東京だからこそ出会う人や店をつれづれなるままに紹介


by cafegent
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『スリムクラブ』の笑いに、山谷ドヤ街の酒場を思い出す。

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正月が明けてからの日の進み方が早い気がする。もう一月も後半に入ったし、今週はもう大寒だ。
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寒い筈だよネ、近所の公園の池も凍ってた。

僕もだが、最近風邪をひいている方が多いネ。街にマスク姿が目立つ。
僕の風邪自体は治ったが、上唇に風邪の花が出来て痛い。治りかけるとカサブタを剥いてしまい、血が吹き出るのだ。トホホ。

毎年明治神宮に商売繁盛の祈願をするのだが、今年は風邪っぴきのせいで訪れるのが遅くなってしまった。
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それでも、なんとか松の内の間にお詣りする事が出来た。だが、仕事はめっきりヒマでアル。
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世間では「トイレの神様」が大流行りだが、こちらは仙台四郎よろしく「商売の神様」でも出て来て欲しいものだネ。
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昨日の日記で、都会の雀の数が20年で半数にまで減ったと書いたが、新潟の友人が田んぼでも雀の数が激減していると教えてくれた。水や土が原因なのかは判らないが、年々少なくなってると云う。

それでも、木々からまだまだ沢山の雀の啼く声が聴こえてくる。
来月あたりから繁殖時期に入る頃だし、厳しい冬の寒さの中だけれど、子作りに励んで欲しいものだネ。

今の時季、雀は体毛や羽根の隙間に空気を貯めて軀を温める。だから、みんなぷっくらと膨らんでいるのだナ。
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これもまんまるで、実に可愛い姿でアル。

       これしきと羽根膨らます寒雀
        ◇        ◇        ◇
年末、テレビ番組の『M-1グランプリ』を観て、スリムクラブの不思議な「間」のリズムに釘付けになった。その前に出ていた芸人達は余り笑えなかったが、彼らのネタには何度も腹を抱えて笑ってしまった。

特にあの真栄田賢の表情と喋り方がイイ。そんな彼の笑いを観ていて、思い出した事がある。

昔よく南千住駅近く、いわゆる山谷ドヤ街の一角にある安酒場とかで呑んで居た。それまでの酒場と対極にある処で呑みたかったのだ。
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泪橋から『大林酒場』方面に進み、スグの路地を曲がると簡易宿舎と安酒場が沢山在り、昼間から路上に寝ている者も多かった。
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今は綺麗な『ホテルHIKARI』が建っている場所は、古いパチンコ屋だった。丹下段平が出てきそうな薄汚れた路地は皆無だ。

パチンコ『いろはホール』の廻りあたりでは日雇い労働者のオっちゃんたちが、ワンカップを片手に昼間から酔っていた。
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いろはホール裏口を挟んだ反対隣りには間口一間程の小さな立ち食いの『栄寿司』が在った。親爺さんが一人で付け台に立ち、寿司を握ってくれた。男連中3人くらいで埋まってしまう程小さな寿司屋だが、まぐろの握りが自慢の良い店だったナ。

その後、玉姫公園の向かいに移転したが、以前の面影はもう無い。
あれ以来、伺ってないがまだ元気に営業しているのだろうか?
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話がそれたが、その栄寿司の並びの酒場には、スリムクラブの様な、一体全体何を喋ってるのだか訳の判らない方々が沢山居たのだナ。昼間っから安酒に酔っている事もあり、或る所まで喋るとまた同じ話にループして戻ってしまうのだ。落語噺の「蜘蛛駕篭」に出てくる酔っぱらいとまるで同じだナ。

いきなり、「アレッ、俺って誰だっけ?」とか云いながら呑んでるオッちゃんも居たなぁ。最初は不気味でちょいと怖いのだが、段々こちらも酔ってくると可笑しさだけがツボにハマるのだナ。

皆自分の懐具合を知っているから、チビチビ呑む連中が多い中、パチンコで勝ったりすると、俄然気前が良くなる。廻りの皆にも酒をご馳走したり、近くの総菜屋でいろいろとツマミを買ってくるから、またすぐスッカラカンになっちまうのだナ。そうすると、人が変わった様に大人しく呑み出すのだ。まるで、空気の抜けた風船だ。

そうそう、立ち飲みなのに、酔いが廻ってそのまま座ろうとしてコケる人も居たっけ。中でも一番可笑しかったのは、冬場の出来事だ。気付かずに石油ストーブに座って、尻に火が付いた人も居た。コレ全部嘘の様だが、本当のハナシなのだ。

斜め前が山谷交番だった事もあり、比較的喧嘩なども少なく愉しく呑んだ想い出の方が多いナ。

今思えば、安酒場は笑いのネタの宝庫だったのだネ。
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泪橋周辺も時代の波と共に古い店が無くなり、日雇いの労働者も高齢化して居なくなっていると聞く。代わりに海外からの旅行者が増えた。彼らは、安い値段に惹かれてドヤ街の簡易宿舎に集まるそうだ。

テレビで不条理なスリムクラブの笑いを観ていると、どうしても山谷で出逢った奇妙な酔っぱらいたちが懐かしくて仕方が無い。もう一度あの頃の彼らと酒を交えたいものだナ。
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たまには、『丸千葉』の帰りにでも、あの界隈を歩いてみようかナ。
by cafegent | 2011-01-18 12:03 | ひとりごと