日々是日記/梅雨明けの東京、鰻で乗り切ろう!
2013年 07月 08日
昨日は七月七日、「七夕」だった。
鵲(かささぎ)の渡せる橋に置く霜(しも)の
白きを見れば夜ぞ更けにける
小倉百人一首の中で三十六歌仙の一人、中納言大伴家持(おおとものやかもち)が詠んだ七夕の歌だ。
七夕の夜は天の川にカササギが沢山飛んで来て、互いに翼を広げて「かささぎの橋」を作り、牽牛(けんぎゅう)と織女(おりひめ)の仲立ちをする。
彦星の行合(ゆきあい)を待つかささぎの
門(と)渡る橋を我(われ)にかさなん
こちらは、菅原道真が詠んだ歌。七夕の夜、鵲(カササギ)が渡す橋を、この我に貸して欲しいものだ。そうすれば、橋を渡って都に残る妻に逢えるのに、と詠っているのだネ。
昨日は、僕の会社で一時働いていた山本純クンから電話を戴いた。久しぶりだったので、何だろうと思ったら結婚の報告だった。職場で出逢ったコと七夕の日に婚姻届を出したとのことだった。あのヤマジュンが所帯を持ったとは、大したもんだ。
偕老同穴の契りを結んだ訳だから、末永く仲睦まじき夫婦になって貰いたいのだナ。心より、おめでとう。
夕方、東京の空は夕立に見舞われたが、1時間程でカラリと雨も上がったネ。織姫と彦星も無事に再会出来ただろうか。ハテ?
◇ ◇ ◇
閑話休題。
先日、無性に鰻が食べたくなった。だが、折からの高騰により近所の鰻屋でさえ、三千円を越えている。
ならば、と思い立ち新宿駅西口へと向かうことにした。地上に出て、ユニクロの先を曲がれば「新宿思い出横丁」だ。『岐阜屋』や『きくや』、ソイ丼の『つるかめ食堂』等々、馴染みの酒場が軒を連ねている。
中通りの角に佇む『カブト』に来た。
先ずはビールを戴き、乾いた喉を潤すのだ。
焼き台の頭上に灯る裸電球の傘には、永年の鰻の脂が培った痕跡が黒光りしているのだナ。
パチパチと音を放つ紀州備長炭が店自慢のタレを潜った鰻串を香ばしく焼き上げるのだ。
カブトの二代目は、今年81歳だそうだ。
伊藤さんはもうコの字カウンターの中には居ないが、今は大将のお孫さんが立っており、冷えたキンミヤや酒を注いでくれるのだナ。
以前は、この「鰻一通り」は1,150円だったが、今は鰻の高騰も続いており、1,540円だ。それでも安いよネ。
ビールを飲み干し、お次は酎(チュウ)を戴こう。
約30分、至福の一時を愉しみ『カブト』を出た。ご馳走様でした!
梅雨明けの東京、あと数回は此処の鰻串の世話になるのだナ。