日々是日記/秋の軽井沢、馴染みのバー『アマノ』で酔う。
2011年 10月 20日
キリギリスが戸の傍で秋を奏でる時季が来た。
先日、旅先で「カマドウマ」を見掛けた。
子どもの頃は、「便所コオロギ」などと呼んで、捕まえては誰かに投げつけて「エンガチョ切った!」なんて遊んでたっけ。
そう云えば最近「畑の馬追」(ウマオイ)の鳴き声をトンと聴かなくなった。この虫は、ずっと「スイッチョン」と呼んでいたが、大人になるまでそれが正式名だと思い込んでいた。
前に奥多摩に行った時に、珍しい青紫色のバッタを見つけたなぁ。
◇ ◇ ◇
この日の東京は30度近い夏日となったが、軽井沢も随分温かかった。
軽井沢本通りを歩き、東雲の交差点を左に折れる。
さて、一休み。ポツンと佇む喫茶店『ミハエル』だ。
雑誌『軽井沢ヴィネット』によれば、今から35年前にロシア人の父上が友人とお茶を飲む場所が有ればいいナと半分趣味で始めたそうだ。
気候の良い日は、外のテラス席が心地良い。野鳥のさえずりに耳を傾けながら、飲む自慢のロシアンティーは格別だろう。
僕は珈琲党なので、珈琲にチーズケーキを戴いた。
午後7時を廻り、バー『アマノ』へお邪魔した。
こちらの看板娘の小雪も一緒に戻るのだナ。
そんな訳で、再度『アマノ』へと向かった。
鬼才シー・ユー・チェンさんがプロデュースを手掛け、西麻布『アムリタ』のオーナー安部讃平さんがインテリアを担当した伝説の酒場だ。
梅リキュール「星子」の生みの親、デニーさんも其処でバーテンダーをしていた。
天野さんは、クロード芹沢さんと共にフロアを担当していたそうだ。
『東風』の後、天野さんは中華料理の『栄林』(えいりん)で支配人として軽井沢に来たと伺った。そして、独立し此処を開いたのだネ。
クロードさんは、銀座のバー『ビザール』の頃、良く吞みに行った。
僕は過去に何度か讃平さんにレストランのインテリアをお願いしたり、チェンさんとは佐賀のインテリアショップの仕事を一緒にした。
天野さんとは、そんな共通の話題で懐かしく盛り上がったっけ。
それ依頼、軽井沢に来る度にバー『アマノ』を訪れる。
軽井沢は、何もしないに限る。散歩をし、疲れたら珈琲で一休み。
樹々の間で鳥の声を聞きながら本を読む。日が暮れだしたら、酒場の戸を開く。
酔えば、部屋に戻り深い眠りにつけば良いのだ。
今回は定宿にしている『音羽の森ホテル』が取れなかったので、違うホテルにしたが矢張り肌に馴染む方が良いネ。
東雲の交差点角に在る台湾料理の『萬里』へ。
次回、此処を訪れるのは来年の春が過ぎてからになるだろう。小雪相手に吞む酒を愉しみにしよう。