東京だからこそ出会う人や店をつれづれなるままに紹介


by cafegent
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<   2016年 10月 ( 3 )   > この月の画像一覧

「街歌」(がいか)と云う言葉を知った。庶民の住む街の情景を歌った、いわゆる都々逸(どどいつ)のことでアル。

俳句と違い七・七・七・五の26文字で男女の色恋や日常の風景などを詠んだ口語の定形詩だネ。

誰もが一度は聞いたことがあるだろう有名な都々逸をちょっと紹介してみようか。

    君は野に咲くあざみの花よ 見ればやさしや寄れば刺す

    ぬしと私は玉子の仲よ わたしゃ白身できみを抱く

    信州信濃の新蕎麦よりも わたしゃお前のそばが良い

    惚れた数から振られた数を 引けば女房が残るだけ

まるでフーテンの寅さんの口上のような粋な歌だよネ。
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先日、神保町の古書店で一冊の美しい装丁の本を見つけた。
「亀屋忠兵衛 情歌集 都々逸 下町」と云う都々逸集なのだが、粋な歌に加え各ページに描かれた装画が実に美しいのだナ。
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明治から昭和初期に活躍した新聞記者、平山蘆江(ろこう)が東京新聞の前身である都新聞に連載していた都々逸のことを先に記した「街歌」と呼んだ、とこの本の中で知ることが出来た。
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亀屋忠兵衛の詠んだ都々逸は情歌と言うよりも、実に詩的な歌が多いのだナ。

    嫌いではないさりとて好きと いえぬ二人で踏む落ち葉

    このまま死んでもいい極楽の 夢をうずめる雨の音

    風の便りも淋しい秋の 独りぼっちを泣かす雨

    海の広さは男のこころ 波は女の小(ち)さい胸

この最後の歌なんか、好いよネェ。 

今まで俳句ばかり詠んでいたけれど、これからは即興の都々逸を歌ってみようかナァ。
     ◇         ◇         ◇
閑話休題。
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先日、木場のホッピー酒場『河本』へお邪魔した。

表向きには昨年の6月より長期の休業となっていたのだが、先月からは「仮営業」という形をとって営業を再開したのだネ。
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女将の眞寿美さん、厨房に立っていた眞寿美さんの弟さんの「あんちゃん」もまだ療養中の身ではあるが、時折店にも顔を出してくれるので、タイミングが合えばご挨拶できることだろうネ。

現在はアンチャンの奥様が一人で切り盛りをしているので、名物の牛モツ煮込みも冬のおでんも無い。だが、日本一旨いホッピーと冷や奴は健在だ。
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また、一袋200円のスナック菓子も幾つか用意してあるので、ホッピーのつまみには事欠かないだろう。
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いつもはハシゴ酒をするので、此処のホッピーは二杯までと決めているのだが、この日は偶然にも酒朋のフルキさんが先客で飲んでいたので、ハシゴをせずにじっくりとホッピーを酌み交わすことにしたのでアル。(久しぶりに沢山のホッピー空瓶が並んだナァ)
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そうそう、「仮営業」と云うのは営業日が火曜・木曜・土曜(但し、第3火曜、第2土曜休み)で営業時間は16時から20時(土曜は19時)までと以前と同じだ。また、正面の入り口は閉めており暖簾も出していないので、永代通り寄りの小さい方の入り口から入ってくださいナ。

お姉さん(アンチャンの奥様)も新しいお客様大歓迎と言ってくれました。しかも、火・木・土曜は、入って右側の「大ご常連席」(笑)も自由に座ることが出来るので、暫く「河本」をご無沙汰していた皆さんも是非是非遠慮なく再訪してみてください。
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暫くの間セルフサービスで作っていたホッピーもお姉さんがちゃんと引き継いで作ってくれます!

と云う訳で、『河本』営業再開のご案内でした!CHAO!
by cafegent | 2016-10-24 16:21 | 飲み歩き | Trackback | Comments(2)
ここ数日間、東京に青空が広がっているネ。気温も高く夏日となった。それでももう10月も後半、路地の草むらからは秋の虫が集(すだ)く声が聞こえている。

気温が高いと何処からともなく様々な蝶々がやって来る。今朝もユラユラと飛来するアサギマダラを見つけることが出来た。
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アサギマダラは2千キロもの距離を飛ぶ旅する蝶だネ。
福島で翅にマーキングしたアサギマダラを沖縄の黒島で捕獲したことがあり、これが2,140キロメートルと日本記録となったとニュースにもなったことがある。
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東京でも自然教育園で孵化したアサギマダラもいるので、今朝見かけた蝶は旅の途中なのかどうかは判らないナ。

秋が深まると渡りの途中の野鳥たちが続々と都内にも舞い降りてくる。僕の住む街の公園でも木の実や小さな虫を求めて旅の途中に立ち寄る鳥が多い。
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キビタキ、オオルリ、センダイムシクイ、コサメビタキ、エゾビタキ、マミチャジナイ、クロツグミ等々が次々とやって来て鳥好きの僕を愉しませてくれるのだナ。

昨日はカケスやアオバトを見つけることが出来た。
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カケスはジェイジェイと鳴き声こそ美声とは言えないが、その姿は実に美しいのだヨ。特に羽の脇の水色は特に美しい。

アオバトもとても美しいハトだ。
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頭は黄色味がかっており、全体にはオリーブグリーンなのだネ。

今朝はマミチャジナイ(眉が白いアカハラ)にも遭遇した。
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ツィーッと独特の声で鳴くので居ることは判るのだが、高い木の上を飛び回るので見つけるのは容易ではないのだナ。

季節を楽しむ七十二候では「蟋蟀戸に在り」(きりぎりす、とにあり)の季節。キリギリスが家の戸口辺りで鳴く時季が来たって訳だ。

マンションが多く立ち並ぶ都会ではギッチョンギッチョンと鳴くキリギリスの声も余り聞けなくなったかもしれないネ。
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それでもカネタタキやコオロギの鳴く声はマンションの上階まで響き渡るのだから恐れ入る。

秋の夜長、窓を開けて虫の音を聞きながら飲む酒も実に旨いのだナ。
     ◇          ◇          ◇
閑話休題。

さて、僕が毎朝歩く都立林試の森公園の近くにひっそりと佇む渋い居酒屋が在る。その名も『豚太郎』(とんたろう)だ。
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武蔵小山駅近くには老舗の居酒屋『牛太郎』(ぎゅうたろう)が在るのだが、どちらも実に居心地の良い酒場なのだナ。

ガラリと戸を開けるとコの字のカウンター席がドーンと構えてあり、その奥に小上がり席が在る。
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和服姿に割烹着が似合う女将さんが笑顔で迎え入れてくれるので、初めて訪れる方でもホッと出来ること間違い無いだろう。
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カウンター上の冷蔵ケースの中には20種類近くもの魚介類が並べられ、その上には幾つものおばんざい料理の器が並ぶ。

昨夜は酒朋ワタベ君を誘って、お邪魔した。いつもならレモンサワーにするところだが、この日はご常連さんからのお裾分けのカボスで酎ハイを戴いた。
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此処は昭和38年創業なので、今年で53年になるのだネ。道路拡張で45年前にこの場所に移ってきたそうだが、石造りの内壁や年季の入った冷蔵庫に昭和の香りが染み付いており、まるで小津安二郎の映画のワンシーンに出て来そうな酒場なのでアル。

さぁ、カボスサワーでカンパ〜イ!
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新鮮なカボスは香りも味も良いナァ。

ハイ、こちらは自家製のバクダンだネ。
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中身は卵にひじき、インゲンに人参だ。おぉ、これは美味い。

こちらは、ミートボール!
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玉ねぎとケチャップで和えた肉団子は、懐かしい家庭の味だナ。
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カボスサワーもススむススむ。

お次は、牡蠣とほうれん草炒めだネ。
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小粒ながら牡蠣の旨味がほうれん草に沁みていたヨ。そして、女将さん特製のスペアリブだネ。
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付け合わせのブロッコリーも人参、カリフラワーも柔らかく蒸されていたナ。

カボスサワーの杯もススみ、女将さんからお雑煮のお裾分け。
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関東風に三つ葉だけの実に清いお雑煮だった。あぁ、美味し!
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前回は小さなお蕎麦の椀を戴いたのだが、このささやかな気遣いが嬉しくて、また来てしまうのだネ。

焼き物の注文が入ると仕込み担当のご主人が奥からやって来て入口脇の焼き場に立つのだヨ。
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このなんともアットホームな居酒屋『豚太郎』は、正に「武蔵小山の良心」と呼ぶに相応しい一軒だネ。

皆さんもこの街を訪れたら、是非『牛太郎』からスタートして『長平』『豚太郎』とハシゴ酒を楽しんでみては如何かナ? では、また!
by cafegent | 2016-10-21 16:13 | 飲み歩き | Trackback | Comments(0)
東京も道端の足元辺りから、秋の虫が集(すだ)く季節となったネ。暦では「寒露」を迎えた。夏から秋へと移ろう頃にかけて、路傍の野草に宿る冷たい露のことを「寒露」と呼ぶ。葉に乗った露で水分補給をするのが、蝶々たちだ。

朝の公園でもユラユラと飛来するアサギマダラの姿を見ることが出来るし、水を飲むムラサキツバメ蝶なども見つけられるのだナ。
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水を飲みに来るのは蝶々だけではない。秋の渡り鳥たちも食事を終えた後に水場に舞い降りてくる。
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水分補給をしたり、水浴びをするためだネ。キビタキやメジロなどの小さな鳥たちが水を浴びる姿は、なんとも愛らしい。
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これから、まだいろんな野鳥がやって来るだろうから、朝の公園散歩もやめられないナ。

     ◇           ◇           ◇
先日、久しぶりに札幌の実家に里帰りをした。今回は大腸ガンの手術を無事に終えた母の見舞いも兼ねての帰省だったのだが、急遽東京に暮らす母の妹の叔母を連れて行くことになった。

母ももうスグ88歳の米寿を迎えるのだが、叔母ももう84歳と高齢な上にリウマチを患っており、手足が思うように動かない。それでも、元気なうちに札幌に居る姉に会いに行きたい、と願っていたのだネ。そんな訳で、僕が付添いながら札幌の母の元に向かったのでアル。

母は抗がん剤の治療も終わったらしく、思いの外元気だったのが何よりだった。
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それにしても、羽田も新千歳空港も航空会社の方々が親切に応対してくれて、車椅子での搭乗もスムーズに運び、感謝しっぱなしだったナ。

無事に叔母ちゃんを連れて帰ると、母も大喜びし、10年ぶりの再会に話も尽きないようだった。こうなると、僕のことなどお構いなしになってしまうので、こっちも早々に酒場へと繰り出すことにしたのだナ。

我が家は札幌市内を循環する市電の電停近くなので、チンチン電車に乗り繁華街へと出るのだ。
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前回帰省した時には、まだこの電車は循環しておらず、ススキノ駅と大通り4丁目駅の間が繋がっていなかったのだネ。だから、文庫本に夢中になって4丁目駅に到着しても終点だから乗り過ごすことがなかった。それが、今年から新駅が増えてグルグル回ることになったのから、一駅乗り過ごしてしまったのだヨ。一人アウェー感を抱きながら、電車を降りたのでアル。トホホ。

アーケードが続く狸小路を抜けて、1丁目まで歩く。テレビ塔の近くまで進むと目当ての酒場『第3モッキリセンター』の暖簾が揺れていた。
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ガラリと戸を開けて、細長いコの字カウンターの左手へと向かう。
あぁ、札幌に戻って来た!、と云う実感が湧いてくる。

先ずは、生ビールを頂こう。酒の肴はしめ鯖だ。
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強く〆た酢の味に体が思わず震えるのだナ。これは酒がススむススむ。クィッとビールを飲み干して、にごり酒に切り替えた。
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熱々のツブ鍋も良い酒の肴だナ。札幌の人は本当にツブ貝が大好きだと思う。花見や行楽の席にも必ずと言って良いほどツブ貝煮が登場するしネ。おでん屋でも寿司屋でも外せない食材だ。

ご主人の加藤さんにご挨拶をすると、先日僕の本を持参したお客様が店を訪れたと伺った。なんとも嬉しい限りでアル。
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札幌は飲食店の宝庫だけれども、此処は値段良し、味良し、雰囲気良しと三拍子揃った名店だ。あぁ、燗酒も胃に沁みるナァ。札幌の良心、皆さんも札幌を訪れたら是非!
by cafegent | 2016-10-11 17:08 | 飲み歩き | Trackback | Comments(0)