日々是日記/渋谷の至福『鳥重』劇場を堪能!
2012年 09月 25日
先週、渋谷のんべい横丁の焼き鳥屋『鳥重』の女将、東山とし子さんが献上した本が講談社より発売された。目黒の有隣堂書店にも置いてあったので、買い求めた。
本のタイトルは「ぶつよ!」だ。これは、お母さんのいつもの口癖でアル。行儀の悪い客や泥酔した者たちに向けた愛のある叱咤激励の言葉なのだナ。
お母さんは、毎日間口2坪の小さなヿ字カウンターの中で焼き鳥を焼き続けている。
日本一予約が取りづらい小体の焼き鳥屋だが、お母さんの言葉に元気を貰った方は可成り多いことだろう。僕も以前仕事で行き詰まっていた時に「ためいきは命を削るカンナだよ」と云われたことがある。
そんな名物女将の愛ある言葉がぎっしりと詰まった一冊だ。読み終えて、最後のページに「皆様、ありがとうございました」と今まで『鳥重』を訪れた方々の名前が手描きで綴られていた。
思えば、『鳥重』に行きはじめて32年だ。亡くなったひとみ姐さんたちと行ったのが最初かナ。当時はドタキャンが出たりするとお母さんから「9時半の回、席が空いているけどどう?」なんて連絡を戴いたっけ。
大勢の方々に愛されて61年、この12月29日に幕を下ろすことになった。
もう予約は取れないだろうネ。
台風の時など、予約をしていた方々が皆キャンセルをしてしまい、いつも「のんべい横丁」で呑み歩いている僕や山場などは、そんな時ふらりと覗いて食べさせてもらったりしていた。どれもが懐かしい思い出だ。
『鳥重』を知らない方もこの本を是非読んで欲しい。仕事を愛し、お客さんを愛したお母さんの珠玉の名言にきっと心打たれる筈だ。
◇ ◇ ◇
さて、夕べはその『鳥重』の9時半の回に行くことになっていた。その前に武蔵小山『牛太郎』の暖簾を潜った。
店に入るとライターの森一起さんと渋谷のんべい横丁でバー『Non』を営む荒木が呑んでいた。
顔馴染みしか残っていない『牛太郎』、隣りの『ラーメンICHI』から野菜マシマシのラーメンを出前。二郎系の店だが、中々美味いと評判だ。
牛太郎の店主ジョウさん自らラーメンを持って来てくれましたナ。
さて、僕は渋谷に移動した。
お店にも本の紹介が貼ってありましたナ。
さて、串が焼ける間にお母さんから何を飲むか聞かれる。今回は赤ワインを戴いた。
二串目は、心臓だ。普通の焼き鳥屋だとひとつのハツを二つに裂いて、それを3つ程串に刺しているが、此処は違う。
この日は一人だったので、串は2本で終了。
夏場の白レバーはまるでトリュフの様なのだ。
これにて至福の「鳥重劇場」の終了だ。
買ったばかりのお母さんの著書「ぶつよ!」に言葉を戴いた。
そんな訳で、また酒場へと戻った。
ユニバーサルミュージックの藤田君と久しぶりに呑んだ。CKBの新譜を戴いたので、今日はそれを聴きながら仕事場に居る。
と仕事もしないで日記を書き終えた。