東京だからこそ出会う人や店をつれづれなるままに紹介


by cafegent
カレンダー

<   2015年 09月 ( 2 )   > この月の画像一覧

   眠らざる夜半の灯や秋の雨    漱石

野分(のわき)の風が吹き荒れて、秋霖(しゅうりん)が続いている。
b0019140_1254174.jpg
朝からテレビの報道は、各地の大雨による被害の中継がメインだ。北上を続ける台風18号と本州の南岸に停滞している秋雨前線の影響により、茨城や栃木で大雨警報が出て河川が氾濫している。冠水で家が崩れたりし、住民も避難するなど大雨の被害が広がっているネ。

台風が浜松を直撃していた昨日、僕は今日が最終日の青春18きっぷを使い切るために列車の旅に出た。まさか、栃木に大雨警報が発令されるとは思いもよらなかったので、品川駅から東海道本線に乗り黒磯へと向った。
b0019140_12553627.jpg
足元は雨仕様の靴を履いて来たら大丈夫だ。

宇都宮まではグリーン車が有るので、快適な「居酒屋グリーン」を堪能することにした。品川からの旅は新幹線に乗る場合は駅弁「貝づくし」を買うのだが、コレが意地悪く新幹線の改札の中にしか売っている駅弁屋が無いため、普通列車の旅の場合は「深川めし」弁当にすることが多い。

さて、駅弁と缶ビールを持ってグリーン車に乗り込むとなんと通路まで人が立っており大混雑だ。これはグリーン車に乗った意味が無いじゃないか。だが、次の新橋駅でドッと人が降りたのでソコからは二階席の窓側に座ることが出来た。朝の通勤時は、結構な数の会社員がグリーン車を利用するのだネ。

列車が上野を出発したところで、缶ビールをプシュッと開けた。
b0019140_12585951.jpg
上野を過ぎると旅に出た気分が増すのだ。そして深川めしの蓋を取る。

大粒のアサリと煮穴子も旨そうだ。おや、何かが違う。何か足りない気がするナァ。と、じっくりと俯瞰で弁当を覗き込むと漸く気が付いた。
b0019140_12591497.jpg
ハゼの甘露煮が消えているでは無いか。いつもは二尾のハゼが寝そべっている筈だが、それがこつ然と消えている。もしかして僕の深川めしだけ弁当工場の従業員が入れ忘れたんじゃなかろうか?だが、蓋のラベルを見てみると何処にもハゼの名前が記されていなかった。

そう云えば、この深川めし蓋のデザインがいつもと違っていた。そしてネットで検索してみると、この弁当は「NRE大増」が作っていた。折り詰めで有名な「日本ばし大増」が駅弁として売り出していたのだネ。
あぁ、ガッカリだ。馴染み深い深川めしは、JR東海パッセンジャー製だったのだ。こちらはちゃんとハゼの甘露煮が入っているのだナ。だが、こうやって一度ミスをしておけば、次回からは間違えることはない。と気持ちを切り替えてあさり飯を頬張るのだった。
b0019140_12594153.jpg
缶チューハイを飲み干した頃に列車は宇都宮に到着だ。其所からは普通列車で黒磯を目指す。約50分ほど横並びのシートに揺られ旅を続けた。
b0019140_13284593.jpg
黒磯駅前から路線バスに乗り那須湯本へ。35分で目的地に到着だ。
b0019140_130421.jpg
幸い雨は小降りだったので、目指す温泉『鹿の湯』へと歩いた。
b0019140_132168.jpg
那須温泉の元湯『鹿の湯』は1300年も続く風情溢れる木造りの温泉で、平日は400円で湯に浸かることが出来る。
b0019140_1321570.jpg
そう、鹿の湯に浸かる時は、必ず指輪やアクセサリーは外すこと!硫黄が強いから変色してしまうからネ。

鹿の湯は、芭蕉が「奥の細道」の旅の途中で立ち寄った温泉だ。

    石の香や夏草赤く露あつし

那須の史跡「殺生石」の近くにこの句碑が建っている。芭蕉が殺生石の有る場所を訪れ詠んだ句だが、この辺りの硫黄臭の強い温泉により夏草が赤く枯れて露も熱かった様子を句にしたのかナ。

温泉に浸かる前にかぶり湯を頭からかぶるのだ。硫黄の匂いが立ち込める湯場には、温度が41度、42度、43度、44度、46度、48度の6つの湯船が有る。僕は順番に総ての湯に浸かる。腰まで1分、胸まで1分、首まで1分を各湯船で行うのが良い。そうそう、砂時計も貸してくれるので利用すると好い。46度と48度は初めての人にはススメられないかナ。44度ぐらいで慣れてくれば、次へ進んでみよう。

湯船の縁で休みながら、48度に三度浸かり湯を出た。木枠の窓の外では雨が激しくなっていた。流れる川も激しく揺れている。
b0019140_1323665.jpg
身体がポカポカに温まったので、温泉を出てバス停まで戻った。
「鹿の湯」公式サイト

再びバスに揺られ、黒磯駅へ。此処からまた各駅停車の列車に乗って宇都宮駅へと向った。

JR宇都宮駅から田川を越えて真っ直ぐ東武宇都宮駅方面へと歩く。
b0019140_1372799.jpg
雨は小降りになっていたが、空は銀鼠色の雲に覆われていた。
b0019140_1374444.jpg
大通りを進み、二荒山神社の大鳥居を過ぎたら、左へ曲がる。目指すはドン・キホーテの地階に在る『来らっせ本店』だ。此処には宇都宮を代表する餃子の名店が常設で出店しており、並ばずに各店の餃子を味わうことが出来るのだヨ。

先ずは『めんめん』の羽根付餃子を戴こう。
b0019140_1392926.jpg
湯上がりの生ビールも最高だ。此処の餃子は小龍包の様に肉汁がたっぷりだ。あぁ、久しぶりの味だナ。お次は何処の餃子にしようかナ。

よし、もっちりした皮が美味い『香蘭』に決めた。
b0019140_1394451.jpg
6個の餃子も一気に食べ終えてしまった。餃子はこれ位にして次へ行こう。

本町の交差点を左折し中央通りへ。二本目の路地を曲がった所に地ビールが美味しい『BLUE MAGIC』が在る。
b0019140_13114879.jpg
口開け早々なので、客は僕一人だった。カウンターに座り一杯目のビールをお願いした。
b0019140_1312514.jpg
ブルーマジックが作る「森羅万象」を戴いた。おぉ、苦みが効いて旨い。

此処は店の奥に併設された醸造所のタンクを眺めながらビールを愉しめるので、醸造所で飲んでいる気分を堪能出来るのだナ。二杯目は、とちおとめ苺を使ったビールだ。
b0019140_13123796.jpg
苺の風味が口一杯に広がって爽やかな味わいだ。僕はこれが大好きで此処を訪れる度に注文するビールなのだ。

暫くすると数人のお客さんが入って来た。女性二人組は、4種類のクラフトビールが味わえる「本日のテイスティングセット〜異味四飲〜」を楽しんでいる。
b0019140_13131839.jpg
カウンターに座った男性は結構クラフトビールが好きらしい。ビールの話や何故か大友克洋展の話で盛り上がった。

最後に「U.S.Aペールエール 初秋バージョン」を戴いた。こちらも飲み易いビールだったナ。今回は三杯ともブルーマジックが製造したビールを味わった。
b0019140_13175673.jpg
来週からさいたまスーパーアリーナのけやき広場で催される「Keyaki Beer Festival」にブルーマジックも出店すると伺った。シルバーウィークの間なので僕も行ってみようかナ。

外へ出ると雨が一瞬止んでいた。
b0019140_13315158.jpg
気を良くして中央通りを県庁方面へと歩いていると突然雨が降り出した。雨がどんどん強くなって来たので栃木会館で一旦雨宿りだ。会館の裏口を出て八幡山公園通りに面した駐車場で暫く雨が弱まるのを待った。だが、一向に小雨になる気配がない。時計の針が5時を廻った。

こりゃもう雨を振り切って走ろう。と目の前の細い路地へダッシュ!
そう、居酒屋『庄助』の口開けに向ったのだ。
b0019140_13181755.jpg
栃木会館の駐車場から数十歩で到着だ。

入口正面のカウンターに腰を降ろした。大雨となったこの日も此処は相変わらず繁盛している。奥の座敷席もテーブル席も総てが予約で埋まっていた。カウンターの数席を残して殆どが予約席だった。

おしぼりで顔にかかった雨を拭い、ホッと一息。会津の酒「末廣」をぬる燗で戴いた。
b0019140_13183341.jpg
お通しは竹輪の磯辺揚げだ。これは美味い。
b0019140_13185034.jpg
酒のアテは、柚子味噌のクリームチーズ和えだナ。柚子の香り豊かで濃厚な味噌がクリームチーズと絶妙にマッチしている。これは、酒がススむススむ。

続いて、新秋刀魚の刺身を戴いた。
b0019140_1319154.jpg
程よく脂が乗り、あっさりとして美味い。茗荷や刻みネギと共に口へ運ぶ。二本目のぬる燗も空になった。

三本目の酒をお願いすると、そこへカニクリームコロッケが登場した。
b0019140_13191786.jpg
庄助は焼き餃子とこのクリームコロッケも実に美味いのだネ。レモンをギュッと搾って熱々を口へ。

ハフハフしながらゆっくりと噛めば、サクッとした衣の間からトロリとカニのベシャメルソースが口へ溢れるのだ。あぁ、至福のひとときだ。

続々と予約のお客さんが入って来る。外の雨は激しさを増して来た。これは早めに切り上げた方が無難だナ。と、三本目のお銚子が空になったところでご馳走さま。

秋から冬になったらきのこ鍋の時期となる。また、その頃にお邪魔するとしよう。通りに出るとタイミングよく客を降ろしたばかりのタクシーを拾うことが出来た。

強い雨にフロントのワイパーも役に立たない様子だ。濡れた路面にクルマのヘッドライトが照り返し、余計に前が見えにくくなっている。それでもタクシーのドライバーさんは慣れた手つきでハンドルを操り僕を無事に宇都宮駅へと送り届けてくれた。感謝!

ところが、駅へ入ると東海道線が豪雨のために止まっているではないか。さぁ、困ったと別のルートで東京へ戻る術を模索していると、そこへ場内アナウンスが響いた。なんと新幹線での振替輸送を開始するとのことだったのだ。すかさず、新幹線の改札へとダッシュ!この日、二度目のダッシュだったナ。

駅員さんに「新幹線振替乗車票」を戴いて改札を抜けた。そして東京方面行きのホームを目指し再び階段を駆け上る。
b0019140_13194811.jpg
どの車両も入口まで人で一杯だったが、何とか乗ることが出来た。ギュウギュウになりながらもドアが閉まり新幹線は宇都宮駅を出た。次々と入って来る乗客に押し流され客席側の通路まで移動した。すると次の停車駅小山で目の前に座っていた乗客が降りたのだ。そして、僕がスッと其処へ座ることが出来た。
b0019140_1320796.jpg
思いがけない大雨の影響で、青春18きっぷの旅があり得ない筈の新幹線の帰路となった訳だ。小山から大宮、上野と新幹線は無事に走り、終点の東京まで戻ることが出来た。

東京駅からは再び青春18きっぷを用い、目黒まで移動した。予定より二時間も早く戻れたので、再び武蔵小山の酒場へと向ったのでアール。
by cafegent | 2015-09-10 13:35 | 飲み歩き | Trackback | Comments(0)
   眠らざる夜半の灯や秋の雨    漱石

野分(のわき)の風が吹き荒れて、秋霖(しゅうりん)が続いている。

朝からテレビの報道は、各地の大雨による被害の中継がメインだ。北上を続ける台風18号と本州の南岸に停滞している秋雨前線の影響により、茨城や栃木で大雨警報が出て河川が氾濫している。冠水で家が崩れたりし、住民も避難するなど大雨の被害が広がっているネ。

台風が浜松を直撃していた昨日、僕は今日が最終日の青春18きっぷを使い切るために列車の旅に出た。まさか、栃木に大雨警報が発令されるとは思いもよらなかったので、品川駅から東海道本線に乗り黒磯へと向った。

宇都宮まではグリーン車が有るので、快適な「居酒屋グリーン」を堪能することにした。品川からの旅は新幹線に乗る場合は駅弁「貝づくし」を買うのだが、コレが意地悪く新幹線の改札の中にしか売っている駅弁屋が無いため、普通列車の旅の場合は「深川めし」弁当にすることが多い。

さて、駅弁と缶ビールを持ってグリーン車に乗り込むとなんと通路まで人が立っており大混雑だ。これはグリーン車に乗った意味が無いじゃないか。だが、次の新橋駅でドッと人が降りたのでソコからは二階席の窓側に座ることが出来た。朝の通勤時は、結構な数の会社員がグリーン車を利用するのだネ。

列車が上野を出発したところで、缶ビールをプシュッと開けた。上野を過ぎると旅に出た気分が増すのだナ。そして深川めしの蓋を取る。

大粒のアサリと煮穴子も旨そうだ。おや、何かが違う。何か足りない気がするナァ。と、じっくりと俯瞰で弁当を覗き込むと漸く気が付いた。ハゼの甘露煮が消えているでは無いか。いつもは二尾のハゼが寝そべっている筈だが、それがこつ然と消えている。もしかして僕の深川めしだけ弁当工場の従業員が入れ忘れたんじゃなかろうか?だが、蓋のラベルを見てみると何処にもハゼの名前が記されていなかった。

そう云えば、この深川めし蓋のデザインがいつもと違っていた。そしてネットで検索してみると、この弁当は「NRE大増」が作っていた。折り詰め弁当で有名な「日本ばし大増」が駅弁として売り出していたのだネ。あぁ、ガッカリだ。馴染み深い深川めしは、JR東海パッセンジャー製だったのだ。こちらはちゃんとハゼの甘露煮が入っているのだナ。だが、こうやって一度ミスをしておけば、次回からは間違えることはない。と気持ちを切り替えてあさり飯を頬張るのだった。

缶チューハイを飲み干した頃に列車は宇都宮に到着だ。其所からは普通列車で黒磯駅を目指す。約50分ほど横並びのシートに揺られ旅を続けた。

黒磯駅前から路線バスに乗り那須湯本へ。35分で目的地に到着だ。幸い雨は小降りだったので、目指す温泉『鹿の湯』へと歩いた。那須温泉の元湯『鹿の湯』は1300年も続く風情溢れる木造りの温泉で、平日は400円で湯に浸かることが出来る。そう、鹿の湯に浸かる時は、必ず指輪やアクセサリーは外すこと!硫黄が強いから変色してしまうからネ。

鹿の湯は、芭蕉が「奥の細道」の旅の途中で立ち寄った温泉だ。

    石の香や夏草赤く露あつし

那須の史跡「殺生石」の近くにこの句碑が建っている。芭蕉が殺生石の有る場所を訪れ詠んだ句だが、この辺りの硫黄臭の強い温泉により夏草が赤く枯れて露も熱かった様子を句にしたのかナ。

温泉に浸かる前にかぶり湯を頭からかぶるのだ。硫黄の匂いが立ち込める湯場には、温度が41度、42度、43度、44度、46度、48度の6つの湯船が有る。僕は順番に総ての湯に浸かる。腰まで1分、胸まで1分、首まで1分を各湯船で行うのが良い。そうそう、砂時計も貸してくれるので利用すると好い。46度と48度は初めての人にはススメられないかナ。44度ぐらいで慣れてくれば、次へ進んでみよう。

湯船の縁で休みながら、48度に三度浸かり湯を出た。木枠の窓の外では雨が激しくなっていた。流れる川も激しく揺れている。身体がポカポカに温まったので、温泉を出てバス停まで戻った。

http://www.shikanoyu.jp/

再びバスに揺られ、黒磯駅へ。此処からまた各駅停車の列車に乗って宇都宮駅へと向った。

JR宇都宮駅から田川を越えて真っ直ぐ東武宇都宮駅方面へと歩く。雨は小降りになっていたが、空は銀鼠色の雲に覆われていた。大通りを進み、二荒山神社の大鳥居を過ぎたら、左へ曲がる。目指すはドン・キホーテの地階に在る『来らっせ本店』だ。此処には宇都宮を代表する餃子の名店が常設で出店しており、並ばずに各店の餃子を味わうことが出来るのだヨ。

先ずは『めんめん』の羽根付餃子を戴こう。湯上がりの生ビールも最高だ。此処の餃子は小龍包の様に肉汁がたっぷりだ。あぁ、久しぶりの味だナ。お次は何処の餃子にしようかナ。よし、もっちりした皮が美味い『香蘭』に決めた。6個の餃子も一気に食べ終えてしまった。餃子はこれ位にして次へ行こう。

本町の交差点を左折し中央通りへ。二本目の路地を曲がった所に地ビールが美味しい『BLUE MAGIC』が在る。

口開け早々なので、客は僕一人だった。カウンターに座り一杯目のビールをお願いした。ブルーマジックが作る「森羅万象」を戴いた。おぉ、苦みが効いて旨い。

此処は店の奥に併設された醸造所のタンクを眺めながらビールを愉しめるので、醸造所で飲んでいる気分を堪能出来るのだナ。二杯目は、とちおとめ苺を使ったビールだ。苺の風味が口一杯に広がって爽やかな味わいだ。僕はこれが大好きで此処を訪れる度に注文するビールなのだ。

暫くすると数人のお客さんが入って来た。女性二人組は、4種類のクラフトビールが味わえる「本日のテイスティングセット〜異味四飲〜」を楽しんでいる。カウンターに座った男性は結構クラフトビールが好きらしい。ビールの話や何故か大友克洋展の話で盛り上がった。

最後に「U.S.Aペールエール 初秋バージョン」を戴いた。こちらも飲み易いビールだったナ。今回は三杯ともブルーマジックが製造したビールを味わった。

来週からさいたまスーパーアリーナのけやき広場で催される「Keyaki Beer Festival」にブルーマジックも出店すると伺った。シルバーウィークの間なので僕も行ってみようかナ。

外へ出ると雨が一瞬止んでいた。気を良くして中央通りを県庁方面へと歩いていると突然雨が降り出した。雨がどんどん強くなって来たので栃木会館で一旦雨宿りだ。会館の裏口を出て八幡山公園通りに面した駐車場で暫く雨が弱まるのを待った。だが、一向に小雨になる気配がない。時計の針が5時を廻った。

こりゃもう雨を振り切って走ろう。と目の前の細い路地へダッシュ!そう、居酒屋『庄助』の口開けに向ったのだ。栃木会館の駐車場から数十歩で到着だ。

入口正面のカウンターに腰を降ろした。大雨となったこの日も此処は相変わらず繁盛している。奥の座敷席もテーブル席も総てが予約で埋まっていた。カウンターの数席を残して殆どが予約席だった。おしぼりで顔にかかった雨を拭い、ホッと一息。会津の酒「末廣」をぬる燗で戴いた。お通しは竹輪の磯辺揚げだ。これは美味い。

酒のアテは、柚子味噌のクリームチーズ和えだナ。柚子の香り豊かで濃厚な味噌がクリームチーズと絶妙にマッチしている。これは、酒がススむススむ。

続いて、新秋刀魚の刺身を戴いた。程よく脂が乗り、あっさりとして美味い。茗荷や刻みネギと共に口へ運ぶ。二本目のぬる燗も空になった。

三本目の酒をお願いすると、そこへカニクリームコロッケが登場した。庄助は焼き餃子とこのクリームコロッケも実に美味いのだネ。レモンをギュッと搾って熱々を口へ。ハフハフしながらゆっくりと噛めば、サクッとした衣の間からトロリとカニのベシャメルソースが口へ溢れるのだ。あぁ、至福のひとときだ。

続々と予約のお客さんが入って来る。外の雨は激しさを増して来た。これは早めに切り上げた方が無難だナ。と、三本目のお銚子が空になったところでご馳走さま。

秋から冬になったらきのこ鍋の時期となる。また、その頃にお邪魔するとしよう。通りに出るとタイミングよく客を降ろしたばかりのタクシーを拾うことが出来た。

強い雨にフロントのワイパーも役に立たない様子だ。濡れた路面にクルマのヘッドライトが照り返し、余計に前が見えにくくなっている。それでもタクシーのドライバーさんは慣れた手つきでハンドルを操り僕を無事に宇都宮駅へと送り届けてくれた。感謝!

ところが、駅へ入ると東海道線が豪雨のために止まっているではないか。さぁ、困ったと別のルートで東京へ戻る術を模索していると、そこへ場内アナウンスが響いた。なんと新幹線での振替輸送を開始するとのことだったのだ。すかさず、新幹線の改札へとダッシュ!この日、二度目のダッシュだったナ。

駅員さんに「新幹線振替乗車票」を戴いて改札を抜けた。そして東京方面行きのホームを目指し再び階段を駆け上る。どの車両も入口まで人で一杯だったが、何とか乗ることが出来た。ギュウギュウになりながらもドアが閉まり新幹線は宇都宮駅を出た。次々と入って来る乗客に押し流され客席側の通路まで移動した。すると次の停車駅小山で目の前に座っていた乗客が降りたのだ。そして、僕がスッと其処へ座ることが出来た。

思いがけない大雨の影響で、青春18きっぷの旅があり得ない筈の新幹線の帰路となった訳だ。小山から大宮、上野と新幹線は無事に走り、終点の東京まで戻ることが出来た。

東京駅からは再び青春18きっぷを用い、目黒まで移動した。予定より2時間も早く戻れたので、再び武蔵小山の酒場へと向ったのでアール。
by cafegent | 2015-09-10 12:48 | 飲み歩き | Trackback | Comments(0)