東京だからこそ出会う人や店をつれづれなるままに紹介


by cafegent
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<   2009年 07月 ( 10 )   > この月の画像一覧

伊勢の『赤福』餅を戴いた。
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関西へ出張した時など、土産に買うのだが新幹線の車中でペロリと一箱食べてしまうから、常に1箱は余分に買うのだナ。
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賞味期限の改ざん事件から暫くの間食べていなかったが、今では過敏過ぎるくらいの徹底ぶりだ。なんだかなぁ。

ひとみ姐さんの初七日も無事に迎え、沢山の方々が会いに来てくれた。
ひとみさんがこよなく愛していた祐天寺『もつやき ばん』のご主人、潔さんも駆けつけてくれたので、心置きなく旅立てたことだろう。
荼毘に付してから一週間の間、ひとみ姐さんは片っ端から酒場巡りでもしていただろうか。

毎年8月15日奈良では大文字焼きが催される。戦没者慰霊と世界の平和を祈る火の祭りとして開催されるが、この「大文字の送り火」の灯りを頼りに、ご先祖様が冥途へ帰るのだそうだ。「大」の字は宇宙を表し、人間の煩悩と同じ数108の火床から文字を作っているのだ。
昔から、この明りを盃の酒に映し、願い事をしながら呑み干すと願いが叶うとの云われている。今年は、ひとみ姐さんが迷わず冥土へと行けるように願おうか。

大文字送り火を保存するべく、毎年奈良の寺院の住職が揮毫(きごう)した「大」の文字を書いた団扇がある。今年は、東大寺長老の狭川宗玄師、大安寺貫主の河野良文師、西大寺長老の大矢實圓師の揮毫。
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これは、東大寺の長老宗玄師のだが、図太くて気に入っている。

この団扇、奈良の春日大社で扱っているのだが、日本橋の三越前駅に在る「奈良まほろば館」でも手に入るのだ。夏の夜にのんびりとビールでも呑む時なんかに、このデッカい団扇は心地良い風を運んでくれる。
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奈良まほろば館の隣り、和菓子の『日本橋屋長兵衛』で夏の菓子を買って帰る。
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「お江戸縁日 金魚すくい」と名前も愛らしく、寒天ゼリー菓子なので冷やして戴けば口一杯に涼風が吹くのだナ。
        ◇        ◇          ◇
精神科医であり、日本を代表する現代美術コレクター、高橋龍太郎氏。
氏が集めた1000点以上にも上る日本の現代美術コレクションの中から選りすぐりの33名の作品を一堂に集めた展覧会『ネオテニー・ジャパン 高橋コレクション』展が上野の森美術館で開催されていた。しばらく開催しているだろう、とのんびりしていたら15日で閉幕だったので、慌てて上野まで出掛けてきた。
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奈良美智、会田誠、山口晃、等々今や世界中で注目を集める我が国の現代美術界、その勢いが未だなく美術界全体が別の方向を向いていた時期から高橋氏は勢力的に若手作家の作品収集に明け暮れていたそうだ。

中目黒の「ミヅマ・アートギャラリー」の展覧会に行くと、その大半の作品は高橋コレクションに納められていた。
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ミヅマ・アートの1Fの狭い壁一杯に飾られていた会田誠の「大山椒魚」を観たときの衝撃は凄かったが、また久しぶりに拝見する事が出来て良かった。そう云えば前回観たのも此処、上野の森美術館だったなぁ。
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この展覧会では、できやよい、池田学、小林孝亘、佐伯洋江、加藤美佳の作品を観ることが出来たので最終日に来れて良かった。
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ネオテニー・ジャパン展を観た後、若手の作家をもっと観たくなり清澄白河のギャラリービルへと向かった。
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清澄公園は、まるで時が止まったかのような景色が広がっていた。
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「シュウゴアーツ」では、池田光弘『漂う濃度』展が開催されていた。隣の「タカ・イシイギャラリー」では、佐伯洋江展が開催中だった。

佐伯洋江はネオテニー・ジャパン展の他に昨日まで「原美術館」で開催されていた『ウィンター・ガーデン』展にも出品しており、都内三カ所で同時に作品展示とはその人気ぶりが伺えるネ。
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真っ白な紙の上に浮遊する造形は植物とも生物とも何とも奇妙な姿カタチをしており、観る者の心に委ねているかのように見える。先日拝見した増子博子の盆栽画は細い製図ペンによる緻密な線画だったが、佐伯さんの作品はシャープペンシルを用いて描かれている。

僕は写真、現代アート、書画、浮世絵などなど様々なジャンルの作品を眺めるのが好きだが、観て凄いナと思ったり衝撃を受ける作品は展覧会などで拝見するのが一番だと思っている。そして、自分の部屋や毎日眺める場所に飾りたいと思う作品は、矢張り僕が好きかどうか、この家にマッチするか、オフィスに招いた人たちの心に響くか、を考えてコレクションすることにしている。

そんな中、彼女の作品はスコーンと僕の琴線に触れた作品群だったナ。
こんな作品を毎日眺めて暮らしたいものだ。佐伯洋江と云う作家は、これから増々目が離せない女性アーティストの一人でアル。

ネオテニー・ジャパン展会場内の最初に強烈な個性を放っていたアーティスト鴻池朋子の展覧会も始まった。
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『インタートラベラー神話と遊ぶ人』展は、東京オペラシティアートギャラリーで9月27日まで開催中だ。

さて、やっと落ち着いたので、また東京散歩に出掛けるとしようかナ。
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by cafegent | 2009-07-31 17:06 | ひとりごと
夏になるとアーウィン・ショーの短編『夏服を来た女たち』を読み返したくなる。この小説を読みながらイメージするのは、決まってひとみ姐さんだった。
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プライドが高く、人前では常に凛としていたっけ。そんなところが、この小説に登場する夫婦のフランシス婦人と重なった。

それでも、ここ3年くらいは、肩の力を抜いたひとみさんと随分と一緒に呑み歩いたナ。息子の成人を無事に迎えた後は、本当に自分の為に生き、そのご褒美に酒を呑んだ。今から30年前、渋谷の珈琲屋『ZOO』でひとみ姐さんと出会った。あの頃から、彼女は凛として素敵で、僕らのアイドルだったっけ。

7月22日水曜日、国内では46年ぶりと云う皆既日食の日、東京の空は曇り空だった。

朝5時過ぎ、日赤医療センターからの電話で飛び起きて、直ちに病院に駆けつけた。怪我で入院中のひとみ姐さんの様態が悪化して来たとの知らせだった。一人息子の後見人って事もあり、オースティンと僕に真っ先に連絡が入ったのだった。

病室に着くと既にオースティンが居た。朝まで渋谷に居たらしく、直ぐに飛んで来れたらしい。ずっと、ひとみ姐さんの手を握りしめ、意識が戻る様にゲキを飛ばしてた。それから一時間半程が過ぎた頃、どんどんと脈拍も血圧も呼吸機能も低下してきた。それでも、僕らは必死にひとみさんの様態が戻るように必死で応援するしか出来なかった。僕らじゃ頑張れない、ひとみさんに頑張ってもらわないと。

時々、脈拍が戻るとホッとするのだが、また直ぐに低下し出した。
担当医が様子を見に来たのが、午前6時45分。オースティンの手を握ったまま、ひとみさんが永眠した。その時、僕らは誰も先生の言葉を信じられなかった。だって、まだひとみさんの胸のあたりが呼吸していたからだった。しかし、先生から「これは、人工呼吸器が動いているからだよ。」との声に、僕らは全員ひとみさんの死を受け止めなくちゃならなくなった。僕は直ぐに九州に戻ったひとみさんのご両親に電話をし、病院に着てもらうようにした。二日前に戻ったばかりだったのに、なんてこったい。

病気でずっと入院していたならば、有る程度の心構えが出来ていたのだが、前日までピンピンして一緒に元気に呑んで居たのだから、入院の知らせを聞いた時は驚いた。七夕の夜、仕事帰りにいつもの神保町の居酒屋『兵六』にて、ひとみ姐さんと待ち合わせをした。「今、渋谷を出たから待っててね。」のメイルに僕もただ「ほい。」と返す。兵六のカウンターでは、無双のお湯割りを呑みながら、週末に白金『クーリーズ・クリーク』にてライブが有るから、一緒に行こうよ、と誘われた。先日恵比寿の『NOS』でケンさんに来てねってお願いされたらしい。それから、この夏はどうしようか、なんて他愛の無い話を続けていた。
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『簑笠庵』の皆と高尾山のビアガーデンに行く話、ひとみ姐さんが持っているバーベキューセットで我が家でバーベキューをする話、今年は何処の花火大会に行こうか、なんて話。そう、蒲田の鳥の素揚げの店『なか川』が七月末で閉店するってハナシを矢野兄に聞いたので、急いで行かなくちゃネ、なんて話で盛り上がったナ。

『兵六』を出て、近くの『銀漢亭』へと移動。酒朋フルちゃんと一緒にシークァーサーサワーで乾杯だ。映画の話になって、テリー・ギリアム監督の名前が出て来ずに、三人して必死になって考えたっけ。
暫くして、荒木さん、キクさんも合流し銀漢亭の入口付近は随分と賑わった。この酒が、ひとみ姐さんと呑む最後の酒になっちまったナぁ。

翌朝、渋谷警察から連絡を貰った時は信じられなかった。自宅マンションの階段から転んで、頭を強く打ったとの事だった。病院に駆けつけた時はまだ手術中で、午後になって頭に白い包帯を巻いて眠っているひとみさんの顔を見る事が出来た。

それから、2週間昏睡状態が続き、ひとみさんは目を覚まさなかった。
19日から面会が出来るようになり、姐さんの友人たちがお見舞いに訪れてくれた。皆が「ひとみちゃん!早く起きてッ!」って声を掛けると、彼女も「うん、判ってるヨ」って躯を動かしている様子に思えたナ。
きっと、僕らの声は判ってくれてたと信じてる。20日は午後7時になっても空が明るかった。
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東京は晴れたり、雨が降ったりと変な天気だったのだが、30年以上もの仲の友人富塚君が見舞いに来てくれた時、病室の窓の向こうには大きな虹がかかっていた。
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それでも、22日の早朝ひとみさんは亡くなってしまった。顔の腫れも引いて、とっても可愛いいつものひとみさんの顔に戻ってた。こっちは悲しんでばかり居られない。葬儀の手配や火葬場の手配などしなくちゃならない。24日は友引だったので、火葬場が休みなのだ。代々幡斎場はいっぱいだった。桐谷斎場は23日は大丈夫だが、土日はいっぱい。
困ったゾ、このクソ暑い夏にそんなに長く安置出来ないし。

そう云えば、元気な時からひとみ姐さんは言ってたっけ。「もし、万が一の事があったら、あたしは葬式とか一切したくないし、あんたヨロシク頼むわヨ。あと、息子のオースティンの事もお願いネ。」、これが、ひとみさんの願いだった。2年前の9月、ひとみ姐さんの誕生日に皆で食事をした。その時だったかナ、「息子と一緒の写真が無いから、一枚撮っておいてネ」と云うので、二人並んで写したナ。
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これは、確か恵比寿の『ポブイユ』だったかナ。
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背中姿も親子だネ。そっくりだ。

七夕の夜に事故って、皆既日食の朝に昇天するなんて、ホントひとみ姐さんらしいや。斎場の手配で電話を掛けに外に出た。隣でオースティンと『Wokini』のコースケが煙草を吸っていた。曇り空を見上げると、日食が見えた。
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アンパンを一口かじったように太陽が欠けている。晴天だったら、肉眼で見えなかったろうに、三人してハッキリと日食を観ることが出来た。ひとみさんが僕らに残した土産だったんだろうか。

午前中にご両親も病院に到着し、ひとみさんも一安心した事だろう。昼過ぎには円山町の自宅に戻ってきた。真っ白な髪はすっかり短く刈ってしまったが、短髪も可愛かったヨ。自分のベッドに戻り、優しい寝顔になっていた。ベッドの横には壁一面帽子ケースが山積みされていた。
流石、おしゃれな姐さんだっただけに、帽子いっぱいに囲まれて眠ってるのだ。
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これは、まだオリヴィエが東京に居た頃だネ。

この日は、本当に沢山の方々がひとみさんに逢いに来てくれた。皆が顔にキスをして、抱きしめてた。おしゃれとお酒が好きだったひとみさんには、酒で送りださなくちゃ。次から次と酒が無くなった。何度カクヤスに酒を頼んだだろう。

久しくお会いしていなかった友人たちも、電話をしたらスグに駆けつけてくれた。
彼女は本当に人気者だった。どの酒場に行ってもひとみファンクラブが出来ていたしなぁ。
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まだ、祐天寺の『ばん』には報告してない。正確に云えば、辛くて報告に行けないのだ。立石『宇ち多”』と『ゆう』へ。
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宇ち多”の「シロ素焼きお酢掛けて」、これは姐さんの好物だった。
神保町『兵六』、渋谷『Non』、武蔵小山の『牛太郎』には翌日無事に火葬を終え、ひとみ姐さんの骨を拾ったので、報告しに行って来た。
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この兵六の餃子と牛太郎のキュウリも好きだったナ。
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『富士屋本店』には、確か姐さんのボトルが残っていた筈だが、6日に全部呑んじゃったかナ。
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最近は、四つ木『長楽ベーカリー』でパンを買って、此処『丸好酒場』に来るのが大好きだったナ。そして、その後に行く店々にパンのお裾分けをして歩くのが、ひとみ姐さんのスタイルだったっけ。

僕がヘタっちゃどうしようもないので、ひとみさんが亡くなってからは気丈に振る舞うしか無かった。オースティンが何も考えなくて済むようにしなくちゃ駄目だったからネ。『ゆう』のママに話をしたら、ワァって泣きだすし、此処もひとみさんのファンが多く集まる店だった。

立石から電車に乗り、神保町に向かう途中、それまで何でも無かったのに、無性に泪がこぼれ出してきた。大の男が、赤い顔して泣いているなんて、花粉症は参ったナ、なんて顔しながらごまかすのだが、それでも泪が止まらない。もう仕様が無いから、開き直って思い切り泣いてやった。

あれから、3、4日経つがまだ実感が湧かないや。昨日は午後4時野方の『秋元屋』へと向かった。なんだか、此処数日ひとみさんと酒場巡礼をしているみたいだ。カウンター13番席が定席だったひとみ姐さん。
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此処で、ハイボール呑んで、バイスサワーに移るのが常だった。今日もまた、「今宵はいづこへ?」なんてメイルが来そうな気がするナ。
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僕の中で、ひとみさんは生き続けるだろう。だから、彼女の分まで呑んだくれになっちまうネ。

しかし、この日記にひとみ姐さんの呑み姿が出て来なくなっちまうのは寂しいなぁ。よく、下町の酒場で、「ひとみ姐さんですよネェ」なんて声掛けられていたっけ。

夏になると、街に夏服を着た女性が現れる。ノースリーブのワンピースに帽子なんか被っていると、ついコロリとなってしまう。
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渋谷の街辺りを歩きながら、帽子姿で夏服を来た小柄な女性を見かけたら、「ひとみ姐さん」って声を掛けてしまいそうだナ。
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さよなら、なんて言わないヨ。
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by cafegent | 2009-07-27 14:12 | ひとりごと | Comments(9)

日々是雑文雑記

梅雨が明けた途端、目黒川沿いの蝉が一斉に啼き出した。
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全英オープンゴルフでの石川遼クンも凄いが、FC東京の石川直宏も凄い快進撃を続けている。なんと公式戦6試合連続ゴールだと。この勢いを続けてくれれば、今年のFC東京は素晴らしい結果を残しそうだネ。若武者、長友もいるし、我らが塩田も味スタに戻って来たし、嬉しい限り。僕も来週は対サンフレッチェ広島戦を応援しに行くぞ。

そして、絶妙なタイミングでFC東京の応援番長『兵六』の三代目が小平の練習場へ出掛け、石川のサインを貰って来たのだ。
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ノッテる男は格好良いねェ。

梅雨明けを待って新しい靴をおろしてみた。自分の足にピタリと合う靴を探すのは可成りの時間がかかるものだ。靴屋で試し履きをした時には丁度良いと思っても、いざ街に出て履いてみると足に合わず痛くなったりする。そんな事を長年繰り返し、自分の足に合うメーカーを知る。そこがまた愉しいのだナ。エドワード・グリーンやオールデンは、僕の足に全く合わなかった。ARTIOLIは最高の履き心地なのだが、チト高い価格帯ゆえにそう何足も手が出ない。

そんな中で、スペインのYANKOは僕の足に素晴らしくジャストフィットした。ヤンコの靴は昔ワールド・フットウェア・ギャラリーが輸入をしていたが、知らぬ間にヤンコ・ジャパンが出来ており、青山の外苑西通りに直営店舗が出来ていた。
其処はかつて、『ブルドッグ』と云うお好み屋が在った場所だった。そうか、あの店も無くなったのか、と少しショックだったが店主ももう隠居生活に入ったのだろうナ。
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この黒のスェードともう一足ダブルモンクストラップを購入したが、足を包み込む感じがとても気持ち良く、すっかり気に入ってしまった。デザインも履き心地も良いが、何より手頃な価格と云う事が素晴らしい。そして、メンテナンスもしっかりしているので、修理も保護も此処に持ち込めば安心して長く履き続けられるのが嬉しい限りでアル。

今年の夏、僕はすっかりピンクにハマっている。
ピンクのパンツにピンクのソックス、そしてYANKOのスエードを合わせてみた。気分はまるでフレッド・アステアさ。なんちて。
       ◇       ◇       ◇
先日の「日曜美術館」で拝見した画家、犬塚勉展を観に奥多摩『せせらぎの里美術館』まで遠出した。青梅線御岳駅で下車し、渓谷を降りて多摩川沿いの歩道を歩いた。
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川ではカヤックを漕ぐ人々も沢山居た。更に進むとフライフィッシングを楽しむ人たちも大勢いた。
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川岸では釣ったばかりの魚を焼いてバーベキューを楽しんだりしてる。花を観て、虫を見つけ、時々川縁に座って一休み。

ノンビリと一時間近くかけて歩けば、マイナスイオンと森林浴を存分に愉しむことが出来る。
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ヤマユリも咲いていた。
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真っ黄色のメスのシオカラトンボを観ていたら、僕の肩にオスが停まった。見事なエメラルドブルーだがこいつも随分とデカイね。
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写真に納めたいと思ったら、意思が通じたのか、肩から降りてくれた。
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こっちには赤トンボが停まってる。
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短時間にこんなに沢山の虫に出会えるのも自然ならではの楽しみだ。
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したたる汗を拭いながら、ようやく目的の美術館に到着した。
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町立の美術館は、古民家風な佇まいで廻りの緑溢れる景観に溶け込み馴染んでいる。

草木の一本一本まで細かく描かれた大作「梅雨の晴れ間」や長い時間木と向き合ってこそ描ききれたであろう「ブナの森から」等、画家の残した作品を多数観ることが出来た。スーパーリアリズムは、写真以上にリアルに目に飛び込んで来るので、木の壁に掛けられた絵の筈が、観ているうちに開いた窓の向こう側の景色を観ているような錯覚に陥った。
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(コレは僕の壁に貼ったポストカードだ。)
絶筆となった「暗く深き渓谷の入口」の前に立った時は、何か犬塚勉氏が語りかけてくれた様な冷気を感じた。リアルを越えて、自然を描ききる事にようやく到達した矢先、谷川岳で遭難し帰らぬ人となった画家の最後の作品は、強烈な力を放っていた。最後まで自然と向き合って自然を描こうとした画家、犬塚勉。
38歳は、一番精力的に絵を描ける年齢だったろうに、自然の神様はなんて意地悪だったのだろうか。
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美術館を出て、川沿いを歩きながら、川の流れや石、草木などをあらためて眺めてみた。
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犬塚勉が描きたかった自然、そして自然から何を感じ、何を伝えたかったのか、今はもう残された作品から想い描くしかないのだナ。
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青梅から拝島に出て、西武線に乗り換えて野方へ向かった。
相変わらず日曜の夕方は『秋元屋』の煙に燻されるのだ。
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奥多摩の自然で流した汗を冷えたハイボールが癒してくれた。
あぁ、僕は犬塚勉とは真逆な生き方をしているのだナ。まぁ、良いか。

『とらや』の今月の季節水菓子に「若葉陰」が登場した。
透明な琥珀寒天の中、水辺に浮く若葉の陰から金魚が覗く姿が愛らしい菓子だ。
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此処の店にこれが並ぶと夏到来と云う気にさせてくれる。ただ、午前中に行かないと売り切れてしまうのが難点なのだナ。さて、今日は『日本橋屋長兵衛』の夏菓子「金魚すくい」でも買いに出掛けようかナ。
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by cafegent | 2009-07-17 14:31 | ひとりごと
お中元の季節がやって来た。酒と甘い物好きにはたまらないのでアル。
先日、熊本の「いきなり団子」が好きだと云ったら、もっと美味いモノがある、と埼玉の和菓子屋が創る「上里もちもちいも万十」なるお菓子を戴いた。
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中身はいきなり団子と同様に厚く輪切りにした皮付きのサツマイモの上に大豆餡が乗っている。それを、もっちりした上糯粉の餅で包んだお饅頭だ。もちもちの食感が後を引き、ペロリと3つも食べてしまったヨ。参ったナ。深谷市の西間堂本舗が創っているので、是非ひとつ。

先週の金曜は仕事が終わってから、落語を聴きに出掛けた。
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イラストレーターの原田治さんが主宰する築地「パレットクラブ」にて恒例となっている『古今亭菊六落語会』の第9回目だ。
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築地の夕暮れも美しい。冷えたビールで頭を落語モードに切り替えた。
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コレ、近くのコンビニで見つけたのだが、昔のアサヒスタイニーみたいで良いね。ハンディだから、落語とか芝居見物にもってこいだ。

菊六さんは未だ二ツ目の噺家だが、最近名代を襲名した真打ちよりも、はるかに上手いと思っている。この人は、古典落語の正統派と云うべき落語家だと思う。経歴をみると学習院大学の文学部を卒業だそうだ。根がおぼッちゃまなのだろうね、実に品の良い顔立ちをしており、クリクリの坊主頭もとても上品に見えるのだ。
そして、肝心の落語はと云えば、登場人物の描写の使い分けから、台詞の言い回し、表現力がとても良いのでアル。難を云えば、アクが少ないことかナ。強烈な個性で聴く者を惹きつける噺家も好きだが、菊六さんの場合は、立て板に水ってな具合に実にスラスラと言葉が続き、その絶妙な噺にずっと釘付けになってしまうのだ。

今回は、「やかん」と「船徳」の二席を演じてくれた。
「やかん」は浮世根問(うきよねどい)とも呼ばれる古典落語で、しったかぶりのご隠居があれやこれやといい加減な事を繰り返す何ともバカバカしいハナシだネ。こう云う根問いモノは、「酢豆腐」や「転失気」「千早振る」なんてのも有名だ。「やかん」は立川談志師匠が得意としているが、菊六さんのもまた聞きたくなる一席だった。

そして、この日は浅草ほおづき市である。この日に浅草観音様にお詣りすれば、四万六千日お祈りしたのと同じだけの功徳が得られると云われている日なのだ。江戸の庶民たちは、暑い中浅草観音でお詣りし、ほおづきを買って帰るのが夏の風物になっている。この日をネタにしているのが、お馴染み「船徳」だ。

遊び人の若旦那がこともあろうに船頭に挑戦し、四万六千日の一日を台無しにしてしまうハナシだが、菊六さんの醸し出すおぼっちゃま風情がそのまんま若旦那の徳さんにピッタリとハマって最後までずっと笑いが止まらなかった。
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ますます、古今亭菊六から目が離せない。

さて、この夏『宇ち多”』は、30日から8月2日まで4連休だそうだ。
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皆さん間違って1日の土曜に行かないようにネ。
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『宇ち多”』のあとは、武蔵小山『牛太郎』でもう一杯引っ掛けて、また浅草へ舞い戻る。

週末の土曜日、雷門『簑笠庵』に行くとカウンターに人が入る余地が無い程賑わっていた。奥の座敷が空いているってぇのに、皆カウンターに集っていたのだ。椅子も取っ払って立ち飲み酒場と化していたが、実に楽しそうに酒を呑んでいる。

この日は神保町『兵六』のご常連、スポーツ・ノンフィクション作家の高部務さんが鯛を送ってくれていた。さんざん「今度の土曜を楽しみにしてておくれ!」と云っておきながら、本人ゴルフで来れないのだとさ。
まったく、相変わらずマイペースは変わってないね、あの御仁は。

で、僕らは山本さんが腕を振るってくれた鯛飯に兜の煮付け、そして鯛刺しまで戴いたのだった。
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焼いた鯛を米と一緒に炊き上げて、骨を取り除いてくれた。コレ、可成りの手間がかかるのだよネ。まったく、ありがたいこってス。
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兜の煮付けも凄いでしょ。目の廻りがこれまた最高に美味かったネ。

僕より一足早く呑んでいた口福なご夫婦は、可成りの酔い心地だった。
Mooちゃんは毎度ながら元気一杯なのだが、ご主人はベロベロで立ち飲みならぬ、立ち寝状態でアル。
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しかし凄いねぇ、この寝姿。誰にも迷惑をかけず、隅に立ってスヤスヤと寝れるのだから、幸せだよネ。なるほど、矢張り口福な日々を営んでおられるのだナ。
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またまた凄い料理で酒がススんでしまったネ、皆さん。そして、見事な鯛をいろんな味で楽しませてくれた山本さんと京子さんに感謝でアル。それにしても、こんなゴク潰しのような僕らを毎度毎度満腹にしてくれて、こんなに甘えて良いのだろうか。なんて、一応云ってみたりして。と、謙虚な気持ちで今週も呑んだくれる訳でアール。
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ようやく椅子も戻って、皆まったりと座り酒となったのさ。
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さぁ、関東も梅雨が明けたらしいね。夏真っ盛り、早く浴衣が仕上がらないかしら。
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by cafegent | 2009-07-15 14:24 | 飲み歩き
ラジオのニュースによれば、東京も梅雨が明けたそうだ。
いよいよ本格的な夏の到来だネ。

昨日から靖国神社にて『みたままつり』が始まった。
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酒朋キクさんに誘われて、初めて見物に行ったのだが、想像を遥かに越えた壮大な行事にびっくりした。日が暮れても気温が下がらず30度を越えていたが、靖国神社では人の熱気で更に茹だるような暑さだった。
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『みたままつり』は、戦没者の御霊を慰めるための行事であり、関東のお盆であるこの時期に催されている。終戦の2年後から始まった祭りは今年63回目を迎えたそうだ。しかし、こんなに凄いとは知らなかったなぁ。僕は毎年お盆は実家の墓参りしかしなかったので、この時に靖国神社に来たことが無かったのだ。
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普段の静寂とした空気から打って変わり、鳥居をくぐると数万個の提灯の光りに圧倒された。
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大村益次郎の銅像下では盆踊り大会も始まっており、浴衣姿の姐さんたちが団扇片手に踊ってる。待ち合わせをした筈の友人達は、ちゃっかり先に踊りの輪に混じって踊ってた。
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さぁて、みんな揃って、いざ祭りへと。
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沢山の献灯の光が藍色の夜空を幻想的な雰囲気に。

本殿へと続く参道はグルリと提灯で囲まれて、その下では沢山の夜店露天が軒を連ねている。
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僕も久しぶりにカルメ焼きの前で足が止まってしまったヨ。
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暫くすると青森の七夕まつり「ねぶた」も奉納され、祭半纏が威勢良く境内を練り歩いていた。
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二つ目の鳥居の先には見事な仙台七夕の飾りが吊られ、境内を華やかに彩っていた。
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能楽堂では、日本舞踊やダンスなどの奉納芸能が繰り広げられていた。また、参道の両側では各界の著名人による「懸雪洞(かけぼんぼり)」が奉納展示されていた。政治家有り、芸能人有り、力士有りと多数の書画が飾られ、多くの人を魅了していた。
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ちなみにこちらは、森光子さんの書だ。流石、素晴らしいネ。
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皆が見上げているのが、献灯だネ。
参道を埋め尽くす大小3万灯を越える提灯は戦争で亡くなった方のご遺族、戦友、崇敬者等からの奉納だそうで、小泉純一郎などの名前がデッカく墨書きされていた。
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その中で神保町の小さなスーパー富士屋が大量の提灯を奉納していたのには皆驚いた。
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なんせ『兵六』とさほど変わらない程の小さな店だしネ。

ご先祖の御霊を慰めた後は、待ちに待った『蛇女見物』と相成った。
毎年ヘビ女を楽しみにしていると云うチト変わった面々について行き、お化け屋敷と見世物小屋へ。
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新宿花園神社の見世物小屋も来なくなてしまったし、最近では「平塚七夕まつり」くらいでしか観られなかったので、可成りウヒヒな気分で入って来た。

ヘビ女の追っかけをしていると云うY先生によれば、現在活躍中のヘビ女は二人だけになっているそうだ。まぁ、余りご高齢になってしまうとヘビ女じゃなく、ヘビババァになっちまうからなぁ。
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只でさえ暑いのに、見世物小屋の中は4、50人は入っているんじゃなかろうか、熱気ムンムンの酸欠状態に近かった。

最初は小さな奇術師、マメ山田によるマジックが始まっていた。
そして、場内アナウンスに続いてメーンイベント、蛇女の登場だ。

「ヒットエンドラ〜ン!」でお馴染み鳥居みゆき似のコユキ姐さんは、生きたシマヘビを持って現れた。場内の皆に生きた蛇を触らせてくれ、会場は大盛り上がり。そして、コユキ姐さん、クネクネと動き回る蛇をつかんで、おもむろに首元をガブリ。口元から血が滴りながらも、頭を喰いちぎった。更に頭ごと骨を引き出して、残った胴体を逆さに持って歯磨き粉のチューブを絞り出すかの如く、蛇の血を一気に搾り呑む。
ヒクヒクした蛇の胴体をまたガブリと喰いちぎりゴクンと飲み込んだ。場内騒然となる中、ブラボーと拍手喝采でアル。

蛇を喰いちぎった途端、絶妙のタイミングで蛇を会場内に放り投げたもんだから、お客たちが叫ぶ叫ぶ、携帯は落とすでテンヤワンヤの大騒ぎになるが、ご愛嬌である。投げたのはゴム製のヘビちゃんなので、一安心ってな訳だ。

なんとも得体のしれないヘビ女に圧倒されつつ、お次ぎはチベットの野人の登場だ。しかし、コレ本当に芸って呼べるのだろうか、ってな位凄いパフォーマンスだったナ。毛むくじゃらで真っ黒く塗りたくった野人は、何故かキンタマだけが白くこぼれ出ていて、否応無しに其処に目が行ってしまうのだ。

続いて登場した中国孤児の芸は国際問題に発展しないのか、と心配してしまう程だったが、おっぱい丸出しで芸に徹していた女性には言葉を失った。

途中で酸欠気味になり、服はもう汗ダクである。小屋の外に出て、生き返ったヨ。これだけ、楽しめて600円ってのは絶対に安いネ。蛇女で300円、野人のキンタマに100円、中国孤児姐さんのパイオツに200円だナ。うーん、また来よう。

思いっきり汗かいて、思いっきりお下劣な芸に笑い、靖国神社を後にした。途中のコンビニで冷えたビールを調達し、神保町までひと歩き。
毎度の『兵六』へと繰り出したのだった。
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『みたままつり』は木曜まで開催されている。最終日の16日は芝濱睦会による「みこし振り」が奉納される。これも毎年楽しみにしている方が多いそうなので、是非観に来ようかナ。そしてまた、コユキ姐さんを拝むとするか。ウヒヒ。
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by cafegent | 2009-07-14 14:20 | ひとりごと
今日は朝から暑い。仕事場まで歩いていると頭から背中から汗が吹き出してくる。梅雨明けももう間近って雰囲気だね。
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ランタナの花に紋白蝶が停まっていた。
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そのすぐ横では、暑さは勘弁ってな感じで、柴犬がヘバッていたヨ。

束芋、佐伯洋江、木村了子、増子博子、大河原愛と最近の女性美術作家が気になっている。

確かヴァレンタインの日だっただろうか、本郷のトーキョーワンダーサイトにて、初めて増子博子の作品を観た。野間和宏、真坂亮平との三人展で、彼女の展示は「行為の庭」と題されていた。

離れて眺めれば盆栽の絵なのかと思うが、良く見れば細い製図ペンを使って緻密なモティーフが幾つにも重なり、存在の深みを強く表現しており、その細かさに驚いた。また、アメーバの様な何か物体が真っ白なキャンバスからウネウネと生まれているかの様な作品も印象に残った。

その増子博子の個展『盆栽剣伝説』が今月、谷中のGalleryJinにて開催されている。
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盆栽から伸びた剣が不思議な雰囲気を醸し出ていたり、ダイナミックな作品も僕の足を止めた。彼女の作品には緻密に描かれたモティーフを繰り返し重ねてひとつのカタチを形成しているが、どこかしらにユーモアのエッセンスも見受けられ、目に映る以上の空想が広がる。

彼女は1982年生まれで、2004年から個展を開いて来たそうだが、トーキョーワンダーウォール賞を受賞しアート界でも知られるようになった若手作家だ。

「盆栽剣」とは何ぞや、と思うだろうネ。盆栽が剣の様に真っ直ぐに伸びている。
新聞に掲載された告知によれば、「盆栽から伸びる剣には、日常の中にも冒険は潜んでいるというメッセージが込められる」と記されていた。
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真っ白な小さな箱のギャラリーで観る作品は、本郷の広い空間で観た時とはまるで違う印象だった。緻密な盆栽画の世界との距離感がとても近く、彼女の云うところの「日常の中に潜んでいる冒険」にふわっと引き込まれて行く感覚を体験した。

さて、谷中根津の街には、ペン画が似合うのだろうか。
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藍染大通りに住む杉山八郎さんは下町界隈を細かく丁寧なペン画で描き続けているのだ。木造の家屋や路地、手押し井戸など遠い昔の記憶を切り取ったような風景をモノクロームの世界で表現している。藍染大通りを少し入った路地に杉山八郎さんのアトリエ『スギヤマ・アートルーム』が在るので、一度訪れてみてはいかがだろうか。
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絵はがきも沢山有るので、暑中見舞いの葉書にも良いだろうナ。

昨年、NHKハイビジョン放送で『心の東京画の十年』と云う番組を拝見し、その中で杉山さんのペン画を初めて知った。その時は、根津に住み地区会長か何かをしている一般の方だとばかり思っていたのだが、或る時谷中界隈を散歩していて、『スギヤマ・アートルーム』の幟を発見して、本職の画家だと云う事を知ったのだった。

杉山さんのペン画は、増子博子の作品とはまるで対照的だが、ペンが生み出す細い線が遠い日の記憶を紡いでいる様に、観る者の心に深く残ると云う点では一緒かもしれない。
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強い日射しの向こう側では、陽炎がゆらゆらと揺らいでいるようだ。
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藍染大通りの名物猫ちゃんは、いつもの場所で日がな一日のんびりと寝ており、往来の人々の足を止めていた。
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夏の午後の谷中根津界隈は、まるで白昼夢の中を彷徨っているみたいになってしまったナ。

根津駅に近い路地裏を歩いていたら、「番犬注意」の札が出ていたのだが、本人全くその気が無く、のーんびりと高いびきで寝ていたヨ。
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まぁ、この辺りに番犬など必要ないかもしれないネ。
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八月九日は、またこの辺りに来る。谷中全生庵にて、毎年恒例の落語協会『圓朝まつり』が催されるからだ。圓朝師匠の墓詣りをして、幽霊画で涼をとるのが愉しみなのだ。
新しい浴衣も仕立て上がるし、贔屓の師匠に沢山会えると良いのだナ。

増子博子展覧会「盆栽剣伝説」は、谷中Gallery Jinにて7月25日(土)まで開催中。
詳しくはギャラリーのHPへ。
「Gallery Jinのサイト」

お中元の季節がやってきた。大抵はビールが多いのだが、僕が大の甘いもの好きと知っている方は時々菓子を贈ってくれる。そして、昨日はデッカい箱がクール便で届いた。開けてみると近江八幡の老舗和菓子屋『たねや』の洋菓子部門『クラブハリエ』のバームクーヘンだった。
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どうすか、コレ。それにしてもデッカいねぇ。
縦にカットしてもまだ分厚いので、横にも切らなくちゃナ。
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何だか当分の間バームクーヘンが続きそうなボリュームだナ。
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by cafegent | 2009-07-13 15:34 | ひとりごと
大好きな桃の季節がやって来た。毎年、岡山の清水白桃「赤秀」や福島伊達の糖蜜などを送ってもらうのが楽しみでアル。
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こちらは、山梨の白鳳だ。
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果汁がとても甘く皿に残った汁まで全部飲んでしまうのだナ。

酒の友が集う神保町の『兵六』に、ほぼ連日口開け間近に通う丸口屋舌波(ゼッパ)兄は、江戸の文化風俗に詳しく、落語にも精通している。その辺りの話を聞けば、大抵の事は答えてくれて、こ奴いったい幾つやらと思ってしまうのだが、実はとても若いので驚くばかりでアル。

先日も薩摩無双を呑みながら、いつもの連中と他愛のない馬鹿話に高じていた。
夏になると僕は落語の「船徳」が聴きたくなる。「四万六千日、お暑い盛りでございます。」ってのを聞かないと夏が来た気がしないからだ。で、この噺を十八番(オハコ)にしていると云えば、八代目桂文楽師匠だネ。先日もそんな話を書いたっけ。

するってぇと、彼が趣味で製作している文楽師匠のフィギュアが有ると云うじゃないか。フィギュアとは、そう人形だネ、それも彼の大好きな噺家がモティーフとの事で、日々コツコツと創っているそうだ。

そして、此の場に持って来ているとの事だった。

この八代目桂文楽師匠もイイねぇ。
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他にも、三代目三遊亭金馬師匠、五代目柳家小さん師匠、等々沢山のフィギュアを見せて頂いたのだ。
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いや、それにしても素晴らしい出来だ。聞けば、近々墨田区の小さな趣味の図書館『眺花亭』にて作品展を開く予定だとか。

これは、もう立派な芸術だネ。早く沢山の方々にも観て頂きたいので、展覧会が待ち通しばかりでアル。

ニューヨークのブロードウェイに行くと、歴代のミュージカルスターたちの似顔絵、カリカチュアを壁に飾るレストランが沢山在る。中でも『サーディーズ』が有名かな。どれも、顔や姿の特徴をデフォルメして表現しており、本物以上に個性豊かに描かれている。舌波兄のフィギュアも正にそれに通じているのだが、立体作品で表現するのは可成り難しいんじゃなかろうか。

そう云えば、NYタイムズで活躍した似顔絵師のアル・ハーシュフェルドが6年前に他界していた。役者のカリカチュアと云えば、この人の右に出る者は居ないと云う程の画家だった。
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このマルクス兄弟もサミー・デイビスJrも上手く特徴捉えてるよね。

舌波兄から噺家のフィギュアを見せて頂いた数日後、今度は『兵六』に集う常連たちを描いたイラスト画を拝見した。そして驚いた事に、ハーシュフェルドも真っ青ってなくらいにデフォルメ化された見事な似顔絵画だったのだ。こりゃ、もう立派なプロフェッショナルの領域であろうか。絵とフィギュアの両方を見てしまったのだから、どちらも是非展覧会で発表して欲しい。神保町は出版社の街なのだから、アート情報に敏感な方々は、この丸口屋舌波(ゼッパ)兄を要チェックしなくてはイカンな。青田買いイチオシの作家になると思うナ。

       ◇      ◇      ◇
日本の大道芸のひとつに『物売り口上』と云うのがある。関東では、渥美清演じるフーテンの寅こと車寅次郎の威勢のいい口上がお馴染みかもしれない。

「結構毛だらけ猫灰だらけ、ケツの廻りはクソだらけ!」「大したもんだよ、カエルのしょんべん。見上げたもんだ、屋根屋のふんどし。」「四角四面は豆腐屋の娘、色は白いが水臭い、粋なネェちゃん立ちションベン、ときたもんだ。信州信濃の新蕎麦よりも、あたしゃあなたのソバがいい。どうだっ、おい、買え!おーし、マケちゃおう!」なんてのが、寅さんお得意の口八丁手八丁での叩き売り。我が、酒仲間のアラちゃんは、コレをスラリと云ってしまうから凄い。

最近でこそすっかり見かけなくなったが、僕が小学生の頃はまだ清正公さまの縁日などで見ることが出来た。役所広司初監督作品の映画『がまの油』にもがまの油売りのが登場し、口上を聴く事ができる。「さぁ、お立ち会い!御用とお急ぎじゃ無い方はゆっくりと聞いておいでッ!」ってな具合で、今でも覚えているもんだ。
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浅草『木馬亭』にて、現役最後の物売り口上香具師(やし)『啖呵売(タンカバイ)』の北園忠治さんのバナナの競り売りを拝見した。

この朝日新聞の記事で、浅草に来るって事を知ったのだ。
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北園さんは御歳82歳、奥さんと二人で今も現役のバナナ売りである。

『啖呵売』とは、祭の露天などで、テンポの良い口調に乗せて商品を紹介し、値段を変えたりしながら、客の気を惹いて売って行く商法のことでアル。今回の『物売り口上(タンカバイ)の魂』では、このタンカバイをひとつの芸として演じ、後世に残して来た「大道芸の第一人者」坂野比呂志の没後20年記念としての追悼公演だった。
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今回「がまの油売り」「七味唐辛子売り」などの昔懐かしいタンカバイ芸を坂野師譲りの弟子たち「浅草雑芸団」の手によって披露された。そして、特別ゲストとして、九州は佐賀を中心に全国を渡り歩いた「香具師」北園忠治さんを招き、独特の節回しに乗せて売る「バナちゃん節」を間近で観ることが出来たのだ。関東の「叩き売り」とはちょいと違い、歌に乗せてバナナを一つづつ売りさばく。今回はステージ上のデモンストレーションだったが、実際には6時間から、長い時で10時間ぶっつづけでバナナを売り、一日3トンもの量を売ったそうだ。これって数十秒に1房を売る事になるのだから、凄いネ。歌に乗せて、「800円、720円、えぇーい、こうなりゃ500円!」って具合に競り売ると客が一斉に手を上げる。

観ているコッチも自然と乗ってくる。他の客に競り勝ってバナナをゲットした時のなんとも気持ちの良いことか。とても貴重な体験をさせてもらったナ。

雷門の前では、角隠し姿の花嫁が人力車に乗っていた。
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大勢の人々に祝福されて、感無量だろうネ。

この日は、夕方5時に受付開始だったので、先ず真っ先に『木馬亭』に向かった。
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そして、整理券1番を確保したので、後は1時間半のんびりと待てば良い。
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梅雨の合間の晴れは風が心地良い。梅雨が明けてしまうと、灼熱の太陽の熱波を浴びるので、外酒も結構ツラくなる。そんな訳で、『正ちゃん』の外イスに腰掛けて、冷えたホッピーをグビッとやるのだ。
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甘い牛スジの煮込み豆腐に粗切りの唐辛子が合うネェ。小皿で450円はチト高いかナと思いつつ、此処は浅草観光地。このロケーションで酒が呑めるのだから、大満足だナ。

小一時間程呑んで、近くの着物屋で夏の浴衣を探した。本染めの良い柄を見つけたが、値段も大変ヨロシ。財布と相談し、また次回にした。着物と違って、浴衣は男でも大胆な柄を楽しめるから愉しいね。今年も銀座五丁目の『新松』で両国浴衣でもあつらえようかと思ったら、なんとアノ『花畑牧場』になっちまってた。銀座の老舗が消えるなんて、残念だなぁ。
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バナナを一房買って、楽しい一日が終わった。
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浅草の空にはまん丸な月が出ていた。
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by cafegent | 2009-07-08 11:56 | ひとりごと
今日は双七、七夕だね。
七十二候では「温風至る」、風がもわっとする時季だが、今日は正にそうだね。皆、短冊に願い事を書いて笹に飾ったんだろうか。
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もう夏なんだ。家の近くでは、見事なビワの実が成っていた。
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さて、昨日から「入谷朝顔まつり」が始まっている。
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今朝は早く家を出て、打ち合わせの前に入谷の真源寺、鬼子母神まで出掛けてみた。
幸い天気も良く、早朝から皆元気よく朝顔を売る声が往来の足を止めていた。
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団十郎や四色咲きの行灯作りの鉢が人気だったナ。

今年は家で数種類の朝顔の種を蒔き、ちょうど今咲き出している時季なので、朝顔市では世話になった方へのお中元代わりに送ってもらうことにした。どれも素敵だし、沢山の店が出ているので大いに迷うのだが、オーシャンブルーと云う品種がとても美しい色で目を引いたので、選んでみた。素敵な色だナ。
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用事も済ませ、後は鬼子母神でお詣りだ。
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この時に授かれる朝顔のお守りを戴くと、「身體健全」祈願として火打石でカチカチとお祓いをしてくれるのだ。
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ほおずき市同様、これを授かると夏を乗り切れる気がする。
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境内でも沢山の朝顔が出ていたナ。
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通りの反対側では、縁日の屋台が軒を連ねていた。
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日射しが強くなりはじめていたので、冷やしキュウリを一本戴いた。
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夏はこれに限るネ。青臭さが少し残っているのが、また良い。昔の味がしたなぁ。
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       ◇      ◇      ◇
毎週、日曜の朝は「日曜美術館」を観ている。

今回は、故・犬塚勉画伯の特集だった。山を愛し、自然に魅せられ、草原を描き、森を描き、渓谷の奥深くを描き続けた画家。草の葉一本一本を緻密に細密に描き、スーパーリアリズムを極めた作品群である。

犬塚勉は奥多摩に住み、小中学校の美術教師をしながら、絵を描き続けた画家だ。1988年、38歳と云う若さでこの世を去った。昨年没後20年を迎え、展覧会も開催され、話題となっていた。

写真を越えたリアリズムを追求しながら、自然と対話し続けた画家は、新たな画風を模索し、目の前の原風景を超越した作品を描き出した。
そして、どうしても川の水がうまく描けない、もう一度水を見てくる、とまた谷川岳の渓谷に赴き、悪天候により遭難。そこで命尽きたのである。残ったカメラの中からは、渓谷の川の流れの写真が残っていた。
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絶筆となった「暗く深き渓谷の入口」では、背景の森が一度緻密に描かれた後、黒く塗られている。正面を塞ぐ巨大な石と山から流れ落ちる水を強烈な磁力で引き寄せているようにも見えた。

「山の暮らし」と名付けられた、原木の切り倒した木口に当たる光の陰影が印象的な一枚の作品があった。8月末まで奥多摩の『せせらぎの里美術館』で「犬塚勉展」が催されているが、其処の館長が、「横倒しになった巨木の木口が太陽に照らされて光っているが、ずっと観ているうちに、あたかもその木の中から外に向かって光を放ち輝いているかの如く見えてくる。それは、まるで犬塚勉そのものが、中から光を放っているかのようだ。」と語っていた。これは、もう実際に観に行かなくてはならんナ。「日曜美術館のサイト」

日曜美術館を観ながら、靴を磨いた。調子に乗って6足も磨いたら、すっかり汗ダクになった。でも、美しく光る靴を眺めると気分爽快だ。

シャワーを浴びたついでに、今度は風呂場を徹底的に掃除した。風呂場の窓を開けていたら、おや?てんとう虫が入って来た。
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コイツは植木のアブラムシを食べてくれるから大事にしなくちゃナァ、とベランダに移す事にした。仲間が増えるとイイナ。

朝から、一仕事したので腹が減る。「HACCI1912」と云う流行りの蜂蜜を貰ったので、近所のパン屋で食パンを一斤買って来た。
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大正元年創業の水谷養蜂園の娘が独立して始めたブランドで、コスメや洗顔石けんが人気なのだそうだね。で、これは国産のれんげはちみつとの事なのだが、蜂蜜で、コレは美味い!とかこれは好かん、ってのが今ひとつ判らない。まぁ、表現に困るのだが、厚切りにしたトーストにバターを塗って、たっぷりと蜂蜜をかけて食べると、こりゃもう美味いに決まってるのだナ。
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蜂蜜の甘みで、深煎りの珈琲が一層美味しく感じたし、満足だ。
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夏野菜たっぷりのサラダもカリカリに焼いたパンチェッタが抜群にマッチして旨かった。
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by cafegent | 2009-07-07 13:39 | ひとりごと
先週金曜日は、夏の風物詩『四谷怪談』を聴いた。人間国宝の講談師、一龍斎貞水師匠の立体怪談である。
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音と光を巧みに演出し、迫力ある舞台で大いに湧いた。それにしても、さすが人間国宝、何度聴いても面白い。最初は笑わせ、そしてグイグイと怪談ばなしに引き込んで行く。今回は、伊右衛門と岩のなれそめ話が聴けたし、これでこの夏もいろんな方々の怪談ばなしを聴きたくなるのだナ。

銀座松坂屋の地下に在る『ホテルオークラ銀座パン工房』、此処の「焼きカレーパン」ってのが、ちょいと美味い。最近、巷では焼きドーナツが流行っているが、あのモチモチ感が好きでアル。
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こちらはそのモチモチ食感を楽しみながら、具のカレーも牛肉たっぷりでイイのだ。昔からカレーパンは大好きなのだが、歳取ったせいか、食べながら胸焼けをする事がある。そんな時に、戴いてハマったのが、此処のカレーパン。油っぽくないので、朝からイケるのだ。

土曜日は、毎度の事ながら、都営浅草線に乗って荒川を渡る。土手では揃いのユニフォーム姿で野球をしている。金八先生のロケなんかでも良く登場していたが、絵になる場所だネ、荒川土手沿いは。

空が晴れたせいか、立石駅前も人が多かった。
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『宇ち多”』では、いつもの面々が集って世間話に高じてる。先日、一緒に水元公園に行った石さんは「日記観たけど後ろ姿しか写ってなかったっゼ」って、云われてしまった。いやいや、石さん、男は背中で語るんですヨ。なんちて。

そして、またまた早くに定量の人数に達したのか、いつもより更に早く開店となった。この日のタン生は歯ごたえも程良く、お酢が合う。
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相変わらず、土曜のホネは柔らかく煮込まれており美味い。クィクィっと呑んで、外へ出るとまだ11時半である。こりゃ、一日長くなるかナっと電車に乗って神保町へ。古書店『がらんどう』にて開催中の写真展が最終日だったので、向かったのだ。

神保町の駅を出ると、前日火事を出してオーナー会長が焼死してしまった老舗ケーキ屋『柏水堂』の前を通った。
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此処は、お茶目な犬の姿をしたプードルケーキが人気だが、僕は小さなトリオ・シュークリームがお気に入りだ。

シャッターには一週間休みの貼り紙がしてあったが、86歳で此処に一人暮らしだったってのが、なんとも悲しい。合掌。

マクドナルドを左折し、しばらく進むと『がらんどう』が見えて来た。
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佐竹茉莉子写真展『路地の猫(コ)』は、東京下町、谷中や根津などで出会った野良猫たちの愛くるしく、時にふてぶてしい姿を捕らえたとても心和む写真だ。
所狭しと古書が並ぶ店内の壁や棚に路地の猫たちが寛いでいた。屈託の無い表情の猫たちを眺めていてた土曜の昼過ぎ、とても長閑な時間を過ごせた気がしたナ。
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手作りの可愛い写真集を買って店を出た。電車の中で眺めていたら、昔飼っていたキジトラの猫を思い出してしまった。

武蔵小山で電車を降りるとまだ午後二時少し前。『牛太郎』の前には数人が並んでた。二時丁度に暖簾が下がり、この日は立石に続き、二度目の口開け酒を戴いた。
先ずはガツ酢をアテに冷えた瓶ビールで。口開けと同時に後ろには待ちの方々が並んでる。此処は『宇ち多”』と違って、皆のんびりと酒を呑むから1時間は待つ事もあるのだナ。でも、待っている間も誰かしらと会うので、それもまた良し。

白波の水割りを戴き、ニンニクの効いた「とんちゃん」を一皿戴いた。程よく酔いが廻ってきたので、お勘定。締めて1000円だったのだから、幸せだよネ、まったく。まったりとした週末、一度家に戻りひと眠り。だいたい、夕方あたりに梅割りがボディブローのように効いてくるのだよナ。

昼寝のお陰ですっかり酔いが冷めたので、夜は雷門『簑笠庵』へと出掛けてみた。
暖簾をくぐると、いろんな酒場での顔馴染みが集っているじゃないか。立石で会う方、神保町で会う方、そして渋谷は「呑んべい横丁」で会う面々。暫くすると、地元の常連も集まりあっと云う間に満席となった。

山本さんが仕込むのは、この見事な黄ハタと金時鯛だ。
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兵六仲間のキョウコ姐さんが黄ハタの煮付けで、僕が金時鯛の煮付けを戴くことにした。で、他のみんなにはちょっとづつお裾分けだネ。

煮付けが出来上がるまでは、薩摩富士のお湯割りでしばし待つ。いつもながら、美味い酒だ。煮付けが出来上がった。
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ずっと赤目って呼んでた魚が金時鯛だったんだナ、知らなかった。赤目は刺身で食べていたが、煮付けも美味いんだネ。身がしまっており、骨も外し易いからペロリといってしまう。

品書きを見ると鮎の塩焼きが載っていたので、またまた山本さんにワガママを聴いてもらう。前回の鯛飯しが抜群に美味かったので、今回は鮎ご飯をリクエスト。小ぶりの鮎だと云うので、一口で構わないからとお願いした次第だ。

炊きあがるまでは、ぬか漬けで一杯。
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夏場は浸かりが早いから、大変だよね。相変わらず山芋とミョウガのぬか漬けは酒にピッタリだ。
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さぁ、どうですか。ふっくらと炊きあがったネ。
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こりゃ、病みつく美味さだナ。あぁ、至福の時だ。

いつもながら、土曜日の『簑笠庵』は、大酒呑みが集う。
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そして、日曜月曜と休みなので、店の二人も徐々に呑み出す事がしばしばでアル。愉しい時間はみんなで過ごすのが一番、ってな訳で、またまた我々は図に乗ってしまった。残すにゃ勿体なかろうと、この日一番の魚だと云う真ゴチの塩焼きを無理矢理みんなで戴くことに相成った。
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いやぁ、それにしても見事な真ゴチ。右から左、左から右と皿がカウンターの上を駆け巡ったね。

しかし、酒呑みは酒に合う肴をよく知っているよネ。此処『簑笠庵』は二人とも酒が好きだから、僕らには本当に重宝する一軒だ。

毎度ながら考えてしまうが、この日も朝から都営浅草線で立石まで往復し、また午後浅草まで往復だ。コレっていっその事定期券でも買った方が得なんじゃないかなぁ。ハテ、如何したものか。

さて、今日から「入谷の朝顔まつり」が始まった。
「恐れ入りや・クリヤキン」なんて、もう誰も知らんだろうナ。まぁ、ドーデモいいが。
毎年、入谷鬼子母神には、沢山の人が集まるのだが、今年は平日だからどんなだろうか。朝顔って、あんなにも沢山の種類が有ったのかと驚くばかりだが、新しい花を知れるのも愉しいひとときだ。
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by cafegent | 2009-07-06 17:14 | 飲み歩き
昼飯を食べ終わり、事務所の近くを歩いてみた。
空高くから、ひばりの啼く声に誘われ、足を進めると目黒不動尊の境内を掃除している光景に出くわした。
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こうやって、お不動様を皆が大切に守っている姿ってのは、心がホッとする。雲雀も粋な導きをするものだナ。

先日、雨の中、野方から阿佐ヶ谷まで散歩した。

毎度の日曜日のお愉しみ、野方『秋元屋』の四時口開けに向かう。
高田馬場から電車で向かうと、同じ電車にひとみ姐さんが居たみたい。一足先を歩いてた。

そして、店の前、一番に並んで居たのは、地元住民の荒木又右衛門さんだったので、三人仲良くいつもの席に座る事が出来た。
この日は珍しく、牛レバー刺しが有るってんで、そいつをアテに焼酎ハイボールを戴いた。
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先週はチトぬるかったが、今回はグッと冷えてたナ。うん、美味い。
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串も味噌焼きで戴き、至福の休日。ボールを5杯呑み、小一時間余り。軟骨スライスも戴き、大満足。

店を出ると、外はまだ雨。この日は梅雨の長雨だったナ。
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のんびりとした日曜の夕方、雨の中を阿佐ヶ谷まで歩く事にした。

目当ての『川名』がアーリー・サマーバケーションと云う事でお休みだった。で、こちとら2、30分も歩いたら、秋元屋の焼酎ハイボールが効いたみたいで、膀胱が破裂しそうに膨らんでいたのでアル。
川名の向かいのコンビニでトイレを借りようとしたら、「ウチにトイレは有りません!」とけんもほろろに断られたのだった。トイレも無くて営業が出来るのだろうか、ハテ?と考えてしまったが、無いモノは仕方あるまい。

川名から少し駅に戻った所にホッピーの幟がはためいていたので、急遽其処に入ることにした。店の名は、『酔族館 うちんく』だ。間違っても、「うんちくん」では無い。

荒木さんも初めて入るとの事で、全員お初の店だ。店主の河野さんににお聞きしたら、「うちんく」って香川の方言で、自分の家って事だそうだ。「自分ちで寛いでってネ」って意味合いなんだね。やっとトイレに入れると思って、先に飲み物を頼んでいると、ススッ〜とひとみ姐さんに先を越された。姐さんも破裂寸前だったのネ。

そして、無事下っ腹が軽くなった所で、「クエン酸サワー」で乾杯だ。
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コレ、なぎら健壱さんが呑んでいるので知っていたのだが、クエン酸は疲れた躯に効くのでアル。薬局で売ってる白い粉のクエン酸を使ってる店も有るが、此処は最近流行りの「お疲れさんにクエン酸!」って云う奴を使っていた。こちらは、適度な甘さもあって呑み易かったが、本当のクエン酸粉末を溶かしたハイボールは、体がシビレるくらいに酸っぱくて、元気が出る。

さて、此の酒場、何気無しに三人で入ったのだが、実に居心地が良い。そして、酒のアテも充実していた。中でもオススメのネギシリーズってのが興味を誘い、「ネギ茹でタン」ってのと「ネギ茹でギョーザ」を頼んでみた。

茹でた厚い牛タンにジュゥッとネギ油がかかる。この音に皆が反応し、期待に胸躍る。そして、一口食べた途端に顔がほころんだのだった。いやぁ、こりゃ美味いわい。
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茹で餃子の方はたんまりと乗せた白髪ネギの上からまたもやジュゥッと油がかかる。これまた最高の味わい。

酒のアテが美味い店は通っちゃうよなぁ。お次は「鳴門金時の素揚げ」を塩、バターで。
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鳴門金時は言わずもがな徳島の名産サツマイモだネ。この芋で仕込んだ鳴門金時蒸留所の「焼き芋」って焼酎も美味い。

「秋元屋で散々食べたからさ」って云っておきながら、ひとみ姐さんは相変わらず良く食べる。
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ホラ、ご覧の通り、デッカいコロッケまで頼んでた。
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あの小さい躯の一体何処に入るのだろうか、ハテ。
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『川名』の休みは残念だったが、『うちんく』は思わぬメッケもんだった。次回、阿佐ヶ谷ハシゴ酒に欠かせない店のひとつになったかナ。

駅の方に歩いていると、鯛焼き屋を発見。
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ひとみ姐さんの奢りで、『木村家のたいやき』を戴いた。幟に書いてある通り、羽根つき餃子ならぬ、羽根つき鯛焼きでアル。

薄皮はパリパリで香ばしく、しっぽまで餡が詰まってて、中々のお味。
サクって云う口当たりが格別だね。
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四谷の『わかば』が一番好きだが、こちらも可成りイケる。羽根つきってのが新鮮だから、手土産にすれば話が弾むかもしれないナ。
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月が出ていた。雨上がり、阿佐ヶ谷の空も美しかったナ。

外は雨でも、気心しれた酒朋たちと一緒なら愉しいね。みんな、いつもありがとう。
       ◇       ◇       ◇
午前中、外での打ち合わせが続いたので、そのまま日本橋小網町まで足を伸ばし鰻を食べに出掛けた。
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よろい橋を渡り、東京証券取引所を過ぎるとSBI証券の裏手にひっそりと、だが見事な佇まいの木造一軒家が在る。
『喜代川』は、築80年以上の日本家屋。江戸情緒の雰囲気を残し、老舗の風格を醸し出していた。
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此処の二階は座敷になっており、接待や商談などにもってこいなのだ。また、作家の渡辺淳一が、此処を贔屓にしており、「化身」にも登場させたことがある部屋も有る。なるほど、外に沢山の黒塗りのクルマが並んでいるのも頷けるって訳だ。

横の小さな玄関を開けると、其処は一階のテーブル席だ。こちらは、気軽にうなぎを戴けるので、ふらりと立ち寄るのに都合が良い。
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外が可成り蒸していたので、先ずは冷たいビールを戴いた。熱いおしぼりで汗をぬぐい、ホッと一息。
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うざくをアテにビールが美味い。此処は季節になると天然の鰻も入るので、たまにふんぱつして戴きたいもんでアル。
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此処の蒲焼きはじっくりと蒸すので、外側はパリっとしながらも中はとても柔らかく、口の中でほろりととろけるのでアル。
また、南千住の『尾花』と違い、タレが辛口なのも『喜代川』の特長なので、食べ比べてみて欲しいものだ。

板場で鰻を扱っている職人のUさんは、僕の酒仲間の一人だ。夏のシーズン中は無理だが、夏前まではたまに土曜日に休みを頂けるので、立石『宇ち多”』の口開けから一緒にハシゴ酒をしている。この日も美味しい鰻を戴いたし、久しぶりに酒友にも逢えて良かった。
昼の仕事を終え、夜の営業まで一段落だとか。
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午後のひととき、贅沢な時間を過ごしたナ。

銀座まで出ると、バーニーズでセール開催中。ちょいと覗いてみようかと入ってみると、セール品が並んでる。色々と物色してみたが、欲しい服はニューカマーばかり。結局、新着のプロパー製品を買ってしまう。うーん、セールってのは、誘い水だナ。でも、気に入ったシャツを見つける事が出来て気分上々だ。

そして、この日は映画の日。ロードショウが千円で観られるのだ。
むふふ。試写室で観た『レスラー』をもう一度観た。この映画、どうしてもまた観たかったのだ。
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80年代、一世風靡した人気プロレスラー、ランディ・ロビンソンも今じゃ50代。老いと孤独と向き合いながらもプロレスを続け、一人生きている。試合後の突然の心臓発作からプロレスを諦め、スーパーマーケットの肉売り場でマカロニサラダと奮闘しながら日々を過ごす。
それでも、好意を抱くストリッパーのキャシディにも、一人娘のステファニーにも自分の思いが素直に届かずにいる。そんな不器用な男が葛藤しながら、自分の居場所を探しているのだ。
これで終わっていいのだろうか、自分の生きる道はやっぱりリングの上なのだ、とランディは確信したのだった。

最後に彼がチラリとキャシディを探すシーンが印象的で、どうしてもまた観たかった。男なら絶対に判ると思う、ランディが選んだ道。映画を観終わった後に無性に泣けてくるのだ。

途中、娘と歩くシーンに登場したのは、ニューヨークの郊外、コニーアイランドだろうか。あの長く続くウッドデッキは、かつて僕も歩いたことがある。あれは、1991年の冬だっただろうか。サラリーマン生活を辞め、大好きな女の子を追っかけてニューヨークまでやって来たんだっけなぁ。

Flashdancers』って云うストリップティーズにも良く出掛けた。ポールダンスを眺めながら酒を呑み、懐が温かい時にはテーブルダンスをしてもらうのだ。キャシディのようなコは居なかったが、男連中が集うと決まってフラッシュダンサーズで呑んだなぁ。

そんな懐かしい昔も思い出させてくれた映画だった。

銀座に出たついでに和菓子店『甘楽』に立ち寄った。好物の「銀六餅」が目当てだが、夏菓子が目に止まり一緒に買ってみた。

冷蔵庫で冷やし、ガラスの器に盛れば、ホラご覧の通り。
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涼風が吹いてきそうだ。四万十川沿いで採れた小夏をたっぷりと使ったゼリーは、酒の後にピッタリだったナ。
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by cafegent | 2009-07-03 16:11 | 飲み歩き