東京だからこそ出会う人や店をつれづれなるままに紹介


by cafegent
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<   2012年 02月 ( 24 )   > この月の画像一覧

4年に一度のうるう年を迎えた二月最後の日、東京の街は真っ白な雪に包まれた。
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吐息も白く、冬に逆戻りしたかの様だネ。
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咲いたばかりの花たちもさぞ驚いていることだろう。

       水枕ガバリと寒い海がある   西東三鬼

岡山県津山出身の俳人、西東三鬼は肺結核で病床に伏して、毎夜高熱にうなされていた。水枕で熱を下げ、ガバリと眼を覚ます。きっと夢の中で、生死の境を漂う自分を呑み込んでしまいそうな冷たく暗い冬の海から、這い出た己の生きる力を「ガバリ」の言葉に込めたのだろうか。

今朝、窓を開けた途端に顔にあたる雪の冷たさに、この句が浮かんだ。この人、本業は歯医者さんなのだが、かなり良い句を残している。俳号の三鬼は、ちょっと怖そうな雰囲気だが実は英語のThank Youをもじっているのだとか。

      恐るべき君らの乳房夏来(きた)る

どうですか、なかなか洒落たセンスの俳人でしょ。

今朝も仕事場に行く途中で近所の公園に立ち寄ってみた。
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こんな大雪の中でもジョギングをしている人もいるのだネ。
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真白い雪の上を気持ち良さそうに駆け回る犬の姿もあった。

カワセミやルリビタキなどが餌を探しにくる池も今日は枝の雪がドサリと落ちる音しか聴こえない。
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野鳥たちも寒さに震えてじっと耐え忍んでいるのだろうか。

仕事場に戻ろうと来た道を歩いていると雪が積もっている草木の間に四十雀(シジュウカラ)の姿を見つけた。
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そっと近寄ってシャッターを切っていたら、ザワワと羽を広げて飛び出して行ってしまった。
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しんしんと雪が降る公園も案外楽しいのだナ。
     ◇         ◇         ◇
閑話休題。
夕べは仕事場から真っ直ぐ山手線に乗り、神田駅を目指した。

JR神田駅の南口を出て鍛冶町へと進む。二本目の薬屋の角を曲がると路地裏に可成り古くから続く居酒屋が在る。
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今でこそ、「神田ミートセンター」などの新興居酒屋などが軒を連ねる様になっているが、昔は本当にひっそりとした路地だった。

午後六時半、居酒屋『六文銭』の暖簾を潜る。
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この店は長野県上田市の農家の納屋をそっくりそのまま移築しており、その佇まいは実に落ち着いて酒を愉しむことが出来る。
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二階へ上がると、其処はまるで鬼平犯科帳の世界でアル。

一階はヿ(コト)型のカウンターと小さな卓が一つ。
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この日は、二階が地元消防隊の方達の酒宴とカップルさん。一階も二席残して埋まっていた。
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店名が表す通り、此処の酒は信州の地酒山三酒蔵の「真田六文銭」の純米大吟醸だ。いつもの通りぬる燗を戴いた。

数年前に我が酒朋Qちゃんをお連れしたのだが、彼女は長野出身と云うこともあり、すっかり此処の長野県人会酒宴に参加する程通うようになっていた。そのQちゃんからもうすぐ『六文銭』が店を畳むかもしれない、と聞いたのは昨年の暮れのこと。

そして、今日二月29日が最後の営業となってしまったのだネ。
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そんな訳で、夕べは何をさておいても此処で吞むことに決めていた。
最後の日は、長年のご常連や地元の方々の予約で埋まっていることだろうし、昨日ならゆっくりとお話をしながら吞めると踏んだからだ。
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此処のお猪口も徳利も実に風情あるのだナ。
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燗付け器に浸けた徳利は燗酒用の温度計でしっかりとぬる燗、熱燗を計って出されるのだ。お猪口だって仄かに温まっている。ご主人と女将さんの温もりをそのまま吞むって感じだナ。

一本目の徳利が空いた頃、酒朋ビリー隊長が現れた。
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先ず乾杯!そしてご主人と女将さんにもこれまでの感謝を込めて乾杯。

名物のしいたけ変わり揚げも熱々で美味い。
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二階から降りて来たカップルは浅草で酒場を営んでいるそうだ。裏浅草の居酒屋『ぬる燗』のご主人近藤さんに聞いて来たと云う。

彼等が帰った後、また一人お客さんが入って来た。彼もまた『ぬる燗』で聞いて来たそうだ。
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女将さんに聞けば、ぬる燗のご店主さん達は良く来店してくれているとのことだった。
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六文銭のご主人も今は酒が呑めないが一度ぬる燗にお邪魔したと楽しそうに語ってくれた。

吉田類さんは、先日ふらりとやって来たそうだ。だが、まだ早い時間で仕込みが間に合わずビールだけで勘弁して戴いた、と申し訳なさそうに言っていたナ。
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ご主人の体調が余り良くないらしく、苦渋の決断で店を閉めることに決めたそうだ。この酒場の創業は、昭和26年と古い。かつて、先代が営んでいた頃、ご主人は常連客の一人だった。

先代が此処を辞めようと考えていると知り、脱サラをして『六文銭』を譲り受けた。それから実に五十年、今日まで続けて来たのだネ。
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此の美味しい酒の肴ももう食べられないのかと思うと感慨深い。
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時代の陰影を長く刻んできた壁の時計もお役御免。お疲れさまだ。
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いか飯も酒が進む。
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酒呑みに打ってつけの味付けなのだナ。

煙草を辞めて12年が過ぎた。
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この魚の柄の灰皿も今は使わないが、好きなのだナ。

四本目のぬる燗と共に自慢の手作りさつま揚げが出てきた。
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丁寧に魚をすり潰し形を整えて揚げる。ふわふわの食感は、一度食べたら忘れない程に美味い。
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この樽の椅子にも随分と世話になったナ。ご苦労様。

   ♪七つ長野の善光寺、八つ谷中の奥寺で竹の柱に萱の屋根、
       手鍋下げてもわしゃ、いとやせぬ。
    信州信濃の新そばよりも、あたしゃあんたのそばがいい♪

寅さんじゃ無いが、そんな台詞を思い出した。

ご主人、女将さん、永い間お疲れさまでした。
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残すところ今日一日。明日からは、日々ノンビリと過ごせることを願っております。本当に美味い酒と肴には、世話になりました。感謝多謝!
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ありがとうございました。

そして、僕らは神保町の老舗『兵六』の暖簾を潜った。
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こちらも60年以上続く古典酒場だが、三代目が頑張っており、今も変わらない。
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キクさんもやって来て、さつま無双の徳利が三つ勢揃い。
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なんだか、酒場のおまじないの様だナ。

大好きな酒場の灯りが消えるのは残念だが、仕方無いことだネ。
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夕べはさつま無双の燗酒が五臓六腑に滲み渡った。
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by cafegent | 2012-02-29 14:23 | 飲み歩き | Trackback | Comments(2)
先日、週刊現代の見出し広告を眺めていたら、ズドーンッと目に飛び込んだものがあった。

     「無毛ヌード」時代を始めよう
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「私たちは無毛にしています!美しき無毛ヌード」うんぬんかんぬん。

単に無毛ヌードのグラビアを載せるだけに終わらず、深く掘り下げていたのが良い。そして最後には、〈90年代に一世を風靡したヘアヌードの次は、無毛ヌードがブームを起こす〉と記しているのだナ。

僕の友人の女のコは、以前からブラジリワンワックスによる手入れ方法により下の毛が無い。そう、今話題になっている無毛女子でアル。彼女に頼まれて一冊の本を探した。幸い古書店でスグに見つかったので早々に送ってあげた。

それが「壺中庵異聞」だ。著者は版画家池田満寿夫の最初の妻、富岡多恵子であり1960年代の二人の廻りで起った出来事を書いた小説だ。
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あくまでも小説だが、実実在した人物を主人公としている。その人とは小説家江戸川乱歩の実弟であり、豆本制作に情熱を捧げた平井通(とおる)氏だ。

平井氏の作った豆本はコレクターの間でも高く評価され、池田満寿夫の銅版画が入った乱歩の名作「屋根裏の散歩者」は、今でも数十万円の値が付いている。

だが、豆本作りよりも平井氏が情熱を捧げたのが「無毛の女性」の研究だ。全国津々浦々、無毛の女性が居ると聞けば、60過ぎの老体にも関わらず眼を輝かせて逢いに行ったと云う。

平井が豆本の挿画として依頼した女性のヌード画に池田満寿夫がヘアを描いて、大喧嘩になったなんてエピソードさえ残っている。

「壺中庵異聞」では、平井通の無毛愛の追求を実に丁寧に描いている。平井が書いた「なめらかな脂丘への妄執」は、是非とも探してみたい。

僕が以前書いた「新版-東京奇譚」でも、平井通の無毛に対する情熱を記しているので興味のある方は再読してみては如何かナ。

また、その昔平井通が書いたとされる幻の春本「おいらん」が二つの出版社より出ている。平井蒼太名義で、どちらも「性の秘本」「幻の性資料」といったシリーズのひとつだが、内容は同じだ。

これを読むと平井自身の性癖の凄さに恐れ入るのだナ。なんせ、自分の奥さんの妹とどうしてもヤリたくて、あの手この手を尽くすのだから。
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「壺中庵異聞」で知った本だが、古書店で手に入れる事が出来た。そして、当然ながら僕も無毛女性フェチへと突き進んでいるのである。

      VIVA! 無毛女性たちよ!
     ◇         ◇         ◇
閑話休題。
恵比寿に住んでいた頃、牛もつ焼きの『縄のれん』と共によくお邪魔していた居酒屋がある。

駅前の駒沢通りを渡りみずほ銀行の細い路地を入った右手にひっそりと佇む日本家屋が在る。居酒屋『さいき』の戸をガラリと開けると、中から「おかえりなさ〜い」と優しい声で迎えてくれる。
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年季の入ったカウンターに座り、先ずは冷えたビールを戴く。店主のクニさんは、まだ散歩の最中だろうか。クニさんが体調を崩した頃からだろうか、座ると黙って三品のお通しが出るようになった。これが、すこぶる美味しいのでお通しだけで酒が何杯もススむのだナ。
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この日は、ハタハタの南蛮漬け、メジマグロとひらめ昆布締めの刺身、そして京芋の唐揚げだった。
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何と言っても、この京芋が大変に美味かった。

ビールを一本飲み終えたあたりで、旧友が到着だ。この日は、今季の仕事の作戦会議とでも云った酒宴だ。もう数十年の付き合いになるが、今では大事なクライアント先の部長である。

もう一本ビールをお願いし、乾杯だ。

黒板の品書きから、その日のオススメを思案する。
白子の天ぷらとだし巻玉子を御願いした。旬の白子には酒が良い。
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『さいき』自慢の「一ノ蔵」凍結酒を戴いた。
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シャリシャリに凍った一ノ蔵が溢れんばかりにグラスに山盛りとなる。

此処は創業64年を迎えた老舗の酒場だ。亡くなった立松和平さんも良くいらしてた。二階では吉行淳之介など多くの作家たちが集まって酒宴を催したりしていたそうだ。
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熱々ふわふわのだし巻玉子も酒がススむ。
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最後に湯豆腐を戴いて、三杯目の凍結酒を呑み干した。

会計を済ませ、席を立つとカウンター内の若き女性たちと店主クニさんが「行ってらっしゃ〜い!」と声をかけてくれた。これが聞きたくて、また暖簾を潜るのだナ。

この晩の風は、ほんの僅かだが春の匂いがした。早春を纏った爽やかな夜風が僕の頬をなでていく。あぁ、もう数軒行けるナ。

友人と渋谷で別れ、僕は一人青山方面へと宮益坂を昇った。
青山通りの喧噪を抜けると裏路地はもの静かな気配が漂っている。
だが、半地下の階段を数歩降りると『立ち飲み なるきよ』の店内からは賑やかな声が響いていた。

生ビールを戴き、店主の吉田成清の自慢料理を戴いた。
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此処は何も言わずとも色々と出してくれるのが嬉しい。
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何より、この立ち飲みとは思えない盛り付けも魅力だネ。

そして、いつもながら店内はエロモード全開だ。
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厨房の上を巨大な魔羅が飛んでいる酒場も珍しい。
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このねぎぬたも美味かったナ。
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芋焼酎のロックは、いつもお任せだ。

らっきょうの入った陶器の蛤にも、小さな魔羅が乗っている。
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こんな素っ頓狂なセンスもまたこの店の良いところでアル。
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団扇(うちわ)に「やらせろ」って書いてあるのも凄いだろ。

開店当初から来ているが店主の風格も板に付いてきた。
『なるきよ』は、この界隈を牽引する名店になっていたネ。

いやぁ、この日も美味い料理と焼酎、ありがとうネ!いつも成清君には感謝だナ。

すっかりヘベのレケになった僕はまたしても電車で寝落ちしたらしい。
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気がついたら何故か浅草橋だった。ハテ、どうやったら其処に辿り着くのだろうか。未だに疑問!

「新版-東京奇譚その3」
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by cafegent | 2012-02-28 16:13 | 食べる | Trackback | Comments(2)
今朝の東京は青空が広がっていたが、顔にあたる風は冷たかったナ。桜の蕾みも膨らみ始めているが、週の半ばにはまた雪が降るそうな。

      春待つや万葉、古今、新古今

これは久保田万太郎が詠んだ一句。凄いよネ、この発想ったら。こんな句が浮かぶことが凄いのだナ。頭の「春待つや」で、もう何を持って来てもハマると思うが、和歌に出てくる春の歌が幾つも頭に浮かんでくるところが、この方の狙いだろうか。

  我がやどの梅の下枝に遊びつつ鴬鳴くも散らまく惜しみ

  春の野に鳴くや鴬なつけむと我が家の園に梅が花咲く

どちらも万葉集の中で詠まれた梅の歌だ。

仕事場の近くの公園では、鶯の声はすれど姿は見えず。
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だが、美しい鶯色をしたルリビタキのメスとメジロに出逢えた。
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ルリビタキはオスは青色をしているが、メスと幼鳥は鶯色をしている。
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こちらは、大きさからしてメスだろうナ。
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メジロは相変わらず可愛い顔をしている。
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樹々の上ではホカケインコのつがいが子作り中だ。
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雌が木の穴の塒(ねぐら)に籠り、雄がせっせと餌を運ぶのだナ。
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小川では四十雀とシロハラも水を飲みに降りて来た。
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シロハラは立ち姿が凛として素敵だネ。

池では青鷺(さぎ)の死骸があった。きっと野良猫の仕業だろうか。
せっかく小魚を食べにやって来たのに、可哀想なことをしたものだ。
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林試の森公園では、いろんな人が野良猫に餌をあげてしまうし、噂を聞きつけて大人になった飼い猫を捨てに来る人も後を絶たない。野鳥好きで猫・犬好きとしては、なんとも歯痒い思いだナ。
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先日、フランス料理『廣田』の猿渡(エンド)さんから電話を戴き、蒲田『うえ山』で勉強をした方の、ひな鶏の素揚げを出す店が大井町に出来たと教えて頂いた。

友人のユリコさんもすっかりお気に入りの一軒になっていると聞いていたので、早速土曜日の夜にお邪魔してみた。

大井町駅西口を出てゼームス坂上方面へと歩き、池上通りとクロスする信号を左手に折れると地酒の『和田屋』が見える。その前の遊歩道沿いに出来たのが『そのだ』だ。
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二月のはじめに開店したばかりだそうだから、まだ一ヶ月も経っていないホヤホヤの新店だ。

だが、次から次とお客さんが訪れる地元の人気店になっている様子。
この日は、タイミングよく先客は御一人だったのでカウンターに座る事が出来た。
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先ずはプレミアムモルツの生で乾杯。
ここの店は、若鶏がウリだが、お通しは豚肉だった。
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吞ん兵衛のツボを押さえた美味いアテに酒がススむ。
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このポテトサラダも大変美味い。

そして、ユリコさんも絶賛していた「揚げたてあつあげ」を戴く。目の前の揚げ鍋で豆腐が揚がるのを待つ。
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どうですか、この勇姿!
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外こんがりで中フワフワの厚揚げでアル。これ最高に美味しい一品だ。

お次は「鹿児島県産の鳥刺し」を戴いた。
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これに芋焼酎の「薩摩寿」をロックで合わせる。
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むふふの美味さだネ。

焼酎や日本酒も豊富に揃えて有るのが嬉しい限り。

さぁ、お待ちかねのひな鶏の素揚げの登場だ。絶妙な揚げ加減で外はパリっとして中はとてもジューシーなのだナ。
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こちらはもも肉。
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そして手羽付きの胸肉だ。

揚げ上がった後、油切りと余熱で中の具合を調整しているのが凄い技なのだナ。

塩が足りない方には、ローズソルトのミルを出してくれるから嬉しい。
しかし、高血圧なワタクシは塩分控えめなのでアール。

此処の素揚げは、立石『鳥房』ともまた違い実に美味い。
今は無き蒲田の名店『なか川』直系の味なのだネ。
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『なか川』の味を受け継ぐのは、自由が丘『とよ田』、蒲田『うえ山』に次いで『そのだ』が登場したって訳だ。嬉しいなぁ。

さすがに味にウルサいエンドさんが一押しするだけの事はある。味も素晴らしいが、何よりも若い店主の人あたりの良さがイイ。

大井町は安くて美味い酒場も多いので、またまたハシゴ酒のコースに新しい店が仲間入りだ。夕暮れから『肉のまえかわ』で始まり、『武蔵屋酒店』で角打ち、そして『そのだ』でひな鶏の素揚げを味わい、最後はワインバー『8huit』辺りで締めくくるってのもイイ。

これは、チョクチョク通いそうだ。

『そのだ』の詳しい情報は、「yuricoz cafe」でネ!
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by cafegent | 2012-02-27 15:46 | 食べる | Trackback | Comments(5)
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ここ数日、花粉症に泣かされっぱなしだ。二年程前に検査した時はハウスダストとダニにしか反応しなかったのだが、歳をとると他のモノにもアレルギー反応が出るのだろうネ。週明けの検査結果が気になるが、咳が止まらず喉も痛い。困ったものだ。

ぜんそくに効く「フルタイド」と言う吸引式の薬を朝晩に服用しているが、ステロイド剤って聞くとちょっと怖いのだナ。

さて、昨日は朝から雨が降っていたが、朝11時に赤羽駅前に出掛けた。
そう、午前から赤羽と言う事は、もちろん朝酒でアル。

某出版社の編集の方々をお連れして、赤羽ハシゴ酒ツアーを開催。
まず一軒目は『まるます家』から。
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小雨降る中、何故か酒場に向かう足取りは早歩きになってしまうネ。

朝9時から始まっているので、一階は殆ど満杯。我々5名だったので二階の座敷へお邪魔した。
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まるます家の人気者、松島和子さんに案内されて床の間前の卓へ。

「ジャン酎モヒート!」と酒場の呪文を唱えて朝酒開始。
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そして登場したのは、名物ジャンボ酎ハイ、略して「ジャン酎」だ。
そして、フレッシュミントの葉とレモン。
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これで各自モヒートに仕上げるのだナ。

銀座の名バー『ロックフィッシュ』の店主間口さんオススメと言うアンゴスチュラ・ビターズを一振り垂らすと更に美味しくなるのだネ。
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はい、モヒートでカンパ〜イ!
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鯉の刺身と鶏皮ポン酢、そして手作りのメンチカツも戴いた。
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修学旅行で泊まった様な大広間は何故か落ち着くのだネ。
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オウチ呑みをしている気分に浸れるからだろうネ。
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たぬきの剥製もご愛嬌。
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美味しい料理とお酒、ご馳走様でした!

外に出ると雨は上がっていた。『まるます家』を出て、角を曲がればハイ二軒目に到着。手作りおでんの『丸健水産』だ。
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木曜日は若旦那がお休みらしく、お母さんが鍋前を仕切ってましたナ。赤羽の地酒マルカップとおでんのセットを五人分お願いする。
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ハイ、マルカップの熱燗で乾杯!
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そして、作りたてのさつま揚げを追加した。
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どうですか、この楽しい笑顔!
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此処赤羽は、大人のディズニーランドだネ。

カップ酒を少し残しておでんのダシ汁を入れて貰う。
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そして、たっぷりと七味にんにくを振りかけるのだ。これが抜群に美味いのサ。
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そうそう、北区は「北区おでん」を地元ブランドとして定着させるらしいネ。新聞でも取り上げていたっけ。
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外は冷えるが、燗酒とおでんで躯はポカポカになった。

さぁ、三軒目は『喜多屋』だ。駅前に戻り東口を抜ければもうスグだ。
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エンジェルハートの客引きをスルリとかわし、喜多屋の暖簾を潜る。
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紅一点の金子さんはホッピー初体験と云うことで、ホッピー。僕らは一杯180円のハイボールで決まり。
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こちらでも名物ジャンボコロッケとぼんじり串等を戴いた。
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焼酎のお替わりもススみ、皆さんゴキゲン、ヘベのレケでしたネ。

こうなると皆エンジン全開!
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足取りは軽いが与太ってる。赤羽ハシゴ酒もいよいよ大詰め、四軒目は老舗の立ち飲み酒場『いこい』だネ。
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新装開店後は、隅々まで綺麗になっている。
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こちらでもやっぱり180円のハイボールで乾杯だ。

皆さん、初めての赤羽ハシゴ酒を満喫して戴けたかナ?次回は立石辺りを攻めましょうネ。
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by cafegent | 2012-02-24 17:22 | 飲み歩き | Trackback | Comments(0)
2012年2月22日、今日は魚座の新月なのだナ。2が5つ並ぶ日だが、何だか朝から気分爽快だ。

新月は本来、月と太陽の視黄経が等しくなる時刻の朔(さく)の時刻が過ぎた時に見える月の事をさす。

「新月」は、願掛けに相応しい日と言われている。もうすぐ訪れる3.11に向けて、平穏な日々が過ごせる事を願おうか。

ところで、「小欲知足」と言うコトバをご存知だろうか。しょうよくちそく、欲を少なく足るべきを知る、すなわち欲を抑え僅かな物で満足することを意味する。
仏教の言葉だが、今朝の朝日新聞の中に出ていたので再び思い出した。
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兵庫県、安泰寺の住職でドイツ出身のネルケ無方(むほう)さんは、檀家を持たずに自給自足の修行生活を送っているそうだ。昨年の大震災以降、この「小欲知足」の考えが注目を集めているらしい。

ネルケさんの説く、禅に学ぶ「持たない」生き方に興味を抱いた朝であった。
      ◇         ◇         ◇
今朝は仕事場まで歩く途中、寄り道をして近くの林試の森公園に行ってみた。
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犬の散歩をする人、走る人、幼子を連れて散歩する人、ベンチで新聞を広げる人、各人が朝の陽射しの下で伸び々々と過ごしていた。言葉こそ交わさないが、皆が優しい笑顔を返してくれるのが嬉しい。

此処では野良猫も実におおらかだ。
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それにしても何故猫はあぁも堂々と道を横切るのだろうか。僕の暮らす街でも猫たちは我が者顔で道を往来しているのだナ。

せせらぎ橋の下の池では、鷺(さぎ)などが小魚を取りにやって来る。
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今朝は、カワセミの雌が来ていた。
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じっと水の中の小魚を探している。狙いを定め、エイッ!
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一目散にドボンと飛び込んだ。
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小さい躯で勢い良く池に飛び込み、上手に小魚をくわえて飛翔する。
その美しい姿は一度見たら必ずや好きになる筈だ。
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ほら、後ろ姿の色も美しいねぇ。

先日もご紹介したが、季節を表す七十二候では、丁度先週が「魚上氷」(うお、こおりをいずる)の時季だった。気候が穏やかになり池の氷が割れ、魚の姿が見え始める季節の訪れだ。カワセミや鷺もお腹を空かせて、池の小魚を求めに降りて来る早春なのだナ。
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この公園には、大きな望遠レンズを付けた一眼レフカメラを抱えたご年配が、やたらと多い。皆さん退職金を注ぎ込んで高いレンズ等を手に入れたのだろうか。

モズやルリビタキ、キビタキ、ウグイス、オナガ等々の小さな野鳥に遠くから大きなレンズを向けてシャッターを切り続けている。その横で、「リコーCX5」なる小さなディジタルカメラで野鳥を追っかけているのだから、僕はきっと彼等から笑われているのだろうナ。
      ◇         ◇         ◇
閑話休題。
夕べは仕事終了後、また京成立石へと繰り出した。

午後7時過ぎの『宇ち多゛』は、煮込みも終わっていたが、楽しいひとときを過ごす事が出来た。

ビールを飲み終える頃にイジられビリー隊長が到着だ。宇ち多゛のお母さんにイジられながら梅割りを戴いてましたナ。
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大根お酢にシロタレ良く焼きで梅割りを美味しく戴いた。

二軒目は、おでんの『二毛作』へ。

バス・ペールエールにかわり、アサヒの生「琥珀の時間(とき)」を戴いた。コレ、中々美味しいのだよネ。浅草のアサヒビール直営のビアホールまで行かないと飲めなかったから、これは嬉しい限り。
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足元は、これが有るから温いのだ。だが、テーブルの天板まで熱くなって来たゾ。ビールが生ぬるくなりそうだから、急いでゴクリ。

二杯目は、店主オススメの酒「栄川」の純米吟醸生原酒を戴いた。
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おぉ、これも美味い。キリリとした口当たりだ。
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しかし、このラベル、高島易断の本みたいだナァ。

三杯目のにごり酒は、名前を忘れてしまった。
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生もとの「どぶ」だったかな?

途中でクロちゃんと地元の名士A建設の兄がやって来た。
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そして、何故かロワール地方のビオワイン、ヴァン・ド・フランスのムサムセットを戴いた。
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これが不思議とおでんにもマッチしたのだから驚きだった。

暫くすると彼奴らは、ただの酔っぱらいと化していた。
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この夜も楽しい酒宴となりましたネ。
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午後9時半、ビリー隊長とは駅で別れたのだが、こんな画像がメールで届いたのだナ。
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家にウニが届いたとのメールが入ったので、僕は早々に帰宅した。
炊きたての熱々ご飯でペロリと平らげたが、うっかり撮影し忘れた。

てな訳で、夕べはこれにて終了。
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by cafegent | 2012-02-22 13:05 | 飲み歩き | Trackback | Comments(1)
今日の東京は青空が広がった。だが、花粉もかなり飛んでいるみたい。夕べから喉の奥が擦れるように痛くて、今朝早くに病院に出掛けた。
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僕は喉が痛くて泣いているが、電柱の上ではヒヨドリが啼いている。
まったく以て、トホホ。

この時季、多くの方が花粉症に悩まされてるらしく、ネット予約をして行かなかった僕は病院の待合室で2時間も待たされることとなった。

二十四節気では、「雨水(うすい)」の季節。雪が雨に変わり始め、氷も溶け出し水となって流れ出す時季。雪の下で育まれた植物の種子の発芽が進む頃となった。先日食べたフキノトウもまさにそんな山菜のひとつだ。

今年の春は梅の開花時期が三週間程遅いみたいだネ。紅白の梅の木を眺めながら花見酒でもしたいものだナ。

     青空のいつみえそめし梅見かな  久保田万太郎
   
     ◇          ◇          ◇
さて、先週の土曜日は、いつもの様に朝から京成立石へと出掛けた。

外は前日の雪がまだ残っていたネ。
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天気は良かったのだが、さすがに一時間ちょっと外に立っていると躯が冷えて来る。
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口開けの『宇ち多゛』の酒の沁みたこと。最高だったナ。
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ハツの塩も美味かったなぁ。むふふ。

二軒目もまだ午前中だったので、いつもの『ゑびすや食堂』へ。
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ハムエッグをアテに緑茶割りを吞む。

この日は前日に誕生日を迎えた僕と当日誕生日だった地元のアッキーの誕生日を立石吞んべ横丁の『さくらんぼ』にて祝って頂いた。ママとさつきちゃんをはじめ、宇ち多゛仲間の大島さん、イシさん、岩崎さん、化猫さん、そして自転車ホッシーが駆けつけてくれた。
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ホッシーもインフルエンザ完治して熱唱してたネ。
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ハイ、わたくしも!
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皆さん昼間っからゴキゲンに唄い、酒を呑み、愉しいひとときを過ごした。
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ママ、毎度毎度ありがとうネ!

夕暮れからは、場所を東浅草の『丸千葉』へと移動した。
ホッシーはもちろん自転車で移動。
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僕は夕陽の沈む中、電車で浅草まで出て、そこからバスに乗った。
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立石の重鎮イシさんの奥さんやアッキーいきつけの新小岩のスナックに居るリナちゃんも2月生まれとの事で、みんなで祝いの酒宴と相成った。
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いつもひっきりなしに混んでいる丸千葉だが、この日はしっかりと1テーブル確保しておいてくれたネ。早々に予約をしてくれたイシさんに感謝でアル。

どうですか!
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丸千葉自慢の牡蠣鍋は、プリプリの牡蠣がテンコ盛り。
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こちらは、丸千葉自慢のあんこう鍋だったネ。
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此処のポテサラも野菜豊富でマストなのだナ。
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刺身盛りに煮物も並び、テーブルが埋まる程の料理が並んだ。
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イシさん、本当にありがとうございます!

バースデーケーキにロウソクも灯り、酒宴も盛り上がる。
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アッキーは、この日で50歳を迎えたのだっけ?
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僕とそんなに変わらないんだネ。おめでとう!
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鍋のお代わりもススみ、酒も空いた空いた。
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こちらは、白子鍋!凄いでしょう。
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〆の雑炊は、丸千葉のやっちゃんが絶妙な味に仕上げてくれた。
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卵溶き担当は、大島さん!
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いやぁ、出汁が出て、本当に美味しい雑炊だった。一昨年の忘年会も此処で牡蠣鍋だったが、毎冬の定番になりつつある。
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最後はイシさん、ホッシーとパチリ!
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17時半頃から21時近くまで、とっても愉しい宴会でしたナ。

二日連続で愉しい誕生日酒となった。皆さんに感謝多謝!
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by cafegent | 2012-02-21 16:15 | 飲み歩き | Trackback | Comments(2)
時々、誰かが呟いたツイッターの中で、興味を抱くコトバに出逢う。

人は口からプラスのこともマイナスのことも言う。だから「吐」という字は「口」「+」(プラス)と「-」(マイナス)で出来ている。人がマイナスのことを言わなくなると「-」が消えて、「叶」という字になる。これを知ったらあなたの夢は叶うでしょう。

とても洒落ていて、朝からニヤリと頷いてしまったのだナ。
      ◇         ◇         ◇

2月17日の金曜日、麻布十番の駅を出るとあいにくの雨模様。タリーズコーヒーの前の道を真っ直ぐ歩く。いつも年越し蕎麦を戴いていた『更科堀井』を過ぎると目指す『天冨良よこ田』の入るビルに着いた。

此処はビルの外観からは想像もつかない程に素敵な佇まいの天ぷら屋さんだ。以前は鳥居坂下に在ったが、数年前に移転していた。

大きなカウンターではご主人が立ち、僕らは息子さんの立つ小さなカウンター席へ。こちらは、僕ら夫婦の他に働き盛りの若い青年二人の四人だけである。

目の前の鍋では胡麻油の香ばしい薫りが立ち上り、食欲を煽る。僕ら四人のためだけに天ぷらを揚げてくれるのだから、こんなに贅沢なことはないのだナ。
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プレミアムモルツの小瓶を戴き、乾杯。

そう、この日僕は52回目の誕生日を迎えたのだ。
もう何年も誕生日には天ぷらを食べることにしている。『みかわ』『天茂』『山の上ホテル』『近藤』等々、二月立春の末候の時季は、天ぷらを楽しむ。と言っても、四季を通して寿司と天ぷらは良く食べている。
天ぷらは季節の食材を味わうのに持ってこいの料理だからネ。

先ずは、前菜の胡麻ダレの野菜サラダから。
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紫蘇がアクセントとなり実に美味い一品だ。
天ぷらは海老から始まる。胡麻油の中でパチパチと揚がる音が素晴らしいBGMとなる。

海老頭は、天然の海老煎餅だ。
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香ばしくて食感も良い。此処では天つゆの他に塩、カレー塩とレモン塩が用意される。ギュッと絞った生レモン汁に小さじで三杯塩を盛る。
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塩と酸味の絶妙なバランスに、揚げたての天ぷらがまるで魔法にでもかかった様に美味しくなるのだナ。

カレー塩も大阪の串カツ屋で食べたことがあるが、本当は邪道かナなんて思っていたが、これがまた素晴らしく美味しい。
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此処の海老は『みかわ』よりも若干良く揚げている。ゆえに尾の部分も香ばしく戴けるのだが、海老自体の旨味を最大限に引き出している絶妙な揚げ加減なのだナ。

二本目のビールも空いたので、酒に切り替えた。
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福井の黒龍をお願いする。他にも僕の好きな京都の「桃の滴」も置いてあり嬉しい限り。

鱚(きす)の天ぷらもレモン塩が合う。
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サクっと噛むと中からホクホクの身が現れる。

ベビーコーンの登場。
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余り天ぷらで食べない食材だと思っていたが、生のベビーコーンは甘くて香りも良い。最初は何も付けずに食べ、二口目はカレー塩で戴いた。あぁ、最高!

椎茸は進丈を詰めて揚げてある。
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椎茸の香りが口一杯に広がった。

天つゆに浸したおろし大根は箸休めに丁度良い。これだけで酒もススむってもんだ。
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貝柱の紫蘇のり巻きは、レアに揚げており病みつく美味さだ。

アスパラガスはオーストラリア産とのこと。
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今の時季は国内産よりも甘くて美味しいのだそうだ。

此処の天ぷらは、最初何も付けずに食べ、続いてレモン塩、カレー塩と楽しむのが良いネ。アスパラガスも大正解だ。

酒を愛媛の「石槌(いしづち)」の純米槽(ふね)搾りに切り替えた。
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さらりとした甘口の酒だ。
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銀杏は、間の絹さやがアクセント。これ、素晴らしい味だ。
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スミ烏賊は、ネットりと柔らかく、甘い。火の通し方が絶妙だナ。

帆立貝もご覧の通り、中はレア。
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ブログを書いていると言うと包丁を入れてレア具合を見せてくれた。
こんなちょっとした気遣いが、嬉しいのだネ。
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筍もサクサクで、甘い。

ふきのとうの苦味は、春の訪れを舌で楽しませてくれる。
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冬の間にじっくりと蓄えた栄養分が春の芽となって我々の躯を支えてくれる食材だもの。
マゴチより小さなメゴチも天ぷらならではの食材だネ。
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夏のギンポウも美味いが、江戸前の天ぷらに欠かせないのは、このメゴチか。

此処の穴子は、しっかりと揚げてある。
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カリッとした食感と共に香ばしい薫りを堪能出来る。食材によって実に細かく揚げ具合を変えており、只ただ驚かされる。
この香ばしい薫りに酒もススむ。
また、丁寧かつ軽快に説明などをしてくれて、本当に居心地が良い。

酒が空いたので、もう一度「石槌」をお願いしたら、残りがもう一合に満たないとのことだった。おや残念と思っていたら、半端な残りなのでと、徳利に注いでくれたのだネ。
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あぁ、なんて嬉しいサプライズ。増々、惚れてまうやろう!
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ご主人の元でしっかりと修行を積んだことが、ちゃんと身についているのだネ。素晴らしい。

お酒を運んでくれたお母さんは北海道出身とのことで、僕は余計に親近感が湧いた。家族で懸命に営む姿は、清々しい限りだネ。
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茄子を戴き、もう一度海老が揚がった。そうか、最初に海老頭が二つ出たものネ。
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今度は天つゆで戴いた。むふふ、の美味さ。
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以上で、お任せの天ぷらは総て揚がったのだが、銀杏とふきのとうを再度お願いした。

〆の食事は、妻が天茶で僕はかき揚げ丼をお願いした。
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海老のみのかき揚げ丼は、柚子の香りがほんのりと効いてペロリと食べ終えてしまった。
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天茶も一口戴いたが、こちらも美味しい。次回は天茶にしよう。
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フレッシュな苺をそのまま使ったシャーベットは、甘過ぎず大人の味わいで素晴らしかった。

最後にご主人も「次回は、こちらのカウンターもお願いしますね」とご挨拶され、最後の最後まで幸せな気分で誕生日を祝うことが出来た。

料理屋は味もさることながら、人をもてなす心遣いも重要だネ。そんな意味では、此処『天冨良よこ田』は、至福の一軒だろう。

ミシュランも時には素晴らしい店を選ぶのだネ。

心も躯も十二分に温まり、麻布十番から武蔵小山へと移動した。
路地裏の階段を昇り、馴染みの酒場へと潜り込む。
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キルホーマンのウィスキーは蒸留所の開設から7年が経ち、漸くじっくりと熟成された酒が出て来たのだネ。
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この夜はギムレットを始め、数々のお酒を店主の西川さんにご馳走になってしまった。
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あぁ、52歳のクソ爺ぃになっちまったが、誰かに祝って貰えるって幸せだなぁ。

外に出ると雨は雪へと変わっていた。沢山の皆さんに感謝しながら、雪の舞う中を歩いた夜であった。
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by cafegent | 2012-02-20 13:11 | 食べる | Trackback | Comments(4)
昨日と打って変わって、今朝の東京は青空が広がった。
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樹々の上で雀たちが元気に啼いている。

今日で52歳を迎えた。もう立派なオジサンなのだが、日々の暮らしは酒浸りのコジサンなのだナ。高血圧と肝機能をダマしダマし、元気に生きるとよう。

それにしても、ちょっと運動をサボるとスグ顔が丸くなってくる。
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昨秋、酔っ払ってアバラ骨を折ってから、すっかり走るのを止めてしまったからなぁ。春も近くなったことだし、そろそろランニングを再開しようかナ。
      ◇         ◇         ◇
「文藝春秋」の最新が出たので、第146回芥川賞を受賞した田中慎弥の「共喰い」を読んだ。

酒が入っていたためか、「とっとと終わらせましょうよ」と人を喰った受賞会見が先行して話題をさらった作家だが、彼は実はとてもシャイな人なのだろうネ。

この人は以前、川端康成文学賞を受賞し、そのときは素直に嬉しいと言っている。何度も何度もノミネートされては落選した芥川賞を今回漸く受賞し、「自分が喜ぶ前に周囲に何もかもさらわれてしまい、私はただ流れに任せることになった。」と語っていた。

受賞会見の映像を最後まで観たが、僕はこの作家をもっと知りたくなったのだナ。
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さて、「共喰い」だが、作家自身が賞を「貰って当然」と語った通り、実に面白い作品だと思った。

混沌とする地方都市に暮らす主人公遠馬(とうま)の目を通して見た家族の姿が描かれている。セックスの最中に相手に暴力を与えないとイクことが出来ない父、その父の暴力に愛想を尽かし対岸に出で行ったまま魚屋を営む実母。そして、同居する父の若い愛人。

倒錯する性の世界を日常の中に見る遠馬もまた、父の血を受け継いでいる自分を知りながら、幼馴染みのガールフレンドとのセックスに興じている。非日常の様で、実はリアルな日常を「純文学」と云う切り口により上手く描いているのだナ。

田中真弥氏は、高校を出た後、一度も働いたことがなく、二十歳から一日も欠かさず毎日本を読み、文章を書いているそうだ。その通りに、実に巧みで、上手い文章表現をしている。

私小説作家の西村賢太氏と違い、総てが机上で考えて書いているのだ。
本当に過去に読み漁った沢山の本で知り得た言葉を自分の物として紡いでいるのだろうネ。

ここに登場する三人の女性の描き方がイイ。そうか、女ってこんな考え方をする生き物なのだナ、と感じてしまう。ただ、汚れた川に棲む鰻を男性器の暗喩として捉えているあたりは、横山まさみちの漫画「やる気まんまん」のオットセイを思い出して笑ってしまった。淀んだ川の流れを女性器に見立てる辺りもちょっとネ。まぁ、全体的に面白い故、その辺りは余り気にならないが。

赤犬の登場や汚水臭が漂う川は、小栗康平監督が撮った宮本輝の『泥の川』の映像が目に浮かんだ。当然のことながら、田中氏もこの作品は読んでいるだろうネ。

芥川賞は短編・中編作品が対象である。この作品も短編だが、面白い発見をした。この短い作品の中に「傍」と言うコトバを実に七回も使っているのだナ。

ここまで多様すると、作者の或る種の「記号」なのだろうネ。それが何を意図するものなのか、探るのもまた読書の愉しみのひとつでアル。

この作家の過去の作品も読んでみたくなった。そして、久しぶりに中上健次の『十九歳の地図』で感じた、あの焦燥感を読み返したくなった。
      ◇         ◇         ◇
閑話休題。

さて、夕べは飯田橋の角打ち『杉山商店』から呑み始めた。
目黒から地下鉄で飯田橋駅まで出た。この駅は東京メトロ東西線、南北線、都営大江戸線、そしてJRの駅も交差しており、実に判りづらい。
地下構内を歩き目白通りへと出る。飯田橋三丁目の交差点前に目指す酒屋が在る。
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中に入ると既に酒朋ビリー隊長がぬる燗を吞んでいた。
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此処は酒屋なので、冷蔵庫から勝手に酒を取り出しても良いし、奥で燗酒や生ビールなども頼むことが出来る。但し、一人必ず二品を頼まなくてはならない。酒1とつまみ1で二品となるのだネ。
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先ずは生ビールとシウマイ、そしてもやし炒めを戴いた。
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隣りでは、どうみてもホームレスな御仁が三人で吞んで居る。ビリー隊長が、床に置いてあるゴミ袋に紙屑を捨てようとしたら、一人の御仁の生活道具一式が入っている袋だった。危ないアブナイ!
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グタグタと愚痴をこぼしながら、一人は床にうずくまって寝てしまう。残りの二人は彼を置いて先に帰ってしまった。いい加減に呆れた酒屋のご主人が寝ている輩を叩き起こして外に追い出した。

聞けば、先に帰った一人は元々近くで働いていたのだが、今じゃ殆どホームレス状態だそうだ。たまに競馬に勝つと5千円札を握りしめて、此処に酒を吞みに来ていると言う。
だが、公園辺りでも札束を見せびらかすので、スグに廻りのホームレス連中から追いはぎに遭い、スッカラカンにされてしまうらしい。
オイオイ、大丈夫なのか?

この日もきっと競馬に買った金に釣られて二人のホームレス仲間がついて来たのだ。
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二杯目のぬる燗を吞んでいる内に外は雪が舞い始めた。目白通りを走るタクシーのヘッドライトに粉雪が照らされて何ともドラマチックな光景となった。
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男二人、酒屋の角打ちで、贅沢な雪見酒を愉しむことが出来た。

二軒目は中央線のガードを抜け、神田川沿いに建つ飲食街「千代田街」へと向かった。雪は本格的になって来た。
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此処は小料理屋『たつみ家』、炭火焼き『鳥政』、居酒屋『ミツ』、中華そば『高はし』など魅力的な店が横一列に軒を連ねている。

この日、目指したのは一番奥に在るスタンド居酒屋『やまじ』だ。
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一階はカウンターの立ち飲みで、二階は椅子席になっている。

酒は、灘五郷のひとつ魚崎郷に在る太田酒造の「道灌」だ。
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他にも富山の「銀盤」など銘酒が揃う良い酒場でアル。

また、料理も実に美味いし、内容が豊富だ。本ビノス貝のバター蒸しに鳥ささみの紙カツ、お好み焼きも自慢の一品だ。

お隣さんが頼んでいたピザトーストも美味しそうだったなぁ。厚く切った食パンをグラタン皿に入れ、業務用グリラーで焼く。両面がこんがりと焼けたら具入りのトマトソースを乗せ、その上にたっぷりのモッツァレラチーズを振りかけ、更に火の具合を調節しながらグリラーへ。

観ているだけで、酒がススんだ。
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先ずは、道灌に合わせて柳葉魚(ししゃも)を戴く。子持ちで美味い。
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ビリーは、紙カツを頼んでいたナ。揚げたてでアツアツだ。
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いい具合にほろ酔いとなってきた。美味い酒と肴、ご馳走様でした。
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僕らはそのまま九段下経由で神保町へ。
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『兵六』の暖簾を潜ると、いつもの顔が揃っていたナ。
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ヴァレンタインと誕生日を祝っていただき、チョコレートも戴いた。
ありがとうネ、皆様。

夕べも何とか家に帰れたが、風呂に入ろうと服を脱いだままソファで寝てしまった。これだから、ヘベのレケ野郎は駄目なのですナ。

幸い、床暖房のお陰で風邪を引かずにすんだが、風呂に入ったのは朝の5時だった。トホホ。
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by cafegent | 2012-02-17 15:48 | 飲み歩き | Trackback | Comments(2)
女は、自分の運命を決するのに、微笑一つで沢山なのだ。 太宰治

             - 6 -
立石の街は、深夜零時を廻る頃には静けさだけが闇に広がる。常夜灯をともす住宅の合間に自分の靴音だけが響く。なんだか街全体が、眠りについた犬のようだ。

暗がりの路地をつたい、また絹子の店の戸を開ける。
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半年程、此処に通っただろうか。これまでに何種類の料理を食べさせて貰ったことだろう。中には作り方を教えて貰い、自分でも試したものも有る。

彼女がカウンターのバックバーの酒を取る時に後ろに向くのだが、時々アップにする髪から覗く細く長いうなじは、官能的だ。僕は昔から乳房や足首と同じ様にうなじフェチだ。和服姿の女性の、後れ毛が風に舞うほっそりとした白いうなじに胸が疼(うず)く。あぁ、一度で良いから絹子のうなじに口づけをしてみたい。そんな妄想を抱きながら、ブーダンノワールを口にする。何故、この日は血のソーセージなのだろう。でも、ブルゴーニュのフルボディには、この濃厚な味が合う。

鼻血が出そうな深い味にうなじの妄想は毒だ。あぁ、確実に僕は彼女の不思議な魅力に惹かれている。駄目だ、キリリと冷えたルロアのシャブリで目を覚まそう。

僕がシャブリを頼むと彼女は、帆立と生ウニのバター焼きをこしらえてくれた。
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オーヴンの中でジワっと溶けたバターの香りが僕をまた刺激する。
絹子の官能的なうなじと濃厚続きの料理が僕をパンチドランカーへと誘(いざな)うのか。

新年が過ぎ、旧正月を迎えたころに絹子の店を訪れた。この日は、ビールを貰った。外はかなり寒かったが、中に入った途端暖かさに包まれたからだ。

「それにしても、他のお客さん来ないね」そう言うと、彼女は「あなたが来てくれれば、それでいいのよ」と思いも寄らぬ答えが返ってきた。ドクンと胸の奥が鳴るのが判った。その響きが彼女にまで聴こえたのじゃないだろうか、と焦った。

おや、珍しい酒が置いてあるじゃないか。
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名バーテンダー、デニーさんが作りだした梅のリキュール星子をオン・ザ・ロックで戴いた。スパイシーな香りと奥深い味を一口飲み、胸の鼓動を鎮める努力をした。

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彼女は鶏肉と帆立のクリームシチューを作っている。バターと小麦粉の絡まる匂いは、遠い北海道の実家を思い出させてくれる。鋳物の鍋がコトコトと弱火の上で唄っている。もう大寒か、寒い筈だよ。

料理を仕込んでいるからか彼女は、暑いあついとシャツの腕をまくっていた。小麦粉の付いた手でもお構いなしだ。絹子のそんな仕草ひとつにも疼(うず)いてしまう。
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恋を始めると、とても音楽が身にしみて来るものだ。ブルース・コバーンの「夜の幻想」が絹子の酒場を包み込んでいる。何か語ろうかと思いつつ、言葉が出て来ない。グラスの氷が僕をあざ笑うようにカランと音を立てて廻った。

此処に居ると時間の感覚が判らなくなる。随分沈黙が続いたかもしれない。ウィスキーをもう一杯注いで貰った。ゴクリと呑み、大きく息を吐いた。

「キ....キミを食べたい..」、自分でもどうしてそんな言葉が口から出たのか判らない。口に出しておきながら、胸の方からは無法松の叩く様な太鼓の音が鳴り響く。絹子は一瞬僕の方に顔を上げて、大きな瞳をさらに大きく見開いた。どれくらいの間が有っただろうか。

洗い物をする手を止めながら、口の両端を僅かに持ち上げ微笑んだ。
彼女はただ黙って、店の看板の灯りを落とし内側から鍵を掛けた。
そして、業務用の白いエプロンを外し、ルージュに光る唇の紅を丁寧に拭き取るのであった。

絹子はカウンター越しに僕の唇にキスをした。
どれだけ長い時間、くちづけをしていただろうか。グラスの氷はすっかり溶けていた。火を止めても、鋳物の鍋の蓋はコトコトと鳴り続けていた。そして、僕は絹子に手を引かれ二階へと上がった。

男と女は、実に不可思議な生き物だ。何かの些細なきっかけから言葉も要らずに惹かれ合う。

あれから幾日かが経過したが、くしゃくしゃに丸められたエプロンについた、あの赤い紅の色が今も鮮明に僕の脳裏から消えない。

この冬を越えれば、春が来るのか。さて、こんな夜は馴染みのバーで、トム・ウェイツでも架けてもらおうか。

              終わり
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by cafegent | 2012-02-16 17:10 | ひとりごと | Trackback | Comments(2)
今日の東京はまた寒さが戻ったようだ。外は小雪が舞い始めている。
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朝の30分弱の徒歩通勤でも、手がかじかんだ。立春も終わりが近づき、七十二候では「魚上氷」(うお、こおりをいずる)だ。割れた氷の間から飛び跳ねる魚が見え始める時季が来たと言う訳だ。

北海道では「氷下魚」(こまい)と云う魚を食べる。干した氷下魚をストーブの上で炙り、酒の肴にすると実に美味い。カチンカチンに堅くなっているので金槌で叩いてほぐしてから焼くと良い。

子どもの頃に飼っていたアイヌ犬は、氷下魚が大好物だった。あの堅さが歯に良かったのだろうナ。後に知ったが、コマイとはアイヌの言葉で「小さな音の出る魚」を意味するらしい。氷を割って漁をするから、その時の氷を叩く音を表しているのだろうか。

上京してからは、たまに帰省する時にしか氷下魚も口にしなくなった。
風邪を引いて伯父の葬儀には参列出来なかった母と、久しぶりに電話で話をした。咳き込んでいたが、母は意外と元気そうだった。

今年5月で84歳を迎えるが、自分より8歳も年下の弟を癌で亡くしたことは悲しいが、その分私らが頑張って長生きしなくちゃ、と笑って語ってた。でも、受話器の向こうでは、きっと泣いているのだろうナ。

雪が解けたら、氷下魚を食べに札幌へ帰ろう。
     ◇          ◇          ◇
6日ぶりにカミサンが出張から戻って来た。出張先が故郷の岡山だったので、義父が趣味で作っている野菜を土産に持って帰ってきた。そんな訳で、夕べは家で吞むことにした。

中延駅の近く、商店街から少し離れた辺りに手作りおでん種の店『丸サ商店』が在る。
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さつま揚げやちくわぶがとても美味しいのだが、昨日は親爺さん一押しの自家製こんにゃくとはんぺんも購入。
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人参、大根、牛蒡は義父が育てた野菜だ。
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牛蒡は牛スジと共に串にした。
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最初はビールで喉を潤し、義父から誕生日祝いにと戴いた岡山県の地酒「極聖(きわみひじり)」の純米吟醸「稲穂の稔り」を開けた。
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結構ガツンとくる深い味の酒で、おでんにもピッタリだったナ。

はんぺん、形は悪いが抜群に美味かった。
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大根も人参も出汁が滲みて美味い。

先日餃子を作った時に残っていた種を椎茸に詰めて焼いたものもおでんに入れてみた。これが案外美味しく出来たので嬉しい。
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此処のちくわぶも本当に美味しい。じっくりと煮ても適度な堅さを保っているのがイイ。
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酒もクイクイとススむなぁ。

〆は、おでんの汁掛け飯でアル。
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黒胡椒をふりかけて食べると美味さが増すのだネ。春はもうすぐ近くまで来ているが、まだまだおでんが美味しい季節なのだナ。
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by cafegent | 2012-02-16 14:21 | 食べる | Trackback | Comments(2)