東京だからこそ出会う人や店をつれづれなるままに紹介


by cafegent
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日々ヘベ日記/黄昏時、潮風に吹かれ三杯屋で一献。

 「この味がいいね」と君が言ったから七月六日はサラダ記念日
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歌人の俵万智さんが詠んだ歌だネ。

松尾芭蕉は『文月は六日も常の夜には似ず』と詠んだ。俵さんは、敬愛する作家先生に、この芭蕉の名句を踏まえているのだネ、と云われ恐縮されたそうだ。彼女、実は芭蕉の句は全く知らなかったらしい。

何年か前、新宿ゴールデン街のバー『クラクラ』では、俵万智さんがカウンターに入っていたネ。そんな事を思い出した7月6日であった。

明日は七夕、ひとみ姐さんと最後に吞んだ日から2年が経つのだネ。早いものだ。
        ◇         ◇         ◇
夕べは、酒朋ビリー隊長と夕暮れの桜木町へと繰り出した。
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午後7時大崎駅から湘南新宿ラインに乗れば、あっと云う間に横浜に着いてしまう。

桜木町駅の改札を出ると、湿気を含んだ重たい風が顔を撫でて通り過ぎていく。しかし、僕らの気分はいたって爽快なのだ。何故なら、あと少しで野毛の『武蔵屋』に辿り着くからネ。

玄関先では、二匹の猫達がゴロリと寝転んでいた。
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ガラリと戸を開けるとテーブル席も小上がりも空いていた。この日は窓から入る夕凪に期待してテーブルへと座る。

先ずはビールの大瓶で喉の乾きを拭う。
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此処『武蔵屋』は、通称「三杯屋」と呼ばれている。桜正宗の燗酒は、三杯までしか注いでくれないからでアル。しかしながら、ビールは別なので、最初はビールを戴くのだナ。冷えたビールには、炒り豆と落花生が付く。

汗がスゥッと引いた後は、桜正宗の燗酒を戴いた。
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お手伝いをしている若いお兄さんも土瓶を持つ手が堂に入ってたネ。

ビールを終えた頃、元秋元屋冷蔵庫前のユリちゃんがやって来た。
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勤め先がサマータイム実施となり、野毛まで来る事が出来たのだネ。

初めの突き出しは手作りの雪花菜(おから)と玉葱の酢漬けが出る。
此処の雪花菜は、子どもの頃に食べた懐かしい味なのだが、甘口の桜正宗と実に愛称が良い。

此処は輪島塗りの箸が用意されている。
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これが丸箸なので、気を付けないとコロコロと転がって落としてしまうのだナ。そう云っている先から、ユリちゃんが机の下に落としてたネ。この塗り箸は少しでも漆が剥げたら取り替えているそうだ。

店のカウンターの上に一枚の色紙が飾られている。亡くなった名コラムニストの青木雨彦さんが書き残したものだ。

      塗箸の剥げて小芋の煮ころがし

青木雨彦さんは、横浜保土ヶ谷出身だ。1991年に没したが、保土ヶ谷に在る浄土宗の『見光寺』に眠っている。この寺には、先の句が詠まれた石碑が在る。
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見光寺をお詣りした後に、『武蔵屋』で一献つければ、これまた一層酒が美味いことだろうネ。
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団扇片手に燗酒を酌めば、小さな幸せが五臓六腑に染み渡る。
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二杯目の酒と共に鱈豆腐と納豆が運ばれて来た。鱈の塩味が豆腐に沁みて、美味い。

もうすぐ90歳を迎えるお姉さんは、とても優しい笑顔で皆と愉しく会話を弾ませている。そして、三杯目の燗酒を僕らに注いでくれた。
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長年注ぎ続けた土瓶さばきは実に見事でアル。

グラスの上高くから勢い良く波々と注がれる桜正宗は一滴も机に零すことなく、表面張力しているのだナ。
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吞む方も必死でアル。机に吞ませない様に気をつけて口を持って行く。「もっと呑みなさいナ」と云われ、グイと酒を吞むと、更に酒を一杯に注いでくれた。
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こんな心遣いに癒されるのだナ。

沢庵やぬか漬けのお新香が出て、五菜が出揃った。
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三杯、終了。この日も変わらぬ酒と肴、ご馳走さまでした。

程よい酒に癒されて、僕らは店を出た。
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この後は、いつもの通り『ホッピー仙人』のドアを開いた。
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仙人が作るホッピーのジョッキで皆さんと乾杯をし、野毛の夜を十二分に満喫出来たネ。
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ユリちゃんが、スナックのママに見えたネ。いと可笑し!

桜木町までの道は、桜川が運ぶ海風が心地良かったのだナ。
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Commented by まさや。 at 2011-07-06 13:09 x
ぼくも昨日は野毛でしたけど、他のお店をハシゴしておりました。なかなか呑むとつぶやきもチェックできないんですよね。
Commented by cafegent at 2011-07-06 14:46
まさやさん、こんにちは!

野毛は『福田フライ』とか『キンパイ』とか良い酒場が多いですよね。今度は是非、皆で一献!
by cafegent | 2011-07-06 12:22 | 飲み歩き | Trackback | Comments(2)