九月に入り、漸く法師蝉の鳴く声を聴いた。僕はこのツクツクボウシの鳴き声に、夏の終わりの物寂しさを感じるのだナ。
暮れ泥(なず)む九月の街に鳴く法師蝉は、少しずつ秋の気配を運んで来ているだろうか。
秋風に殖えては減るや法師蝉 高浜虚子
鳴き立てゝつくつく法師死ぬる日ぞ
こちらは、正岡子規主催の句会の席で、夏目漱石が詠んだ句だ。どちらも好きな俳句だが、矢張り法師蝉は、寂しさを含むのだネ。
日の暮れしいつまで鳴くや法師蝉 八十八
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先週の金曜は、夕方からギャラリー巡りをした。
銀座の『ギャラリー玉英』さんで開催していた「野口哲哉展」では、会場にて野口さんにもお会いする事が出来た。今回は総て売れていた作品の展示だったのだが、新作が出来た時は是非とも手に入れたい。
月刊アートコレクター誌で紹介されていた赤いソファーで寛ぐ侍は、座高26cmの小さな作品だが、間近で観ることが出来たので嬉しかった。
野口さん自身は、その作風から想像がつかないほど、物腰が穏やかな方でびっくりしてしまった。
もっとイカツい方だと勝手に思っていたので、失礼を致しました(笑)
その足で、新橋の『いつき美術画廊』に再訪し、「馬場稔郎木彫展」を観た。
新橋駅よりも御成門の方が近かったなぁ、と思いつつ新橋へと戻る。
背中一面に汗をかいてしまったので、水分補給。
立ち飲み『じゃんけんポン』にてジョッキ生をゴクリ。
さすが、新橋はサラリーマンの聖地でアル。ネクタイを緩めた方々が次々と来店していたナ。
生ビール二杯で生き返ったので、そのまま溜池山王へと移動。
アークヒルズのカラヤン広場で、今月11日まで開催中の「ハイボールガーデン/お好み焼祭 in 六本木」に行って来た。
我が仕事の師匠でもあるコピーライターの若山憲二さんが音頭をとって実現した初のお好み焼きの一大イベントでアル。
全国各地から14店舗もの名店が入れ替わりで出店し、サントリーのハイボールと共に味わう事が出来るのだネ。
この日は、広島から『みっちゃん総本店』が出ていたので、「元祖広島流お好み焼き」を戴いた。
昭和25年、屋台で創業した『みっちゃん』は、店主の井畝満夫(いせ みつお)さんがお好み焼きにソバを入れた広島流のお好み焼きを初めて作った方なのだナ。
今も現役でお好み焼きを作り続け、広島のお好み焼きを全国に広めているのだネ。
イベントを手伝っている古賀君は、台風を心配し、天井から下げていた提灯等の撤去作業を見守っていた。
一段落したところで、一緒に乾杯!
古賀君、お疲れさまでしたナ。
大阪のお好み焼きで知られる『ぼちぼち』の牛スジとキャベツの塩炒めをアテにハイボールがススむ。
トリハイ柚子ってのが、案外イケたネ。
この日は、武蔵小山『豚星』にて、焼酎ハイボールもススんだナ。
此処のは、炭酸が強くて、実に美味いのだ。
「ハラミのたたき」ってのも新作で美味かったヨ。
この後は、いつもの『深夜食堂』でウダウダと吞んでしまったナ。