『スリムクラブ』の笑いに、山谷ドヤ街の酒場を思い出す。
2011年 01月 18日
僕もだが、最近風邪をひいている方が多いネ。街にマスク姿が目立つ。
僕の風邪自体は治ったが、上唇に風邪の花が出来て痛い。治りかけるとカサブタを剥いてしまい、血が吹き出るのだ。トホホ。
毎年明治神宮に商売繁盛の祈願をするのだが、今年は風邪っぴきのせいで訪れるのが遅くなってしまった。
それでも、木々からまだまだ沢山の雀の啼く声が聴こえてくる。
来月あたりから繁殖時期に入る頃だし、厳しい冬の寒さの中だけれど、子作りに励んで欲しいものだネ。
今の時季、雀は体毛や羽根の隙間に空気を貯めて軀を温める。だから、みんなぷっくらと膨らんでいるのだナ。
これしきと羽根膨らます寒雀
◇ ◇ ◇
年末、テレビ番組の『M-1グランプリ』を観て、スリムクラブの不思議な「間」のリズムに釘付けになった。その前に出ていた芸人達は余り笑えなかったが、彼らのネタには何度も腹を抱えて笑ってしまった。
特にあの真栄田賢の表情と喋り方がイイ。そんな彼の笑いを観ていて、思い出した事がある。
昔よく南千住駅近く、いわゆる山谷ドヤ街の一角にある安酒場とかで呑んで居た。それまでの酒場と対極にある処で呑みたかったのだ。
パチンコ『いろはホール』の廻りあたりでは日雇い労働者のオっちゃんたちが、ワンカップを片手に昼間から酔っていた。
その後、玉姫公園の向かいに移転したが、以前の面影はもう無い。
あれ以来、伺ってないがまだ元気に営業しているのだろうか?
いきなり、「アレッ、俺って誰だっけ?」とか云いながら呑んでるオッちゃんも居たなぁ。最初は不気味でちょいと怖いのだが、段々こちらも酔ってくると可笑しさだけがツボにハマるのだナ。
皆自分の懐具合を知っているから、チビチビ呑む連中が多い中、パチンコで勝ったりすると、俄然気前が良くなる。廻りの皆にも酒をご馳走したり、近くの総菜屋でいろいろとツマミを買ってくるから、またすぐスッカラカンになっちまうのだナ。そうすると、人が変わった様に大人しく呑み出すのだ。まるで、空気の抜けた風船だ。
そうそう、立ち飲みなのに、酔いが廻ってそのまま座ろうとしてコケる人も居たっけ。中でも一番可笑しかったのは、冬場の出来事だ。気付かずに石油ストーブに座って、尻に火が付いた人も居た。コレ全部嘘の様だが、本当のハナシなのだ。
斜め前が山谷交番だった事もあり、比較的喧嘩なども少なく愉しく呑んだ想い出の方が多いナ。
今思えば、安酒場は笑いのネタの宝庫だったのだネ。
テレビで不条理なスリムクラブの笑いを観ていると、どうしても山谷で出逢った奇妙な酔っぱらいたちが懐かしくて仕方が無い。もう一度あの頃の彼らと酒を交えたいものだナ。