東京だからこそ出会う人や店をつれづれなるままに紹介


by cafegent
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<   2016年 07月 ( 6 )   > この月の画像一覧

梅雨が明ける少し前、暦が大暑を迎えた時季、新幹線で新山口まで旅に出た。缶ビールと缶酎ハイを買い込み、朝8時30分発ののぞみを東京駅で待つ。平日は自由席でも十分座れるし、快適な「居酒屋新幹線」のスタートだ。

旅に出掛ける時は、全国各地の駅弁を買い求めるが、今回は東京の味で愉しもう。東京駅改札内のグランスタに在るすき焼きの名店『浅草今半』は、エキナカなのに店内の厨房で出来立てホヤホヤのお弁当を提供してくれるのが嬉しい。
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創業明治28年の老舗のお弁当は、甘辛く煮た牛肉が温かいご飯に染みて実に美味い。
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焼き豆腐と紅生姜、そしてグリーンピースもなんだか懐かしい。

読みかけの文庫本を数冊カバンに入れてきたので、4時間ちょっとの列車も苦にならない。缶酎ハイで少し酔いが廻ったのか、うたた寝をしているうちに新山口に到着した。
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皆さんは旅支度に何を持って行くのかな。今ならスマートフォンが有れば、音楽もゲームも小説だって読めるから、何も要らないかもしれないネ。

この日は真夏の陽気で、駅前で東萩行きのバスが到着するまで散策したら汗をかいた。さぁ、バスが来た。
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乗客は僕一人だった。連絡バスで約1時間40分で東萩駅だ。

中国自動車道を進み、バスは山間の農地を走り抜ける。
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途中、雄大に空を泳ぐ季節外れの鯉のぼりを見かけた。こんな長閑な風景は、東京よりも映えるのだナ。

三角州の中で栄えた萩の街は、萩駅よりも東萩駅が中心部と言える。
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しかし、風情で言えば萩駅の方が魅力的だ。今は無人駅なのだが、駅舎がそのまま鉄道博物館になっており、是非立ち寄って欲しいナァ。

東萩駅の隣りに在る萩ロイヤルインテリジェントホテルにチェックインして、酒場巡りの前に荷物を降ろした。このホテルは、フロント脇にパソコンが三台設置してあり、無料で使う事が出来るのだネ。これで萩の地図を確認し、歩く道をチェックした。

午後5時半、東萩駅前から松本川を渡り東萩中学校を曲がり、「高札場跡」へ。
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高札場とは、江戸時代に幕府からの御触れを記した「高札」を提示する処で、全国の宿場町などに設けられたのだ。

悪事を働いた者を磔(はりつけ)や処刑し庶民に見せしめる晒場(さらしば)も設けられ、発掘調査により見つかり、復元されたそうだ。ちょっと、怖い気もするネ。

高札場跡の脇を抜けるとアーケード街「ジョイフルたまち」に出る。
このアーケード周辺が、所謂(いわゆる)繁華街なのだ。繁華街と云っても新宿歌舞伎町や札幌のススキノを想像してはいけない。お寺が多いエリアの中にポツンポツンと飲み屋街が在るのだナ。
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スナックや寿司屋、居酒屋が軒を連ねる下五間町を歩き、おそらく大衆酒場であろう『紫』を見つけた。
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窓も無く中が見えず、ただ白壁に「紫」の灯りが出ているだけなので、入るのを躊躇しそうな雰囲気が滲み出ているのだ。だが、永年の酒場嗅覚には自信がある。

エイッとドアを開けてみると、笑顔が素敵な女将さんが迎えてくれた。初めての店で中が見えないと皆さんもきっと躊躇うよネ。でも、勇気を出して入ってみるとパラダイスだったりするのだナ。

此処は大衆酒場だが、店内の雰囲気は完全にスナックでアル。
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店主の平野律子さんが45年程前に開いた酒場で、高度成長と共に店は流行り15年前までは若い女性を雇っていたそうだ。

先ずは生ビールを戴いた。長旅の疲れを癒すのは、矢張りビールかナ。皆もそう思わないかい。

「萩に来たら、これを食べてごらん」と出してくれたのは「ごぼう巻」だった。
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蒲鉾の主原料であるエソの使わない皮の部分を甘いタレに漬け込んで、牛蒡に巻いて焼き上げたもの。元々は捨てられるエソの皮の再利用から生まれた食べ物で、今では立派な萩の名物になったと伺った。これ、ビールのアテに最高だ。牛蒡の歯ごたえと香ばしい皮の甘味に酒がススむススむ。

東京から呑みに来たと伝えると、「ウチはヨソから来ても値段は一緒やから安心してネ!」と笑う。二杯目の生ビールを飲み干し、焼酎白波に切り替えた。

女将さん、「ごぼう巻が気に入ってくれたんで、秘密のカマボコ出してやるネ」と冷蔵庫から出してくれたのは、「板魚」(いたうお)と云う名の蒲鉾だ。
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「板魚」とは萩出身の日本画家、松林桂月(まつばやしけいげつ)が命名し、包みの題字も書いたらしい。

女将さん、大胆に一本まるごと切ってくれて皿に盛りつけてくれた。
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これが、実に美味かった。ふわふわな食感の蒲鉾は風味も良く焼酎にも合うナァ。
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「板魚」は大草章弘商店が製造販売している萩の名物だが、口の達者な女将さん「これが萩で一番美味しい蒲鉾だけんど、社長が少し天狗になっているから本当は買いたくないのヨ!」と一刀両断だ。腹を抱えて笑ってしまった。

この酒場の最高齢のご常連さんは、今年90歳のおばあちゃんだそうだ。この日は残念ながら来られないと伺ったが、次回は是非お会いして一献賜りたいものでアル。
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最後に40度もあるむぎ焼酎「天盃 宝壺」をご馳走になった。
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原価で9,000円もする高級焼酎を、常連さんのだからイイのよとオン・ザ・ロックで出してくれた。
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これだから旅の酒場巡りはヤメられない。散々呑んでお会計3,700円なのだから、大衆酒場『紫』恐るべし。
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律子ママ、ご馳走様でした!

お次は板長が『紫』のお客さんだと云う、割烹『千代』にお邪魔した。
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雰囲気の良いモダンなインテリアの割烹料理店で広い和室も用意されているが、僕は檜の一枚板のカウンター席へ。
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燗酒は山口の地酒「長門峡上撰」だ。うん、これは刺身に合うナ。

お造りの盛り合せは、萩のとらふぐ、バイ貝と剣先イカだ。
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地魚が自慢だけあって、どれも本当に美味かった。とらふぐはオレンジの上に載せているので、果実の風味が身にほんのりとついている。それを自家製ポン酢で戴くのだから最高に美味い。どうだい、ヨダレが出て来そうだネ。バイ貝はシャキシャキの歯ごたえだし、剣先イカは口の中でとろける程に甘くて美味かった。

此処は女将の高木幾子さんの実家だそうで、今年創業48年目を迎えると伺った。今は息子さんの板長が三代目を継いでくれているので、一安心だそうだ。

女将さんオススメの一品は「千代の石焼き」だった。
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熱々の石の上で剣先イカを焼くのだが、イカを鰹の酒盗で下味をつけているので酒の肴に最高の一品だ。
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むふふ、な美味さだナ。

品の良い女将さんは、今年76歳とは思えないほど若くてチャーミングな方だったナ。
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三本目の熱燗が空いたので、ご馳走様。
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季節毎に旬の地魚料理で酒を愉しめるので是非山口県に来たら足を伸ばして欲しい。
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ご主人、女将さん、ご馳走様でした。
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外に出ると海風が心地良く頬に当たった。小さな街なので、もう少し歩いてみよう。

吉田町から高札場跡に戻り、アーケード商店街「ジョイフル・たまち」の中へを進むとバーを発見。
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『SEI'S BAR Cocktail』のプレートが出ていたのでカクテルバーなのだろう。

ドアを開けると可成り広いので驚いてしまった。幅の広い板張りのカウンターとテーブル席が目に入る。
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壁も一面同様の木板で覆われているので、どこか山小屋の酒場に辿り着いた気がした。

先客が一人、ショートカクテルを飲んでいた。これは期待が持てそうだナァ。そして、メニューを開いて驚いた。殆どのカクテルが、なんと600円なのだから。つまみも5~600円と懐に優しいバーなのだネ。

では、ギムレットを戴こう。
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皆さんはバーに入ったら、先ず何を頼むのだろう。外国映画などを観ていると仕事終わりの一杯目は、マティーニが多く登場する。強いジンでオンとオフをきっちりと切り替えるのはカッコイイと思ったものだ。

マスターが丁寧にジンとライムをシェイカーに注ぎ、手際良くシェイクする。ショートグラスにきっちりと注がれた酒は、眺めているだけでも美しいのだナ。こぼさない様に手を添えて、口から持って行く。あぁ、五臓六腑に沁み渡る。

セイズ・バーは、この近くで21年前に開店し、5年前にアーケード内に移転したそうだ。マスターの白上誠治さんのバーだから『SEI'S BAR』と命名したのだネ。週末は団体客が多いので、この広い店内で良かったと語ってくれた。
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人当たりが良く爽やかな笑顔のマスターは、皆に好かれていることだろう。

もう一杯、戴こう。今度はホワイトレディにしてみた。
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一人旅の夜、夏服を着た素敵なレディを思い浮かべながら、酒の大海原を漂うことにした。
by cafegent | 2016-07-29 16:43 | 飲み歩き | Trackback | Comments(0)
七月も後半となり、暦では「大暑」を迎えたネ。郵便受けを開けるとご無沙汰している方々から暑中見舞いの葉書が届く季節となる。

いつもならば、関東ももう梅雨明けする時季だが、今年はなんだかはっきりしない日が続いているネ。

今朝の東京も薄曇りの空で気温も低く「大暑」など何処吹く風と言った感じだナ。

七十二候では「桐始めて花を結ぶ」の季節、桐の花が咲く頃と云う意味だが、薄紫色の美しい桐の花が実際に咲く季節は五月頃であり、今とは随分とズレている。これは、七十二候が日本に根付いた江戸の頃の旧暦での時候であり、また「桐の花を結ぶ」とあるように花が咲く頃を過ぎて「結実」してカタい実が成る頃を表しているのだナ。

ハテ、桐の花ってどんなのだろう?と思っている方は、花札の十二月札を思い出せば良い。
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「桐に鳳凰」の図柄はお馴染みだよネ。花札の12月が何故「桐の花」になったかと云えば、「もう、これっきり」だから最後の月になったそうだ。ホントかどうかは定かじゃないが、まぁ、良いか。

さて、今週末の土曜日は東京の夏の風物詩「隅田川花火大会」が催されるネ。
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江戸から続く行事に皆胸を躍らせている。浅草の夜を彩る大輪の花火、今年はどうか雨が降らないように願いたいものだ。
また、この日は「土用丑の日」だネ。
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我が家の近所の鰻屋も、土曜日は朝から晩まで大忙しだろうナァ。ベランダに出て、鰻屋の換気扇から漂う、香ばしく焼かれた蒲焼の香りをオカズに白飯でもかっ喰らうとするか!
      ◇          ◇          ◇
土曜の丑の日は、この週末だが鰻好きなボクは夏場は毎週でも鰻が食べたくなるのだ。
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そんな訳で、先日も赤羽まで足を伸ばして鰻を肴に呑むことにした。
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鯉とうなぎで有名な『まるます家』は、いつもひっきりなしに行列が出来ていて活気あふれる酒場だネ。この日は小雨降る平日の昼過ぎということもあり、タイミングよく座ることが出来た。

先ずは、サッポロ赤星で乾いた喉を潤した。
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クゥーッ、旨い!ビールの友は、僕の大好きな「たぬき豆腐」だナ。豆腐に刻んだキュウリと天かすがたっぷりと乗り、蕎麦つゆ味の冷奴なのだヨ。
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カニカマが二つ添えられているのもウレシイ限り。おぉ、相変わらず美味いナァ。

続いて、揚げたてのイカフライの登場だ。むふふ、
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イカの風味豊かな香りが僕の鼻腔をくすぐるネ。
よし、ビールをグビッと飲み干して「ジャン酎モヒート」に切り替えよう。
1リットルのハイリキ「ジャンボ酎ハイ」はそのままジョッキに注げば良いのだからラクチンだ。
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生のミントの葉を潰し、フレッシュライムをギュッと絞る。おぉ、これで絶品モヒートの完成だ。

ちなみにこのハイリキ1リットル瓶を「ジャン酎」と名付けたのは、レジを取り仕切る幸子姉さんだそうだ。それまで扱っていた300㎖に比べて大きいので「ジャンボな酎ハイ」となり、それを略して「ジャン酎」と呼んで注文を通すようになったからとのこと。ちなみに300㎖の方は「チビ酎」と呼ぶのだネ。

ついでにもう一つ、まるます家豆知識!「まるます家」の屋号の由来はご存知だろうか?
創業者、石渡増次(いしわたりますじ)さんの「増」から、当初は「ますや」と名付けるつもりだったそうだ。ところが、ます=升「□」だと角(かど)が立っていけねぇってんで、マスをまる(〇)で囲もうと云うことになったそうだ。で、「ます」の前に「まる」をつけて、晴れて『まるます家』となったのだネ。

とか知った風なことを言ってしまったが、実はみんな若女将の和子さんのウケウリだ。失礼しました!
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熱々の里芋フライも冷たい焼酎に合うナァ。2本目のジャン酎と一緒にお待ちかね「うな重」がやって来た。
今のご時世、このボリュームで2,500円なのだから、ウレシイよネ。

香ばしく焼かれた蒲焼をつまみながら、酎ハイをゴクリ!あぁ、堪らんナァ。
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蒲焼の半身は酒の肴として愉しむのだネ。そして、残った蒲焼でタレの沁みた飯を頂くのだヨ。うふふ、幸せなひと時だ。

ペロリと平らげて、ご馳走さま!次々と新しいお客さんが入ってくるので、席を譲るとしよう。

お次は、久しぶりの立ち飲み屋『いこい』へ。
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赤貝ヒモと煮込みをつまみにビールをゴクリ!

ビールの次は、日本酒「副将軍」を冷やで!水戸の明利酒造が造る酒はクィクィと喉を流れてったナ。

午後のいこいは、もう少し続いたのでアール。
by cafegent | 2016-07-27 14:36 | 飲み歩き | Trackback | Comments(0)
連休の中日、上野の東京都美術館にて「ポンピドゥーセンター傑作展」を観た。
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連休の最中なので、先日の伊藤若冲展の様に長い行列が出来ているかと思いきや、来館者数も比較的少なくてスムーズに会場内を回ることが出来た。
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パリのポンピドゥーセンターを訪れてからもう20年程が経っていたが、久しぶりに観ることが出来た作品も多く、時の流れと年齢を重ねた自分の作品との対峙を感慨深く感じながら一点一点をじっくりと鑑賞したのだナ。

今回の展示はとても面白かった。1906年から1977年までの間に発表された絵画、写真、彫刻、映像、グラフィックデザインなどを1年1作家の1作品を時系列に展示していることだネ。その年その年に世界で起きた出来事を思い浮かべながら作品を眺めていると、作家の想いなども伝わってくるかのようだった。

1961年のブースではクリストの作品「パッケージ」が展示されていた。とても小さな作品だったのだが、観た瞬間に1991年に茨城まで見に行った「アンブレラ・プロジェクト」の記憶が蘇ってきたのだナ。
物を包む、環境を包む、と云った「梱包芸術」がクリストの長年続けている活動だが、常陸太田市の田んぼに1300本以上もの大きな青い傘が立つ光景は圧巻だった。観る者の遠い記憶まで蘇らせてくれた本展覧会の企画は、とても素晴らしい。

デュシャンやシャガール、フジタと共にアヴェドンの写真やデュビュッフェのポップな作品を各年1作家に絞り、20世紀の芸術と云う斬新な切り口で展示構成したキュレーターのクリエイティヴィティに拍手を送りたい。

見応えのある展覧会を堪能し、美術館内に在るミュージアムショップにて1枚のポストカードを購入した。会場では、1926年のブースに架けられていたロベール・ドローネーの作品「エッフェル塔」のポストカードだ。
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久しぶりに拝見した「エッフェル塔」だが、観た途端に笠松紫浪の木版画「東京タワー」と照らし合わせてみたくなったのだナ。
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笠松紫浪の新版画は1959年に発表されたもので、前年に竣工したばかりの東京タワーをモダンに表現していた。笠松もドローネーのエッフェル塔を見ていたのかナァ。ハテ?
       ◇             ◇             ◇
上野の東京都美術館を出て、藝大前を歩き谷中へと散策した。
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7年前に復活した根津の『カヤバ珈琲』では、いつもながらの長い行列が出来ていたネ。
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銭湯を改築したギャラリー『スカイ・ザ・バスハウス』など谷中エリアにも新しい風が吹いているのだが、昨年オープンしたばかりの『谷中ビアホール』も賑わいを見せていたナ。
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昭和13年に建てられた古民家三軒を保存して生かそうとショップや事務所が入居した複合施設『上野桜木あたり』として営まれているスペースだ。
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店内で香ばしく燻されているスモークを肴にオリジナルの谷中ビールをゴクリ!
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あぁ、エールビール特有の旨味が爽快だ。
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汗も引いたので、夕焼けだんだんを歩いた。
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海外からの観光客も多く真っ直ぐ歩けない程に商店街は人で溢れていたナ。左右に点在するコロッケやメンチの店も大人気だ。その中で見つけた天ぷらの惣菜屋さんで紅生姜の天ぷらをゲットして買い食いだ。大阪の紅生姜の串カツともまた違う味わいでまたもやビールが欲しくなってしまったヨ。

午後3時を回ったので、JR日暮里駅から高田馬場まで移動した。目指すは、西武新宿線の野方駅だ。午後4時口開けのもつ焼き『秋元屋』では、馴染みの顔が集まっていたナ。

先ずは生ビールを頂こう。
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クゥーッ、最高だ!キンキンに冷えたビアジョッキに程よい温度の生ビールが絶妙だ。喉をクィクィと流れ落ちていくのだナ。

さて、焼き物は何にしようか?此処は焼き豚のみならず、焼き鳥の串も豊富なので、気分で選べるのが嬉しいのだナ。
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そして、今回はタン塩、豚バラ塩、レバー味噌からスタート!

ビールの次はホッピーだ!
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金宮焼酎とホッピー、それにジョッキも冷えた三冷ホッピーは爽快だ!
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インゲンを肴に酒がススむススむ。

よし、自家製つくねをタレで焼いて貰い生ピーマンに合わせるのだ。
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半分に割ったピーマンに焼きたてのつくねを押し込めば、勝手にピーマン肉詰めとなる訳だナ。おぉ、むふふ!な美味さだネ。
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秋田の酒蔵山本が造る純米吟醸「白爆 ドキドキ山本」の夏限定のブルーラベルはリンゴ酸が効いた酸味の有る夏らしい酒だったナ。
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鶏のレバーをタレで焼いて頂き、日本酒に合わせてみた。

「秋元屋」もいつの間にか満席になり、外にも席を待つ人たちが居たので、僕らも引き上げることにした。ご馳走さまでした!また、来週ネ。

店を出て、野方から高円寺へと歩く。クルマの往来が激しい環七通りを避けて、裏通りを進み早稲田通りへと向かう。みずほ銀行の脇を折れれば多くの店が軒を連ねる商店街だ。
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餃子の名店「赤天」や「カレーハウス コロンボ」、大衆酒場「バクダン」などが並ぶ一角に謎の酒場が在るのだナ。
それは、日曜だけ店を開く『その場しのぎの酒場』でアル。
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我が酒朋のシンゴ君が一人で切り盛りする酒場は、最近の僕らの「秋元屋」からの流れの定番となっている。各地のラーメンを食べ歩き、自身でも製麺機を持ち日夜ラーメン作りを探求しているだけあって、彼の自慢の手打ちラーメンが酔い覚ましの〆にもってこいって訳でアル。

シチリア産のレモン果汁をたっぷり使ったハイサワーを頂いた。あぁ、日々馴染んだ酒は旨いナァ。
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パクチーの効いたキーマカレー風煮込みも良い酒のツマミだネ。

そしてコレが、人気のメニュー「二郎のアタマ」だヨ。
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もやしとチャーシューにニンニクが効いて、美味いのなんの、南野陽子!なんちて。ハイサワーがクィクィと空いていく。
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酒朋マタェモンさんも「秋元屋」から移動してきたし、写真家のまき姐さんも登場だ。
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ダンディさんもイイ感じで酔っ払っていたネ。この日の〆のラーメンは、クリガニで取ったダシの冷やしラーメンだった。
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北海道では毛ガニよりも美味いと言う方も多いクリガニだけに、良いダシが出ていたナ。

連休の真ん中、こうして野方から高円寺の夜が更けていったのでアル。
by cafegent | 2016-07-19 13:29 | ひとりごと | Trackback | Comments(1)
暦では「小暑」を迎えたが、東京はまだ梅雨が明けず毎日鬱陶しい湿度に悩まされているのだナ。

それでも、近所の花屋で売られている鈴虫の音色を聴くと、どことなく涼を感じることが出来る。子供の頃は、街路樹の足元から自然の鈴虫が啼く声が響いていたが、今では全く聞こえなくなったネ。

毎朝歩く公園では、樹々の彼方此方から蝉の声が響き始めた。
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     別るるや夢一筋の天の川      漱石

先週は「七夕」だったネ。漱石が詠んだこの句だが、本人は特別な意味は無いと記述しているのだが、彦星と織姫の愛おしい別れ時、空に一筋の天の川が流れていた、と実に美しく詠んでいると思うのだナ。
僕は、病床に臥せっていた親友の正岡子規を見舞いに行ったときの別れ際の寂しさを彦星と織姫の別れに重ねているように思えてならない。

さて、そんな七夕の夕暮れ、僕は恵比寿ガーデンプレイス脇に在るサッポロビールの本社ビルに居た。
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今回は、酒場情報サイト「Syupo」を運営し、全国の居酒屋を日々訪れ続けている酒場巡りの強者(ツワモノ)女性、塩見なゆさんに誘われてサッポロビールが誇る「サッポロラガービール」を語る会に参加したのだナ。
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サッポロラガー、通称「赤星(アカボシ)」は、近年のビールとは違い、あえて熱処理をしているビールとして販売している。普段、赤星は小売店での販売はなく、居酒屋など飲食店を中心に業販がメインとなっているのだネ。それが今年、サッポロビールの創業140周年に当たり「ビール強化元年」と銘打ってコンビニエンスストアを中心に「サッポロラガービール缶」を数量限定で販売することになったのでアル。
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この日は、僕を含めた酒場と酒をこよなく愛するブロガーさん達27名を招いて「赤星」に関して大いに語り合うこととなった。サッポロビールの社員さん達が酒の肴を用意してくれて、赤星を存分に酌み交わすことが出来た。

僕の幼馴染が長年サッポロビールに勤めていて、北京支社長を経て本社にてワイン事業部長をしていた時期があり、仕事でも大変世話になっていた。故に彼と酒を飲むときは決まって「カンパーイ、サッポロッ!」が乾杯の音頭だったのだナ。サッポロビールの社員は全員がこの掛け声で酒を酌み交わしていることだろう。
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だが、今回は違った。サッポロラガービールのブランド戦略を担う担当の武田氏の発声は「カンパーイ、赤星!」であった。
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では我々も、と参加者全員が「カンパーイ、アカボーシッ!!」と元気いっぱいな声が七夕の夜に響き渡ったのでアル。
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参加者がそれぞれに赤星が飲める酒場を5か所紹介し、集計して人気の酒場が発表された。
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票数で一番人気だったのは、4名が票を入れた赤羽の「まるます家」と南千住の「丸千葉」、十条の「斉藤酒場」そして溝の口駅前の「かとりや」だったネ。祐天寺の「ばん」や東立石の「四ツ木製麺所」も人気だったナァ。
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今回の限定サッポロラガービール缶は、表には馴染みの赤星ラベルが記されているが、裏面に向けると1877年発売当時のラベルを再現してデザインされていた。
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こりゃ、なんともイキな計らいだネ。

この日は久しぶりに「酔わせて下町」ブログの藤原さんや「瓶ビール班長の飲み歩き日記」の會田さん等とも会うことが出来た。
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また、角打ちをこよなく愛するブログ「角打ち太郎!!」のジャイアント佐藤さんや「焼きそば名店探訪録」ブログの塩崎さん等々、新しいブロガーさんとも知り合うことが出来た。
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七夕の夕べ、発売前の赤星缶も飲ませて戴き、実に楽しいひと時を過ごさせて貰ったナ。サッポロビールの皆さん、そしてなゆちゃん、ありがとうございました!感謝多謝!

「赤星探偵団」の公式サイト
by cafegent | 2016-07-15 12:11 | ひとりごと | Trackback | Comments(0)
東京では、入谷の朝顔市が終わるとスグに浅草ほおづき市が催される。
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『浅草寺』の境内には所狭しとほおづき売りの露店が軒を連ね、行き交う人々に威勢の良い声を掛けている。
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「四万六千日、お暑い盛りでぇございます」

あぁ、もう何度も書いているのだが、黒門町の桂文楽師匠の十八番(オハコ)の落語『船徳』を聞かないと僕の夏は来ない。

毎年、七月の九日・十日の二日間に開かれる浅草のほおづき市は「四万六千日」と呼ばれいる。この間に浅草の観音様にお詣りすると、46,000日お詣りしたのと同じだけの功徳が得られるとされているのだナ。これはなんともトクした気分に浸れるのだナ。しかし、よくよく考えてみれば、一度お詣りをすれば、その後126年間はお詣りしなくてもご利益が有るってことだよネ!ハテ?

九日、土曜日は朝から文楽師匠の落語を聴いて気分を盛り上げた。本当は浴衣姿で出かけたいものだが、外は生憎の雨降りだ。浴衣は梅雨が明けるまでお預けとした。

午前中だと云うのに、浅草は尋常じゃない人だかりだった。沢山の外国人観光客の渦を掻き分けて、雷門から仲見世をまっつぐと歩く。
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大草鞋(わらじ)の祀られた宝蔵門を潜れば本堂だ。お水舎でお清めを済ませ、帽子を取って本堂の階段を上がる。
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賑わう人の列に混じってお賽銭を投げてお詣りを済ませた。この日だけに授与される雷除けのお札を手に入れたら、露店の屋台を廻ってみようか。
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東京の夏を彩る風物詩を愉しんだら、今度は思い切り夏を食(は)むとしようか。

仲見世を脇にそれて、国際通りへと歩く。
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公園六区入り口の交差点を渡れば、目当ての店『飯田屋』に到着だ。

明治期に創業した老舗の風格は、通りから「どぜう」の文字が見えた辺りから胸が高鳴ってしまうのだ。
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立石「宇ち多゛」の酒朋ダンディさんと毎夏の楽しみにしているのが、此処のドジョウ鍋なのだナ。

今回は、ドジョウが初めてだと云う我がカミサンも初挑戦だ。

昼を少し回った時刻にお邪魔したが、幸い待つこともなく入ることが出来た。解放感溢れる店内には時折外からの風が入り込み、心地良い。
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僕らは、一階の座敷奥に腰を下ろし、先ずは冷えたビールで喉を潤すことにした。粒のしっかりとした「枝豆」は緑の色が鮮やかで見事だったネ。おぉ、茹で加減も絶妙だ。こりゃビールがススむナァ。

お運びのお姉さんが「マグロぬた」を届けてくれたので、冷酒もお願いした。
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純米酒「笹の川」は呑み口爽やかで、水のようにクィクィと喉を流れていく。
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マグロと和えられたウドも夏の味だネ。
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クゥッ、酒がススむススむ!

肴をつまみながら酒を酌(や)っていると、お待ちかね「どぜう鍋」(丸鍋)が運ばれてきた。
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ドジョウの上にたんまりと千切りのゴボウを乗せて、更に刻みネギをてんこ盛りだ。
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既に火を入れているから、フツフツと煮立ってゴボウが柔らかくなり始めたら食べ頃だ。

山椒と七味を振り掛けて熱々を口へと運ぶのだ。あぁ、夏は京都のスッポン鍋と東京のどぜう鍋に限るナァ。骨まで丸ごと入ったドジョウは歯ごたえがよく、シャキシャキのゴボウとの相性も抜群だネ。
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冷酒の瓶が次々と空になっていく。

二人前のどぜう鍋を食べ終える頃に「うざく」がやって来た。
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キュウリと鰻もどうしてこんなにも相性が良いのだろうか。鰻と梅干はダメだって言われているのにネェ。

4本目の冷酒と共に「ヌキ」(ほねぬき鍋)が運ばれて来た。
こっちは、ドジョウを捌いて丁寧に骨を取り除いてあるから、ドジョウが初めての方でも比較的食べ易いのだナ。
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ヌキの上にたんまりと乗っているのは、ドジョウの卵だヨ。「どたま」と云って、これは今の時季だけしか味わえない珍味なのだナ。今は産卵期のために子持ちのドジョウが旬なのだ。むふふ、の美味さだナァ。
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ドジョウを食べ終えたら、残った煮汁も勿体ない。刻みネギは、頼めば持ってきてくれるので、ネギを投入して再び火にかける。これに山椒をたっぷりと振りかければ、またしても良い酒のアテとなるのでアル。

よし、ドジョウもたっぷりと味わったし、〆にしようか。ダンディさんとカミさんは蒲焼と白飯を頼み、僕は鰻重をお願いした。
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僕はシャバシャバしたツユだくの飯が好きなので、ご飯と鰻は一緒盛りの方が好きなのだ。香ばしく焼けた鰻の蒲焼きも最高に美味い。

ペロリと平らげ、ご馳走さま。
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「飯田屋」を出ると沢山のハーレー・ダビッドソンが後ろにチビッコを乗せて走行パレードをしていたヨ。
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「下町七夕まつり」のエキシビジョンなのだネ。
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それにしてもスゴい装飾だネ!

再び浅草寺近くまで戻って来た。雨も降ったり止んだりだナ!
次に向かったのは『サンボア・バー』だ。
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此処も昼間っから酒を愉しむことが出来るから嬉しい限りでアル。
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バーテンダーの松林さんにハイボールをお願いした。

仄かに感じる柑橘香が、美味いハイボールを口へと導いてくれるのだ。
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クゥーッ、旨い!こりゃ、堪らない一杯だネ。

ジトッとした梅雨の鬱陶しさを払拭してくれるようだナ。
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ダンディさんは二杯目もハイボールにしていたネ。

僕はミントジュレップにして、カミサンはモヒートをお願いした。
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此処は屋上でフレッシュミントを栽培しており、摘みたてのミントをすり潰して旨味を引き出しているのだナ。

ご馳走さまでした。見送ってくれた若手のバーテンダー君とパチリ!
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真夏には一足早いが、旨い夏の酒を堪能したネ。

ほろ酔い気味の躯を癒そうと、甘味処へと向かうことにした。
この季節、冷たいかき氷を求めてどの店も混んでいるのだろうナァ、と人気の「花月堂」や「梅むら」「いづ美」は素通りだ。

そしてお邪魔したのは、新仲見世通りに在る「かと里」だ。此処は食堂ながら、甘味処としても人気を誇っている。

僕は宇治金時のかき氷を選び、カミサンは宇治金時白玉にして、ダンディさんは宇治金時ミルクに白玉の追加をお願いしていたヨ。

良い塩梅に炊いてある小豆が美味い。
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こめかみのキンキンする痛さと戦いながら、抹茶の渋みと小豆の甘味の絶妙なコンビネーションを味わった。
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四万六千日、皆さんにも良き功徳が訪れますように。では、また!
by cafegent | 2016-07-14 12:41 | 飲み歩き | Trackback | Comments(2)
今朝の東京は薄ねずみ色の空が広がり、開け放たれた窓からは湿り気を帯びた重たい空気がぬるりと流れ込み僕の躯にまとわりついた。
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こんな時、僕は冷たい飲み物よりも敢えて温かいものを飲むのだナ。

珈琲豆の瓶の蓋を開けると、深煎りの豆の香りが僕の鼻腔を刺激する。この時点でもう寝ぼけていた僕の躯がシャキッとするのだ。そして、ミルで豆を挽きペーパーフィルターの端を交互に折り、ドリッパーにセットして挽きたての粉を入れる。お湯がふつふつと湧いたら火を止めて、少し休ませて沸騰した湯が静かになるのを待つのだ。温度が下がり、熱い薬缶の口から水蒸気が飛び散らなくなったら、ゆっくりとお湯を注ぐのだナ。少しの間だけ蒸らしたら、再び上から湯を落としていく。
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キッチン全体に珈琲の深い香りが漂い始め、鬱陶しい梅雨の空気を何処かへと追いやってしまうのだ。今日はどのカップで飲もうか。大きなマグにしようか、それとも先日手に入れた古い蕎麦猪口で頂こうか、などなどと思案するともうすっかり頭も冴え出しているのだナ。
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朝から原稿書きや挿絵描きなどで根を詰める時は、ガブ飲み出来るように大きなケメックスのコーヒーメーカーでたっぷりと珈琲を淹れるのだ。朝の一杯をゆっくりと愉しみたい時は陶製のドリッパーを用いてカリタ式で一杯分を淹れる。あぁ、朝のちょっとした儀式で快適に目覚め、仕事場へと向かうことが出来るのだ。
     ◇           ◇           ◇
ムクゲやタチアオイの花が咲き、東京の街に彩りを添えているネ。
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今月の30日は「土用の丑の日」だネ。僕は6月ぐらいから鰻を食べる機会が多くなる。
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近所に美味い鰻を焼いてくれるフグの店が在るので、割とお邪魔しているのだネ。
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大好きな平松洋子さんが雑誌「dancyu」にて連載していたエッセイを単行本にまとめた「鰻にでもする?」の中に、本のタイトルにもなっているエッセイを久しぶりに読み返してみた。僕は、鰻をより一層美味しく戴くために、よくこの文章を読み返すのだ。
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《家庭で7月の終わり、母親の「暑いから今日は鰻にでもする?」の声に家族全員が沸き立つのだ。滅多に出前など取らない家なので、母が鰻屋まで足を運んで蒲焼を買ってきて、自宅でうな丼に仕立てる。この時ばかりは丼に蓋がしてあって、ご馳走気分を盛り上げてくれる。

家で食べる外の味。それは、ふいに巻き起こった風がおだやかな水面を叩き、右に左に波紋の連鎖を広げる。日常に、うれしい風穴が開く。》

あぁ、なんて素敵な文章なのだろうか。単純な僕は平松さんのエッセイの甘いワナにハマり、登場した食べ物を求めて出かけたり、調理道具などを買って来たりする。そんな自分も大好きなのだけれどネ。

そして平松さんは、こう締めくくる。

《鰻は、いくつになってもそわそわする。白焼き、蒲焼き、うざく、肝吸い。または鰻丼、鰻重。おとなのごほうびは鰻で決まりだ。
だから目下の者を労ってあげようというときも、鰻ほどぴったり来るものはない。》

さて、今日も昼飯は鰻にしようかナ。
by cafegent | 2016-07-13 10:39 | ひとりごと | Trackback | Comments(0)