日々へべ日記/『ばん』から恵比寿『かおる』へ梯子酒。
2011年 11月 25日
と云っても、ウィスキ〜がお好きでしょ、の小雪じゃぁナイ。
札幌で昨日地震があったが、これから増々積雪も多くなるので、心配だネ。実家に電話を架けてみたが、我が家は何ともなかった。
余震の続く東北地方の被災地の方々も厳しい冬を迎える。その事は日々忘れずに生きようじゃないか。
七十二候では、「虹蔵不見」(にじ、かくれてみえず)。冬が来て陽気も少なくなり、虹も見えなくなる時季なのだナ。
◇ ◇ ◇
そろそろ、川越の友人からさつま芋が届く。毎年楽しみにしている。
川越札の辻のさつま芋は江戸の昔から美味いと有名だ。
先日も書いたのだが、お江戸日本橋から川越札の辻までの距離が十三里だったそうだ。それをもじって、栗(九里)より(四里)甘い十三里半(九里+四里より上だネ)とさつま芋の事を「十三里半」と呼んだ。
我が家の方は、寒くなると今でも石焼き芋の屋台が来る。子ども達は親爺さんのなぞなぞに答えて、焼き芋のおまけを楽しんでいるのだナ。
栗より甘いさつま芋だが、どうしてどうして栗だって美味いよネ。
少しねっとりとした天津甘栗も美味いが、ホクホクの和栗で炊いた栗ご飯は秋ならではの幸せだ。
最近はあの渋皮が剥きやすくなった品種も開発されたそうだ。
「ポロタン」と云う品種で、この栗で作ったマロングラッセは、ひと粒ナント600円もするそうだ。
一本800円近くする焼き芋が有るかと思えば、こんな究極のマロングラッセもあるのだネ。美味を求めると、きりがないネ。
芭蕉が詠んだ栗の句だ。伊賀滞在時に詠まれたもので、手をパッと広げた様に栗のいがが弾けている様子が浮かぶ。
◇ ◇ ◇
閑話休題(それは、さておき)。
毎週火曜日の深夜に放映しているドラマ『深夜食堂』は、毎回素晴らしい短編映画を観ているようだ。
鶏肉に小麦粉をまぶして鍋で炒め、ジャガイモ、玉ねぎ、人参、莢いんげんなどを一緒に煮込む。
仕上げにパルミジャーノ・レッジャーノを摺って入れるとコクが増す。
土鍋で炊いたご飯にかけても美味い。
◇ ◇ ◇
さて、火曜日は一人で祐天寺『ばん』に顔を出した。
僕の仕事場が在る大鳥神社からバスに乗ると15分程で祐天寺前に着く。バス停に降りるともう目の前に『ばん』の赤提灯が見えるのだ。
夕暮れ時になると、ひとみさんからメールが届く。「ばんに来ない!」「ばんに居るよ!」いつも一言だった。きっと、長文は苦手だったんだろうネ。
トイレ前の卓席には長年通うご常連たちが集まっていた。僕は一人カウンターのキーちゃんの前で吞んでいたのだが、「こっちに来なよ」の呼び声と共にジョッキを持って移動した。
此処はご存知の方も多いと思うが「サワー発祥の店」でアル。
今も大半の方は生レモンサワーを吞んでいる。もちろんホッピーだって有る。
焼酎の炭酸割りは昔「炭酎」(タンチュー)や「バンタン」など色々な呼称があった。「バンタン」は当時、映画「番場の忠太郎」(瞼の母)が流行って忠太郎の忠を焼酎の酎にもじって、番場の忠太郎の炭酸割りで、こう呼ばれることになったそうだ。
漫画家の故滝田ゆうさんが、中公文庫の『また酒中日記』(吉行淳之介編)の中で「バンタン」の事を紹介していた。
此処は焼酎の量が多いので、つい吞み過ぎるとヘベのレケになる。
この日も久しぶりの方々にお会いしたので、レモンサワーにホッピーとちょいと呑み過ぎた。
でも、愉しく酔えたなぁ。ツイッター仲間のYOSHITAKAさんにもお会い出来たし、嬉しい限り。
『ばん』を出て、恵比寿方面に歩く。外の風に当たれば酔いも冷めるかと思いきや、余計に酔いが廻ってしまったのだナ。
『縄のれん』も賑わっていたので、今年の夏に改装再開した焼き鳥『かおる』にお邪魔した。
カミサンが串を頼んでいるうちに僕はカウンターで寝てしまった。
もう一軒行くとほざいてウルサかったらしいが、トンと記憶にない。
我が家でも呆れられる始末であった。こうなるともう記憶が飛んだモン勝ちかもネ。うひひ。
「東京自由人日記」バンタンの記事