今年は、横浜の開港から150周年と云うこともあり、横浜の街では色々な催しが行われている。そんな中、横浜出身の版画家、川上澄生の大回顧展がそごう美術館にて開催されていた。
7日までだったので、土曜日の昼過ぎ、『宇ち多”』を出た後に京成線に乗って横浜まで出掛けてみた。乗り換え無しで真っ直ぐ品川経由で行けるので随分と楽チンであった。
横浜に着くと雨もすっかり上がっており、外も可成り蒸し暑くなっていたので、地下からそのまま百貨店へと向かった。レトロな雰囲気のエレベーターに乗り会場へ。
川上澄生は、黒船来航、ペリー、文明開化などをモティーフに沢山の版画作品を残している。中でも横浜の異国情緒溢れる景色や風俗などの作品も沢山展示され、正に横浜開港150周年に相応しい展覧会だった。
棟方志功は、川上澄生の「初夏の風」と云う作品を目にして版画家になろうと決意したそうだが、志功がモロに影響を受けたのが判る作品も有り、興味深く観る事が出来た。また、今の『民藝』ブームもあって、「川上澄生と民藝」と云う視点で観ることが出来たのも大変面白かった。
会場では、川上作品をあしらった崎陽軒のシウマイや文明堂のカステラなども販売しており、気分を盛り上げていたナ。
目当ての展覧会も満喫したし、後は「横浜で呑む」って云うのが何時ものお約束。僕らは居酒屋目指してまっしぐら。
駅の反対側に在る『立ち飲み処 キンパイ』はいつもならもう開いている時間なのにシャッターが降りていた。
うーん、がっかり、と思いつつ足は別へと向かうのだ。狸小路はまだ早いし、何処か開いてる店は無いかと歩いていると、呼び込みの兄ちゃんに誘われた。
此処『やきとり平助』は午後3時までは飲み物全部220円だと云うじゃないか。それならば、と僕ら呑んべい連中はイソイソ中へ。中ジョッキ2杯呑んだって普段の一杯より安いんだから嬉しいネェ。
3時ギリギリまで目一杯呑んで良い気持ち。
しばし、駅のベンチでまったりだ。本当に晴れちゃったネ。
桜木町まで移動して、地下道を歩く。
「野毛ちかみち」を抜け、目指すは野毛小路の『福田フライ』へ。
此処は、午後のまったりした時間を過ごすには丁度良いオープンエアな立ち飲み屋である。フライ好きは入口付近の女将さんの揚げ場の廻りに集まるが、僕らはカウンターの奥に進み、息子さんの前へ。釣り好きらしく、いろんな魚の話を伺いながら、美味い刺身を戴いた。
此処はフライはもちろんの事、新鮮な魚類が凄いのだ。
この日もイサキの刺身を戴いて酒がススむ。他にもあずきハタ、クロソイ、なめた鰈、金目鯛などの刺身や穴子湯洗いなんてのもあった。
そして、あさりにポテト、くじら、串かつとフライをニンニク醤油のとびきり辛いソースで戴いた。フライは塩で戴いてもウマイよ。
芥子の入った容器は昔懐かしいメロンアイスだね。自慢のぬか漬けも良いアテになったし、愉しい午後だ。
ひとみ姐さんも大満足のご様子で、散歩がてら次へと歩くことにした。
宮川小路や野毛本通りを抜け、大岡川まで行くとスナックが密集している都橋商店街へと出る。
昭和の香りが色濃く残る雰囲気は、野毛に来たナって云う実感が湧くのだ。二階へと上がり、奥へ進むと『ホッピー仙人』が在るのだが、あいにくこの日は休みだった。
馬車道の方まで散策し、結局また元の方面へと戻った。
野毛本通近くで見つけた良い雰囲気の居酒屋『魂屋』(そーるや)で一杯やることに。
この店のなんとも云えぬ雰囲気は妙に和む。そして、昔の音楽番組のDVDなんぞを観ながら愉しい酒を呑んだ。
◇ ◇ ◇
翌日は天気も良く、午前中は洗濯日和。洗濯機を3回も廻し、ベランダの花を植え替えた。五反田TOCまで散歩をし、スニーカーなどを物色。そして、銭湯でひとっ風呂浴びて汗を流し、午後はいつもの酒場、野方『秋元屋』の口開けを目指して出掛けることにした。
高田馬場で乗り換えると、毎度の「宇ち多”」仲間岩崎さんが同じ電車であった。二人でイソイソと秋元屋へ向かうと一番乗りである。店が広くなったから、もう並ばなくなったのかナ、なんて思っていると、神保町『兵六』仲間の荒木又右衛門氏とウチダ君がそれぞれやって来た。
店の前に並んでいるのが全員酒仲間って構図も凄いもんだネ。
開店の四時近くには列が出来ていたが、案の定ひとみ姐さんも現れた。
オンタイムに暖簾が下がり、僕らは旧店舗側のいつもの焼き台前のカウンターに並んで座ることが出来た。外は明るいし、気温も高い。炭酸の効いた焼酎ハイボールで喉を潤した。
カシラ、カシラアブラ、レバーにハラミと串焼きは全部味噌にしてもらう。そして、テッポウとシロは生醤油だ。これまた、たまらん美味さ。
小一時間ばかりで店を出て、この日は野方でハシゴ酒。
皆と散歩しながらいろんな店に入ったが、中々、野方も良い店が多くて嬉しいネ。
最後に入った『さぬき亭』は酒のアテも充実していたし、最後の〆のぶっかけうどんがとても美味かった。
また、次回野方の新しい酒場を探訪しますか。