東京だからこそ出会う人や店をつれづれなるままに紹介


by cafegent
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<   2014年 08月 ( 6 )   > この月の画像一覧

カミサンの誕生日と夫婦の結婚6周年の祝いを兼ねて、銀座の和食料理店『小十』にお邪魔した。
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陶芸家の故・西岡小十氏の名前を冠した店は店内に入った瞬間から美しい陶芸の作品群に目を奪われた。店主の奥田透さんは静岡出身で、地元の割烹旅館『喜久屋』から料理の世界に入り、あの名店『青柳』で修行を積んだ料理人だ。

西岡小十さんの作品が好きで、店を出す時にも使う器を焼いて戴いたそうだ。小十翁最後の作品になったと言うのだから感慨深いネ。

11年前に『銀座 小十』を開いて以来、ミシュランで三ツ星を獲得し続けており昨年はフランスのパリにも出店を果たした。オープン間もない頃はパリと東京との往復が続き、東京の店に居ない時も多くなっていたそうだが、最近は銀座の店に居ることも多くなったみたいだ。

今回も奥田氏が自ら腕を振るってくれる事を期待して、カウンター席が取れる日を予約した次第でアル。

美しい一枚板のカウンターは樹齢700年の檜だそうだ。席に座った時から「奥田劇場」の幕が開く。此処はワインも充実しているが、前日にワインを飲み過ぎたので、先ずは生ビールで始めることにした。バカラのローハンに注がれたビールで乾杯!

そして、最初に登場したのは、毛蟹と北海道産の生雲丹を焼き茄子とズイキの冷製和え物だ。毛蟹と茄子、雲丹と茄子、毛ガニとずいき、雲丹とずいき、と交互に味の変化を楽しんで戴ければ、と奥田さんが薦めてくれた。

この料理が載る器もまた素晴らしかった。真白き岩の砦の頂上に色鮮やかな雲丹と毛蟹の色が映える。青白磁の斬新な器は、陶芸家の加藤委(つばさ)さんの作品だ。加藤さんは僕より二つ若いが、僕が六本木のAXISで仕事をしていた時に同じビル内の陶芸ギャラリー『サボア・ヴィーブル』での初個展を観たのが最初だった。ギャラリー店主の宮坂さんに薦められて以来、好きな作家の一人となった。多治見出身の作家だが従来の多治見焼き、美濃焼きとはまるで違う作風は現代の陶磁器を牽引している陶芸家だと思っているのだナ。

酒は福島の純米酒「早瀬浦」を二合戴いた。ガツンとした中に感じる甘い香りが毛蟹の味を引き立ててくれた。

お次ぎはアワビの素麺すり流しだ。アワビの身をすり流しにして出汁と合わせてあり、素麺に絡み合う味に思わず唸ってしまった程だ。細切りにしたアワビの身肉も実に旨い。晩夏に涼を運ぶ一品だった。

三品目に出て来たのは、椀ものだ。
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鱧(ハモ)とじゅんさいの薄味の汁は胃に優しく「奥田劇場」へと誘(いざな)ってくれた。輪切りのズッキーニが無限の輪の如く美しい意匠を放っていたのが印象的だった。鱧は梅雨明けから今頃までが一番美味しい。

さぁ、此処からお造りだ。奥田氏、僕らの為に再び加藤委さんの大きな青白磁の器に盛りつけてくれ、その姿は迫力満点だったなぁ。
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鱧の湯引き梅肉添え、鮃(ヒラメ)の肝添えも美味い。細かく包丁を入れたアオリイカの何と甘いこと。飾りにちりばめられた白い玉は、山芋だ。これも箸休めにさっぱりと戴いた。

日本酒を変えてみた。お次ぎは三重の「寒紅梅」だ。
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山田錦を用いた純米吟醸は、スッキリした香りが清々しく、お造りとの相性も良かったネ。

そして、お待ちかね若鮎の塩焼きの登場だ。席に着いた時、目の前で活きた天然の若鮎を一尾ずつ串にさしていたのだが、それをじっくりと一時間もかけて焼き上げた極上の逸品でアル。
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聞くところによると、このアユは長野の天竜川で穫れる天然ものの活若鮎で、共に「青柳」で修行を重ね、今や盟友となっている日本料理の『龍吟』の山本氏と二軒だけで仕入れているのだそうだ。

活きたまま備長炭の遠火でゆっくりと焼かれるのだから、断末魔を迎えて口を開けている姿が印象的だが、一口食べてみるとその美味さに感動しっぱなしになった。
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こんがりと焼かれた皮はパリッとした食感で、中からはふわっとした身が口の中に溶けていく。川藻を食べて育ったその身は仄かに藻の香りを含み、肝もほんのりとほろ苦くて甘い。極上の鮎が、てんこ盛りに盛られているのだから、感無量でアル。

続いて、牛肉と冬瓜の炊き合わせが出た。
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夏の冬瓜は本当に美味しいネ。

酒もススむし、至福のひとときを味わっている。

さぁ、真打ち登場だ。夏の『小十』での人気の料理は天然の大鰻だ。
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蒸さずに炭火でじっくりと焼き上げ、自家製のタレを塗り重ねながら蒲焼きにするのだ。これには参った。もう見ている側から、ヨダレが出て来そうになるのだから。奥田さんは天然の鰻にこだわり続けている。しかも体重1キロ以上の大物しか仕入れないそうだ。力強く活きた天然鰻の味をシンプルに味わって貰う為に蒸さずに炭火で蒲焼きに仕上げるのだネ。外はカリッとして、中はふっくらと、肉厚ならではの旨みが凝縮されていた。
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山葵を載せて口へ運べば、白飯がススむのだ。思わずご飯をお代わりしてしまったなぁ。

あぁ、本当に美味しい料理を堪能した。
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最後は蕨餅とスイカのデザート、それにココナッツのソルベが出た。
煎茶の後に戴いた抹茶も素晴らしかったナ。

カミサンもとても喜んでくれた様子だし、8月の終わり『小十』に来れて良かった。安定した三ツ星のグランメゾンも良いが、常に意欲的な料理人が腕を振るう和食にして大正解だった。
by cafegent | 2014-08-31 14:02 | 食べる | Trackback | Comments(0)
暦では既に「初秋」を迎えている。東京はまだまだ湿度が高く、暑い日が続いていた。ところが、今朝は窓から吹き込む風が涼しかった。
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シトシトと小雨が降り続いており、ベランダに集まるスズメたちも羽を濡らせていた。
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二十四節気では、「処暑」に入ったネ。厳しい暑さが止む時季だから処暑という。七十二候は「綿柎開」(わたのはなしべがひらく)の季節。綿を包む柎(はなしべ/花のガク)が開き始める時季が来た訳だ。この時を「二百十日」と云い、台風襲来の特異な時期といわれている。これは「立春」から数えて210日目だからだネ。

それにしても、最近の台風や集中豪雨はこの「二百十日」に関係なく突然列島各地を襲っているネ。四国での豪雨しかり、広島での悲劇も尋常じゃない。先日訪れた北海道登別でも記録的な豪雨に見舞われてしまい、湾岸線を走る列車が止まり僕も足止めをくらう羽目になった。

     籠の虫 二百十日も 知らずして    子規

夕べは窓を開けているとカネタタキの鉦を叩く様な音色が聞こえた。
そこはかとなく秋の気配が感じられる様になったのだネ。
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新しく手に入れたぐい飲みの底にはシロクマが居るのだ。秋の虫が奏でる歌に耳を傾けながら吞む酒は、ことさらに旨い。酒の風呂に浸かるシロクマも酔い心地だネ。
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青森の三沢から届いた天然ヒラメを日高昆布で昆布締めにした。
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あぁ、堪らなく美味い。純米酒もススむススむ。
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三沢漁協が力を入れている「神経抜き活締め天然ヒラメ」は、鮮度を保ったまま流通出来るのだから嬉しい限りでアル。

隠岐の島で買ってきた「隠岐誉」の純米大吟醸は香り高くキリリとして旨かった。
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食卓の上で全国の美味いものを味わえるとは、なんと嬉しいことか。

そして北海道礼文島で穫れたエゾムラサキウニも酒のアテに最高だ。
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利尻昆布を食べて育ったウニは仄かに昆布の香りがして甘みを引き立てているのだナ。
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そして、白飯には「佐藤水産」のいくら醤油漬けを合わせるのだ。
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もう、ぐふふの美味さでアル。
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土佐の純米酒「美丈夫」も開けてみた。我が家の食卓で巡る日本の旅、中々オツだなぁ。
     ◇            ◇            ◇
閑話休題。

先週の土曜日は北海道の旅から戻り、久しぶりに京成立石へと足を運んだ。
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空は薄曇りで鼠色の雲にスカイツリーも霞んで見えた。

土曜の朝は馴染みの面々が集う。もつ焼き『宇ち多゛』の口開けを待つ間、酒朋たちと交わす他愛ない会話が楽しいひとときなのだ。1時間半ほど待つ間に口開けの席数が埋まるのだから、本当に此処は人気の酒場でアル。
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さぁ、午前10時半頃「土よ宇朝酒」の開始だ。
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いつもの席でいつもの仲間と酒を酌み交わす。あぁ、なんて幸せな時間だろうか。
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ビールをチェイサーに寶焼酎の梅割りがススむ。
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「カシラ素焼きのお酢掛け」も相変わらず美味い。

よし、長っ尻は無用だ。梅割りのおかわりをクィと呑み干してご馳走さま。続々と外に行列が出来始めていたので、切り上げるとしよう。

待ち時間1時間半、滞在時間40分でアル。しかし、これが愉しくて毎週土曜日は此処に通うんだナ。

二軒目は『四つ木製麺所』だ。
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このコースもすっかり土よ宇朝酒の定番となっている。
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静岡割りを戴いて、酒朋たちとカンパイだ!
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此処は手打ちうどんの名店だが、マスターが築地で仕入れて来る魚介類がすこぶる美味いのだネ。
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この盛りの良さも実に嬉しい限りだネ。
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どうですか、この海鮮サラダも美味しいのだヨ。
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酒もススみ、〆のカレーうどんもしっかりと戴いてご馳走さま。
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立石の仲間たちとは此処で別れ、僕は武蔵小山の酒場へと向かったのでアール。では、また!
by cafegent | 2014-08-27 11:14 | 飲み歩き | Trackback | Comments(0)
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    水打つや 蝉驚いて 飛んで行く    子規
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朝からアブラゼミとミンミンゼミのけたたましい鳴き声が響いている。
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アブラゼミは油が撥ねるような音に聞こえるから、その名が付いたとされている。
ジィジィジリジリとなく音色と路面を照りつける灼熱の太陽の姿が重なり、八月の「盛夏」にリアリティを与えているのだナ。

最近は法師蝉の声を余り聞かなくなった様な気がするが、もうすこし秋の気配を感じないと現れないのだろうか。
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こう暑い日が続くと、打ち水でもして路地を通り抜ける風が涼を運んでくれることを願いたい。
      ◇           ◇           ◇
今年の夏はまとまった休みを取らず、遠出もしなかった。早朝、いつもの公園で鳥や虫を探して歩き、6時半からはラジオ体操だ。
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ラジオ体操って第一、第二とやると結構汗をかくのだネ。固まった体の筋もほぐれるし、ストレッチ代わりにとても効果的なのだナ。

運動が終われば、商店街に戻り『コメダ珈琲』で朝の一杯を味わう。
それでもまだ7時半、家に戻りNHKの連続テレビ小説を観る。

このなんとも普通の日常の過ごし方を知ってからと云うもの、昔のような深夜のクラブ遊びがメッキリと減った。まぁ、夕方から呑み歩いているのだから、夜中まで身体が保つ訳もないのだネ。

酒場のお盆休みに便乗し、ピロリ菌除去の投薬をした。人間ドックで胃の検査をした際にピロリ菌が居ると言われたので、この機会に取り除くことにしたのだ。しかし、このクスリには抗生物質が入っているため、アルコールが入ると効き目が無くなるらしい。しかも、朝と晩の2回を一週間続けなくてはならないのだ。
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そんな訳で、昨日までの一週間なんとか酒も吞まずに過ごしてみた。
とは云え、ウーロン茶やノンアルコールビールなどで、この一週間も開いている酒場で過ごしていた。
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武蔵小山駅近く居酒屋『長平』(ちょうべい)では、『牛太郎』難民の方々が毎日顔を出していたナ。

昨日は窓を開けても生温い湿り気を帯びた風しか吹き込んで来ず、こりゃ堪らんと街へ出掛けた。

向かった先は湯島だ。
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先ずは湯島天神にお詣りし、甘味処の老舗『みつばち』にお邪魔した。
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此処は創業が明治42年と古く、最初は製氷屋さんから始まったそうだ。今も名物になっている小倉アイスは売れ残ったあずきを桶に入れておいたら廻りが固まって、食べてみたら大層美味かったらしい。そこに仕入れたばかりのアイスクリーム製造機に投入してみたら、見事な小倉アイスが出来上がったのだとか。

店の軒先で今も最中に載せた小倉アイスクリームが販売されている。上野から湯島へと歩く人々も『みつばち』の前で足を止め、冷たくて甘い小倉アイスを買い食いしながら涼を取るのだネ。
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だが、この日の目当ては「かき氷」なのだ。

此処の抹茶のかき氷「抹茶金夏」は昔から変わらぬ味で夏になると一度は食べたくなる氷菓でアル。
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もちろん小倉アイスや練乳のトッピングもオススメだ。氷を少しずつ崩しながら、スプーンで口に運ぶ。抹茶の風味が爽やかで、喉から冷えていく。
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サクサクサクとスプーンですくい、餡を載せた白玉と一緒に舌の上に載せるのだ。あぁ、真夏のささやかな幸せだ。食べ終えた後の緑茶の渋みが、これまた堪らなく旨い。ベットリとしていた腕の汗もいつの間にか消え去り、サラリとしていた。

よし、来年もまた八月に訪れるとしよう。

再び湯島からまっすぐ春日通りを東京大学の方へと歩く。
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街路樹のイチョウの木では季節を間違えたのか銀杏の実が沢山実っていた。

本郷三丁目に到着だ。交差点を渡り本郷通りから脇道へ入る。
其処は「菊坂」と呼ばれる坂道が延びている。昭和な佇まいを残した魚屋や肉屋さん。大きなインコが居る小鳥屋さんも在る。脇の細い路地には手押し式のポンプがある井戸も残っていたり、クルマの行き来も少なく長閑な通りだ。

この辺りは確か宮沢賢治が住んで居たことがあるのだネ。昔、文京区が設置した「宮沢賢治旧居跡」の案内表示板を見た記憶がある。
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クルマも入らない細い路地を右に折れると金魚屋の『金魚坂』が在る。
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此処は金魚の釣り堀も有り、この日も親子連れが大勢訪れていたナ。
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此処は僕の酒朋ムッちゃんが働いているのだが、この日はお休みとのことだった。
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奥のカフェで珈琲を戴き、歩き疲れを癒すことにした。

本郷三丁目を後にして、日本橋三越を訪れた。今日から北海道に行くので、実家の両親への土産を探しに行くためだ。

東京生まれの母が好きなのは「くず餅」でアル。
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亀戸『船橋屋』のくず餅と親爺の好物である山形の「富貴豆」を購入した。それにしても全国の銘菓が一堂に買えるのだから、東京って凄いよネ。

昨日までは禁酒期間中だったので、自分用にも和菓子を買った。
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各店が競い合うように夏菓子を並べていた。
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今回はどら焼きが旨い『KITAYA 六人衆』の夏菓子「赤いべべ」にしてみた。

赤いべべ着た金魚が、小石の敷かれた清流を泳ぐ姿が実に美しい。
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緑色の藻を模したのは羊羹だ。その上に敷き詰められた小石はあずきなど。箱庭の様な菓子は暫しその姿を愉しみ、美味しく戴いた。

さて、今日からまた旅に出る。今回は道南の旅だ。室蘭から苫小牧を抜けて日高へ。この辺りはもう涼しい頃だろうか。普段より一枚多く上着を持って行くことにしようかナ。
by cafegent | 2014-08-18 11:21 | ひとりごと | Trackback | Comments(0)
一昨日は月がいつもよりも大きく見える「スーパームーン」が観測されたネ。窓を開けて夜空を眺めると雲が割れて美しい満月が現れた。

余り期待したほど大きくは見えなかったが、それでも美しい夏の月だったナ。
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地球を周回する月の軌道が楕円なので、地球に一番近くなった時に満月を迎えるとスーパームーンになるのだとか。

一眼レフで撮影しても廻りが真っ暗闇だから比較する物がなくただの満月にしか見えなかったのだネ。
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今年は9月8日が「中秋の名月」だ。秋の空に浮く美しい月を眺めながら一献やりたいものだネ。

一年の季節の移ろいを72に分けて表した「七十二候」では、今は「涼風至」(すずかぜ、いたる)の頃。涼しげな秋風がそろそろ立ち始める時季と云う訳だ。台風の影響もあって、ここ数日は夜窓を開けていれば涼しい風が流れ込み寝苦しいおもいをしなくて済んだ。

このまま立秋が過ぎてお盆を迎え、涼しい日が続いてくれると良いのだが。
     ◇           ◇           ◇
昨日、本屋さんに立ち寄ったら雑誌「popeye」がサンドウィッチ特集を組んでいた。ポパイなんてもう数十年も買っていなかったが、思わず手に取りページをめくっていたら、大好きな店のサンドウィッチなども乗っておりスグにレジへと足を運んだ。
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家でゆっくりと誌面を眺めていると大好きな「パレスホテル」のクラブハウスサンドや京都「グリル富久屋」の海老サンドも出ているではないか。旧友関口クンの「関口ベーカリー」のパンも紹介されていた。
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関口クンとは久しく逢っていないが、元気そうで何よりだナ。

東京に出て来た頃から僕が一番好きなサンドウィッチは代官山に今も在る「トムス・サンドイッチ」のBLTサンドでアル。
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分厚いパンをトーストしシャキシャキのレタスとトマト、そこに乗る厚切りのベーコンの香ばしいことったら。もう、堪らん旨さなのだネ。
ただ、当時から値段が高かった。就職したての薄給の時代でアル。たまのデートの時に此処を訪れるのが、何よりも贅沢だと思っていた。

当時、サンドウィッチが二千円近くもするなんて、ホテルぐらいしか考えられなかったのだが、ホテルでは味わえない、見られない手作り感が堪らなく僕の心を惹き付けたのだナ。ガールフレンドを連れて行かないときは、思いっ切り好きなサンドウィッチを選ぶのだ。そう、一人贅沢なのだ。ホットコンビーフサンドだったり、たまごサンドとチキンサラダサンドのW注文をしたりネ。

最近は殆ど外でサンドウィッチを食べる機会が無くなったので、もっぱら自分で作って近くの公園で食べることが多い。梅雨前の清々し季節や初秋の風が吹き出した時季が一番良い。外で食べるサンドウィッチほど美味い物はないと思っている。
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先日、パンを厚切りにし過ぎてカリッとトーストしたところへ、これまた分厚く切ったベーコンを載せてBLTサンドを作ったら、豪快な大きさになってしまった。
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公園のベンチで口を大きく開いて食べたら、最高に美味かった。自分でも可成り上出来きな仕上がりだと思ったのだ。
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長年トムスサンドイッチで味わった味を再現してみたのだネ。

だが、半分も食べ切らないうちに前歯がグキッと音がしたのだった。
そう、余りにも分厚すぎたので差し歯が取れてしまったのだ。
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こうなったら、開き直るしかない。前歯など気にせずに野菜スープを味わい、冷えた缶ビールで青空の下のピクニックを堪能したのでアル。

あぁ、日記を書いていながら「トムスサンドイッチ」の味が浮かんで生唾が出て来た。お盆の間にでも久しぶりに代官山まで散歩に出掛けるとしようか。
by cafegent | 2014-08-13 12:10 | ひとりごと | Trackback | Comments(0)
     夕立や豆腐片手に走る人     子規

何とも人を食ったような一句だが、思わずその情景が眼に浮かぶ。今と違いパックに入った豆腐など無く、当時は自転車などで廻る豆腐屋から桶か鍋に入れて貰い買って帰るのが常だった。

夏真っ盛りの季節だが、暦の上では今日から「立秋」を迎えたネ。
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そろそろ、目白のホテル椿山荘のヘイケボタルも見納めの頃だろうか。浴衣を来て出掛けようと思うのだが、今日も夕立が来そうだし、明日からは台風の影響で雨が続く様子だ。せめて一度ぐらいは浴衣を来て酒場に繰り出したいものだナ。

先日、弘前の『ねぷた祭り』を観に行った。
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熱気と活気に包まれ、汗だくになって次々と現れる扇型のねぷたに声を掛けた。だが、その祭りで人が亡くなる事故が起こってしまった。祭りが始まって以来初めてのことだったそうだが、今年も祭りは中止となったのだネ。

青森の『ねぶた祭り』五所川原の『立佞武多(たちねぶた)』仙台『七夕祭り』山形の『花笠まつり』と東北の祭りは今が熱い。

東北以外でもこの時季は祭りが続く。徳島の『阿波踊り』と高知の『よさこい祭り』も全国的に名が知れたお祭りだろうか。だが、台風の影響による高知の大雨被害により、祭りの開催が危ぶまれているとのことだネ。

参加者も見物人も一緒に汗だくになって燃える夏まつり、無事に総てが開催されることを願いたいものだ。
     ◇           ◇           ◇
閑話休題。

先日、久しぶりに新橋の寿司屋『すし処まさ』さんにお邪魔した。
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一日二組しか予約を取らず、その一組も3人しか席が無いのだから実に困った寿司屋でアル。

それでも店主の人柄と味の良さから評判が評判を呼び、何年も待たなければ予約が取れない。今回の予約は一体いつ頃取ったのだったろうか。忘れてしまう程、昔のことなのだナ。

暖簾を潜りガラリと戸を開けると店主の優さんが正面に立っていた。
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今回も、お世話になります。
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今回も信州おさけ村で仕入れた木曽の純米酒「十六代 九郎右衛門」を差し出した。
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先ずは全員で乾杯だ。
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この日のお造りは北海道島牧村の北海シマエビ、三重の白いか、銚子のかつおだ。
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ねっとりと甘く食感の良い白いかで酒がススむススむ。

和歌山県のとこぶしも良い酒の肴だネ。
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海藻を食べて育つとこぶしは、ほんのりと磯の香りがして、噛むと旨みが滲み出る。

続いて、名物となった「メバチマグロの炙り」の登場だ。
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牡丹の花の様に盛りつけられたマグロはそのまま食べても十分美味しいのだが、これを軽く炙って特製のマスタードつけダレで戴くのだナ。
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自家製豆乳豆腐で口をさっぱりとさせたら、まさ劇場の第二幕の幕開けだ。
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酒もススむなぁ。
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優さんも少々なら大丈夫かな?

ここからは握りが続くのだネ。
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マグロのヅケに始まり、水蛸、シンコと旨い握りが目白押しだ。
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おぉ、石榴(ざくろ)の花の様に艶っぽいその身は赤貝か。
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吉原の遊女のようなその身を口へと運ぶ。コリッとした食感はそっと突き立てた小指を噛んだかの様だったナ。

脂の乗った鯵も美味し。
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酒がススむススむ。他にも幾つか握って頂いてご馳走さま。
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優さんは相変わらず笑顔を絶やすことなく、魚たちと対峙していたネ。

酒朋たちも喜んで頂いた様子だし、次回もまた待ち遠しい限り。そんな訳で、ヘベのレケになりながら、夜の帳へと消えたのでアール。
by cafegent | 2014-08-08 15:24 | 食べる | Trackback | Comments(0)
二十四節気では「大暑」を迎えている。東京も梅雨が明けた途端、暑い日が続いているネ。四国では集中豪雨の被害が出たり、沖縄では台風11号が接近して今週にも暴風域に入るらしい。
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季節を72に分けて表す「七十二候」では昨日までが「土潤溽暑」(つちうるおうて、むしあつし)の頃。溽暑(じょくしょ)なんて言葉、絶対に書けないよネ。いや書けないどころか、読めないか。僕も辞書を引くまで判らなかったのだ。

で、その「溽暑」だが、湿度の高い蒸し暑さのこと。バス停でバスを待つ間、モワッとした熱波が顔をなぶり、空は雲に覆われているのにも関わらず蒸し暑く、腕の毛穴から汗が吹き出して来る、そんな暑さだナ。

そして今日からは「大雨時行」(たいう、ときどきふる)の季節となった。時として大雨が降る時季だネ。東京もモクモクと入道雲が広がり、時折夕立が降る。夏の暑い日の夕暮れ時、ザーッと勢い良く降る雨は実に気持ちが良いのだナ。夕立は2、30分も辛抱すれば止むし、雨上がりの地面には少しだけ涼風を感じることができる。雨上がりの雨の匂いもまたビールの良いアテになる。
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以前、知り合いの骨董屋に素敵な印籠が入ったと聞いて見に行ったことがある。黒く漆が塗られた印籠の表では寺の山門の軒下に武士や商人、百姓たちが一緒になって雨宿りをしている絵が描かれている。裏を返すと、上部の蓋には雲に乗った鬼、下部には桑の野原に鬼が落ちて尻に桑の葉が刺さっている鬼が描かれていた。

随分と細かい絵だが、人々が身分を越えて仲良く雨宿りする構図が素晴らしく、また雨を降らす鬼が桑の原に落っこちた図案は、雷除けのおまじないの「くわばら、くわばら」を表しているのだネ。

その昔、太宰府に流された菅原道真公が死んで「雷神」と化して、復讐を遂げた。この時、道真公の故郷に在った桑原にだけ、雷を落とさなかったから庶民たちが「くわばら、くわばら」と唱えるようになったと云われている。また、先程の印籠の絵にあるように調子に乗って雷を落としていた鬼が地上に落ちた際に尖った桑の葉にお尻を刺されて泣いて逃げたから、と云う説も有るそうだ。

あの印籠、値段が88万円もしたので僕は諦めたのだが、もう一度観てみたくなった。
      ◇           ◇           ◇
閑話休題。

先日、米子空港で飛行機を待つ間、専用ラウンジで手にしたANAの機内誌「翼の王国」に弘前の珈琲文化の記事が出ていた。それを読んだせいか無性に弘前で珈琲が飲みたくなったのだ。

そんな訳で上野から高速バスに乗り込み、弘前へと向かった。途中三回程休憩所に立ち寄ったのだが、さすがに9時間半の旅は疲れたなぁ。
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福島を過ぎた辺りで落雷の音が響き、前のクルマが見えない程の集中豪雨に見舞われた。バスの運転手さん、慣れたものでまったく前が見えない中ちゃんと車間距離を保ちながらバスを走らせていたナ。

暫く進むと雨が上がり、とても美しい虹を車窓の向こうに見ることができた。
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福島、仙台、岩手と走り抜けて午後19時半、バスは弘前へ到着。バスターミナルを出て5分ほど歩くと、もう祭りの響きが聞こえて来た。羽州街道は車が入れぬように交通規制が敷かれ、沿道には「ねぷた祭り」の見物客が大勢座り込み酒宴を繰り広げていた。
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この時期、津軽地方では町村ごとに「ねぶた」祭りが催される。一番有名なのは青森市の「ねぶた」だネ。今回、僕が訪れたのは弘前市の「ねぷた」、そして五所川原市の「立佞武多(たちねぶた)」が有る。弘前のは「出陣」を表し、五所川原のは「合戦」を表している。そして青森は「凱旋」だそうだ。

丸く大きな「剛情張大太鼓」が夜の街に現れた。
三代藩主の信義公が「津軽には十尺もの大きな太鼓が有る」と大ボラを吹いたことから、この大太鼓が始まったと云う。
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今は直径4mもあるこの「津軽剛情っ張り大太鼓」が「ねぷた祭り」を大いに盛り上げるのだナ。
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それに続いて、可愛い子供会の扇ねぷたや金魚ねぷたが練り歩く。
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「ヤーヤドーッ、ヤーヤドーッ!」の掛け声と共に沢山のねぷたが続々やって来る。通りの商店街はこぞって冷たいビールやつまみを販売している。あぁ、夜空に輝く美しい扇型のねぷたに掛け声を掛けながら飲むビールは最高に美味い。
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弘前のねぷたは、大きな扇型の正面の鏡絵に「武者」、背面の見送り絵に「美人絵」が描かれているのが特徴だ。
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それを載せる土台には津軽家の家紋である牡丹が描かれているのだネ。

威勢の良い男衆たちがクルクルとねぷたを廻しながら進んで行く。
「ラッセラーッ、ラッセーラーッ!」とハネトが飛び跳ねる青森のねぶたも迫力満点だが、初めて観た弘前ねぷたも圧巻だったなぁ。
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末広がりで縁起のよい扇型のねぷたは大小合わせて約80台が繰り出すのだ。城下町ならではの勇壮さと夜空に浮かぶ美人絵の艶やかさが夏に相応しい幽玄な祭りだった。

熱気溢れた祭りの喧噪から逃れ、一休み。
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この日は偶然にも東京から友人夫妻が来ていた。僕の30年来の友人で広告の仕事仲間でもあるK夫婦が実家に里帰りとのことで弘前に戻って来ていたのだネ。良い酒場が多い「かくみ小路」で合流し、先ずは僕が行きたかった喫茶『ルビアン』に寄ることにした。

無骨な顔をしたマスターが独り、カウンターで珈琲を煎れている。
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明治時代にはキリスト教の宣教師が多く暮らし、学問の街として知られた弘前は今でも洋館やモダンな教会が多く残っており、ハイカラな文化が宿っていた。

そんな弘前では、幕末の藩士も苦い珈琲を病の予防薬として飲んでいたらしい。今から約160年前の安政二年、蝦夷地(今の北海道)の警備に派遣されていた弘前藩士は、幕府から配給された珈琲を薬として煎じていたらしい。遠い長崎の出島にもたらされた珈琲は、蘭学者など極少数の人達だけに飲まれていたが、弘前では普通の人々たちまでもが飲んでいたそうだ。
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此処『純喫茶ルビアン』は、水出し珈琲が評判だ。夜更けまで開いているのも、酒の後の一杯に嬉しい限りでアル。
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此処はナポリタンとピラフが旨いと聞いていたのだが、今回は珈琲のみにした。

友人のカミサンはパフェーを頼んでいた。
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珈琲も実に丁寧に淹れるのだが、無骨な店主の赤石さんが丁寧に作るパフェーは昭和の香り漂う一品だった。
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この夜のねぷたも、もう終わりの時刻だ。弘前の街では、この日から一週間「ヤーヤドーッ!」の掛け声と共に街が熱気に包まれる。

さて、そろそろ酒場へと繰り出すとしようかナ。
by cafegent | 2014-08-05 01:15 | ひとりごと | Trackback | Comments(0)