東京だからこそ出会う人や店をつれづれなるままに紹介


by cafegent
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日々ヘベレケ日記/年の瀬大阪ハシゴ酒!

    七草は七つ異なる風情かな    子規
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新年 明けましておめでとうございます。今年ももう5日が経ったネ。

7日の朝は「人日の節句」だ。七草粥を食べ、この一年の無病息災を願う訳だナ。
あと10日もすれば「小正月」を迎え、松が明けて正月気分もどこ吹く風ってとこか。

「一陽来復」や「初詣」「人日の節句」など、段々と自分が歳を重ね、日本に根付く季節の行事を重んじるようになってきた。考えてみれば、もう五十五年も生きているのだから、少しは日本人としてのDNAが僕の心を揺さぶるのだナ。

今年は「申」の年だネ。友人知人たちから届いた年始の挨拶にも「申」の文字が多く見受けられた。さて、その猿だが、実は馬の守り神として昔から信仰されているのだネ。「陽五行説」では馬は「火」であり、猿は「水」を表しているそうだ。ゆえに猿は病や火災などから馬を守るとされているのだネ。

日光東照宮の神厩(しんきゅう)は神様が乗る純白の御神馬が居るのだが、神聖な神馬の無病息災と無事故を祈願して、あの有名な三猿の彫刻が飾られているのだナ。そう、誰もが知っている「見ざる聞かざる言わざる」だネ。

また、神奈川の寒川神社でも神馬舎の中に猿が神馬の手綱を曳く精巧な彫刻が奉納されている。彩色木彫の天才、平野富山(ふざん)が手掛けており、昭和天皇の即位50年の記念に奉納された見事な新馬と猿の彫像だ。

昨年末の有馬記念は見事にハズしたが、今年は猿が見守ってくれると良いのだが、ハテ?

さて、猿は他にも「災いが去る」「病が去る」とサルにかけて縁起を担いだり、赤坂の日枝神社では「何事にも勝る」「魔が去る」と云って「まさる」と呼ぶ神猿(しんえん)の像を祀っていると知った。猿をえんとかけて縁結びの御利益もあるとかないとか?

まぁ、何にせよ、この一年、皆様の無病息災を願うばかりでアル。
     ◇           ◇           ◇
閑話休題。

年末はカミサンの実家に戻る前に関西でハシゴ酒を愉しんだ。先ずは、東京駅から新大阪行きの新幹線に乗り込んだ。

駅弁を探していると、なんと品川名物の「貝づくし」が売っているではないか。ずっと品川駅の新幹線改札内でしか買えないと思っていたので、これは良い発見をした。そんな訳で、「貝づくし」と「深川めし」の駅弁を購入。仕事を半休で終えたカミサンとホームで合流し、午後1時出発ののぞみに乗った。

列車が動くと同時にビールのプルを引っ張るのだ。プシュッ!ゴクリ!ふぅ、仕事納めの後の酒は旨い!

そして駅弁の蓋を開けるのだ。
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貝づくしは、品川宿にちなんだシジミやアサリ、貝柱などの貝が茶飯の上一杯に敷き詰められている。また、最近になって焼き帆立が加わったのだナ。先ずは、この味の沁みた五種の貝をアテに酒を呑むのだ。貝を食べ終えたら、フキや椎茸の煮物を御菜に茶飯をかっ喰らうのでアル。おぉ、むふふな美味しさだ。

もう一つの弁当「深川めし」は煮穴子が美味いのだが、脇に添えられたハゼの甘露煮が素晴らしいのだナ。だが、買う時に気を付けなくちゃならないのだヨ。最近、ハゼの甘露煮が入っていない「深川めし」も販売されているから、聞いてから買わなくちゃネ。カミサンと仲良く貝づくしと交互に食べていると冬空に映える見事な富士山が現れた。
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年の瀬に雄大な雪富士の姿を眺めることが出来て感無量だった。

さぁ、新大阪に到着だ。先ずは梅田のホテルにチェックインして荷物を置こう。
身軽になったので、早々に地下鉄を乗り継いで酒場へと向うのだ。目指すは南田辺駅。
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改札を出て階段を降りるともう『スタンドアサヒ』の看板サインの灯りが見えている。

開店間もない時刻だったが、既に店内は一杯で賑わっていた。奥の席は予約席、カウンター席もご常連さんの到着を待っている。だが、タイミングよく二人掛けの壁際の席に座ることが出来た。その後も続々とお客さんが入って満席だ。僕らが座ってから十分程の間に何組の方々が諦めて帰っていったことだろうか。ラッキーだったナァ。

先ずはアサヒビールの大瓶でカンパイだ。
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クゥーッ、旨い!新幹線の旅もただ座っているだけだが、案外と疲れるのだよネ。ビールの苦味に癒される。

大阪の酒場ならではのお姉さんたちの押しの強さにオススメをウンウンと頷いて頼んでしまうのだナ。
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ベビーホタテの入った炊き合わせが素晴らしかった。フキやかぼちゃの味も良く酒がススむススむ。
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酒を白鶴の燗酒に切り替えたところで、鰻の肝焼きと今が旬の「もろこ」の甘露煮が登場だ。
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もろこは小さな魚だが味が濃く、少しずつ噛んで酒のアテにするのだ。
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鰻の肝も実に良い味付けだったナ。

とこぶしもよく味が沁みている。
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ガラスのお銚子ももう4本目か。最後はお待ちかね、名物の「さばからまぶし」を戴いた。
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鯖のきずしを炊いた雪花菜(おから)で和えてあるのだが、これがもう絶品なのだ。これさえ有れば酒を呑み続けられること間違いないネ。

ひっきりなしにお客さんが顔を覗かせているので、僕らも長っ尻をせずに席をあけることにした。ご馳走さまでした。
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「スタンドアサヒ」を出て、再び電車へ。向うは阿倍野だ。
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天空に届きそうな阿倍野ハルカスを左手に見ながら回廊を歩き名店『明治屋』へ。
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年の瀬の街が輝いていたナ。
こちらも満席状態だったが、6人で酒宴を楽しんでいた方々の脇へ相席することが出来た。
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ヌタをアテに先ずは新亀を冷酒で戴く。
カウンターのお客さんが、おでん鍋前の女将さんに「スジちょうだい!」と声をかけると、間髪入れずに女将さん「売り切れネン。御堂筋しかないデ~!」と返してきた。おぉ、これぞ大阪の居酒屋に来たって感じだナァ。コテコテの大阪ギャグに癒されて酒がススむススむ。

続いてきずしをつまみながら、樽酒の燗を戴いた。サンドブラスト加工で「明治屋」の文字が彫られた薄いガラスの徳利は、いつ見ても素敵だナ。僕の好きなシュウマイも何故か日本酒に合うのだナ。
こちらでも外で待っている人が居る。燗酒3つ戴いて、ご馳走さまでした。

天王寺駅からお次は天満駅へと移動だ。天満(てんま)も「天満酒蔵」や「但馬屋」など好きな居酒屋が多いのだが、今回は角打ちへ。
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『堀内酒店』の暖簾を潜るとオヤジさんの笑顔が迎えてくれた。
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桜正宗の特別純米「宮水の華」を冷やで戴くことにした。
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酒のアテは、茶碗蒸しだ。
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プラ容器に入った茶碗蒸しも絶好のアテになる。
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おでん鍋から温かい湯気が出て食欲をそそる。
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あぁ、旨い酒とホッとするひとときを堪能した。

こうして、年の瀬のハシゴ酒はまだまだ続くのでアール。では、また!
by cafegent | 2016-01-05 12:17 | 飲み歩き