良いのだ。これで110円なのだから、頭が下がる。

トマトにガツ酢を追加してビールの大瓶をお代わりだ。
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小一時間の至福を終えて、武蔵小山を後にした。

都営三田線でそのまま神保町へ。
いつもの出口を出て、「さぼうる」の前を素通りし、「ふらいぱん」、「ミロンガ」を通過して「兵六」の暖簾をくぐる。

此処もまたホッとする居心地の良い酒場なのだ。
気分は「ただいま!」って感じだナ。それじゃ恵比寿の「さいき」か。
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初代亭主の自慢の一品、炒豆腐(ちゃーどうふ)をアテに無双のお湯割がススムのだ。
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わけぎと子持ちイカのぬたでもう一合酒が空く。ふーっ、最高だね。
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途中、コピーライターの森さんとヨッシー登場で益々尻が重くなる。
吉永小百合の話に花が咲き、延々と下らない話で盛り上がったネ。
で、結局ラストまで呑んでしまうのだナ。いかんね、いつも。
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蛸の塩辛をアテに最後の無双をお代わり。

そのまま皆で「銀漢亭」へと大移動。
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シークァーサーサワーを呑みながら、またまた下らない話で大いに盛り上がった。

家に着くと、一体全体何の話で盛り上がったのかさえ忘れてしまった。参ったネ、まったく。

喉が渇いたので、オーガニックワインのスパークリング「クレマン・ド・ブルゴーニュ」の1999年を家で開けた。
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全体にバランスが良くて、ちょいと泡が呑みたいなって時にイイね。
これは、ひとみ姐さんに戴いたのだが、生ハム、チーズにオリーブでクィクィと空いてしまった。

で、次は成城石井で見つけたエールの缶ビールを開けた。イギリスはワージントン醸造所が1744年から作っている歴史あるエール・ビールだ。

僕はエールと云えば、バス・ペールエールが好きなのだが、此処も今はバス社に経営統合されている。そして、そのバス社もアメリカのクアーズ社が経営統合したので、この缶ビールもクアーズ・ジャパンが輸入元になっていた。

ワージントン・クリームフロー・ドラフト・ビター」と随分と長ったらしい名前のビールだが、その味はとても良かった。
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ギネスから苦みを取り除いたような正にクリーミーなビールである。

グラスに注いで暫く経つと実に口当たりの良いビールを味わえるのだ。それにしても、日本って凄いね、便利だね。イギリスのパブに行かなくても、自宅でのんびりとこんなマイナーなビールを呑めるのだからネ。

あぁ、この日も大いに吞んだ。

さて、今週も一回くらいは酒を抜こうかナ、なんて気持ちだけはあるのだが。トホホ、出来ないナ。
by cafegent | 2008-10-23 15:14 | 飲み歩き
いろんな先達の随筆集などをめくっていると言い回しや漢字の当て方に人それぞれに特徴が有り、それがまた判ってくると実に面白い。とりわけ僕の場合は食や酒にまつわる随筆が多いのだが、古い本を読み返してみて愉しい発見をすることがある。
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酒の友矢野君が先日「神田村・兵六亭」と云う本をネットで見つけて読んでいると聞いたので、僕も久しぶりに読み返している。まぁ、また兵六通いをしている事も有り、初代兵六店主平山一郎氏のエッセイを読み直した。
「夕立になってしまった」のしまうの表現を「夕立になって了った」と記している。なるほど、気にしていなかったが、総て「了う」となっていた。僕は気に入った表現が有ると、自分の文章にも用いる事が多い。
「何何してしまう」のしまうは「仕舞う」と当てるのが気に入って暫くの間使っていた。これは、浅草の老舗寿司屋「弁天山美家古」の主人、内田栄一氏の随筆「浅草をにぎる」を読んで以来、ずっと好きで使っていた。そして、最近はまたひらがなに戻して記している。

「浅草をにぎる」はとても面白い随筆だ。浅草で長年寿司を握り続けた主人の思い出話や若い世代への一過言までを四季にわけて綴っている。また、最後に必ず一句詠むのだが、これもまた素晴らしく寿司を握る事もまたクリエィティヴな一面が重要なのだナと感心してしまうのだ。また、その句を引き立てるように毎回中尾彬氏の挿画があるのだ。

      ひと筋に生きて悔いなき秋日中
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多彩な方は凄いネ。装丁は僕の大好きな矢吹伸彦氏が手掛けている。
イラストレーターの矢吹さんが、とても控えめに品良く仕上げており、この随筆は僕のお気に入りの一冊だ。
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週末は朝から立石で友人ビリーと待ち合せをして、「宇ち多”」へ。
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日本橋の老舗鰻屋「清川」で仕事をしている酒仲間植草さんが、利根川の天然うなぎが9匹入荷したよ、と教えてくれた。利根川の天然かぁ、もうほとんどお目に掛かれない代物だね。10月の終わり頃になると「ボッカ鰻」と云う腕くらい太いのが上がるのだよネ。でも、懐具合と相談しなくちゃ喰えないナ。
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この日は梅割り3杯呑んで、定量。
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次の店まで移動だ。
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「ゆう」のカウンターで話に花が咲き、ビリーと二人で浅草まで呑み歩いた。
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「捕鯨船」が開いておらず、近くのカラオケスナックへ。夕方からまた浅草で呑む予定が入っていたが、まだ午後の2時を廻ったところだったので、一度帰宅して一眠り。酒が抜けないまま、また一路浅草へ。

先週開店したばかりの「簑笠庵(さりゅうあん)」へ裏を返しに行く事に。暖簾も完成して良い雰囲気になっていた。
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先客にひとみ姐さんたちだ。この晩も美味しい酒のアテに舌鼓を打ち、ビール、焼酎、日本酒と大いに吞んだ。
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このしめ鯖も美味かった。絶妙な〆具合。
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自家製イカの塩辛もたまらん旨さ。
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そして極めつけはアジフライだったナ。骨まで美味しく揚げてくれ、酒が進んだ。
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この夜も例の如くカウンターで眠ってしまった。さすがに朝から呑み続けだと躯に堪えるなぁ。浅草からどうやって帰ったか未だに記憶なし。トホホ。
by cafegent | 2008-10-20 14:38 | 飲み歩き
昨日は朝から臨海副都心でロケだったのだが、3時から雨の予報が大きく外れ昼過ぎには大雨になってしまった。夜になっても雨が止まなかったが、神保町まで足を伸ばし「兵六」でいつもの酒を呑んだ。そして、いつもの面々と顔を合わせ他愛のない話に花を咲かす。
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昨晩、初めて兵六を訪れたと云う親爺さんは「此処はお客全員が良い笑顔で酒を呑んでますねぇ、他の店じゃ大抵やけ酒や愚痴をこぼしながら酒飲んでいる輩ばかり見ますから。」と云っていた。そうだね、その通りだね。兵六の面々は皆笑って酒を酌み交わしている。此処には先代の心が根付いているのだろうナ。笑顔になれる酒場なんて、若旦那も幸せ者だねぇ。
そして、その方は居酒屋ガイドブックに付箋を沢山付けており、早々に次の店に向けて出掛けて行った。東京の酒場巡りの為に地方から出て来たそうだ。皆さん、凄いパワーだね。

さて、先週末、その「兵六」のお馴染みさん、京子さんと山本さんが浅草は雷門一丁目に居酒屋を開店と云うので、お祝いに駆けつけた。

駅で云えば田原町に程近いのだが浅草から歩いてみた。雷門前は沢山の観光客で賑わっていたが、浅草通りからちょいと路地へ入っただけで随分と静かになるのだナ。

浅草は喫茶アロマで珈琲とオニオントーストを食べ、落語を愉しみ、正直ビアホールで美味い生を飲むのがいつものコースだが、また一つ立ち寄る店が増えたのは嬉しいものだ。

店の名は「簑笠庵」。
「みのかさあん」と読みそうだが、これで「さりゅうあん」と読む。
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鳥が飛ぶ姿も無い山、小径に人の足跡も消え、小舟で簑笠を着けた老人が寒い雪の中一人、川に釣り糸を垂れる。

柳宗元の漢詩「江雪」の「孤舟簑笠翁」(こしゅうさりゅうのおう)から取ったのだが、こう云うセンスが粋で渋いね。さすが二人共兵六常連だけあるなぁ。

少し遅れて行くと、カウンターには兵六仲間の面々が揃っていた。
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兵六の宮崎駿こと中西さんにひとみ姐さん。皆、既に赤ら顔だ。僕らは奥の小上がりに座ることにした。
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先ずは、京子さんとビールで乾杯だ。祝!開店おめでとうございます。
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兵六のジャイアンと勝手に呼んでいるフルさんも良い呑みっぷりだ。
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豚の角煮に卯の花、きんぴらと酒のアテが勢揃い。
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これがまた舌が落ちる程に美味いのだ。
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それにしてもこの御仁は不思議な人だネ。まさか料理がこれほど凄いとは夢にも思わなかった。毎晩、兵六で呑んでいる姿しか知らなかったのだから驚きでアル。
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烏賊と大根の煮物も素晴らしい。
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メデタイ日に相応しい鯛の干物三連発。
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甘鯛、えぼ鯛、れんこ鯛、どれも焼酎にピッタリだ。
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差し入れの蛤串も酒のアテに良い味加減。
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暫くして、カウンターが空いたので移動した。
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キリリと冷えた日本酒を戴いたが、これも美味い。
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熱燗用の鉄瓶にご満悦の笑顔だネ。

大いに吞んで、大いに食べて、すっかりご馳走になってしまった。
近々、裏を返しに来なくては申し訳ない。
此処、「簑笠庵」は今週14日からが正式の開店なので、この日は未だ暖簾が出来上がっていなかった。
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板場に居る姿はすっかり板に付いた親方だね。
味も値段も兵六に負けず劣らずと云っていたので、大いに楽しみだナ。

開店祝いに戴いた手ぬぐいは浅草ふじ屋が染めた物だった。
先日、「ふじ屋 親子三代」展を観たばかりだったから、嬉しい限り。
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これは江戸の頃に流行った「手拭ひ合わせ」の中にある鯨の目の柄だ。「目くじらをたてなさんな」と云う粋な遊び心である。なので、この手ぬぐいは横に飾る訳だ。ホント、全てが粋な計らいだ。

「簑笠庵」、浅草にまたひとつ大人が集える良い酒場が出来た。
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簑笠庵 台東区雷門1-5-9
03-5830-7677
by cafegent | 2008-10-15 17:43 | 飲み歩き
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先日、千葉駅から電車を乗り継いで佐倉まで足を伸ばしてみた。
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週末に渚ようこリサイタルを一緒に観た友人は長年四街道と云う街に住んで居たのだが、佐倉は四街道よりもまだもう少し先だ。成田方面はゴルフをしていた頃は良く来たものだが、最近はトンと縁が無い。

佐倉駅を出ると先ず閑散とした駅前の広場に驚いた。普通、駅前と云えばファーストフード店や大型スーパーマーケット、喫茶店等が軒を揃えているのかと思ったが、余りに何も無いので昼食を取る店さえ見つからなかったのだ。仕方無くコンビニのおにぎりを買い、ベンチで食べた。
30分に1本の送迎バスに乗り、「川村記念美術館」を目指す。
それにしても、美術館までの無料送迎が有るってのは随分と親切だネ。
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バスに揺られ、景色を眺めながら小旅行の気分だ。途中、テレビ通販でお馴染みのQVCの巨大センターの出現に度肝を抜かされたが、それ以外は本当に長閑な田舎の風景が広がっていた。
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約20分程で美術館に到着だ。
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おや、久しぶりにイトトンボを見つけたよ。
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タマスダレの花も咲いている。虫にも植物にも優しい環境なのだナ。
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此処は今から18年程前に出来た美術館で、デザインや印刷関係の方なら知らぬ物が居ない程有名な「DIC」、そう大日本インキが創設した私立美術館なのである。

僕も知らなかったのだが、今年の四月に社名を大日本インキからDIC株式会社に変更していたのだね。川村一族が親子三代にわたり世界中から収集した美術作品を展示しているのだが、マーク・ロスコの作品やフランク・ステラの数々のコレクションは圧巻だ。
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また、30万平方メートルと云う広大な敷地に建てられた美術館はまるでヨーロッパの古城を彷彿させる素晴らしい建物だ。
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緑の小径を抜けると目の前に広がる池。
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白鳥がのんびりと羽根を休めている。
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美術館のエントランス脇にはハウルの動く城よろしく巨大なステラの彫刻が目をひいた。

館内に入るとモネ、ルノワール、マティス、フジタ、レジェ、ピカソ等々、印象派から1920年代以降のエコール・ド・パリの作品群がずらりと展示されていた。
よくこれだけの作品を収集出来たものだ。殆どがサザビー等のオークションで集めたのだろうか。いやはや凄い。

そして、隣の部屋に入り息が止まるのだ。レンブラントの「広つば帽を被った男」が一点展示されているだけの部屋である。じっくりと作品と向き合う事が出来、370年も前に描かれた絵画を間近で観る事が出来るのは幸運だろう。

此処は日本美術の所蔵品も優れている。今、話題の尾形光琳、坂井抱一から横山大観、橋本関雪、長谷川等伯と云った素晴らしい作家を集めているのだ。丁度今観られるのは、鏑木清方、池上秀畝、橋本関雪だったが、橋本関雪の「秋桜老猿」は素晴らしい。
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老猿の何とも云えない表情と右下の枝との構図が凄い。

シュールレアリズムの展示室へ入ると、マックス・エルンスト、ルネ・マグリット、ヴォルス等の作品が並ぶ。

ジョセフ・コーネルだけを展示した部屋も良かった。小さな箱庭的な作品「海ホテル」、「鳩小屋/アメリカーナ」やコラージュの作品は暫く足を止めて観てしまう。
コーネルの部屋を出て、愉しみにしていたマーク・ロスコの展示室に張り紙が。
ガーンッ!、英国テート・ミュージアムでのロスコ展の為に全てを貸し出し中との事だった。今回、マーク・ロスコが一番観たかったので、ちょいとショック。まぁ仕方無い、また観に来よう。
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途中に見える中庭の風景はまるでヨーロッパだね。
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クモも美術鑑賞したいのかな。

二階に上がると「ニューマン・ルーム」だ。此処が圧巻かナ。真っ白な広い部屋にバーネット・ニューマンの赤と白の作品「アンナの光」が唯1点飾られているのだ。正面に横長のソファーシートが有り、そこで暫く眺めると良い。カーテン越しに溢れる薄い光と真っ白な空間。其処へ鮮明な色が広がっているのだ。
うーん、素晴らしい。

二階はジャクソン・ポロック、サム・フランシス、ブリジット・ライリー、フランク・ステラと云った50年代以降のアメリカン・アートのコレクションが展示。
ライリーの「朝の歌」と云う優しい色で構成されたまるでテキスタイルの様な作品に惹かれてしまった。制作された1975年と云う時代らしい絵画だ。

また、時代毎に陳列された巨大なフランク・ステラの立体作品は圧巻だった。カンヴァスからアルミ、スチールへと、1951年から1991年までの時代変遷を垣間みる事が出来てとても興味深く拝見した。

そして、今開催中の「モーリス・ルイス 秘密の色層」展を観た。
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広い会場を埋め尽くす巨大な作品群に先ずは圧倒される。今まで書籍等でしか観た事が無かったが、こんなにデカい作品だったとは驚いた。

ルイスは、カンヴァスの布を広げ立てかけ、薄くのばしたアクリル絵の具を幾層にも塗り重ねる技法で絵を描く。何とも表現しきれない色彩の染物のような抽象画。しかし、グイグイとその絵に惹き付けられて行く自分が其処に居る。ほんの少しだけ顔を覗かせる色鮮やかな色の群。その色数も相当の数だ。
ルイスの創作活動期間は意外に短い。1912年、ワシントンで生まれたルイスは、1950年頃からニューヨークのギャラリーで次第に注目を集める様になるが、62年ガンに冒され49歳と云う若さでこの世を去った。おやおや、僕と同じ歳だネ。

そして、彼が亡くなって間もなく、600点にも及ぶ膨大な未発表作品がアトリエから見つかり、グッゲンハイム美術館で大きな展覧会が催され、全米はもとより世界中に注目される作家となったのだ。その作品の技法は未だに謎に包まれており、研究家たちが何度トライしても上手く描けないらしい。

本展覧会で興味深かかったのは、ルイスが実際に創作活動をしていた自宅の小さなダイニングルームと同サイズの部屋を再現していたことだ。明らかにその部屋よりも作品の方がデカいのだから。益々、謎が深まるばかり。
モーリス・ルイスの作品が今回16点も一同に集められているのはとても凄い事だ。11月30日まで開催しているので、是非多くの方に観て欲しい展覧会だナ。

美術館を出ると廻りは広大な自然散策路になっている。次のバスが来るまでの間、秋の花などを観察しながら、散歩でもしよう。
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写生をしている方々も結構居るのだナ。
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池では睡蓮の花が綺麗に咲いていた。
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葉の上には親子バッタが休んでる。
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こっちの睡蓮は淡いピンク色の花を咲かせていた。
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おや、まぁるい葉の上ではカエルがのんびりと佇んでいた。
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広い芝生の上では小さな指くらいのキノコが沢山生えていた。
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小さな赤ちゃんを連れた親子がのんびりとピクニックを楽しんでいる。良いね、素敵だね。
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紅葉までは未だ早いが、ホトトギスの花が咲いていた。
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キキョウも綺麗な色だナ。
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トンボも長閑に休んでるし、僕も珈琲でも飲みながら一休みしよう。

秋風も心地良く肌に当たり、思い切り深呼吸が出来る。あぁ、とても素敵な休日を過ごせたかな。
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そして、この日観る事の出来なかったマーク・ロスコの作品集を眺めながら酒を一杯やるとしよう。
by cafegent | 2008-10-08 12:28 | ひとりごと
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週末は天気も良く、立石へ向かう電車への足取りも軽かった。
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前日も神保町「兵六」で随分と呑み、酔ったが無双のお湯割りは躯に優しい。
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それに比べて、立石宇ち多”の迎え酒はガツンと強烈なパンチ攻撃だ。
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ひとみ姐さんと「栄寿司」へ移動し、恵比寿の小瓶で胃を休め、シャコ爪にツブ肝の握りを戴いた。
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相変わらず、旨い。

夕方から新宿へ移動し、年末でその幕を閉じる「新宿コマ劇場」へと足を運んだ。と云っても、北島三郎座長公演を観る訳では無い。
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この日は、なんと渚ようこの公演「新宿ゲバゲバリサイタル」が催されたのだ。
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昭和歌謡のエッセンスたっぷりに歌う彼女のライブと云えば、渋谷の「青い部屋」で観たのが最初だった。当時、友人に「渚ゆうこのライブが近くで有るけど行かない?」って誘われたのだが、その時は完璧に、あの「京都慕情」の渚ゆうこの復活かと思っていたのだ。 ベンチャーズは毎年来ていたのに、渚ゆうこはどうしたのだろうか、と思っていたからとても楽しみにしていたのだが、それが全く別人の「渚ようこ」と云う歌手だった時には軽い目眩を覚えたけど、聴き入ってしまった。青い部屋のハコにもとても合っていたと思った。

そして、すぐに彼女の歌う唄が好きになってしまった。横山剣プロデュースのアルバム「YOKO ELEGANCE」は今でも良く聴くアルバムだ。
彼女が新宿ゴールデン街にバー「汀」をオープンしたと云う話は随分と各方面から聞いていたが何故か機会が無く一度もお邪魔した事がない。向かいや隣の店には良く出入りしているのに、だ。

その昔、新宿ゴールデン街の「ジャックの豆の木」にタモリや三上寛などが集っていた頃、僕はあの異様な雰囲気に興味を覚えたものの、足を踏み入れる勇気を持ち合わせていなかった。かろうじて知り合いに連れて行って貰った「呑家しの」は生前の赤塚不二夫さんや田中小実昌さんなどが呑んで居た酒場で、ゴールデン街の中でも可成り古い方だろう。たこ八郎が常連だった「クラクラ」も内藤陳さんが居る「深夜+1」ももう当時から伝説だったナ。

あれから数十年が経ち、ゴールデン街も随分と様変わりして、小洒落たバーが出来たり、女性達に人気の酒場なども多く出来た。先日も「汀」の隣の「フラッパー」から「ソワレ」とハシゴ酒をした。
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午後4時開場だったので、入り口付近で友人たちと待ち合わせをした。高田文夫さんや画家の宇野亜喜良さん等々、新宿らしい面々がコマ劇場の中へと入って行く。
野宮真貴さんにもお会いしたが、ヴィヴィアンと一緒だったので一際目立っていたナ。ってヴィヴィアンが凄かったのだけどネ。
サエキけんぞうさんにもお会いした。サエキさんは先日もエスケンさんの結婚式以来だが、この日もきっと会うだろうと思っていた。良く「青い部屋」のイベントの途中にも会っていたしね。

開演時間が近づき、友人富塚君たちがやって来た。彼等は前日も渋谷でCKBのライブを観ているので、随分とゴキゲンな様子だった。この日もコマ劇場の前から5列目かぶりつきの席を取っている。凄いなぁ。こーゆーのがファンと云うのだナ。

さて、沢山のファンが集ったコマ劇場だが、この日が見納めだろうか。
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赤いベルヴェットの緞帳(どんちょう)幕と円形のステージが昭和な雰囲気だ。コマ劇場は1956年開館だから、僕よりも数年長く世の中を見続けた事になるのか。池袋「人世横丁」も今年で無くなると云うし、昭和ブーム到来の中、本物の昭和の誇りが消えて行くのだ。実に寂しいネ。

幕が上がり、渚ようこのリサイタルが始まった。本人がずっと夢に描いていたと云うコマ劇場での公演は、本人が一番楽しんで唄っている様子が伝わって来た。コマ劇場の舞台らしい演出で、綿密に練られた選曲や舞台進行は本当に愉しいひとときだった。
スペシャルゲストには、新宿を舞台にした映画が多い若松孝二監督が登場したり、三上寛さん、山谷初男さんまでゲストライブを行った。
丁度、二年前の正月にBSで二人のライブを観て、懐かしさが蘇っていたばかりだったので、グッドタイミングなゲストだった。三上さんは「ひらく夢などあるじゃなし」と云う名盤を残しているが、この日は名曲「夢は夜ひらく」と、同郷の寺山修司作詞の唄を披露してくれた。
俳優の山谷初男さんも寺山修司作の唄「ジプシーローズ嬢賛江」を唄ってくれた。格好イイネ、素晴らしいね。二人とも。

そして、なんと内藤陳さんがゲストとして登場したのだ。これは凄い事だ。しかも「内藤陳とトリオ・ザ・パンチ2008」としてお馴染みの西部劇コントを演じ、あの「ハードボイルドだど!」を披露してくれた。
これには満場の拍手が鳴り響いたネ。いやぁ、感動したっ!

第2部での渚ようこの唄は「阿久悠コーナー」へと移り、遺作となった「どうせ天国へ行ったって」他、数々の名曲を唄ってくれたのだが、八代亜紀の「舟歌」を唄った時には背中が震える程の衝撃が走った。彼女の歌声は決して澄んだ透明感では無く、少しシャギーなのだが、それが新宿の街の持つ雰囲気にマッチするのだ。うーん、あの「舟歌」には泣けたナ。

リサイタルも終盤、壇上の下から登場したのは前日「クレイジーケンバンド」のコンサートを終えたばかりの横山剣だ。名曲「かっこいいブーガルー」を生で聴けるとは嬉しい限り。三時間に及んだステージはあっと云う間だった。

新宿コマ劇場の舞台の魅力を存分に使って構成されたステージは、今まで小さな小屋でしか観た事のなかった渚ようこの歌謡曲歌手としての結果のあらわれを見せて戴いたと云う感じだ。本当に楽しく、素晴らしいリサイタルだった。
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森山大道が撮った花園神社での渚ようこも素晴らしかったし、今回の音楽監督を務めた元はちみつぱいの渡辺勝さんのバックも良かった。
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感動の余韻に浸り、新宿コマ劇場に別れを告げて、新宿を後にした。

恵比寿「カドヤ」へ移動し、皆で音楽談義に大いに湧いた夜となった。
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最近、カドヤに「バイス」が有る様になった。恵比寿で、コレが呑めるってのはイイネッ!
そして、朝まで酩酊なのであった。
by cafegent | 2008-10-06 19:39 | ひとりごと
先日、美味いものに目が無い仲間が集まり、至福の宴を催した。
日頃から目黒の寿司屋に集る面々なのだが、それぞれがお薦めする店を次々と廻ろうか、と云う事になったのだ。

第一回目の集まりは目黒の寿司屋で、なんと獣料理の会となった。そして、二回目となる今回は、新橋に在る土佐料理の「土佐 鮮・活・処 そのまんま」で、四万十川で捕れた天然の鰻を食べる会になったのだ。

新橋駅から烏森口を出て、西口通りへと入って行くと沢山の飲食店が賑わっている。サンクスの斜向い、雑居ビルの3階まで階段を上がると其処が「そのまんま」だ。
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呼び鈴を押すと「はい、はーい!」と気さくなお母さんが鍵を開けて中へと招いてくれた。此処は、木下環さんが一人で店を切り盛りしているので、用心の為鍵をかけているそうだ。

土曜日と祝日は普段休みなのだが、大勢の予約が有れば開けてくれる。今宵は8人で貸し切りとなった。囲炉裏の上では炭火がパチパチと音を立てている。

此処は、お母さんが地元高知を隈無く歩き、探した食材を毎日2便空輸便で届けてもらっているのだ。
先ずはビールで乾杯をし、お母さんが何やら料理を運んで来た。
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カツオの身を捌いた後の骨の部分だ。
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骨の間の中落ちをかいて、食べるのだ。うーん、酒のアテに最適だナ。それにしても豪快だ。

続いて登場は、さっきのカツオの身でたたきである。
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たまねぎ、ニンニク、茗荷などがたんまりと乗って美味しい。さすが、本場土佐のカツオのたたきは素晴らしい。
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最初の酒は、「濱乃鶴 純米酒 慎太郎」から。
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そう、酒も当然土佐なのだ。

さぁ、ここで本日の主役、「四万十の天然うなぎ」がやって来た。
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おぉ、でかいのが二本だ。

江戸の昔から片腕ほどもある大きな鰻を「ボッカ」と云う。木杭(ぼっくい)の転化だろうが、このボッカ鰻は夏が終わり、秋になる今頃が一番美味い季節なのだ。南千住の「尾花」は昔からボッカが評判だったのだが、天然が入らなくなって来たこの頃はもうお目にかかれないのだ。

そんな天然の大物が捕れて直ぐに飛行機で運ばれて、こうして我々の目の前に現れるのだから凄い世の中だよネ。
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真っ赤に燃えた備長炭の上、先ずは皮の方から乗せて行く。
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お母さん曰く「しばらくは、辛抱してジッと待つこと!」、一同「はいッ!」と良い子になっているのだ。可笑しいネェ。それでも、一番大人な筈の、そして何度も食べている筈の西沢先生が箸を付けて鰻をひっくり返そうとしてしまうのだ。ほら、云わんこっちゃない。
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お母さんも呆れ顔で見ているよ。皮がパリパリに焼けてくると自然にホロリと網から外れるのだ。これを慌ててひっくり返そうとすると網にくっ付いてしまう。

裏に返し、またじっと待つ。
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イイ感じで焼けてきた。焼いてから蒸らす蒲焼きも美味いが、香ばしく焼いただけの白焼きも良いね。
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塩と山葵を乗せてパクリ。むふふ。
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パリパリの皮の下はふっくらした身が口の中で溶けるのだ。美味いね、シビレるねぇ。これだけ大きいボッカだとこの人数でも二本で十分なのだ。凄いなぁ。
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頭も網に乗せて焼いた。うん、食べごたえ有るね。

酒が高知の純米「船中八策」に移った。
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キリリとして、さすが坂本龍馬だね。そして、お母さんも鍋の用意が出来たみたいだ。
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土佐はちきん地鶏の鳥鍋だ。「はちきん」って高知の方では「土佐の女性」の事だ。此処のお母さんが「はちきん」だね。土佐九斤(とさくきん)の雄と大軍鶏(しゃも)の雌の掛け合わせた「クキンシャモ」と白色プリマスロック鶏を掛け合わせて出来たのが、「はちきん地鶏」なのだ。もう、聞いているだけで、よだれが出てしまうのだよ。ぐふふ。
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鍋が煮える間に鰻の頭が焼けた。
まぁ、お母さんも遠慮せず皆と一献つけましょ。
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と皆で乾杯。
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おぉ、素敵な美女に注いでもらう酒程美味いものはないネ。感無量だ。
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地鶏も適度な歯応えで素晴らしい旨さだ。
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たまらんね。むふふ。

果物を剥いてくれているのは、オーガニックカフェの「カフェエイト」の美女二人。
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青山「AVEDA」ショップの1Fの「PURE CAFE」も彼女たちの店だ。
素敵な上に仕事もバリバリ、凄いねぇ二人とも。
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お母さんの笑顔も可愛いネ。
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果物でさっぱりとした後は地鶏の出汁がたっぷりと出た鍋で雑炊だ。
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酒は純米大吟醸の「福小町」になった。
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イカン、酒がクイクイいけてしまう。尚さん、イイ食べっぷり。
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それにしても、このメンバーは皆底なし沼の様に呑むのだネ。酒が幾らあっても足りない程だヨ。

口直しはお母さん手作りのらっきょうだ。
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これまた、酒が進むから宴は更にエンドレスだ。
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こうやって、宴は続き次第に記憶が飛ぶのだナ。この夜も酩酊。

それにしても本当に素晴らしい料理と温かいもてなしに感激したナ。
次回は、名物「うつぼ鍋」を戴こうか。そして、気っ風の良い女将さんに会いに来よう。
by cafegent | 2008-10-02 18:20 | 食べる