東京だからこそ出会う人や店をつれづれなるままに紹介


by cafegent
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今朝は東京に雪が舞った。

今年はもう降らないナ、と思っていたから何だか心がトキメいた。北海道に生まれた僕は雪を見ると何故だかホっとするのだ。そのくせ、随分前に東京が大雪に見舞われた時は、滑って転んで左腕を骨折した事があったっけ。間抜けだね、まったく。

雪が降ると必ずやりたくなるのが、雪見酒ならぬ雪見そばである。
しんしんと降る雪を眺めながら、鼻水をすすり食べる立ち食いそばの美味いこと。
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前にも一度書いたのだが、雪が降る中での蕎麦は躯がどんどんと温かくなっていくのを実感出来るのだ。それ故、路面に出た立ち食いそば屋でなくては駄目なのでアル。

先日木挽町で入った喫茶店が実に渋い処だった。店も古けりゃ、マスターもおじいちゃん。珈琲の味はとても良い香りがして、美味しかった。
でも、其処で流れていた音楽も凄かった。まるで、昭和にタイムスリップしたかのように森進一の「花と蝶」が聴こえてきたのだ。

‶花が女か男が蝶か 蝶のくちづけうけながら 花が散るとき蝶が死ぬ そんな恋する 女になりたい″ コレだぜ。深いね、川内康範先生は。
「おふくろさん」よりも「花と蝶」の方が好きだナ、僕は。

それにしても、久しぶりにこの歌を聴いて思い出した詩があった。
良寛和尚の詠んだ漢詩「花無心招蝶」だ。

    花無心招蝶 蝶無心尋花
    花開時蝶来 蝶来時花開
    吾亦不知人 人亦不知吾
    不知従帝則

花は無心に蝶を招き、蝶は無心に花を尋ねる
花開く時に蝶来たり、蝶が来る時に花は開く
吾も亦人を知らず、人も亦吾を知らず
知らずとも帝則に従う

簡単に言えば、「花が咲く頃になると合性の良い蝶々が飛んでやってくる。そしてまた、蝶々が飛んで来る頃には花が咲く」と云うことだネ。何事も自然の法則に従って生きて行くのだ、と説いているだろうか。
男女の合性もこの花と蝶々の関係と一緒なのだろう。とすれば、故川内康範先生の「花と蝶」もこの詩からインスパイアされたのかナ。はて?
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さて、僕は可成りの肉好きである。肉付きの良い女性も好きだが矢張り和牛の肉が良い。ぐふふ。

そんな訳で、今月もまた、夜な夜な渋谷のんべい横丁に集う肉大好きな酒仲間たちと恒例になってきた宴「焼肉ジャンボの会」を開催していただいたのだ。

夜8時15分、都営新宿線の篠崎駅前集合と云う微妙な時間の刻み方で呑んベエたちが集った。
「焼肉ジャンボ」は大変へんぴな場所に在る。この辺りは、江戸川の花火大会ぐらいじゃないと来ないエリアである。それでも連日連夜満員御礼なのだから、”日本一旨い焼肉屋”と云っても過言じゃないだろう。一度でも此処で肉を食べた事が有るのならば、毎年、ザガット・サーヴェイで総合1位になるのも頷けるのだ。
それだけジャンボを目指す人々が多いものだから、タクシーの運ちゃんに「ジャンボまで!」と伝えれば、大抵は連れてってくれるのでアル。

ただ、此の晩は日曜の夜って事もあって、タクシーが全然来なかったらしく、僕らの後の連中は乗り合いバスでやって来たそうだ。僕らだけタクってしまい、すまないねぇ。
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先ずは生ビールで乾杯だ。
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この日の宴は、「ただひたすらに旨い肉を喰う!」が目当てなのだが、ジャンボのご主人南原さんが娘の様に可愛がっているアキちゃんと酒場「Non」で働くよっさんが、いよいよ所帯を持つと云う大変メデたい知らせを聞いたので、祝福の宴と相成った。
いやいや、実にめでたい。心からオメデトウ!!

と云うのもつかの間、さぁ肉が運ばれて来た瞬間からアキ嬢は焼肉番長と化するのであった。
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先ずはハツをひと掴みしてロースターの焼き網の上にこすりつける。これで、鉄板に油分が適度に馴染み、最初に焼く肉がこびり付かないって訳だ。さすがだネ。

ハツを食べている間に、上(うわ)ミスジ登場。
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おぉ、のっけからコレですかい。
焼肉番長は皿が来た瞬間、一枚掴み焼かずに食べていた。見事なサシの極上肉は焼かずとも口の中で溶けるのだヨ。そして、僕らは片面4秒焼きで戴いた。ぐふふな味わい。

しかし、よく「痩せの大食い」って云うが、この二人も実によく喰う。
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見よ、このご飯大盛りを。

前回は、ビールにマッコリ、チューハイと呑む量もハンパなかったが、今回は皆が喰い優先って事で、酒の量は少なかったかナ。

今回はロース攻めって事で、次から次とロース系の登場だ。
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そして出て来たのは「しんしん」だ。牛の後ろ足の付け根の肉だそうだが、サシも見事に入っていてこれまた旨い。
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続いて、「肩ロース」と「とも三角」。
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赤身の旨さを再確認出来る極上肉だネ。
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とも三角を熱々ご飯の上に乗せ、ご飯の熱で味わうのだ。むふふ。

そして、「ハラミ」だ。
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ジャンボで今まで食べた事がなかったのだが、このハラミも柔らかくて甘くてスバラシかったネ。

立て続けに今度は「イチボ」の登場だ。
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イチボとはHボーンの事。牛のお尻の上の肉だが、Hの形をした骨がある部位の肉だから、こう呼ばれているのだネ。
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さっと片面炙ってパクリといく。ぐふふ。

芯ロースが食べたかったのだが、生憎の売り切れ。
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で、代わりに出してくれた「サーロイン」がこれまた極上の肉だった。

箸休め代わりにちょっとホルモン系が欲しいとリクエストしたら、「ミノサンド」を出してくれた。
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上ミノの希少部位ならではの脂が乗った極上ミノだ。うひひ、な旨さ。

若者たちは更に肉を追加していたが、僕はもう大満足だった。
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そして、若者に交じって、ここからまたひとみ姐さんがご飯と「シャバ臓炒め」を追加した。しかし、あの小さな躯で、まぁ良く食べること。驚いちゃうネぇ。

最後は親方特製の和牛のミートソーススパゲティだ。
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さすが、元喫茶店を営んでただけあって、スパゲティが最高に美味い。砂糖を一切使わず素材の甘みだけで仕上げたと云うミートソースは皿ごと舐めたいぐらいの美味しさだった。いや、感動!

デザートは別腹ってことで、太っ腹の親方から自家製プリンとババロアを戴いた。
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うーん、この正当派カスタードプリンは美味しいナ。キウイのソースがかかったババロアも焼肉の後にはサッパリとして旨い。あぁ、幸せな肉の宴だった。次回はいつにしようかね、アキ嬢。また、ひとつ宜しくお願いネ。そして、末永くお幸せに!!

そうだ、良寛和尚の「花無心招蝶」を是非、二人に贈ろう。合性の良い花と蝶々のように仲良く暮らして欲しいものだ。
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合性とは「和合」だよ、いざ励め!!よっさんよ。
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by cafegent | 2009-02-27 17:06 | 食べる
週末から来週にかけては「草木萌動」、そうもくめばえいずる。草木が芽吹き始める頃という訳だ。

二月ももうあと残すとこ数日。来週は雛まつりだね。
我が家には亡くなった叔母が集めていた小さな雛人形が沢山ある。
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毎年、何を飾ろうかと悩みながら箱を覗くのもまた愉しいし、その都度叔母のことを思い出せるのが、なによりだ。

フリーの冊子を拾い読みするのが、ちょっとした時間潰しに良い。

新幹線や各航空会社の機内誌、カード会社から送られて来る冊子、地下鉄のフリーペーパー等々、思わぬめっけ物の情報やコラムが多い。
中でも面白いのが、都営バスの中で配布されている『東京時間旅行ミニ荷風!』と地下鉄都営線で配られる『中央口論 Adajio』と云う冊子だ。
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どちらもしっかりと読ませ、東京の小旅行の役に立つ内容が詰まっていて大変愉しい。

さて、夕べ読んだJCBカードの冊子『THE GOLD』の中に、とても素敵な話があったので少し紹介したい。
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函館に住む写真家、野呂希一さんのエッセイ「春のきざし」から。

野呂さんは1970年代から北海道を始め、全国各地の自然の原風景や四季折々の光景などを取材撮影し続けており著書も多数出ているので知っている方も多いだろう。
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少し抜き書きしてご紹介。‟「一番好きな季節はいつですか?」とよく問われます。私が好きなのは、春でもない夏でもない、秋や冬でもない、それぞれの季節の変わり目。とくに晩秋から初冬にかけてや、冬の終わりから春になりかけのころに惹かれます。
「三寒四温」という言葉がありますが、季節の変化は暦をめくるようにははっきりとしたものではなく、行きつ戻りつを繰り返しながら、いつの間にか変わっていきます。その「いつの間にか」は、自然の現象を気をつけて見ているとわかるものです。”
そして、締めくくりに、‟花が咲いたから春なのではなく、もっと繊細で微妙な自然のしぐさを捉えたいと、旅を続けています。”と結んでいた。

目に映る自然の風景を写真に納めながら、長年の旅を通じて覚えた「肌で感じる季節の移ろい」と云うものを感じとり、僕もいつかそんな季節の変わり目に触れてみたいと思った。読んでいて、野呂さんのお人柄が伝わって来る、そんな優しい言葉の紡ぎだったナ。

同じ冊子に長らく連載をしていて、毎回楽しみに読んでいた詩人のねじめ正一さんの食にまつわるエッセイが一冊の本になっていた。『我、食に本気なり』である。
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南伸坊氏のゆるい挿画もまた味があって、各エピソードに花を添えていて愉しい一冊だ。それにしても、三年も続いていたのだネ。

拾い物をもう一つ。
東急沿線で配布している冊子『SALUS』に連載している「名作のツボ」が面白い。活字離れしているイマドキの人たちには、これくらい柔らかくぶっ飛んだ文学紹介じゃないと手に取らないのじゃないか、と思わせる書評だ。

書いている山下敦史氏は、昨年既に「ネタになる名作文学33ー学校では教えない大人の読み方」なる本を執筆している方だ。が、ここでは、毎回取り上げる作品が、ジョン・スタインベックの『ハツカネズミと人間』だったり、志賀直哉の『暗夜行路』だったりと、脈略のないところも面白い。
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神保町の酒場「兵六」の壁に、「花のいのちはみじかくて苦しきことのみ多かりき」とご存知林芙美子の「放浪記」からの一節が描かれた色紙が飾られており、いつも其れを眺めながら酒を呑んでいる。男に捨てられ、苦労を重ねながらも、生き抜いて行く林芙美子自身の日記がベースになった小説なのだが、此の山下さんの手にかかれば、こうである。

‟ま、簡単に(乱暴に)言えば80年前の『ブリジットジョーンズの日記』だ。いや、むしろマンガの『ハッピー・マニア』かな。貧乏で、要領が悪くて、男運がなくて、群れるのは嫌だけど独りはさみしい。夢を諦める歳じゃないけど、現実に溜め息をつく夜もある。そんな女の都市生活漂流記だ。今から見てもかなり男っぽい書き口なんだけど、ココロと直結したコトバが心地いい。カッコいい。というか、まったく古びていないのが驚きだ。”

また、‟ヒロインのダメっぷりに大いに笑わされながら、さてよく考えたら俺はもっとダメだったな、と思い出させてしまうのだ。だからこそ、この本は愛おしい。”とある。いや、まったくその通りなのだヨ。
本て何が面白いって、子供の頃に読んだとき、学生時代に読んだとき、そして再び今読み直してみたとき、と感じ方が違うんだよナ。

で、最後に、‟この本は、都会暮らしに疲れたときに効く勇気の種だ。”と締めくくる。森光子の芝居もいいが、久しぶりに『放浪記』、読み返してみたくなったネ。毎度々々、こう思わせてくれるのだから、この方の「名作のツボ」はスゴいゼ。
by cafegent | 2009-02-24 16:15 | ひとりごと
躯の為を考えて「休肝日」などと云う物を設けたら、その反動が凄い。
よくダイエット中のマダムなんかが、甘い物は週に一度だけにしたの、なんて云いながらその時とばかりにケーキ・バイキングに通っているようなモンなのだ。
休肝日の翌日は、ここん所ずっと5、6軒のハシゴ酒が続いている。
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この土曜日も朝の立石「宇ち多”」からスタートだ。
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この日は、久しぶりに奥の席が全員顔馴染みで集ったのだ。四角い補助椅子まで出してもらって、9人での愉しい昼の宴だった。
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ひとみ姐さんもゴキゲンでアル。

そのまま、立石で2軒ハシゴ。
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浅草へ出て「簑笠庵」で一杯やって、蒲田へ移動。

立ち飲み「かぶら屋」でちょいと時間を潰して、「くま寿司」へ。
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相変わらず、くま寿司は美味しかったが、熱燗を飲み過ぎた。
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そこからどうやって帰ったか全然記憶無し。まったく、トホホである。「休肝日」など止めて、日々適量に変えようかしら。なんちて。

日曜は清々しい陽気となった。前日の深酒を完璧に抜こうと午前中からサウナで汗を出して来た。サウナと冷水を交互にたっぷりと一時間、汗と共に躯中の老廃物も出た感じだし、血行もよくなった気がしたナ。
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雷門で買って来た「ボア・ブローニュ」のレーズンパンで幸せな朝を迎えたのだ。

夕方、東京都美術館にて「生活と芸術 アーツ&クラフツ展」を拝見してきた。
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ここ数年、若者たちの間で「民藝」が流行っているらしい。様々な情報誌などで特集を組んだりしているから、若い子の口から河井寛次郎とか黒田辰秋なんて名前が飛び出たり、芹沢銈介なんかはカリスマ化しているなんて誰かが言っていたっけナ。只、一時のブームで気軽に手に入らなくなってしまうのだけは、困りものだよネ。

僕も昔から嫌いじゃないし、以前駒場東大の裏手に住んで居た頃は、歩いて3、4分で日本民芸館が在ったので、近くの広場でのピクニックの帰りなどに見学していたものだ。また、赤坂の「ざくろ」に行くのも、美味しい料理を愉しみながら、芹沢銈介や棟方志功の作品に触れることが出来るからだ。

で、絶妙なタイミングでの日本開催となったのが、本展覧会だ。
ウィリアム・モリスを中心とした作家が「生活の中の美」を提唱し、それが根付き、ウィーン工房から生まれた数々の工芸品、そして日本での民藝運動まで。

ヴィクトリア&アルバート美術館の企画により英国、米国と巡回し、我が国に来たが、今回特に目を惹かれたのは、昭和のはじめに柳宗悦が中心となって建てられた「三国荘」の室内再現だった。エクレクティシズムとでも言うべきか、西洋と東洋の折衷主義に見いだされた「用の美」がそこに再現されていた。当然、先ほど挙げた作家たちの作品が室内に飾られているのだ。

今から20年以上前、ヴィクトリア&アルバート美術館監修のウィリアム・モリス・コレクションと云うカップ&ソーサーやプレート等の食器シリーズが流行った。あの有名な内装テキスタイル「いちご泥棒」など数柄が商品化され、我が家にも有った。「流行」は繰り返されるが、今また世界中で流行りつつあるって云うのも実に面白いナ。

それにしても、ブームを実感する程に、イマドキの若者たちが多く詰めかけていたナ。

展覧会自体はとても興味深く拝見し、見応えも十分だった。が、会場を一歩出た途端に繰り広げられるミュージアムグッズの凄いこと、々々。
これはもう便乗商売に近いのだ。「何もそこまで作らなくっても」てな感じのTシャツや風呂敷、クリアファイル等々。仕舞いにゃウィリアム・モリスのテキスタイル柄のジャムまであった。「民藝」関係グッズあたりは、布志名(ふじな)焼きの、あのボテっとした陶器類が売られていたが、これなんかは今でも島根の窯がずっと伝統を守りつつ、進化させている工芸品だからまだ良い。ココットに柄のついた片手鍋型の陶器が可愛いかったなぁ。聞けば、卵を焼くパンだそうだった。うーん、買えば良かったか。

展覧会を見終わって、夕方5時。バーナード・リーチの絵皿を観ながら何故か無償にトウモロコシのバター炒めが食べたくなったのだ。きっとマッ黄色のバターコーンを盛るのに丁度良い皿って感じがしたのだろうか。
そんな訳で、上野からJRに乗り目黒の居酒屋「蔵」へと向かった。

「蔵」は目黒に住むオジサンの聖地の様な酒場だ。そして、当然のことながらこの日も夕方からオジサンたちはすっかり出来上がっている。
休みの日のスナックのママさんたちと馴染みのお客さんたちの集いって様子が、此処には似合うのだ。
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瓶ビールにコーン・バターはベスト・マッチだネ。むふふ。
酒をレモンサワーに変えた頃、野方「秋元屋」帰りのひとみ姐さんが合流。
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「蔵」には久しぶりに登場だ。こんな、いたって普通な休日の過ごし方がイイ。
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そして、我が家でホっこりと「兵六呑み」を愉しんだ。
by cafegent | 2009-02-23 19:09 | ひとりごと
外は雨模様だね。
空に陽がささないと、部屋の中は暗くて寒いのだナ。こんな時、改めて太陽の凄さを感じるネ。

今朝、新聞をめくって思わず唸ってしまった。昭和が誇る喜劇人、前田隣さんの訃報だ。2年前の8月、同じく朝日新聞に「浅草の灯よ 六区の芸人」なる特集が組まれ、その中に前田隣さんも登場していた。その年の5月、肝臓の末期ガンが肺に転移して、入退院を繰り返していたのだが、それでも常に舞台に立ちたいと頑張って、幾度も舞台に登場していた。
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浅草の喫茶店「珈琲アロマ」へ行くと、若い奥さんと二人で仲良く珈琲を飲んでいた隣さん。

今の二、三十代の方々はもうご存知ないだろうが、前田隣さんはその昔ナンセンストリオと云うグループを結成して、「親亀の背中っに~子亀をノッセて~!」とか、「赤上げて!白下っげないで、赤下げて!」なんてギャグで一世を風靡したコメディアンだった。トリオを解散してからは、「マイダーリン」の愛称で親しまれ、独特の毒舌漫談でコアなファンを魅了し続けた。

僕が最後に観たのは、2007年の秋頃か。小さなライブハウスで催された奥さんのピアノとの競演だった。70歳を過ぎていると云うのに、その毒舌ぶりは健在だった。昨年はずっと病院生活だったのだろうか、余りお見かけしなくなっていたが、アロマの壁に新聞の切り抜き記事などで近況を垣間みる事が出来ていた。

1月の終わり頃、真夜中に友人のバーテンダーからのメイルで訃報を知った、元テンプターズの大口広司さんも享年58歳と云う若さで亡くなった。酒場でもライブハウスでも何処でも酒に浸り、強烈な個性を放っていたヒロシさんも最後は肝硬変が元で亡くなった。前田隣さんも同様に肝硬変でこの世を去ってしまった。

昨年末、僕も胃と肝臓の調子が悪く、今年になってからエコーやら胃カメラなどの検査をした。今の調子で酒を呑んでいると、間違いなく10年後には肝硬変の仲間入りだネ、と医者に諭された。酒と向き合うって事を今一度真剣に考えないとナ、と感じている。

昭和を代表する喜劇人、前田隣さんと、今はもう少なくなった生粋の不良親爺、大口広司さんのご冥福を慎んでお祈りしたい。

「珈琲アロマ」の店主、藤森さんもアロマの常連仲間、扇橋師匠も今頃きっと肩を落としている事だろう。
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毒舌とは正反対に奥さんと笑いながら珈琲を飲んでいる隣さんの姿が目に浮かんできた。うーん、今朝の珈琲はアロマの味の様な気がしたナ。
「過去の日記から」
by cafegent | 2009-02-20 11:46 | ひとりごと
先日、御成門で打ち合せがあったので、久しぶりに「辻そば」へお邪魔した。

北海道産のそば粉を石臼で挽き、つなぎを入れず丁寧に仕上げてくれる辻さんの打つ生粉打ち蕎麦は本当に素晴らしい。いつも、先ずはそのまま汁につけず、一口食べる。蕎麦の香りを愉しみ、そして一気にズズっと戴くのだ。
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この日は、素揚げした茄子とピーマンが香ばしい「茄子汁そば」を戴いた。温かいつゆに冷たい蕎麦がジャストミートだネ。

前回お邪魔した時、酒を飲み過ぎたのかデジカメを忘れてしまったら、辻さんが自転車に乗って新橋方面まで僕を捜してくれたのだった。あの時は本当に申し訳なかったナぁ。

それにしても、良く僕を探し出せたナと思ったが、次に何処に呑みに立ち寄るかお見通しだってコトだね。参ったネ。
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もう少し春が近づいてきたら、名物「辻がそば」を戴こう。シャキシャキの大根の千切りがそばに絡めてあり、この何とも云えない食感が実に愉しいし、美味しいのだ。

そして、陽も暮れて茅場町へと出掛けた。
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そう、この日は僕の誕生日と云う事で、「天ぷら みかわ」へとお邪魔した。
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8人掛けの小さなカウンターには既に6人の先客が居た。随分と楽しそうにしているナ、と顔を見合わせるとなんと古い友人のご家族だった。いやぁ、十年ぶり位だろうか、元気そうでなによりだネ。ご両親とお嬢さんも一緒だったが、子供の頃からこんな美味しいご馳走を味わっていたら舌も肥えるよね。あぁ、羨ましい限り。

しかし、何処に行っても誰かに会うって云うのも困りものだネ。昨日も信号待ちをしていたら、前のクルマの窓が開いて、友人が手を振って来た。「おや、クルマを買い替えたのネ」、なんて話しているウチに信号が変わってしまった。なんだかネ。

此処「みかわ」は矢張りカウンターで味わうのが良い。早乙女さんが寡黙にただひたすら丁寧に天ぷらを揚げる。その凛とした姿もまた天ぷら以上に素晴らしいのでアル。ご主人の揚げ場の立ち姿に、次々サッと出される揚げたての熱々天ぷらを食べ、酒を呑む。これが三位一体となってスバラシイ宴となるのだ。

中が少しだけレアに揚げた海老の美味い事。此処は絶妙な揚げ具合で出されるので、海老の尻尾は残して良いのだ。その為の殻入れも用意されている。

二尾の海老を楽しんでいると、こんがりと揚げた海老の頭が出て来た。これがまた、実に香ばしい。燗酒がススムねぇ。続いて墨いかだ。甘くて最高。

続いて、白魚を一本づつ揚げてくれた。これが、ふっくらと口の中で溶ける様で甘いのだ。

ご主人に凄い話を伺った。此処に来る度に白魚を好む御婦人が居て、何度も何度もお替わりをお願いし、最後には百数十匹は平らげてしまう、と云う凄い方だそうな。他の方の分が無くなってしまうので、そのお方が来られる時は多く仕入れるのだろうネ、きっと。

白魚も天つゆより塩がイイね。続いて、めごち、アスパラガス、しいたけ、穴子、そして最後にかき揚げ丼だ。

みかわの天ぷらは素材の持ち味を存分に活かして揚げる。余計な水分を取ってから揚げるから旨いのだヨと教えてくれた。早乙女さんは寡黙かと思いきや、喋り出すと結構しゃべるのネ。

それにしても、此処のかき揚げの旨いのなんの。
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小柱ってこんなに美味しかったのか、と思わせてくれたのが「みかわ」だったナ。天茶も美味しいのだが、赤だしの味噌汁がスバラシイのでいつも天丼にしてしまうのだ。

壁にその日に揚げる天ぷらの素材が記されているのだが、これがまた粋なのだ。サツマイモは「丸十」、めごちは「目東風」。菅原道真の和歌に「東風(こち)吹かば思いおこせよ梅の花 あるじなきとて春を忘るな」ってのが有る。そんな当て字を愉しんで書いているなんて、粋だよね。
ハテ、「松葉独活」と云う品が書いてあった。皆が読めず、何だろうと思っていたらアスパラガスの和名がマツバウドなんだそうな。またひとつ「ヘェ」が増えた。

寿司もそうだが、季節を食べるってのは素敵だネ。
あぁ、夏になったら銀宝が食べたいナ。

美味い食事の後は旨い酒だナ。と云う訳で茅場町から神保町へ。

ガラリ扉を開けるといつもの面々がいつもの笑顔で酒を愉しんでいる。
「兵六」は、皆が楽しく呑んでいるってのが良いのだよネ。
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この夜は、壷漬けをアテに無双を一杯。あぁ、幸せだ。

さて、五十歳まであと一年か。毎日、元気に酒と向き合うとするか。
by cafegent | 2009-02-19 18:08 | 食べる
この土曜日は驚く様な暖かさだったね。
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空には飛行機雲。

朝から、立石「宇ち多”」に並んでいたが、着ていたスタジアム・ジャケットも脱がないと汗ばむ程の陽気だった。
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暫くすると、「兵六」仲間の二人がそれぞれ登場し、「宇ち多”」の後は地元の面々とお好み焼き「きく」、居酒屋「ゆう」とハシゴ酒。
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お嬢さんの受験が終わるまで暫く酒を控えていたスーさんが合格の知らせに一安心と久しぶりの酒だったのだ。
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そんな席へお邪魔出来て、嬉しいじゃないか。
これでまた週末も「宇ち多”」で呑めるね、スーさん。

楽しい時はあっと云う間。夕方から仕事だったので、僕だけひと足お先に失礼した。
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そうそう、沼袋のもつ焼き屋「ホルモン」に通っているらしいマッキー牧元さんが、先日野方の「秋元屋」を訪れたそうな。雑誌「食楽」のページをめくっていたら、マッキーさんが都内のポテサラを巡っていたのだ。数々の名店のポテトサラダを紹介していたが、堂々と「秋元屋」のあのポテサラも絶賛していた。嬉しいねぇ。
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先日も毎度お馴染みとなった日曜四時秋元屋と口開けからカウンターで呑んでいたら、何やら外に白いハンチング姿が立って居た。冬場の秋元屋はビニールシートで入り口が覆われているので、よく目をこらさないと判らないのだが間違いなくライターの森一起さんだった。モツ好きの小学生の息子を連れて仲良く外で並んでるではないか。あぁ、あと5分早ければ僕らの隣が二席空いていたのになぁ、残念。

でも、お店の方が気を使って席の入れ替えをしてくれて、そんなに待たずして僕らの対面のカウンターに座れたね。良かった、良かった。
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そして、森さん豆乳割りで、息子はサイダーでもつ焼きだー!
森さんも隔月ペースで「食楽」にコラムを書いているのだが、安くて美味い店を探したいならば、とても重宝する情報だ。

そう云えば、マッキーさんは僕と同じ誕生日、水瓶座だ。あぁ、僕も明日になれば、また一つ歳を取るのだナ。ふぅ。

さて、先週の日曜日まで深川江戸資料館に於いて「豊田コレクション 手ぬぐいでごあいさつ」展が開催されていた。

日本橋堀留町の老舗、戸田屋商店で長年浴衣や手拭い制作に携わった豊田満夫さんが集めた日本手ぬぐいのコレクションの中から企業や商店、芸人などがお祝いやご挨拶の時に配る贈答品としての手拭い300点を厳選して展示していた。
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江戸から続く伝統的な図案からモダン、ハイカラなデザインまで実に豊富な柄に足を止めて魅入ってしまった。
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今でも開店祝いや噺家さんのご挨拶等に手拭いを配られる事が有るが、当時は広告の役割りをしっかりと果たしていたのだナと改めて深く知る機会となった。その手拭いの図案から誰が何の為に作って配ったかなどと想いを巡らすのもまた愉しい展覧会だった。

帰り際、好きな手拭いに名入れをしてくれると云うので、江戸名所「亀戸天満神社」の太鼓橋と藤の花が描かれた一枚を選んでみた。
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色々な文字のシルク版から一つひとつ文字を探し出して手刷りしてくれるのだが、さすが職人の技は凄いねぇ。あっという間に出来上がった。
さぁ、僕だけのマイ手拭いの完成だ。4月から催される藤まつりの頃まで家に飾って楽しむとしよう。
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と云う訳で先日の建国記念日に浅草まで出掛けて日本手拭いを飾る額を買って来た。祭日の浅草は人で溢れていたが、さっと買い物を済ませ人通りの少ない雷門の裏手を歩き「簑笠庵」へと向かった。

この日は1月に七十一歳になったばかりの叔母を連れてお邪魔した。
前日も友達たちと「今半 本店」ですき焼きを食べたそうだが、美味しい酒と肴を味わうのだから二連チャンの浅草も良かろうと誘ってみた。

先ずはビールで乾杯し、お馴染み「トマトと玉葱のサラダ」から。
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これが滅法美味いのでアル。酒に行く前のビールにはピッタリのアテだろうネ。
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薩摩富士の兵六呑みに移り、菜の花からし和えを戴いた。
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さっと湯を通した菜の花の色鮮やかなこと。美しいねぇ。

続いて、炊きたての「お煮しめ」だ。
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里芋に蓮根、人参がほっこりと煮えて良い味が出ている。最後の煮汁まで一滴残らず飲み干した程美味かった。

叔母が金目の煮付けが食べたいと云ったのだが、生憎前日に無くなったとの事だった。山本さんにオススメの魚を伺ったらホウボウが入って来たと云う。
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胸ヒレが大きいホウボウは刺身で食べるのも美味いが、塩焼きが良いと云うので焼いて戴いた。

おぉ、立派な塩焼きの姿になって現れたネ。
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しっかりと身が締まっており、白身の甘みと絶妙な塩加減がスバラシイお味。酒の肴にも最高だし、云う事無しの旨さだった。

日が暮れ出した頃、ガラリと戸が開いた。おや、いつもお世話になりっぱなしの神保町「兵六」の厨房を預かるお二人がそれぞれご夫婦でやって来た。「兵六ガールズ」(と勝手に呼んでいるのだが..)が作る酒の肴は何を戴いても旨い。いや、酒がススむのでアル。

そして、簑笠庵に差し入れで持って来たアサリの串焼きをお裾分けして戴いた。
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これ、戴くの二度目なのだが、本当に旨い。浦安の名物だそうだが、一つひとつ丁寧に貝殻から身を取り、串に刺して焼くのだから大変な手間だろうね。
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魚場の方々に感謝しつつ、盃を一杯またゴクリとやる。むふふ、最高だね。

このアサリの串焼きには日本酒だろう、と今度はキリリと冷えた山廃純米酒「末廣」のお裾分け。
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このお酒、実は年末の酒場放浪記の取材で「兵六」でロケがあった時の吉田類さんからの心付けだそうだ。なのに、「兵六」は三代目主人を始め、皆さん余り酒が強くないってことで、ついつい呑ん兵衛の僕らがご相伴に預かるって寸法だ。嬉しいねぇ、こんな旨い酒を戴いちゃって。

我が叔母ちゃんもビールしか呑まないとか、云っておきながら冷酒もクイクイといってたナ。愉しい晩になってよかった、よかった。70過ぎても元気にこうして酒が吞めるのだから、元気ってのは最高だネ。
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箸休めにぬか漬けを戴き、またも簑笠庵名物「アジフライ」を戴いた。
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これはもう何も言わないから、是非皆さん一度お食べアレ。

〆は山本さんの最近のお気に入りの一皿「鶏ささみの柚子胡椒和え」をのせたお茶漬けだ。
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腹も一杯になったし、程よく酒に酔った。我が家に戻り、一休み。

あれだけ食べたのに甘い物は別腹ってコトで(オマエは女子か?って云われそうだが..)、先日京都から送って頂いた辻和金網の足付き焼き網で正月に突いた餅を焼いてみた。
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ふっくらと焼き上がったらお湯にくぐらせ甘いきな粉にからめるのだ。
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おぉ、我ながら美味しい安倍川餅が出来たかな。

幸せな気分をそのままに亀戸天神社の手拭いを額に飾ってみた。
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うん、いいじゃないの。春を迎える頃までの間、ひと足早い藤の花を愛でるとしよう。あぁ、愉しい。

なんだかごった煮の様な日記になってしまったかナ。まぁ、よいか。
by cafegent | 2009-02-16 18:34 | ひとりごと
小さな旅はとても愉しい。過去に何度も足を運んだ場所もこちらの気分次第で、まるで違う景色となるのだ。地図を片手に歩きながらも、きっと心の旅をしているのだナ。

この日曜日、普段は裸電球の灯りの下でしか顔を合わせない酒場の友たちと午前中から森下駅に集った。神保町の居酒屋「兵六」に集う連中で深川七福神巡りを催したのだ。

隅田川、荏原、柴又、池上、小石川、谷中七福神等々、都内には幾つかの七福神が祀られているが、今回は深川の七福神を廻る事に。森下からスタートし、清澄通り沿いをのんびりと散策しながら、門前仲町の富岡八幡宮までの間を楽しんだ。

前日の夜、深川界隈の地図を眺めながら、どう歩くのカナなどと地図の上を散歩したが、計画通りにならない旅ほど面白いものだ。また、地図を眺めて明日歩く処が何年か前に見た景観とおんなじだろうか、などと想うのももう旅のはじまりなのだナ。

さて、この「兵六 散歩の会」は、俳人、編集者、趣味人、変人(笑)等、本の街、神保町に集う面々だけに皆ウンチクの宝庫であり、途中何度も立ち止まっては地名、所番地、石碑、建物等にまつわる話や歴史に花が咲いた。とは云え、日頃からの強者呑んべえ達の集いでアル。懐に忍ばせた焼酎や日本酒、ワインなどを勝手気ままに呑みながら歩き進むのだから、恐れ入った。

先ずは深川神明宮の寿老人をお詣りした。
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此処には「和合稲荷」と云うのも在った。
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凄いネ、和合だよ。
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続いて、深川稲荷神社の布袋さまをお詣りだ。
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この界隈は相撲部屋も多い。
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尾車部屋や大鵬道場の在る大嶽部屋、北の湖部屋などが近所に密集しているのだ。
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近くの公園じゃパンダもハッケヨイなのだ。
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清澄庭園の前を通り抜け、時代小説の舞台にも良く登場する小名木川沿いへ。
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水辺の散歩道を歩くと、早咲きの桜がもう芽吹いていた。
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深川江戸資料館に到着し、ここらで一服だ。

各人自由に昼食へ。
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我々は値の張る深川めしには目もくれず、赤い暖簾の町中華屋を見つけたので、ビールに餃子で乾杯となった。
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昼間のビールは美味いねぇ。

気持ち良くなって来たところで、午後の散歩のはじまりだ。
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龍光院の毘沙門天、円珠院の大黒天と廻り福禄寿の居る心行寺へ。
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心行寺の梅もキ綺麗に咲いていたナ。
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途中、えんま様を祀っている法乗院をお詣りした。
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ウチダ君は、えんま様に縁結びを願っていたナ。実るとイイネ。

さぁ、残す処あと二つ。
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七福神の紅一点、冬木弁天の弁財天にお詣りし、最後の恵比寿さまの居る富岡八幡宮へと到着。無事に深川七福神を廻ることが出来た。

富岡八幡宮の境内では骨董市が催されており、また足が止まってしまうのだ。
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夕方四時を廻っていたので皆店仕舞いの支度をしていたが、陶器を扱う骨董屋さんで何やら後ろ髪を引かれたのでアル。

大好きなみん平焼きの皿が出ていたので思わず価格交渉へ。黄色の小皿も捨てがたかったが、結局蒼色が美しい四角小皿を一枚購入。
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むふふ、嬉しいナ。

さぁ、健全な七福神巡りの「散歩の会」も無事に終了と云う訳で、皆が待ちわびている酒宴のはじまりなのだ。門前仲町の門前を左に曲がり、まッつぐ進むと左手に赤い提灯が揺れている。
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親爺さんの笑顔に迎えられ4時半口開けの居酒屋「だるま」へと総勢二十名がなだれ込んだ。
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それからの宴は、まぁ、語らずとも皆の想像通りの親爺呑みの宴会と相成った。では、また失礼。
by cafegent | 2009-02-12 18:18 | ひとりごと
今日は実に天気が良いネ。花粉症のボクはすぐに涙目に鼻水だが、それでも晴れた朝はスキなのだな。

さて、ボクは昼間に出る月が好きだ。今日は特に美しかった。雲ひとつ無い青空に真っ白な月が浮かんでる。
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こっちは武蔵野の空の月。
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そして、渋谷の空の月である。
何となく見上げた昼間の青空に月が出ていると嬉しくなるナ。

夕べ、目黒川沿いを歩いていたら大きなヒキガエルが二匹草むらから出て来た。
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冬眠から覚めたのだナ。空腹を満たすために、餌を求めて彷徨っているのだろうか。

この週末はとても天気が良かった。風はまだまだ冷たいが、日向を選んで歩けば、ポカポカと暖かい日差しが顔を温めてくれる。都営浅草線に乗って京成立石までの小さな旅。改札を出て階段を下りるといつもの知った顔に声を掛けられる。先週お邪魔した「ゆう」のママは仕込みの買い物の途中だろうか。
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「宇ち多”」の開店が早まれば、早まるだけママの店の暖簾も早く出さなくちゃならないのだ。頑張ってネ。

10時15分頃に宇ち多”に到着したが、表も裏も既に待ち人の列が出来ていた。新しいお客さんも団体で並んでる。古い馴染み客に交じって、新規の方々が増えてくるのはイイものだネ。また、店の歴史が続くってことだからね。

この日は、11時ちょい前に開いた。おぉ、また早い口開けだナ。口開けの何がイイって、栓を開けたばかりの焼酎が呑めるってことだ。
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タン生をアテにグビリと梅割りに口にやる。胃に滲みる焼酎が、週末の朝の儀式みたいになって来たナ。

毎週のように此処で会う酒場の友が集った。いつもの席にいつもの笑顔が華を咲かせるのだ。
2杯目の梅割りを頼んだ頃に煮込みの「ホネ」がやってきた。豚の顎の部分の肉なのだが、週末が一番柔らかく煮込まれているから最高の味わいなのだ。ぐふふ。

いい心持ちになって来た所で、朋あんちゃんが「友達来てるよ」と教えてくれた。おぉ、真中の席にウチダ君を発見。ちょいと出遅れて口開けに間にあわなかったらしいネ。まぁ、後でどうせ合流するし一人宇ち入りを愉しみたまえ。

で、勘定を済ませた我々は天気も良いし、と四ツ木方面まで散歩がてら二件目へ。
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途中に有る鰹節屋では、デッカい張り紙が出ており、「来週9日、毒蝮三太夫氏が訪問」と書いてあった。
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例の如く、『ババぁ、元気か!』と云われたいのだナ。
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そして、のんびりと歩いて二件目に到着だ。
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「倉井ストアー」はお昼時だったが、空いていた。
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各自缶チューハイを片手に乾杯だ。途中で、ウチダ君が合流し、楽しい宴は続くのだ。
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皆と別れ、帰り道に在る「本田ベーカリー」であんぱんを買い食いだ。
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むふふ、美味いなぁ。しかし、酒も好きで甘いものにも目が無いのだから、気をつけないと矢張り太るよナぁ。
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ウチダ君と二人で、立石仲見世に出来た手打ち蕎麦屋へとお邪魔した。小体の店だが、清潔感が漂い、居心地が良かったナ。
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細切りの蕎麦はそば粉の香りも立ち、ナカナカ美味しかったヨ。今度はゆっくり酒を愉しみ、蕎麦で締めてみようかな。

ウチダ君とは此処でお開きにして、ボクは一度家に戻った。ちょいと昼寝をし、武蔵小山温泉に出掛け、ひと風呂浴びて来た。

源泉かけ流しの濁り湯でたっぷりと汗を出し、さっぱりとしたところでひとみ姐さんからメイル。「牛太郎で呑んでいるヨ」と云う訳で、風呂帰りに「牛太郎」へ。
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相変わらず満席だったが、後ろの待ち合いでビールを戴いた。うーん、風呂上がりのビールは美味いネェ。そして、此処でも知った顔が集ったので、ムサコでハシゴで、ウヒヒ酒。あぁ、可成り酔ったかナ。

程良い酔い心地で家に戻ると小包が届いていた。中を開けると友人が送ってくれた京都の老舗金具屋「辻和」の足付き網焼き台だった。
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ちょうど、オーブンが壊れてしまい朝のトーストを焼くのに一苦労していたから嬉しいタイミングだ。魚を焼くグリルだと両面焼きですぐに焦げてしまうから、これは良い。

さて、明日はこれで厚焼きトーストでも焼いてみるとするか。むふふ。
by cafegent | 2009-02-10 16:33 | 飲み歩き
先日、表参道でトレーニングが終わり、銀座線にて田原町まで足を伸ばしてみた。普段ならば、ジム帰りは渋谷「のんべえ横丁」に繰り出すコースだが、美味い酒の肴を欲してしまったので、悩んだ時の「簑笠庵」へとお邪魔することにした。一瞬、「立ち飲み なるきよ」でも良いナと思ったのだが、行ったばかりだったので雷門へ。

先ずは冷えたビールで喉の渇きを潤し、ホっと一息。最初の肴は山本さんの新メニューから。「鶏ささ身の柚子胡椒和え」は、酒が何杯でもススむ良いアテだ。
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既に京子さんはコレで3杯程呑んでいるご様子(まったくナぁ)。囲炉裏の灯を眺めているとホッとするねぇ。

続いて、「アボカドと海老のグリーンソース和え」を戴いた。
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酒は薩摩富士の兵六呑みだ。これで躯も温まるってもんだ。

牛蒡のぬか漬けが出来たって云うので漬け物を戴いた。
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へぇ、ゴボウも美味いのだネ。漬け物だけで酒がススム。

そして、本日の魚は「いとより」だ。
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今まで、いとよりって煮付けしか食べてなかった気がするが、塩焼きがこんなに美味しいなんて。余すところなくペロリと平らげてしまった。ご馳走さまでした。のんびりと奥座敷で寛いで吞んでいたらすっかり良い時間。
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終電までもう間近だったので、最後の〆の鶏スープを戴いて店を出た。
あぁ、此処はいつ来ても、帰りに必ず幸せな気分を感じさせてくれる店だナ。

それにしても出会いってのは、絶対に偶然じゃなく互いの持つ磁力に引き寄せられるのだと思うネ。
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「簑笠庵」の二人に出会ったのだって、神保町の居酒屋だけど、何となくこの歳になって、出会うべくして出会ったんじゃないかナぁって思っているのだ。まぁ、ボクだけの勝手な想いだけれどネ。


さて、話は変わるが、書道家の柿沼康二と云う人を最近よくテレビで拝見する。先日もNHKで放映された番組「課外授業」に登場していた。
以前、別の番組で観た時も彼は全力疾走で走っていた。その時は自宅でカレーを作るって云うナンダカなな内容だったが、今回は自分の母校である中学校に出向く。

自己紹介の前、最初に彼が「生」と云う一文字を何十枚もの大紙に無心になって書く姿が強烈なインパクトとして僕の頭の中に突き刺さった。

生徒たち皆に「書」にする一文字の言葉を探す小さな自分への探求へと向かわせる。各人と一対一で向き合い、彼等一人一人の自分自身を表現する言葉を探し出させ、2メートルくらいある程の大きな紙に、これまたデッカい筆を持たせ書かせたのだ。高校教師をしていたそうだが、子供たちの心の内をひらかせる「書」と云うものがあるのだナ、と感心してしまった。

初めて観た頃は、金髪頭で見た目もトッポくて、ガンガンにロックを聴きながらエネルギッシュに筆をとる、ちょいとパフォーマンスが大げさかなってな印象を抱いていた。

いつも白いシャツを着て、大きな筆と格闘しているのだが、そこから生まれた言葉は「書」の域を超え、「言霊」となって観た者全てを惹きつけるのだナと思ったのだ。現に僕がそうだからネ。

以前、書道家の横山豊蘭さんに展覧会での作品を依頼した事があり、その頃から色々な書家の書に興味を抱くことになったのだが、若い人たちの活動が凄いなぁと感じるヨ。

彼等もパワー溢れる30代だが、武田双雲と云う書家も同世代で活躍している書家だね。最近だとNHK大河ドラマ「天地人」の題字が彼の作品だネ。
朝日新聞を購読していると毎月1回「暮らしの風」と云う冊子が届く。扉を開けると最初に目に飛び込むのが武田双雲の書なのだ。彼は毎回、「季節のこよみ 七十二候」を書と文章で続けている。これが短文ながらスバラシイのだナ。

皆それぞれに個性ある「書」を書いているが、矢張り今僕が一番興味深く観たいと思うのは柿沼康二の「書」かな。「書」と云う範囲を超えているし、現代アートだよね、コレハ。
「柿沼康二さんの公式サイト」
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by cafegent | 2009-02-05 19:18 | ひとりごと
昨日は節分だった。一年を四つの季節に分けた初めの季節が節分だネ。ひとつ違いの我が兄貴は節分生まれだ。そうか、兄ももう五十歳になったのか。と、携帯に誕生日を祝ってメイルを入れてみたのだが、アドレスが変わっていたらしく送信出来なかった。まぁ、兄弟なんてこんなものか。頼りが無いのは元気な証拠って言うものナ。
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3日の東京は晴天だった。西東京市、五日市街道と千川上水の交わる辺り、もう早咲きの梅が咲いていた。
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季節を目で感じるってのも素敵だね。

今日は立春だ。七十二候では「東風解凍」、東から吹く風が氷を解かす季節。でも、朝からロケだと言うのに曇り空で寒かったなぁ。

夕べ、週刊誌の「アエラ」をめくっていたら、先日久しぶりにお会いした松浦弥太郎さんがデーンと誌面に登場していた。
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古書店の主人から随筆家となり、今や「暮らしの手帖」の編集長となった人だが、彼の生い立ちや経歴を改めて知る事となったが、本人から受ける印象と随分違う人生を歩んで来たのだナぁと驚いた。

今でも僕が「暮らしの手帖」をめくるのは、松浦君の編集後記を読むのを愉しみにしているからだけど、編集者としてのセンスもスバラシイと思った。雑誌なのにずっととって置きたいのって、少ないよね。「銀座百点」と「東京人」、そして「暮らしの手帖」くらいかな、最近は。これからも彼の随筆や編集本は、要チェックしておこう。

さて、僕はレコード屋で知らない盤を見つけた時に手に取るのは、先ずジャケットの図案に惹かれてでアル。そして、概ねハズレた事がない。良いジャケットは中身も良いのだ。要するにアーティストのセンスが良いってコトなのだろうケドね。

このジャケ買いは本も同様だと思っている。古本屋などで知らない作家の本や未だ読んでいなかったモノを見つけた時も大概がこのジャケ買いをすればアタリだ。
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ここに有る「好食一代」も表紙に惹かれ買って、後から狩野近雄と云う作家を好きになったし、「二丁目の角の物語」はジャケ買いしてから表紙のデザインが伊丹十三だと云うことを知ってムフフとなったものだ。
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こっちの串田孫一の「旅の絵本」は表紙のセンスも良いし、中身もスバラシイ。「酒の風俗誌」はタイトルとイラストに惹かれてすぐ手に取った。

池田弥三郎の「枝豆は生意気だ」は何と云ってもこのタイトルがイイ。そして、装幀は戸板康二ときてるのだからハズれっこ無いのだナ。
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深沢七郎の「言わなければよかったのに日記」もそうだ。先ず、タイトルに惹かれ、このヘタウマなタイポのデザインに惹かれたのだ。そして、当然ながら中身も大変面白かった。

そんな本の装幀だが、昨年末に僕が大好きな装幀作家の佐野繁次郎の作品集「佐野繁次郎装幀集成 西村コレクションを中心として」が発売された。この「言わなければよかったのに日記」の装幀デザインが佐野繁次郎の仕事である。
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西村義孝さんと言う収集家が集めた膨大なコレクションを画家で装幀家の林哲夫さんが一冊にまとめたモノだが、僕も見た事のない装幀本が多数納められていた。西村さんは勝手に「佐野本」と命名しているが、イイネ。
きっかけは林さんが、2000年に或る雑誌で佐野繁次郎を特集したのを読んで、惹かれたのが収集の始まりだそうだ。

2000年に佐野繁次郎と云う装幀作家を知り、それから全国各地の古書店を巡り、出会った佐野本を買い集めているそうだが、10年も経たない短期間に良くぞこれだけの収集が出来たと驚くばかりだ。
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佐野繁次郎の作風のひとつでもあるヘタウマ文字は見ただけで強烈に惹かれるインパクトを持っているね。

小説や随筆以外でも、僕の大好きな料理人、「辻留」の辻嘉一の本も多数手掛けている。佐野繁次郎の作品集を眺めていて、久しぶりに書棚から辻留の本を読み直してみた。
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茶会席料理の天才料理人が、日々の食卓に上がる素朴な家庭料理の味をしっかりと丁寧に伝えてくれるのだが、その合間合間に語る話につい頷いてしまうのでアル。
「現代豆腐百珍」を読み返したら、湯豆腐で一杯やりたくなってきた。

さて、古書巡りの帰りに「兵六」の湯豆腐で無双を呑むとするか。
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コレコレ、これですがナ。

そう云えば、先ほど目黒アトレの本屋さんで立ち読みをしていたら「ハニマグ」なる若者向け雑誌の中に、昨日五十歳を迎えた我が兄貴が登場していた。今、読みたい本の特集だったかな、偶然にもこの佐野繁次郎作品集を紹介していたのだ。そして、他にも何冊か紹介していたが僕が好きな本も入っていた。串田孫一の「ひとり旅」や東郷青児の本が出ていたが、兄弟ってこんなトコロでも重なるのだナ。

さぁ、書を捨て酒場に出よう、かナ。
by cafegent | 2009-02-04 19:31 | ひとりごと