大人の渋谷探訪 その2
2004年 09月 02日
その喜楽の真隣りに「大芽園」と言う3坪ほどの小さな餃子屋があって、そこはよく通ったなぁ。ここの主人もそうとうスケベ爺いで、店が終わると近くのキャバクラに通っていたしね。ワインと映画が大好きで、僕も良くワインを差し入れて、餃子をたらふく食べさせてもらったな。ここの餃子は、皮も木棒を使って一枚一枚手で延ばして作っては焼き、作っては焼きをひたすら繰り返していた。この店の凄さは、餃子の旨さもさることながら、焼きそばも絶品だった。具はもやしのみ。ラードと塩、醤油の絶妙な味付けで、メニューはこの2品のみ、って凄いだろ。
でも、ここのスケベ爺いも癌で亡くなってしまい、店も今は無くなってしまいました。残念きわまりない。あれから、いろんな餃子屋に行って見たけれど、一番近い味だったのが、亀戸にある「亀戸餃子」かな。たぶん、「大芽園」の親爺は、この亀戸餃子で餃子を覚えたんじゃないかと言う気がする。雰囲気も一緒だったし、味も近かった。遠いけど、行く価値はあるね。
その「大芽園」の奥隣に「壺」というここも小さくて変なバーがありました。毎日店主が違う店で、僕の旧友の鈴木行(ぎょう)という男がたしか水曜に店主をしていたんだよね。彼は、洋書の輸入業だったのだけど、今は何故か内装業の現場職人。でも今だに毎晩渋谷で飲んだくれているけど。この店も小さいから壺なのか、壺にハマったような癖のある連中が集まっていたバーだから壺なのか、とにかく不可思議な店だったけど、ここも今は無くなってしまった。残念なり。
さて、本題に戻さなくちゃね。
百軒店の中腹の渋谷道頓堀劇場の脇の小道を入っていった処にそのバーは或る。
「WOKINI」(ウォキニ)というバーなんだけれど、2年前くらいにオープンした比較的新しい店である。この店の店主の黒瀧光佑という男は実にいい奴である。何がいいって、実に豪快で、義理固くて、気持ちの良い奴なんだよね。もう10年位前から知っているけど、こいつが居るなら行こうかって言う連中は多いと思うよ。
バーテンダーの勇くんも紅一点のむいこちゃんも皆骨っぽくていい奴らだね。
何が良いっていうか、店と奴らの雰囲気かな。ついつい足がこの店に向いちゃうからね。ウォキニってネイティブ・アメリカンの言葉で「幸せ」って意味らしい。
この前も一人で飲んでいたら隣のコが道頓堀劇場に出ているストリッパーのコで、札幌の劇場から定期的に渋谷に来て踊っているらしい。僕も札幌出身者だから、すぐに意気投合してしまった。これって或る意味、ウォキニ(幸せ)かもしれない。
ここのコースケは渋谷生まれなんだけれど、お母さんもまた円山町でずっと店をやっていたらしく、最近は良くWOKINIを手伝っていい味だしてるんだよ。
コースケは、僕の友人が大橋の目黒川沿いにCODAと言う隠れ家的バーを出した時のスタッフとして入って、それから数年して円山町の「CHE」というラウンジバーに移った時にも連絡をくれたから、結構通ったかな。この店、適度におしゃれな内装で女のコ受けが良かったし、ホテル街のど真ん中だから、何かと都合が良かったね。
いろんなコと利用させてもらったなぁ。今も流行っているから、皆さん勝負の時にどうぞ。但し、この店、シネカノンが経営しているから、映画関係者が多くて、井筒監督なんて、しょっちゅうクダ巻いてるからね。
僕の20数年来の友達のひとみは、今丸山町のCHEの並びに住んでいるだけれど、大抵WOKINIで飲んでいるね。なかなかイイ女だよ、飲んだくれには違いないけどね。
さて、つづきはまた次回。渋谷から宮益坂を上がってみようかな。