東京だからこそ出会う人や店をつれづれなるままに紹介


by cafegent
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    古池や翡翠(かわせみ)去って魚浮かぶ   子規

早いもので、もう年の瀬の十二月となったネ。二十四節気でも今週末で「小雪」が終わり「大雪」となる。関東ではようやく樹々が紅葉の葉が赤く染まり、イチョウ並木は黄金色に輝き出した。
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空気が澄んだこの時季、西日を浴びるイチョウの葉は実に美しい。
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我が家の近くに在る星薬科大学の正門から続くイチョウも見事だった。

忙しさにかまけてしまい11月は一度も日記を更新出来なかった。四月から開始した全国酒の旅も八ヶ月が過ぎたのだネ。

東京に居る時は毎朝近所の公園に出掛けている。此処にやって来る野鳥たちを探すのが朝の愉しみのひとつでアル。グッと気温が下がって来たので、冬鳥が入り出す頃だが、今年は何故か遅い。いつもならば11月からツグミやジョウビタキ、ルリビタキが入り出すのだが、今年はまだツグミも一度しか見つけていない。
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シメは時々降りて来るようになった。それでも、まだ少ないナ。

池にも時々カワセミが餌を求めてやって来る。
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翡翠(ひすい)と書いてカワセミと詠ませるほど、その姿態の色は美しい。青とオレンジのコントラストは自然界が生んだ宝石の様だネ。石の上から細長いくちばしを水面に向けてサーッと舞い降りて水の中に飛び込み、小魚や小エビを捕まえる姿もまた見事だ。
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俳句の世界では、カワセミは実は夏の季語となっている。だが、鳥の専門家たちは、それが解(げ)せないと言っている。僕もそう思っているのだナ。冬枯れの水場をサーッと飛ぶ姿は煌めく宝石の如く美しく自然と融合している。

    しぐれつつ翡翠翔(かけ)て蘆(あし)に消ゆ  水原秋桜子

昨日は可愛いウグイスを見つける事が出来た。
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今日はあいにくの雨なので、一日机に向って原稿を書いていたが、明日の朝は雨が上がってくれている事を願うばかりでアル。
      ◇           ◇           ◇
閑話休題。

先週、新潟は糸魚川へと旅をした。只々日本海の旬の旨い魚が喰いたくて、東京駅へと向った。

新幹線Maxときに乗り、一路越後湯沢駅へ。此処からは特急はくたかに乗り、直江津へ。
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そして直江津から特急北越でようやく糸魚川に到着だ。来年三月の北陸新幹線の開業に伴い、特急はくたかは、その18年間の雄姿に幕を下ろすこととなった。

この路線、大半がトンネルの中なので余り景色を楽しむ事が出来ない。だが、その路線の特徴を逆手にとって土日祝日には車内で映像を鑑賞出来る「ゆめぞら号」という車両が運行されているのだネ。今回の旅は平日の朝だったので、ゆめぞら号は無かったが、時折垣間みれる車窓からの景色は、みごとな紅葉を望むことが出来た。
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特急はくたかへの乗車もこれが最後かと思うと感慨深かったナァ。
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糸魚川駅から15分程歩くと目指す店『地魚料理 すし活』さんの暖簾が見えた。
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此処は大将の渡辺篤さんが奥様と二人で切り盛りする小体のお寿司屋さんだ。

先ずは、生ビールをゴクリ!
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あぁ、ウマイ!約三時間の旅の疲れも吹き飛ぶネ。

糸魚川の能生で水揚げされた小伏(こぶせ)がにを戴いた。
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ズワイガニの子持ちのメスを「小伏」と呼ぶのだが、金沢では「香箱(こうばこ)」と呼ばれいるネ。福井では「セイコガニ」と呼ぶが、同じものだ。オスのズワイガニも福井では「越前ガニ」と呼び、京都や鳥取では「松葉ガニ」となるのだネ。そう云えば、鳥取の境港ではメスを「セコガニ」と言っていたのを思い出した。

そのメスの腹に抱えている外子と甲羅の中の内子(未成熟卵)とかにみそを丁寧に酒とみりんと合わせ醤油で和えて「沖漬け」にしてあるのだヨ。プチプチした食感の外子と濃厚な内子が織りなす味のハーモニーは絶品だった。
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これには酒しかない。
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燗酒をつけてもらい、冬の味覚の女王を讃える事にした。

大将から「外子だけ先に食べて内子は半分程残しておいてネ」と声が掛かった。一合徳利の燗酒はスグに空になってしまう。

次の燗酒と共に登場したのは、これまた小伏がにと同じ様な色の珍味だった。
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ハテ、なんだろう。一口舐めてみても、旨味が先にきてそれが何か検討もつかなかった。大将も「判んないだろうなぁ。コレ、海老の頭部の味噌のところだけを麹でじっくりと煮詰めて水分をすっかり飛ばしたものだそうだ。これだけで海老6尾も使ったのだとか。いやはや恐れ入る。これもまた日本酒の肴にぴったりの珍味だったナ。

続いて出てきたのは、串が二本だ。手前がヒラメの皮で奥のがカガミダイの皮とのこと。
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香ばしく炙られて、これも酒の友だネ。

珍味が続いていたら、先程の小伏がに沖漬けの卵と足の身をふんだんに寿司飯に混ぜ合わせた一品が登場した。
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かにの旨味が目一杯詰まったかに寿司は本当に唸るような旨さだった。

さぁ、ここからは大将の地物の握り寿司劇場の始まりだ。「すし活」さんでは、白身の魚に相当入れ込んでいる。大将の渡辺さんは「出来ればマグロなんて他の店で食べて貰えれば良いんだよ。熟成させて旨味を引き出す赤身と違って、白身魚は鮮度が命!短期決戦なんだよネ!」と熱く語ってくれた。

先ずは日本海のアラから。
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おぉ、歯ごたえ抜群で美味い。
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こちらは、カガミダイだ。
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続いて1.5キロ物のヒラメ、甘いアオリイカと続く。
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アオリイカは塩で戴いたが、ねっとりと甘いアオリイカの旨味がより一層際立ったナァ。

そして、〆サバだ。
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これもしめ具合抜群だった。

こちらは、メダイの炙りだ。
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塩で戴いたが、脂の乗りも良く最高だ。
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お次は、イシダイにキジハタの握りだ。
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これは身がギュッと締まっていて歯ごたえ良し!

こちらは、イナダだ。
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これは白身と赤身の中間だネ。脂の乗りが丁度良く美味。

続いて出たのは「つづらめ」という魚だった。
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初めて食べたのだが、身が硬く締まっており美味い。メバル化の白身魚なのだとか。
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続いて、あっさりとしたマトウダイに身がねっとりとして甘い赤ガレイを握って貰った。赤ガレイは普通煮付けや鍋にする魚だネ。さすが、鮮度が命なだけに、握りも抜群だった。

最後はキクガレイの握りだった。これも余り聞き慣れないカレイだと思っていたら、関東で言うところの「ムシガレイ」のことだった。殆ど干物でしか見ないのだが、生も大変美味だったナ。
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握り十三貫、大いに満足した。こちらでは、どんな握りも一貫ずつ握ってくれる。美味い地物を沢山食べて貰いたいと言う大将の心遣いなのだネ。心地良い気分で過ごす事が出来た。
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美味い魚を堪能し、程よく酔った。さて、次は何処に向うとしようか。
by cafegent | 2014-12-04 19:22 | 食べる | Trackback | Comments(2)