東京だからこそ出会う人や店をつれづれなるままに紹介


by cafegent
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日々雑文雑多日記/晩夏の休日に高崎まで小旅行。

夕べは長い夏休みを終えた神保町の酒場『兵六』に行く事にした。
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仕事場を出ると美しい夕焼けに出逢えた。
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目黒川の上を見上げれば、黄昏時の蒼い空に満月が浮かんでる。
目黒駅から地下鉄に乗って神保町へと向かう。

早い時間はきっと混んでいるだろうと、先ずは『ランチョン』のビールで涼をとる。

レジ前の女将さんはこの日もシャンとしてスタッフに声を掛けている。
一人だったので、レジ横の窓側へ座る事にした。此処なら女将さんと世間話も出来るからネ。

アサヒエクストラコールドのキンキンに冷えたマイナス2度も良いが、ゴクゴクと一気に呑み干せる絶妙な温度設定の生ビールが呑めるのが、此処ランチョンの至福でアル。
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アサヒの生を本当に美味しく飲ませてくれるのは、此処か新橋『ビアライゼ '98』だネ。
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ポテト&チョリソーをアテにビールがススむのだ。生を三杯で切り上げて、交差点を渡る。

『兵六』では、馴染みの顔がカウンターを埋めていた。
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月曜が定休の雷門『簑笠庵』の二人も見えている。
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酒朋キクさんに荒木マタエモンさんも先客だ。エアコンの無い店内は、時折外から吹き込む風を頼りに薩摩無双の白湯割りを呑むのだ。

酒場番長矢野兄は神田の重鎮阿部さんと山岳話に花を咲かしていたネ。
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此処の常連達は、暑い店内で涼を取る為に扇子を持参する人が多い。
そして、その扇子も皆自分の好みの物をちゃんと見つけてくるのだナ。

酒朋ハッシーも先日、京都の老舗『宮脇賣扇庵』の銀座店にて綺麗な扇子を買って来た。あの扇子はいつ兵六デビューするのだろうか。そう云えば、僕が花火大会で無くした扇子も宮脇のだったなぁ。トホホ。

扇子を忘れた方々は、店に有る団扇でパタパタと扇ぎながらもう片方の手で盃を傾ける。
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この光景が酒場『兵六』の夏模様なのだ。

後からやって来たトクちゃんも誘い『銀漢亭』へ。こちらは句会の後らしく沢山の方で賑わっていたネ。

そして、いつものシークァーサーサワーで乾杯だ。

帰り道、足が勝手に『マクドナルド』へと向かう。
そうそう、今だけビッグマックが200円だったからサ。そして家路に辿り着く前に食べたのであった。
        ◇        ◇        ◇
さて、日曜日はちょいと小さな旅に出た。

土曜日に四つ木の『長楽ベーカリー』で仕入れたカマンベールパンを朝食に恵比寿駅から湘南新宿ライナーに乗り込んだ。
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グリーン車だから、のんびりと食べられるのだナ。
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大宮駅エキュート内の『サザコーヒー』で美味しいカリタ式のブレンド珈琲を飲みながら、高崎での行程を確認する。
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このSL型ミルは可愛いナ。

『駅弁屋』にて山形県米沢名物の弁当『牛肉どまん中』をゲット。
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全国の美味しい駅弁が手に入るのだから、便利な世の中だネ。
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コレ、牛肉づくしで幸せになれるなぁ。

さぁ、高崎行きの電車に乗り、居酒屋グリーンの出発だ。
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青春18切符を使うと、片道分の料金で往復出来るので、グリーン券を買って大人乗りを愉しんでしまうのだ。
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高崎駅前から市内巡回バス「ぐるりん」に乗って群馬の森へ向かう。
それにしても暑い。
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熱波で写真がぼやけちゃう。約30分程で到着。
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自然豊かな森林の公園の中に目指す『群馬県立近代美術館』が建つ。
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この日の旅の目的は、今開催中の『もうひとつの場所 野又穫のランドスケープ』を観覧するためだ。ちょうど、午後2時から学芸員による大人向け作品解説会が行われるとの事だったので、それに合わせて来る事が出来た。
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学芸員の定松さんによる約一時間のガイドで、野又穫画伯の自身の作品に対する考えなど新たに知る事が出来てとても良かった。

僕がまだサラリーマン時代の1986年、小池一子さんが主宰していた画廊『佐賀町エキジビット・スペース』で、初めて野又さんの個展が開かれた。当時、小池さんは知人の紹介で広告デザイナーをしながら自宅で絵を描き貯めていると云う野又さんを訪ねたそうだ。

ディレクターの小池一子さんは僕が働いていたAXISとも交流が有ったので、佐賀町の展覧会には足繁く通ったものだ。あの建物の雰囲気も素敵だったので、食糧ビルが無くなったのは未だに惜しいと思う。もうあれから十年が経つんだネ。

チャールズ・シーラーの絵や写真に惹かれ、絵画による建築物の在り方を探求した野又さんは目黒川近くの染物屋に生まれたそうだ。幼い頃から家の近所に在った銭湯の煙突にとても興味を抱いたらしい。

目黒川沿いには今とても巨大な焼却炉の煙突がそびえ立っているが、きっと画伯の絵心を刺激しているのだろうナ。
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会場は野又さん自身の構成により、幾つかのテーマに沿って作品が展示されていた。年代順では無いのだが、同じテーマを幾度も繰り返し描いている事が判り、興味深く拝見する事が出来た。
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人が一切登場しないのに、三角の屋根の塔などは人に優しいカタチで描かれており、何処か人間の気配を感じてしまう。

また、バベルの塔をイメージして描かれた大きな作品「Babel 2005」では、上野や浅草で見るようなホームレスの住むブルーシートの家が描かれており、この作品は画伯が丁度六本木ヒルズの建設現場を見た時にインスパイアされて出来た絵だそうだ。
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画集「ALTERNATIVE SIGHTSーもうひとつの場所 野又穫作品集」から。

随分と長い時間、魅入ってしまった。美術館を出ようとしたら声を掛けられた。すると、ツイッター仲間で建築家の山本健太郎さんだった。
高崎まで来て知り合いに出遭うなんて、旅は愉しいなぁ。
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さて、西日が眩しく木々の間から暑さが降り注ぐようだ。
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駅前までバスで戻り、日暮れを待つことにした。
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此処は自然がいっぱい広がってて好い所だナ。

旅に来たら、酒場を訪れる。これだけは欠かせないのだナ。

だが、日曜日に開いている店は少ない。で、向かった先は駅からちょいと外れた羅漢町に在る居酒屋『ロツレ』だ。

五時から口開けだと思い、店の前まで来るとシャッターが降りている。
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まさかまだ盆休みか?と思って電話を架けるとご主人が出た。
「日曜は同業者の客ばかりで早い時間は誰も来ないから、のんびり掃除してたヨ」との事だった。
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こっちは喉はカラカラ、汗でぐしゃぐしゃだったので、申し訳無かったが掃除の最中にビールを戴く事にした。
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最初の一口で生き返ったナ。ビールのアテに出してくれたのは、アスパラガスの豆乳寄せだ。
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口当たりと好い、アスパラの香りと好い、暑さを忘れさせてくれる爽やかな一品だった。こう云う素晴らしい料理がサッと出てくるのだから、良い酒場だと頷けるのだナ。

河岸も市場も休みだから、日曜は余り何も出せないよ、と云いながらも自家製の新生姜の三杯酢漬けを出してくれた。
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これが日本酒にピッタリだったので、〆張り鶴を冷やで戴いた。

店主の高橋五郎さんは尺八の家元でも在る。かつて高崎にも来ていた人間国宝、青木鈴慕(れいぼ)に志し、尺八教室も開いているのだ。

店名になっている「ロツレ」とは、尺八の音階だそうだ。レファソだったかな、ハテ?

色々な尺八のCDを聴かせてもらいながら、酒を呑んでいると時を忘れてしまいそうになる。
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「これ、夕べの残りだから」と純米吟醸の「田酒」を戴いた。
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うーん、美味い。何か作ってとお願いしたら、「ねぎアボ」を作ってくれた。
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どうですか、この迫力。
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アボカドと青ネギをこれでもか!って位に叩きにしてあるのだが、海苔で巻いて食べると実に美味い。
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なので、また〆張り鶴をお替わり。
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こりゃ、たまらんネ。

そう云えば、一年前ご主人の五郎さんがご夫婦揃って「笑っていいとも」に出たそうだ。なんでも「ギャップ婚」と云うコーナーでタモリさんと一緒に出たらしい。何のギャップかと云えば、奥様の体重が五郎さんより44キロも多いからだと。笑っちゃうが事実だから仕様が無い。それでも、一回りも年下の奥様と今もラブラブなのが素敵なのだナ。

店の中に飾られているものが季節毎に変わるのも居心地の良さを更に良くしている。もう秋だね。
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ご主人の人柄と店のさりげないセンスの良さに、此処は大人の居酒屋だナとつくづく感じた夜だった。
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帰りものんびりと酒と駅弁で、愉しい居酒屋グリーンであった。

あぁ、また無駄に長い日記になっちまった。チト、勘弁ね。
by cafegent | 2010-08-24 12:39 | 飲み歩き