東京だからこそ出会う人や店をつれづれなるままに紹介


by cafegent
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一月ももう終わりが近づいてきた。昨日も粉雪が一瞬舞い、改めて「大寒」なのだナと感じたっけ。
我が家の近くの高校では、朝から寒稽古に勤しんでいた。冬の厳しい寒さに耐えられるほどの体力を遠目から羨ましく眺めていた自分ちょっと恥ずかしく思えた朝だった。

一年の季節を72の候に分けて表す「七十二候」も残すところあと2つとなった。その七十一候目は「水沢腹堅」(さわみず、こおりつめる)、小川の水が厚く凍る時季となったのだネ。「腹」とは包むの意味を持つ。春の兆しを受けて、「堅い」大地に凍っていた沢の水が少しづつ溶け出して大地を包み込む、といったところだろうか。厳しい冬の寒さは辛いが、近くまで来ている春の気配を感じながら、もうちょっとだけ頑張ろうかナァ。

朝の散歩の途中、民家の生垣の上やアンテナの上から「ヒッヒッヒッ、カッカッ」と鳴き声が聞こえてくるとジョウビタキが居るのだネ。11月頃から渡ってきて、一冬をこの辺りで過ごすのだ。
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毎日、顔をあわせるようになると、慣れてきて向こうから近づいて来てくれる。なんとも愛らしくて、冬の愉しみのひとつになっているのだナ。

週末の新聞に岡山発信のビオワインの記事が出ていた。ちょうど昨年末に酒朋から岡山に美味しいヴァン・ナチュールが有るよと教えて貰い、早々に「LE CANON」を戴いたばかりだったので、ことさら全国の人たちに岡山で醸造された「自然派ワイン」の記事に嬉しくなった。
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フランスで自然派ワイン造りに取り組んでいた醸造家・大岡弘武さんが帰国してワイン造りを始めたのが岡山だった。岡山の船穂町の葡萄農家が手掛けたマスカット・オブ・アレキサンドリアを用いた無添加ワインは、薄濁りの微発泡白ワインだ。へぇ、こんな白ワインもあるのか、と最初は興味本位だけで口にしたのだが、果実のフルーティな香りがパッと広がり、適度な辛口が後を引く不思議な味わいだった。

カミさんの実家が岡山なので、何かと岡山発信のモノが気になっている。
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倉敷帆布を用いた「ALAPAAP」(アラパープ)のトートバッグは、丈夫だし僕が出かける時にはいつも一緒だ。
ジーンズだって、もう10年以上「桃太郎ジーンズ」を愛用しているしネ。

そして最近は、赤磐市の農業生産者たちが手掛ける『AKAiiWA』プロジェクトが気になっている。まだ、自分の目で見ていないので、どんなことをしているのか、何を仕掛けようとしているのか未知の世界なのだけれど、とても興味が湧いているのだ。

よし、今年は赤磐まで足を伸ばしてみようかナ。

「AKAiiWA」のサイト

「ALAPAAP」のサイト
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# by cafegent | 2018-01-29 12:02 | ひとりごと | Trackback | Comments(0)
年の瀬を迎えると、毎年目黒のはずれの住宅街にひっそりと佇む寿司屋の戸を潜る。『寿司いずみ』は都立林試の森公園の裏手辺りなので、初めて訪れる方は本当にこんなところにお寿司屋さんが在るのかと不安になりそうな場所でアル。

それでも一度此処を訪れた方は、必ずこの店の虜になってしまうのだナ。
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僕らが訪れたのは日曜だったので、自宅からのんびりと歩き公園内を抜けて午後6時半の開店時にお邪魔した。この日は、僕ら夫婦の他に二組のご夫婦と一人客の7人だ。一人客以外はみんな馴染み客だったので、大将は初めての方にじっくりと料理の説明をしながら「いずみ劇場」の幕が開いた。

先ずはサッポロ赤星で乾いた喉を潤した。
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僕ら夫婦が呑んべいなのは大将もご存知なので、ビールは最初のゴクリで呑みモードを作るのだ。そして残ったビールをチェイサー代わりにして日本酒に移る。日本酒を待つ間に最初の一品が登場した。
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いずみ名物と過言ではない「茶ぶり海鼠(なまこ)のヅケ」でアル。
米酢を火にかけて飲めるぐらいにしたものに、番茶に3週間以上浸して柔らくした能登産のなまこをヅケにする。このガラスの器の中にはたっぷりの海鼠とこのわたが入っている。そして上には自然薯のトロロとオクラが載っており、すべてを合わせながら口へと運ぶのだ。風味豊かで柔らかいなまこは、酒との相性も抜群だ。今回、大将が最初に選んでくれたのは「御苑(みその)」の大吟醸冷やおろしだ。この酒は一般流通はせず、宮内庁の中でしか手に入らないもので、大将独自のルートで分けて戴いているらしい。以前呑んだ「御苑」の純米よりもスッキリしていて、茶ぶりなまこの仄かな酸味がスムーズに溶け合うのだナ。

続いては「変わり出し巻き卵焼き」だ。
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芝海老のすり身を合わせた卵を焼き上げてあり、好みで赤山椒を振って戴く。これもいずみの定番だナ。あぁ、美味い。ちなみにいずみで供される赤山椒は、実が真っ赤になるまで樹の上で完熟させた山椒の実なのだ。コレを丁寧に種を取り出して、果皮だけを石臼で挽いたものなのだネ。以前、余りにも風味豊かで美味しので、大将に教えて戴いたのだが、京都下鴨にある『フレンドフーズ』が作る「完熟赤山椒」でアル。

お次は、島根県浜田産の鮟鱇の肝だ。
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最近は築地でも外国産が多く出回り、国内産のあん肝はキロ当たり2万円近くもしてなかなか手が出せないそうだ。大将は現地から直接分けて貰っているのでこんなにも贅沢に出して戴けるってワケだ。

おぉ、これには山形米沢の地酒「三十六人衆」が合うネ。ねっとりと甘いあん肝に辛口の酒がイイ。

あん肝は一切れ残しておいて、次に登場するヒラスズキの刺身を肝ポン酢で食すのだ。
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磯場に居てアワビやサザエを食べて育ったスズキの身は、クセが無くて旨味だけが口の中に残るのだナ。

そして、寒メジマグロと寒ブリの刺身と続く。
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これは、いずみ名物の和芥子(がらし)醤油で。北海道の野生アイヌネギを溶いた醤油に淡路産の新玉ねぎのすりおろしを合わせ、京都宇治で生産される和辛子を乗せた刺身を浸して戴く。アイヌネギの香りと新玉ねぎの甘み、和芥子の辛味が三位一体となって魚の味をグンと引き立ててくれるのだナ。

大将、この刺身には茨城県日立市、森島酒造の「大観 雄町純米吟醸」を選んでくれた。岡山県の雄町(米)を用いたこの酒は淡麗でとってもフルーティな味わいで、脂の乗った寒ブリによく合った。

ここで「真牡蠣の茶碗蒸し」の登場だ。
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今回は外海の牡鹿半島で採れた天然の真牡蠣だ。小ぶりなので、一椀に11粒もの牡蠣をすり鉢ですり潰して蒸したとのこと。上には焼き牡蠣が乗っている。
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椀の蓋を開けた途端、濃厚な牡蠣の風味が広がり、僕の嗅覚を刺激した。宮古島の赤味噌を使った餡がかかっており、牡蠣のみの蒸し物を際立たせていたネ。

酒は千葉は酒々井の飯沼本家が造る「甲子正宗」、甘口でちょっと微発泡な感じな酒だナ。

続いては、天然車海老とイカのしんじょうの揚げ出しだ。
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コンテチーズとキノコの出汁が効いて最高に美味い。昆布が効いているのかな。こちらは、雪の中で2年寝かせた長芋だ。
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温度が4度になると芽が出てしまうので、雪の下で2度に保つそうだ。これもイイ酒の肴だナ。

さぁ、いずみ劇場の前半が終了だ。幕間は、痛風まっしぐらの酒盗三昧でアル。
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緑の器は雲丹の塩辛を干したもの。そしてお馴染みの2年寝かせたマグロの酒盗と3年物のカツオの酒盗だ。鮪と鰹の胃と腸で作った塩辛は、実に濃厚で深い。
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こちらは、アワビの肝の酒粕漬けでアル。
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濃厚な旨味に酒がススむススむ。むふふ。いずみでは、鮭の肝臓をお茶で炊いた珍味など、その時々で仕込んだ酒肴が楽しめるのだヨ。漁場の方々が釣り上げた魚を余すところなく、手をかけて最高の料理にしてしまうのが此の店の素晴らしいところだネ。

酒は北海道倶知安にある二世古酒造が作る「今金」の純米吟醸を選んで戴いた。この酒蔵は、ニセコワイス山系の雪清水と、羊蹄山からの噴出し湧水を使用しているそうで、今金町で生産された酒造好適米「彗星」を精米しているのだとか。知らない酒が多いナァ。珍味三昧で酒もクィクィとススんでしまう。

こちらの皿では珍味三役揃い踏みだ。
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手前の白いのが鱧(ハモ)の塩辛、上がボラ子の塩辛、そして左手が鯛子の塩辛だヨ。あぁ、総てが最高に素晴らしい酒肴だネ。大将が勧めてくれたのは、越後村上市の地酒「越乃松露」だ。淡麗辛口で、幕間の酒にピッタリだ。

香ばしい香りが漂ってきた。
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おぉ、炙った石垣貝も酒に合うナァ。

珍味の最後を飾るのは、大将が「プリン体ア・ラ・モード」と命名したこちらの一皿だ。
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真ん中は鶏卵味噌漬け、その周りを取り巻くのはボラの味噌漬け、筋子、自家製カラスミ、カラスミ味噌漬けだ。自家製カラスミは、8週間も風干しして丁寧に仕込んでいるのだヨ。コレで酒がススまぬワケがない。

カラスミに合わせたのは、山形・新藤酒造店が造る「裏・雅山流」の純米吟醸だ。こちらも淡麗辛口で、口に含むと爽やかな香りと清らかな香味がパッと広がった。それにしても、珍味がどれも濃厚過ぎて鼻血が出そうになったナァ。

よし!幕間が終わり、いよいよいずみ劇場の第二幕「握り」が開いた。

最初は先ほどあん肝ポン酢で戴いたヒラスズキだ。
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スズキは夏場が旬だが、こちらは今の寒い時期が旬なのだネ。ギュッとした歯ごたえが堪らんナ。

此処『寿司いずみ』には握りを置く寿司ゲタが無い。握ったらスグに口に入れて欲しいとの先代からの伝統で、直に手のひらの上に置いてくれるのだ。握りが置かれたら、そのまま口の中に放り込めばイイって寸法だ。

お次は、いずみ名物小鰭(コハダ)四連発でアル。
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先ずは赤酢で〆た握りから。続いて、酒のジンを用いたジン酢握り。
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そして、お馴染みキビ酢と手の上に置かれていった。あぁ、幸せなひと時だ。
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最後には、白板昆布で〆た小鰭なんてのが登場したのだヨ。

酒は秋田・高橋酒造の「奥清水」吟醸を戴いた。名水百選に選ば れた六郷の軟水を使った酒は、酒こまちの香りが豊かで、スーッと喉を流れ行くのだナ。

続いて、こちらもいずみ定番の車海老のおぼろの登場だ。
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こちらは江戸の頃の保存方法を再現しており、車海老を漬け込んだおぼろを酢飯の代わりにして握るのだヨ。僕は、此処に来たら必ずお願いするほど好きなのだ。

ブリのヅケも美味かったナ。そしてこちらは、天然うなぎの握りだ。
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脂の乗りも良く美味い。続いて、天然の真牡蠣の軍艦だ。
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こちらは濃厚な味わいだったナ。
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穴子の白蒸しは塩を振って蒸していると伺った。

どうですか、このマグロの握り。
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本マグロの赤身と中トロを合わせているのだネ。

こちらは、白子だ。
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旬の味は最高だナ。
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そろそろ腹がいっぱいになってきた。
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海苔のお吸い物を戴いて、最後に煮ダコと煮蛤をお願いして〆た。
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この夜も素晴らしい味のオン・パレードだった。正月のお節料理もお願いしたし、最高の年の瀬を迎えることが出来た。
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大将、ご馳走様でした。

そして、皆さん、来年も良い一年をお過ごし下さいませ!
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# by cafegent | 2017-12-30 10:45 | 食べる | Trackback | Comments(0)
二十四節気では「大雪」が訪れた。季節を72に分けて表す七十二候では「閉塞成冬」(そらさむく、ふゆとなる)の季節到来となった。重く垂れ込めた鼠色の雲が空を覆い隠し、天地の気が塞がれ、生き物の動きを止める。そんな深閑とした真冬が訪れる時季を表している言葉だ。

東京はまだ雪こそ降らないが、朝の野鳥探索では凍てついた空気が僕の顔を叩くように通り抜けていく。

鳥たちも寒さに耐え忍びながら餌を求めて飛んで来る。
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モチノキの赤い実を求めて、冬を告げるツグミもようやく数羽見かけるようになった。

今朝は、若いノスリが飛ぶ姿を見ることが出来た。
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餌となるモグラでも探しに来たのだろう。
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公園の小さな池にはルリビタキが水を飲みにやって来た。
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シロハラは、この倒木の辺りを自分の陣地にした様子だ。
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小さなエナガはすっかり此処が気に入ったのか居着いてくれている。
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野鳥探しを終えて家に戻ろうとしたら、空の上をコサギが大きな羽を広げて飛ぶ姿を目にした。日増しに寒さが厳しくなっているが、冬鳥たちが次々と来てくれるようになったので、僕は嬉しい限りなのだナ。
          ◇           ◇           ◇
さて、ワタクシゴトで恐縮だが、先週僕が手がけた季刊誌『音楽スタア』が創刊した。1970年代、’80年代に一世を風靡し、今もなお現役で大活躍しているレジェンドスタアたちにスポットを当てた音楽誌だ。

ジュリーは来年、古希を迎えるというのに、1年間「芸能生活50周年記念ライブ」のツアーで全国を回っている。今年52歳となった中森明菜も、この冬ディナーショーで素晴らしい歌声を披露している。

この夏、何気なくテレビを観ていたら「有吉反省会」に児島美ゆきさんが凄いボンテージ衣装を纏って登場したのだ。僕の1970年のアイドルだった彼女が、当時さながらのボインを武器に再ブレイクしていたのを目にして、とにかく元気を貰ったのだ。そんな彼女への応援メッセージとして巻頭ページの筆をとった。

僕ももう58歳。50代から60代、いや70代だって、まだまだ現役で活動する時代となった。そんな僕らの世代の方々にエールを送りたい、レジェンドスタアたちから何かを受け取り、自分も頑張れたらいいナァ、との思いからこの本が生まれた訳でアル。

是非ともこの年末年始にじっくりとご一読頂けたら嬉しい限り
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      音楽スタア´70-´80
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# by cafegent | 2017-12-10 16:05 | ひとりごと | Trackback | Comments(0)
九月に入り、東京も少し秋の気配を感じるようになったかナ。日中は相変わらず暑いが、夜になれば開け放たれた窓から涼し風が虫の音色を運んでくれる。

七十二候では、「草露白」(くさのつゆ、しろし)の季節。草に降りた露が白く光って見える時季となった訳だ。朝早く公園を歩いていると木々の葉や草花に露が降りているのを目にするようになった。朝晩の気温がグッと下がる時に見られ、あぁ、いつの間にやら夏から秋へと季節が変わったのだナァ、と感じるのだ。散歩で出くわす御仁に「朝露が降りているから、今日は晴れるネ」なんて声をかけられると、その日一日中清々しい気持ちで過ごせる気になるから不思議だネ。

さて、そんな秋晴れの土日を利用して仙台まで青春18きっぷの旅に出た。朝7時に家を出て、品川駅でグリーン券情報をSuicaに入れる。これで、快適な居酒屋グリーンを堪能できるってワケだ。
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学生たちが夏休みの真っ最中だったら、上野まで行って上野始発の列車に乗るのが賢明だ。だが、九月に入ってからの土曜日なので品川から乗っても座れるだろうと読んでみた。少し早めにホームのグリーン車の場所に行ってみると案の定、大正解だった。数人しかグリーン車前に居らず、入ってきた列車もグリーン車だけはガラガラだったのだナ。

旅は家を出た瞬間から心が躍りだすのだネ。最寄り駅までの足取りも何故か早足になっており、そんな自分に思わずテレてしまうのだ。

8時12分、定刻通りにJR東海道本線の宇都宮行きの列車が品川駅を出た。車窓からの景色が品川駅から変わったことを確認すると、缶ビールのプルを引っ張るのだ。
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おぉ、キリンの秋味が新しい季節を歓迎してくれているかのようだ。今回の朝飯は駅弁「深川めし」だ。駅で売っている深川めし、実は二種類あるのだネ。
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本当はハゼの甘露煮が入っている方の弁当が好きなのだが、残念ながら品川駅では売っていないのだヨ。でも、あさりとごぼうの生姜煮をツマミながら飲むビールも最高だ。

浦和を過ぎ、ビールを飲み干したので、お次は白ワイン!
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南アフリカのワイン、Okhaのシャルドネーは安くて美味しいのだナ。
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カミさんがツマミにと買ってきてくれた神戸コロッケがワインによく合うナァ。

旅に出るときに紙コップじゃなく、ちゃんとしたグラスを持参するだけで、極上の旅気分を味わえるよネ。白ワインを楽しんでいるうちに列車は宇都宮駅に到着だ。そして、そのまま黒磯行きの列車に乗り換えた。この路線はボックスシートじゃないので、酒はお預けだ。読みかけのペーパーバックを取り出して、しばしの読書タイムとなった。そして約50分、ガタゴトと揺られながら黒磯駅に着いた。

午前11時過ぎ、黒磯で昼酒を楽しもうと『みよし』に向かったら臨時休業だった。では仕方ないと『中央食堂』まで足を伸ばすと、またもや人の気配がない。
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いつもなら朝10時から開いている筈なのだが、あいにくのお休みだった。

気を取り直して、駅近くまで戻り蕎麦の『冨陽』の暖簾を潜った。
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ふぅ、歩き回ったからすっかり汗ダクになってしまったナ。よし、キリリと冷えた地酒といこう!

栃木の地酒「大那」の夏の酒ほたる 特別純米生詰を一合戴いた。
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呑みやすくてクィクィとススんでしまうネ。

「七水」の純米吟醸も昼酒に良いナ。
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枝豆をツマミながら酒を嗜んでいたら、お待ちかねの蕎麦がやって来た。

僕が頼んだのは「湯の花そば」だ。那須や草津の板室の温泉をイメージした蕎麦は、冷たいぶっかけと暖かいあんかけから選べるのだヨ。で、僕は冷たいぶっかけにしてみたのだナ。
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腰のある蕎麦に山菜や豆腐などたくさんの具が絡み合い実に美味い。

カミさんが頼んだのは、「焼きトマトと豆腐のぶっかけそば」だ。
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地物のトマトをじっくりと焼いて甘みを際立たせていたネ。またフライドオニオンの香ばしさが、この蕎麦をモダンな洋風テイストに仕立てていたヨ。どちらも美味しい蕎麦だったナァ。

後から続々とお客さんが入って来たので、僕らは席を譲ろう。
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そしてお隣の酒屋さんへGO!『政喜屋酒店』では、有料試飲が出来るので、「七水」の純米吟醸『55雄町100%』と「菊」の純米大吟醸『栃木の紅菊』を飲み比べてみた。
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どちらも大変旨い酒だったが、仄かな果実の香りとキリッとした後味が僕を釘付けにしたので、「菊」の方を買うことにした。
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あぁ、両方買っても良かったかナ!
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さぁ、郡山行きの列車の時刻が近づいた。黒磯駅の一番奥のホームへと渡り、東北本線の郡山行きの列車に乗り込んだ。
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こちらもまた横長のベンチシートなので、再び読書タイムで1時間を過ごしたのだヨ。
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そして、郡山から福島まではボックスシートだったので、居酒屋ローカル線の旅の復活となった。

福島で15分程の待ち時間を過ごし、今回の旅の目的地仙台へと向かったのだ。
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車窓の向こうでは、ススキが揺れていたナ。

青春18きっぷの旅は、目的地よりもローカル線を乗り継ぐ「移動」を楽しむ方が醍醐味かもしれないナ。

そんな訳で、朝7時に家を出た旅は午後4時ちょうどに仙台駅に到着したのでアール。
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# by cafegent | 2017-09-11 15:49 | ひとりごと | Trackback | Comments(0)
         春や昔 十五万石の 城下哉

松山の街を詠んだ正岡子規の名句だ。司馬遼太郎の名作「坂の上の雲」の最初の章も「春や昔」が用いられているが、子規や漱石がこの街の人々に俳句の素晴らしさを広めた功績は大きい。
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伊予から電車に揺られ松山市に入ると車窓から城下町松山が誇る松山城を望むことが出来た。
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駅を降り立つとツバメたちが優美に弧を描きながら出迎えてくれた。
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駅前には先の句の大きな句碑が立っている。
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この句碑を見る度に「あぁ、再び子規の生まれた街に戻って来たのだナ」と実感するのである。
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そして、真っ先に市内を走る市電・市バスが一日乗り放題出来る「1Dayチケット」を買うのだ。
400円で一日中乗り降り出来るのだから、実に嬉しい限り。市電の運賃が160円なのだから、3回利用すればもうお得なのだネ。
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JR松山駅から地下道を抜けて市電の松山駅前電停へ。先ず向かうのは「道後温泉」だ。
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チンチン電車でのんびりと20分程で坊っちゃんの愛した道後温泉に到着だ。
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アーケード街を通り抜けると三千年の歴史を誇る威風堂々とした構えの『道後温泉本館』が正面に佇む。
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今年は道後温泉本館の改築から120周年の大還暦を迎えたこともあり、全国各地からいつも以上に観光客が訪れているそうだ。
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此処は「神の湯」「霊(たま)の湯」の二つの温泉が有り、それぞれ二階、三階でゆったりと寛げる4種のコースがある。僕はいつも1階の「神の湯」のみを利用する一番安い410円の湯に決めている。初めての方ならば、湯上がりに浴衣に着替えてのんびりとお茶と名物坊っちゃんおだんごで一休みすると良いだろうネ。僕はさっぱりと汗を流したら酒場へと直行なので、此処は温泉のみにしているのだナ。皆さんもきっと湯上がりには城下町の酒場で冷たいビールからスタートしたいよネ。

神の湯に浸かり、じっくりと汗を出し仕事疲れを洗い流す。旅の途中の堪らないひとときだ。湯船で出逢った青年は東京・浅草のホテルで働いており、スカイツリー&浅草見物などの観光客誘致の為に松山市を訪れているとのことだった。ミシュラングリーンガイドで三ツ星を獲得した温泉に浸かり、良いアイディアが浮かんだだろうか。旅先で出逢った裸の縁だ、彼の仕事が上手く行く様に願うばかり。

さすがに1時間近くも湯船を出たり入ったりしていたから、汗を出し切った感がする。こりゃあ、間違いなくビールが美味いゾ。

脱衣所の天井扇風機の下でゆっくりと身体を休め肌が乾くまで裸で過ごすのが一番気持ちが良い。心身共にリフレッシュ出来た。さぁ、酒場へと繰り出そうか。

再び路面電車に乗り、松山市駅前で降りる。「いよてつ高島屋」前のタクシー乗り場を進みスグ左手の商店街の中に佇む酒場がおでんの名店『赤丹本店』だ。
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本当は先にお隣の『ビアホールみゅんへん』で美味い生をゴクリとやりたかったのだが、この日は生憎の定休日でアル。

隣りの「赤丹本店」の前で、女将さんが花に水をあげていた。まだ開店時間よりも少し早かったが「外は熱いからさぁさ中へ」と入れて戴いた。
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縄のれんを潜り、中へお邪魔する。数年ぶりの訪問だが、先週も来たっけと思わせてくれる和んだ空気が漂う酒場だ。

「赤丹本店」は昭和8年創業の老舗酒場でアル。おでん鍋前のカウンターに腰を降ろし、女将さんに生ビールをお願いした。ジョッキに冷えた生ビールを注ぐお母さん、慣れた手付きでビアサーバーを操っているのだナ。

「さぁ、グゥッと一口飲みな!早く早く!」そう促され一口飲むと「もっと沢山飲みんさい」と僕のジョッキを取り上げて減ったところへ波々と生ビールを足してくれたのだ。あぁ、嬉しい心遣いだなぁ。一気に喉が潤い、躯が生き返った。

使い込まれた木のカウンターが実に良い雰囲気を醸し出している。入口側のカウンターの端が丸くなっており、お客を優しく招いてくれているようだ。

女将さん自慢のおでんを戴こう。じゃこ天、タケノコ、そして牛スジをお願いした。
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此処のおでんは皿にからし酢味噌が載せてある独特のスタイルだ。酸味の利いた味噌が不思議とおでんに合うのだナ。松山ではおでんにからし味噌や酢味噌を合わせるそうだネ。

じゃこ天をアテにビールがススむ。二杯目の生ビールをお願いした。
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開け放たれた入口から時折流れて来る風も心地良い。ボーッと入口を眺めていたら、若い女性が一人入って来た。「お母さん、外のミントの葉貰っていい?」と聞いている。「遠慮せんと持っていき!」近くで飲食店をやっているのだろうか、店の外で先程水をあげていたミントを摘んで帰って行った。地元の素朴なやりとり、良いなぁ。夏の午後の至福の時でアル。

カウンターの奥で、板さんが小魚の干物を仕込んでいた。
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あれは?と聞くと「ホータレ」と返事が返って来た。女将さん「ほっぺたが垂れ下がるほど美味いから『ほうたれ』と呼ぶんよ」と教えてくれた。飯(マンマ)を借りて来る程美味い岡山の魚「ままかり」と似た名前の由来だネ。

これは食べない訳にはいかない。小さなホータレイワシは、1時間ほど天日干したもので、これ以上干すと身が硬くなってしまうと伺った。

暫くすると香ばしく焼かれたほうたれが6尾やって来た。
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レモンをギュッと垂らしそのまま頭から噛む。おぉ、本当に頬が垂れそうになるくらいに旨みが口の中に広がった。こりゃ日本酒だナ。新潟の純米酒「妙高山」をお願いした。濃厚な純米の味とほんのりと苦いほうたれのワタが絶妙にマッチする。

店名の「赤丹」はご主人が花札が好きで、其処から付けたんじゃないかナァ、と云っていた。旅行が大好きで、旅先で味わった炉端焼きの店を始め、おでんも出す様になったそうだ。
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ご主人と二人で始めた店だが、大分前に先立たれ女将さんが切り盛りするようになって60数年が経つと云う。今年で84歳になったと伺ったが、肌艶も良く快活だ。

二杯目の冷酒を呑み干してご馳走さま。次回も美味いおでんと旬の肴を楽しみにしよう。

再び市電に乗り大街道駅へ。

電停前のアーケード街に入り二本目の路地を左へ進むと酒場が立ち並ぶ歓楽街になる。八坂通りの東側、中華料理店とローソンの間の路地も小さなスナックが沢山入居しているソシアルビルが続く。
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若い女のコの勧誘を振り切って、一路向かったのは家庭料理の店『上浦(かみうら)』だ。ソシアルビルの一階の奥にひっそりと店を構えているが、ビルの入口に行灯が出ているから初めての皆さんでも判る筈だ。

此処は、7人掛けのL字型カウンター席と4人掛け席が二つの小上がりの小体の居酒屋だ。女将さんが一人で切り盛りするには丁度良い大きさでアル。
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気さくな女将さんの評判が良く、地元のご常連さん達に愛されている酒場なのだネ。

一軒目の「赤丹本店」の様な老舗の雰囲気は無いが、清潔感溢れるモダンなインテリアは女将さんの雰囲気にとても似合っている。カウンターの上に並べられた大皿には正に「家庭料理」の味が並んでいる。
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きんぴらごぼう、枝豆、焼き茄子、かぼちゃ煮など、ほっこり出来るものばかりでアル。
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先ずは生ビールを戴いた。
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かぼちゃ煮も甘過ぎず、酒の良いアテとなる。続いて頂いた焼き茄子も暑い夏ならではの家庭料理だネ。
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冷えた焼き茄子に鰹節が乗っている。醤油を垂らして口に運べば子供の頃に田舎で食べた懐かしい味が蘇ってきた。

女将の国政美根子さんは、永い間地元の古いスナックで働いていたそうだ。その後、息子さんも立派に独り立ちし岡山で働いているので、10年前に自分の店を構えたそうだ。店名の「上浦」とは国政さんの出身地だそうだ。上浦は大三島(おおみしま)に在り、今は今治市の一部だネ。「しまなみ街道」の愛媛側の入口と云った方が判り易いか。

此処の料理は家で作って来て店に運んでいる。本当に家庭料理なのだネ。

以前、お邪魔した時は女将さんのお孫さんが出ている松山東高校が夏の甲子園の地方大会のベスト8に残ったとかなり上機嫌だった。その年は、僕の出身高校も甲子園への出場が決まったこともあり、店に来たご常連さんたちと高校野球バナシで盛り上がり、心地よく酔っ払ったっけ。

焼酎の水割りを戴いて、この日も高校野球談義に華が咲いた。
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あぁ、たこ天も美味かったナァ。

居心地が良過ぎて長居しそうになったが、この後に予定が入っていたので、〆て戴いた。

女将さん、美味しい料理と旨い酒、ご馳走さまでした。
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# by cafegent | 2017-08-22 20:53 | 飲み歩き | Trackback | Comments(0)
    深山木(みやまき)に雲ゆく蝉の奏(しら)べかな   飯田蛇笏
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暦の上では、今日は「立秋」だネ。まだまだ夏真っ盛りだからピンと来ないが、翅をバタつかせながらひっくり返っている蝉の姿を眼にすると少しだけ晩夏の気配を感じたのだナ。

飯田蛇笏は、声高らかに鳴く蝉の声が流れゆく雲に乗っていつまでも鳴いていて欲しいとでも思って詠んだのだろうか。

蛇笏の句と対極に当たると思えるのが松尾芭蕉が奥の細道の旅を終えた後に詠んだ句だ。

     やがて死ぬけしきは見えず蝉の声

蝉は思い切り鳴くために生まれ、大いに鳴いたらあとは死ぬだけのことだ、とまるで悟りの境地のような歌を詠んだ。この句の前置きとして芭蕉は「無常迅速」と記している。世の中の移ろいは極めて早い、そして生も死も無常に繰り返す、という意味だろうか。そして、芭蕉はこの句を詠んだ4年後に死を迎えているのだナ。

飯田蛇笏の方が、ロマンチストなのだろうナァ。僕は蛇笏の句が好きだがネ。
    ◇             ◇             ◇
閑話休題。

毎朝、欠かさずに行っていることに「珈琲を淹れること」がある。

豆を電動ミルに入れ、約10秒ほどの目算で豆を挽く。ペーパーフィルターの角を折りたたみ、陶器のドリッパーにセットしたら、挽きたての粉を入れる。

ケトルのお湯が沸騰したら、火を止める。沸々とした湯が大人しくなるまで少しの間、待つ。ケトルの注ぎ口の温度が下がり湯の飛沫が飛ばない頃合いにペーパーフィルターの中へお湯をたらし、珈琲粉を蒸らすのだ。

珈琲の香りに包まれて、だんだんと僕自身も目を覚ましていく。お湯を注ぎはじめ、キメの細かい気泡が膨らんでくれると、なんだか一日が気分良くスタート出来る気がするのだナ。
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以前、表参道に事務所を構えていた時は、毎朝一度出社してメールのチェックなどを済ませたあとに必ず246の大通り沿いの雑居ビルの二階に在る『大坊珈琲店』へと出掛けた。
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角の方が反り返った分厚い木のカウンター席へと座り、大抵「3番」の濃さの珈琲をお願いした。

カウンターの隅で店主の大坊勝次さんが手まわし式焙煎ロースターのハンドルをゆっくりと回す姿やザルの中で冷ました珈琲豆を選り分ける作業など、ずっと眺めていても飽きなかったナァ。
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そして、何よりも左手に持ったネルドリップに丁寧にお湯を注ぐ姿は実に素敵だった。そう云えば、大坊さんはネルドリップを蒸らさずに珈琲を淹れていたけれど、本当に美味しい味だった。
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小一時間ほどを大坊珈琲店で過ごし、二杯の珈琲を飲み終えると事務所に戻るのだが、いつもシャツに珈琲の焙煎臭が染み付いてしまうので、みんなから焦げ臭いと言われる始末だったっけ。

今日は深煎りの珈琲を飲みながら、ふと大坊さんのことを思い出したのでアル。

そうそう、大坊勝次さんが綴ったエッセイやコーヒーの作り方、糸井重里氏や平松洋子さんなど大坊珈琲店をこよなく愛した方々の寄稿文で構成された本が出ているので、是非!

素敵な文章と店内の写真で『大坊珈琲店』を愉しんでみてくださいナ。 
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                      大坊珈琲店

過去の日記から/『大坊珈琲店』12月、38年の歴史に幕
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# by cafegent | 2017-08-07 15:53 | ひとりごと | Trackback | Comments(0)
「土潤溽暑」(土潤うて蒸し暑し)、ムッとした熱波が躰にまとわりつくような、そんな蒸し暑い時季となった。溽暑(じゅくしょ)なんて難しい漢字、書けもしないし読めもしないネ。

アスファルトからゆらゆらと陽炎(かげろう)が立ち上り、路傍からはむせるような草いきれが僕を包み込み息ができなくなりそうだ。

近所に住む爺さんはランニングシャツ姿で家の玄関先に打ち水をしていたナ。僕も子供の頃は家の前で行水などをして涼んだけれど、今の子もするのかナ?

蒸し暑さにバテてしまいそうになるが、街路樹の蝉たちは今が晴れ舞台とでも言わんばかりに盛大に合唱をしている。木々や草花も太陽の光をたっぷりと受けて、ますます蒼々と茂り、夏を謳歌しているようだネ。

今日から八月に入った。八月一日を「八朔(はっさく)」と呼ぶ。花街では、この日に芸妓や舞妓さんがお茶屋さんやお師匠さんに挨拶回りをする習わしがあり、それが八朔だ。その昔、農家ではこの時期に早稲の穂が実り、その初穂をお世話になっている人に贈る風習があった。これを田の実の節句と言い、「田の実」が転じて「頼み」となり、農民のみならず一般にも広まり、お世話になっている(頼みを聞いてもらっている)方へ恩を感謝する日となったのだネ。
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一度でイイから、芸妓さんに艶のある声で「おたのもうしますぅ」なんて言われてみたいものだナ。
    ◇             ◇             ◇
閑話休題。

「いっぺこっぺ」と聞いても東京に住んでいるも者にとっては、何のことやらハテ?と云うことになる。鹿児島の方言で、彼方此方(あちらこちら)とか、所構わずといった意味だそうだ。

そんなローカル色全開の方言を屋号にしているお店が東京・蒲田に在る。其処はいつも外に大行列が出来ているとんかつの名店『檍(あおき)』の真隣りで、且つ姉妹店の『とんかつ檍のカレー屋 いっぺこっぺ』だ。
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「檍」のとんかつだと大体一時間以上は待つ覚悟なのだが、カレー屋さんの方はせいぜい30分程度で順番が回ってくることが多い。

そして何よりも嬉しいのが、檍が誇るとんかつの味が存分に楽しめる上に、カレーライス自体も大変美味しいことなのだナ。

僕はここ最近は大抵ロースカツカレーを頼んでいる。
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1,000円ちょうどとリーズナブルな上に、ご飯の上に乗ったロースカツも十分すぎるほどに肉厚だからだネ。また、カレーのルゥがとんかつを外してご飯だけにかかっているのが好いのだ。

「檍」のとんかつは塩で食べるのがオススメで、アンデス岩塩やヒマラヤ岩塩などが用意されているのだが、もちろん「いっぺこっぺ」でも塩で味わえるのだネ。

小皿に塩を取り、揚げたてのカツを一切れ持ち上げて塩へと運ぶ。サクッと噛むと岩塩の威力によって豚の脂身の甘味が際立ち、そして口の中へと溶けていくのでアル。

塩味を堪能したら、今度はソースで戴こうか。これはもう言わずもがなのド定番の味わいだ。塩とソースで何切れか楽しんだら、いよいよカツカレーを存分に味わおう。

カツの衣にカレーのルゥが沁みて、ちょっと柔らかくなったところをご飯と一緒にスプーンですくって口へと運ぶ。カツカレーは、口いっぱいで頬張って食べるのがウマいのだナ。

こちらで使用している豚肉は「林SPF豚」と言う。ハテ?調べてみるとSpecific(特定)のPathogen(病原体)がFree(不在)の生まれた時から健康体な豚だそうだ。

千葉の林商店が手塩にかけて育て上げた銘柄豚は、肉も柔らかくて美味しいが特に脂身の部分が甘くて美味しいと評判だ。おぉ、こりゃロースカツ好きには堪らんネェ。

とんかつの「檍」でもロースかつランチは1,000円で戴けるのだが、「いっぺこっぺ」では同じローカツにカレーが付いている。まぁ、豚汁とお新香は付いていないので、どちらを選ぶかが肝だネ。

また、こちらでも「檍」自慢の上ロースやかたロース、特上ロースカツのカレーが用意されている。しかも、皿も別盛りなので、完全にとんかつを味わいながら、別料理としてのカレーライスを戴けるって寸法だ。カレーのルゥも肉がたっぷりと入っているし、スパイスも効いているので、ジワジワと汗をかく旨さが凝縮されている。

檍の特上ロースカツ定食は2,000円、いっぺこっぺの特上ロースカツカレーは2,300円と値段の差は300円なのだ。向こうで一時間以上待つ余裕が有るかどうか、で選ぶのが良いかもしれないネ。
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僕の場合は、時々無性に「檍」でしか味わえないリブロースかつが食べたくなる時があるので、その場合は迷わず大行列に並ぶことにしている。
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そんな訳で、先日は『とんかつ檍のカレー屋 いっぺこっぺ』の方に伺った次第でアル。午前11時半に店に到着したが、並んでいる間に注文を聞いてくれる。約25分程、外で待ちカウンター席へと座ることが出来た。此処は事前に注文を聞いてくれているから、座ってからは待つことなくスグに出てくるのが嬉しい。美味しいものはじっくりと時間をかけて味わいたくなるもの。しかしカレーライスって奴は、ついついかっ喰らってしまうのだネ。15分ぐらいでペロリと平らげてご馳走さま。これで、夏バテ対策もバッチリだナ!

外に出るとまた10人ぐらいが並んでいた。ガッと食べて、サッと席を立って良かったナ。
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# by cafegent | 2017-08-01 16:59 | 食べる | Trackback | Comments(0)
      ひやひやと壁をふまえて昼寝哉       松尾芭蕉

子供の頃、夏の暑い日など、土壁に頬や太ももを引っ付けてヒヤリとした涼を感じながら楽しんでいたナ。クーラーなどまだ高嶺の花だった時代、土壁は湿気を吸い取り、梅雨のジメジメした空気や秋の長雨の嫌な匂いなどもかき消してくれて、昔の人の知恵に随分と感心したっけ。

残暑厳しい夏の盛り、旅の途中の芭蕉翁も昼寝の最中に壁に触れてひやっとした涼しさを楽しんでいたのかナ。

僕の住むマンションはちょうど今、大規模修繕の真っ最中だ。あと残り二ヶ月、朝から夕方まで通路やベランダをたくさんの方々が作業をしながら往来している。午前中はずっと部屋でパソコンに向かっているので、工事の騒音に閉口しているワケだが、僕らの快適な住まいのために作業をしてくれているのだから、とこちらも堪えないとネ。そんな工事の音も12時を迎えるとピタッと止まり平穏な時が戻ってくるのだ。そう、作業員さんたちの昼休みの時間なのだ。小一時間のことだが、僕はその時間に大いにキーボードを叩き、文面に集中することにしている。

自分の昼飯を買いにマンションを出ると、駐車場脇や工事現場の空いたスペースなどで昼寝をしている作業員さんを見かけるのだナ。こんな夏の暑い昼間に職人や大工さんが休憩時に仮眠を取ることを「三尺寝」と呼ぶのだネ。太陽の影が三尺ほど傾く小一時間ほどの睡眠だから、この名が付いたと言われているが、作業場の隙間の三尺ほどの小さなスペースで寝転んでいたからとの説もある。

しかし、どの家庭にもエアコンが設置してある時代、昼寝する場所だって室外機の熱気で涼など取れないだろうネ。三尺寝の真っ最中の職人さんたちは、芭蕉の昼寝とまではいかないがせめて日陰が続いていてくれることを願いつつ買い物に出かけたのでアル。
    ◇             ◇             ◇
暑い夏の日に一番飲みたくなるのがミントジュレップだ。
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週末の昼下がり、冷蔵庫から取り出した氷を細かく砕き大きめのグラスにぎっしりと詰める。ベランダから摘んだミントをサッと水で洗い氷の上に置いたら粉砂糖を加えてスプーンの頭でミントを氷に押しつぶすようにして砂糖を一緒に溶かす。その上からバーボン・ウィスキーをなみなみと注ぎ、太いストローで軽くステアすれば完成だ。

あとは、グラスと本を持ってベランダの日影を探すのだ。最近では、もっぱらラム酒を使ったモヒートが持て囃(はや)されているが、僕の時代はバーボンかライ・ウィスキーだった。我が家にはいつもジムビームやフォアローゼス、それにオールドオーバーホルトが置いてあった。特に銘柄にこだわっていた訳じゃなく、その日の気分で選んでいたっけ。

イアン・フレミングが書いた『ゴールドフィンガー』の中で、ジェイムズ・ボンドは甘さを抑えたミントジュレップを飲んでいた。
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何をやってもさまになるボンドに僕も憧れたものだ。

今からもう30年以上も前、軽井沢を訪れた時、ホテルの庭のテラスで初めてこのカクテルを飲んだ。ボンドが頼んだカクテルよりは甘い味だったのだろうが、その時から僕の中では「避暑地の酒」と言えばミントジュレップになったのだナ。
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夏の飲み物と言えば、もうひとつ。英国の夏の定番飲み物が「ピムス」だ。ジン・ベースのリキュール「PIMM’S No.1」をレモネードかサイダーで割り、レモンスライスとキュウリを入れるのだヨ。日本でも下町の居酒屋あたりに行くとチューハイにキュウリのスライスが幾つも入ったものを目にすることがある。この「かっぱ割り」、まるでメロンのような香りを放ち、爽やかな酒となるのだネ。

夏のロンドンでは、パブなどで大きめのグラスにキュウリやオレンジなどを入れたピムスのカクテルを飲んでいる人たちをよく見かけた。彼らの感覚だと、食前のサングリア的なものなのだろうナァ。

昔は、余り日本では目にしなかったリキュールの PIMM’S No.1だが、今はキリンが国内で発売しているのだネ。
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ピムス 25度 700ml
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# by cafegent | 2017-07-31 12:35 | ひとりごと | Trackback | Comments(0)
再開発が進む武蔵小山は駅を降りるとスグ目の前に広大なタワーマンションの建設現場が広がっている。其処には、かつての面影など微塵もない。と言っても、1年半ほど前まではスナックや小料理屋、居酒屋が数十店舗も軒を連ねる飲食店街「りゅえる」が在った。細い路地が縦横に並び、まるで迷路の中をぐるぐると歩き回って二軒目、三軒目の酒場を探したものだ。

馴染みの酒場が幾つも閉店したり、違う街へと移転したりしたが、近くに好い場所を見つけた店も有り、その営業再開は僕ら地元連中にとっては何よりの「嬉しい知らせ」だった。

昔の場所から通りを二つほど奥に遠ざかったが、幾つか飲食店が並ぶ路面店として復活したのが『佐一』だ。その店構えはモダンな和食店のようで、ちょっと敷居が高そうかナと思ってしまうが、戸を開けると仲睦まじいご夫婦の笑顔が優しく迎えてくれて、感じていた空気が一瞬で払拭する筈だ。もちろん、居心地の良い空気感のみならず、抜群の酒肴の美味しさとリーズナブルな価格もこの店の敷居が低いことを納得して戴けることだろう。

L字型のカウンター席のみの小体の居酒屋は、いつも馴染みの顔が集っており、誰もが良い顔をして酒を愉しんでいる。
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大将のユキさんは太い眉と優しい目が印象的で昔の映画俳優のような二枚目で、女将のユミさんも目鼻立ちがはっきりとして凛とした美しさを醸し出している。そう、二人とも実に素敵で華が有るのだナ。
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以前は寿司屋を営んでいたので、大将の仕入れる魚介類は素晴らしい。その魚たちをそれぞれ一番美味しく味わえるように料理してくれるのだ。

「はい、小肌だよ」

何度か通っていると僕の好みなども覚えていてくれて、黙っていても好きな肴を出してくれるのも嬉しい心遣いなのだ。

大将の料理を引き立てるのが、酒の仕入れを受け持っている女将さんの目利きだ。
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ユミさん、実はお酒は殆んど呑まないそうだ。だが、長年の仕入れ経験や全国の酒の情報収集などから、その時一番呑んで貰いたいと思う酒を仕入れている。そして、ユキさんが造る肴に合う酒を選んでススめてくれるのだナ。

この日もお任せで刺身の盛り合わせをお願いした。
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むふふ、好物の小肌やタコを忘れずに入れてくれたし、身がキュッと締まったコチや新鮮なイカのワタも好い酒の肴となった。
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辛口の酒「日高見」も濃厚なワタを絡めたイカの旨味にピッタリだ。

カウンターの向こうから何とも言えぬ良い香りが漂ってきた。大将が何かを蒸し焼きにしているのだナ。その香りがどんどんと強くなり、僕の鼻腔を刺激した。と、その時振り返った大将が、スッと皿をカウンターの上に置いたのだ。熱々のアルミフォイルを開くと松茸の馥郁(ふくいく)たる香気が、完全に僕を虜にしてしまった。
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おぉ、早松(さまつ)だネ。梅雨の時季に季節を早とちりして地上に現れる松茸で、市場ではなかなかお目にかかれない。

香ばしく七輪で焼かれた松茸には燗酒が合うが、ふっくらと蒸されたコイツには冷酒だネ。合わせた酒は東京の地酒、澤乃井の純米吟醸酒「東京蔵人」だ。
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爽やかな酸味が松茸の香りを邪魔することなくスーッと喉を流れいてく。これぞ「生酛造り」の酒の美味さだナ。

箸休め代わりに糠漬けをお願いした。暑い真夏にバテぬように発酵食も欠かせないネ。
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蕪、きゅうり、人参、茗荷にセロリ、どれも好い塩梅で漬かっている。これも酒がススむススむ。

お次にユミさんが出してくれたのは、栃木の宇都宮酒造が造る「四季桜」だ。
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トロッとした口当たりで芳醇な旨味が口いっぱいに広がってくる。あぁ、旨い、幸せなひとときだ。強い糠漬けの乳酸菌を酒の旨味が包み込み渾然一体となって僕の味覚を覚醒させていった。

もう一つ、僕の好物は此処の「なめろう」だ。これは結構手間がかかるので早めにお願いした方が良いかもしれないネ。丁寧に包丁で叩いたなめろうは海苔に巻いて食べる。
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鯵の旨味が凝縮されて、これまた酒がススむ一品だヨ。鯵が無い時もあるが、そんな時も別の魚で作ってくれたりするので、酒好きならば是非頼んでみて欲しいのだナ。

「佐一」は元々、牛すじ煮込みともつ煮込みが評判の、古くから続く地元の名酒場だった。ユキさんとユミさんは長い間、西五反田の桐ヶ谷斎場通りでお寿司屋さんを営んでいたのだが、2010年に地元に戻り二代目を注いで居酒屋「佐一」の看板を守ることにしたのだネ。
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場所こそ変わったが、親から引き継いだ煮込みの味は今も変わらない。そして鮨職人として培った料理人の技を惜しむことなく、この居酒屋で安価で提供されるのだ。

よし、〆に何か握って貰おうか。品書きには載っていないが、大将にお願いすれば鮨も握って戴けるのだヨ。僕は小肌やヒラメの昆布締めなどが好きだが、旬の時季のシンコも堪らない。

この日は簀(す)巻きがいいナァ、と告げると、ユキさんは黙って巻き簀を出して海苔を置いた。サァ、何が出てくるか楽しみだ。

「はい、どうぞ!」

登場したのは、ネギトロ巻だった。
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脂の乗ったマグロが口の中で溶けていく。酢飯をしっかりと食べたので、深か酔いもせずに家路に着くことが出来た。

武蔵小山には、まだまだたくさんの名酒場が在るが、此処『佐一』はきっと皆さんの期待に応えてくれる一軒となるだろうと思っている。

そして、僕だってまだまだ知らない店も多いので、皆さんが訪れてみて気に入ったところが有れば、是非とも教えて欲しいのだナ。

では、また! CHAO!
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# by cafegent | 2017-07-28 13:31 | 飲み歩き | Trackback | Comments(0)
今朝の朝刊を開いたら、懐かしいパン屋さんの名前が紹介されていた。その記事は、下北沢で永く続いたパン屋『アンゼリカ』が今月末をもって閉店するとの内容だった。
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今から30年程前、僕は下北沢と云う街に住んでいた。駅から南口へと出て駅前の商店街を真っ直ぐ進み、茶沢通りに出る代沢三叉路手前に小さな郵便局が在った。一階が世田谷代沢郵便局で、その上がアパートになっていた。その名も「ポストハイツ」と云い、そのまんまのネーミングに物件を見に行った時に、思わず吹き出してしまったっけ。

駅からポストハイツへと向かう途中のちょうど真ん中辺りに『アンゼリカ』は在った。平日は殆ど店が開いている時間には帰れなかったが、土曜日はよくパンを買いに行った。みそパンが名物だったが、僕は此処のカレーパンが好きで、いつも二個買って食べていたナァ。

たまに友人の家に遊びに行く時などは、パンプディングを買い求めた。長細いアルミフォイルに入ったパンプディングはカスタードの香り豊かで、僕自身が大好きだったから、手土産にも重宝したっけ。

午前中に昼飯用のパンを買いに行った時などは、可愛い双子のお嬢さんを連れたシーナ&ロケッツの鮎川さんの姿を見かけたこともあったナァ。みんなもう随分前の思い出だ。50年の歴史に幕を降ろす「アンゼリカ」のパンの味は、ずっと僕の記憶の中に残っていくことだろう。当時は本当にお世話になりました。そして、お疲れ様でした。

僕は郵便局の二階に住み始めてから、毎晩のように茶沢通りに在ったソウルバー『あんずや』に入り浸った。通いだしてから1年ほどが過ぎた時に、店主のテル君から突然店を畳むとの知らせを受けた。そうか、行きつけの酒場が無くなってしまうのか、とまた何処か居心地の好い酒場を探さなくちゃなぁ、と思っていた時に家の近くの不動産屋に物件情報の貼り紙を見つけたのだった。

「あんずや」だった場所が居抜き物件として売りに出ていたのだ。最初は〝また誰かが借りて好い酒場が出来ると良いのだが〟程度のことだった。

当時、収集していたR&B、Soul Musicのアナログ盤が約4,000枚ほども有り、それに加えて当時主流になっていたCDも膨大な量になっていて、アパートの二階の床が抜けないかと心配する日々を送っていたのだ。そして、咄嗟に閃いたのが「居心地の良い酒場がなくなってしまったのならば、自分でバーを開こう」との考えだったのだナ。

部屋に有る膨大なレコードとCDも1階のバーならば安心して置いておけるし、みんなにも僕の好きなソウルミュージックを知って貰える、ましてや自分が一番居心地の良い酒場を作れば良いのだ。

こうして、一念発起して鉛筆ナメナメ事業計画書を仕上げて片っ端から金融機関の門を叩いた。営業譲渡金、不動産契約金、内外装費、酒等の仕入れ代金、音響設備などなど数百万円の見積もりとなったのだが、なんとか五年返済の計画で資金調達をすることが出来た。あとは友人知人たちの手を借りて殆どを自分たちで工事して店を仕上げたのだったナァ。

約三ヶ月の準備を経て1989年、僕は酒場『 ALGONQUIN’S BAR』の主人となったワケだ。
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あれから28年が過ぎたが、アルゴンキンズバーは、今も下北沢・茶沢通り沿いに健在だ。

きっちり5年で金融機関の返済を終えて無借金となり、丸10年が経った時に僕はまた違うことがやりたくなったのだナ。その頃、ちょうど二代目のバーテンダーの日影館くんが結婚し子供が出来たばかりだったので、この店の運営で家族を養えるならば、と彼に無償で店を譲ったのだった。唯一、僕が出した条件は「店の名前を残すこと」そして「僕のレコードを保管すること」だったが、タモツくんはちゃんと今でも守ってくれている。

今朝の朝日新聞の記事を読んで、久しぶりにあのパン屋さんのことを思い出し、当時住んでいた下北沢の街が走馬灯のように脳裏に浮かんだのだった。
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8月に入ったら『アルゴンキンズバー』の扉を開きに行ってみようかナ。

過去の日記から「2010/5月 ボブ・マーリーの命日に昔を思い出す」
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# by cafegent | 2017-07-27 12:38 | ひとりごと | Trackback | Comments(0)