東京だからこそ出会う人や店をつれづれなるままに紹介


by cafegent
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札幌酒場巡りその3/札幌の寿司の醍醐味を存分に味わう。

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ワールドカップが始まったが、夕べは我らが日本代表が貴重な一勝を挙げたネ。
渋谷の街では歓喜の声が響き渡り、凄いことになっていたみたいだ。
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僕は上野御徒町のラーメン居酒屋『貫ろく』にて、オランダ対デンマーク線をワンセグ中継で観ながらホッピーをグビグビとやっていた。
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〆のラーメンを食べ、急いで帰宅。カメルーン戦開始直後に家路到着。

前半での本田のゴールに興奮しつつ、ビールがススム。だが、画面に釘付けで冷蔵庫にビールを取りに行くことが出来ないのだ。ハーフタイムにしっかりとトイレに入り、バケツに氷を盛りビールと缶チューハイを入れてテーブルへ。

これで、安心して後半戦に望めた。先制点を奪取して、その一点を守り抜くと云うのがすっかり日本チームのお家芸の様になっていたが、昨日はチーム全体がまとまって後半も可成り好戦し攻めていた。

しかし、圧倒的な身体能力と体力差なのか試合終了間近のカメルーン選手の猛チャージとパワープレイには流石に驚いて、画面の前で興奮しっぱなしだった。

川島の好セーブには思わず拍手を贈っていたナ。本田のシュートを松井や大久保がチャンスメイクし、闘莉王や長友らの粘りあるディフェンスを始め、メンバー一丸となったチームプレイが今回の勝利に繋がったのだナ。

バケツのビールもすっかり空になり、僕も渋谷に繰り出したくなったが今朝の仕事が脳裏を過りグッと我慢。でも、やっぱり嬉しかったなぁ。
       ◇        ◇        ◇
札幌酒場巡りに戻ろうか。

何軒か居酒屋を廻り、古い友人とススキノで待ち合わせをした。目指すは、鮨の『たる善』だ。
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札幌円山に在る『すし善』は地元の食通の間でも評価が高い名店だが、其処から暖簾分けをした直系が此処でアル。

札幌の寿司は、江戸前と違い新鮮な地元のネタが勝負どころだろう。
江戸前の様に総てのネタに仕事をするのではなく、その時季、道内を中心とした各地で水揚げされた魚介の一番美味しいところを見事に握ってくれるのだ。

羅臼の時不知(トキシラズ)や積丹の甘えび、平目、紋別の細魚(サヨリ)など東京では食べられない旬の素材を味わえるのが嬉しい限り。

生ビールに合わせて、最初はつぶ貝から。
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羅臼産の天然真つぶは、コリコリの食感と北海道の磯の香りが酒のアテに最高なのだナ。

そして、花咲蟹の内子だ。
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こりゃ、もう日本酒イクしかないよネ。カニの身と内子を混ぜ合わせて口の中に入れれば、唸るしかない美味さ。もう乗っけから、むふふ。
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酒は旭川の地酒「国士無双」を燗で戴いた。

続いて、石狩の蝦蛄(しゃこ)だ。
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蝦蛄ツメもしっかり味が有る。
今度はスルメイカだ。
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これも知床羅臼産かな。板前の大坂さんが目の前で小振りの真いか(スルメ)を捌いてくれた。
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新鮮だから烏賊の肝も美味い。酒の減りが早まるばかりだナ。

お次ぎは箸休めにアン肝だ。
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アンコウは、北海道の日本海側で多く穫れるが、石狩湾を始め、余市や小樽でも水揚げされる。

酒のアテが更に続く。
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スルメイカの塩辛だネ。
細魚(さより)の皮を炙りで戴いた。
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これもまた酒にマッチ。

北海道では「三升漬け」なる珍味を漬ける家庭が多い。
青唐辛子1升、米麹1升、それに醤油を1升合わせて、寒い所で数ヶ月寝かせれば完成だ。大根を刻んで入れても良いし、刻んだ青唐辛子が味を決める。本来、青森の郷土料理だそうだが、寒い北国に広く浸透しているみたいだネ。ご飯に乗っけたり、キュウリやナスに付けても美味いのだが、今回は穴子の白焼きに三升漬けを乗せて海苔で巻いてみた。
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桃ラーがこれだけ流行っているのだから、「三升漬け」だって全国区になってもイイのになぁ。

友人チカラちゃんが手本を見せて巻いてくれた。
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ピリカラと穴子の食感がなんとも云えず美味しい海苔巻きだ。

数の子は欧州の輸入物が市場の中心になっているが、日本海側の厚田漁港辺りでは今も鰊(ニシン)が水揚げされ、道産の鰊から採れた数の子が出荷される。
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音も味もまるで違うから、初めて食べる人は驚くことだろう。
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酒は根室の地酒「北の勝」を冷やで戴いた。
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何故なら余市産の塩水うにをたっぷりと戴いたからなのサ。ぐふふ。
そして、こちらが積丹の甘えびだ。
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ねっとりとした甘さが酒の旨さと調和するのだナ。
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玉子焼きで箸を休め、ここから握りにして貰う。積丹の平目は昆布〆めも旨いが、平目本来の味を堪能出来る生を握りで。
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歯ごたえも良いし、甘い。ちなみに『すし善』の平目の昆布〆めは絶品だ。

続いてマグロの中トロだ。
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マグロは大間産に限ると云う方が多いが、その津軽海峡を挟んだ北側に面した戸井漁港や松前の漁港もイイ。

戸井で水揚げされたマグロは血抜き等の処理が迅速で、氷詰めも手早いためとても鮮度が高い。それを道内で仕入れるのだから美味い筈だ。
大トロよりもこっちの方が好きだナ、僕は。

今度は北海道ならではの味を幾つか握って貰った。

先ずは、鰊(ニシン)だ。春ニシンンは刺身が美味いのだ。
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これも鮮度が命だネ。そして、支笏湖のチップ(姫鱒)の握りでアル。
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淡白だが口当たりが良く、美味い。

此処は板前の握る姿を眺め酒を呑むのも実に愉しい。
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大坂さんの小気味よい手さばきが客の目と胃袋を楽しませてくれる。

さらに黒ホッキ貝だ。
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これもこっちしか味わえないのなぁ。これぞ北海道の味だ。

このちぎりホタテの握りは絶品だった。
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旬の帆立は甘くて美味いなぁ。包丁を入れず手でちぎっているので、口当たりが更に優しいのだヨ。うーん、唸るなぁ。

巻物を幾つか戴いた。桜鱒の筋子は美味かったナ。
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筋子は今やロシアやアラスカ産に押され気味だが、北海道近海で穫れた本桜鱒の筋子も地元ならではの味だナ。
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浅蜊の味噌汁で一息ついて、またマグロを握って貰った。
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いやぁ、総てが美味かった。満腹、満足!札幌に戻って来たって実感が湧いたナ。
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札幌の重鎮、中川のおっかさんとご主人でパチリ。
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大坂さん、ご馳走さまでした。
そして大のご常連チカラちゃん、ありがとうございました。

此処が円山の『すし善』と大きく違う所は、なんと言っても一歩外へ出ると札幌随一の歓楽街のど真ん中って事だナ。
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深夜2時まで開いているのもススキノで遊ぶ連中にも嬉しい限り。
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続いて向かうは、創成川を渡り中島公園に程近い『NOMRANO AGRA』と云うイタリアン。
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此処は一風変わっており、ファーニチャーショップとレストランが同化したお店なのでアル。
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キリリと冷えたモンテベッロ・ブリュットのスプマンテを皆で乾杯。
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シャルドネのスッキリした口当たりは鮨の後には丁度良かったネ。

ワインの仕事をしているチカラちゃんは、流石に色々と札幌の穴場をご存知だ。
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此処も豊富にワインを取り揃えており、料理も充実していた。
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ハイ、チカラちゃんお店の方とパチリ!
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で、満腹なのも忘れパスタを戴いた。

そして、ススキノの夜は更ける。我々は更にもう一軒オープンしたばかりだと云うフランス料理の『aki nagao』にお邪魔した。
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此処のオーナーシェフ長尾彰浩さんは、東京初台の『シラノ・ドゥ・ベルジュラック』などで修行を積み、パリや南仏のレストランでも3年間働き、帰国後札幌円山のレストラン『MARU:NI』のシェフとなった。
そして五年経ち、満を持して自分の店を構えたのだ。

『マルニ』は、ワイン好きのチカラちゃんも良く通っていたレストランだが、其処から独立したばかりの新しいレストランは大いに期待が出来そうだネ。

この晩は、もう満腹だったし夜も遅かったのでワインで新規開店を祝福した。

ソムリエの山根さんに美味しいワインを開けて貰う。
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彼もまた『マルニ』で働いていたそうだ。
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長尾さんご夫妻はとても爽やかな笑顔で好感度が高いナ。
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次回、改めてお料理とワインを楽しむとしようか。

さて、ススキノのど真ん中での勝負、見事勝ってもらいたいものだナ。

急なお誘いにお付き合い頂いた中川夫人、チカラちゃん、遅くまでどーもありがとう!
by cafegent | 2010-06-15 15:35 | 食べる