東京だからこそ出会う人や店をつれづれなるままに紹介


by cafegent
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日々是日記/新橋すし処まさで、春の至福!

今年は、弘法大師空海が高野山に道場を開いていから1200年目である。

最近、若い女性を中心に日本各地の仏像を巡る旅が流行っており、僕の俳句仲間、イラストレーターで文筆家の田中ひろみさんもコミックエッセイ『真言密教の聖地 高野山へ行こう! (単行本)』を上梓した。
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高野山でも今年は春の大法会に始まり、様々な記念行事もとり行われるそうだ。

この開創1200年を記念して、日本橋高島屋にて「高野山 祈りの美」が催されている。
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守屋多々志画伯の手による襖絵など、これまで高野山に奉納された美術品・工芸品の数々が一堂に集められ、1200年の時空の旅を愉しむことが出来た。その中でも今回注目されるのは現代を代表する日本画家・中島千波氏による全12面の桜の襖絵だ。

この「桜の間障壁画」は中島氏が開創1200年を記念し制作した作品で、今回の展示が終了すると襖に仕立てられて高野山の金剛峯寺奥殿に納められるそうだ。
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明け方の桜を描いたそうだが、左右、正面と三方に咲き誇る満開の桜に一足早い春の息吹を感じた。金箔、銀箔に描かれた幽玄な桜の姿に、1200年の悠久の歴史を旅することが出来た。暫く三面の桜の前に立ち、満開の桜に酔いしれていたが、近くに寄って改めてその絵を眺めてみた。

中島画伯の気の遠くなる様な緻密な桜の花びらの画筆は、本当に驚かされた。高野山に納められると非公開となるため、この機会に是非目に焼き付けて欲しいものだナ。
      ◇            ◇            ◇
閑話休題。

今年もまた新橋の小さな店『すし処まさ』へとお邪魔した。今回の予約をしたのは、2年前だったか3年前だったか、もう定かじゃない!ハテ?でも、万が一、忘れていても必ず一週間程前に店主の優(まさる)さんから電話が入るから助かるのでアル。

今回は、いつも立石でお世話になっているダンディ岩崎さんとホッシーを誘っていたので、先ずは新橋駅前ビルに在る『信州おさけ村』で集合となった。
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此処で余り吞み過ぎてしまうと旨い寿司の味がボヤけてしまうので、僕はビールを戴いた。
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午後8時半、待ちに待った「すし処まさ劇場」の幕開けだ。
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信州おさけ村で仕入れた酒は中山道宿場町の造り酒屋「小野酒造店」が造る純米吟醸「夜明け前 生一本」だ。
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果実の様な仄かな香りが、料理や寿司の邪魔をしないのだナ。

この後はもう他のお客さんも来ないので、優さんとも乾杯!
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この日の刺身は、三宅島のメジマグロと北海道の牡丹海老だ。
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海老のねっとりとした食感と甘みに日本酒もススむススむ。

お次は、のれそれだ。「のれそれ」とは、穴子の稚魚だネ。
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こちらは、愛知県産だそうだが、喉越しを愉しむ一品だナ。

そして、アワビだ。
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これも身肉が柔らかく、山葵を少し載せて口へ運べば、自然と笑みが出てしまう。こりゃ、酒との相性も抜群だ。
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皆で顔を綻ばせながら、酒を酌んでいると恒例の一皿が登場した。
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庭先に咲く一輪の椿の様に盛りつけられたのは、メジマグロでアル。
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横に添えられた小皿には自慢のつけダレが黄金色に輝いている。このタレは粒マスタードを裏漉しして、同量の醤油でなじませて、酢を少量だけ加えて作っていると伺った。
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刺身でも食べられるメジマグロの切り身を熱々の鉄器の上で炙り、マスタード風味ダレを付けて口へ運ぶ。あぁ、至福のひとときだ。

続いて出して戴いたのは、自家製の濃い豆乳で作った豆腐だネ。
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これは、何も付けずにこのまま食べる。大豆本来の旨味と風味を五感で戴く逸品だナ。
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さぁ、ここからは二幕目、握りの始まりだ。

先ずは、本マグロのヅケから。
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むふふ、の旨さに皆大喜びだ。

お次は大分は中津の赤貝だ。
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これは噛む程に貝の旨味が口の中一杯に溢れ出したネ。
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僕は、店主の優さんのこの優しさに満ちあふれた笑顔が大好きなのだ。寿司の味はもちろんのこと、この笑顔に包まれながら過ごすひとときが堪らなく好きなので、何年先でも待ち、通っている訳だ。

この細かい仕事を施してある握りは、天草産の小肌だ。
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おぉ、〆具合も抜群だった。

続いて細魚(サヨリ)の握りだ。
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目にも美しく、食べて旨い。もう最高だナ。
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鹿児島の鯵は、脂の乗りも程よく日本酒と良く合った。
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この蛤(ハマグリ)の握りは、上に塗るツメも蛤の汁を煮詰めて作ってあるので、実に美味い。思わず唸ってしまったヨ。

このウニは根室産だったかナ?忘れてしまったが甘く濃厚な味は記憶している。
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軍艦ではなく握りなので、海苔の香りが無く純粋にウニの味を堪能出来るのだネ。

そして、鉄火巻き。
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赤酢の飯とマグロの朱色が美しいネ。
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最後は、子安で獲れた穴子を白焼きにしてタレで握って貰った。

持ち込んだ酒一升もすっかり空になり、大満足、大満腹だ。
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優さん、毎回本当に美味しいお料理とおもてなしに感謝多謝!ご馳走さまでした。
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次回の予約は2019年、東京オリンピックの前の年だナ。その時もまた、気心知れた酒朋たちと愉しいひとときを過ごしたいものだ。
by cafegent | 2015-03-13 14:14 | 食べる