新しい年が明けてから、東京は晴天が続いているが、顔に当たる空気はグッと冷たくなった。もう「寒の入り」だものなぁ。
七十二候では、「芹乃栄」(せりすなわちさかう)。小寒に入り、セリが良く育つ時季が来た訳だ。
セリは、ナズナやハコベラ等と共に七草粥の具になる草だ。今日七日に七草粥を食べると一年の万病を除いてくれると云われている。
目黒不動尊に在る青木昆陽の墓碑の横では、メジロが向かい側の柿の実を狙ってた。
◇ ◇ ◇
さて、今年も岡山で新年を迎えた。
庭の木にみかんを置いたら、沢山のメジロがやって来た。
時々ヒヨドリに横取りされながらも、またスグに戻って来るのだ。
メジロはとても愛嬌のある顔をしてるから、ずっと眺めていても飽きないのだヨ。
午後はクルマで30分程の『みやま公園』の赤松池まで行ってみた。
標高が高いのか、雪が降っていた。
コブ白鳥やアイガモに交じって、オナガガモやヒドリガモ等の渡り鳥も沢山渡来してたネ。
それにしても、余りの数の多さに驚いた。
家に戻ると柴犬さくらは、相変わらずストーブの前から動かない。
富山の氷見で穫れた天然鰤(ブリ)が手に入った。
岡山では皆自宅で大きな鰤を捌くのだね。
脂の乗りも良く、半分は刺身にして残りはブリしゃぶにしてみた。
この大トロの様な部分は、しゃぶしゃぶにすると程よく脂が落ちて美味いのだナ。
そして、いつもの目黒の『寿司いずみ』からクール宅急便にてお節料理が届いた。
お節と云えども、ソコはいずみの事、酒の肴になる様な料理ばかり。
左から時鮭卵の味噌漬け、寒の寿留女イカ塩辛甘塩仕立て、鰹の胃と腸、肝臓を一年熟成させた酒盗だ。この酒盗があればずっと呑んでいられるのだナ。
時鮭卵の味噌漬けは白いご飯にもピッタリだった。
酒は岡山の地酒「大典白菊」の純米だ。
こちらは、四万十川で穫れた鮎の茶炊き浸しだ。
四日間鮎を茶に浸してカテキンを含ませ保存させる江戸時代の料理人の知恵だそうだ。
三陸産あわびの酒蒸し、煮こごり、茨城県鹿島産蛤のいり煮。蛤も縁起物だネ。鮑の柔らかさに泪チョチョギレた。
続いて、瀬戸内蛸の柔らか煮でアル。
真蛸をあずきと日本酒で煮たいずみの名物だ。
そして、小肌の白板昆布〆江戸前仕立てと寒鯖の利尻昆布〆だ。
あぁ、この味を岡山で、しかも元旦に戴けるなんて、幸せだなぁ。
後は手作りのお節料理が新年の食卓を彩ってくれた。
大根と鰤のあら煮も美味かったナ。
日生(ひなせ)の牡蠣のフライも酒のアテに良い。
「備前幻」の燗酒は、やっぱり備前焼きで呑むのが一番だ。
30日に搗いた餅をストーブで焼いて食べた。
磯辺餅が美味い。
食べて呑んで、寝る。これこそ贅沢な正月の過ごし方だナ。