『秋元屋』で、グふふ。『なるきよ』で、ムふふな夜なり。
2007年 08月 27日
漱石の「我輩は猫である」の中にも登場するあの根岸、芋坂の「羽二重団子」である。
江戸時代にはきっと「羽二重団子」を手土産に吉原大門をくぐり、ひいきの花魁なんぞの処へ出掛けてたんだろうなぁ。だんごと云えば、向島の「言問団子」もいいねぇ。あずき、白餡、みそ餡と三色のあんこ玉は、まんまるで控えめな感じが良い。以前、向島の料亭『櫻茶ヤ』だったか、『美弥古』さんにお邪魔した時に帰りの土産にもらってから好きになった。
週末は、前々から伺いたかった野方『秋元屋』へ連れて行ってもらう。
いろんな方のブログを拝見していて、この店の評判を知りずっと行ってみたいと思っていたのだ。友人の仕事先が野方に在り、大体毎日仕事帰りは『秋元屋』に立ち寄っていると云う。では,この日もか、と行ってみれば、案の定入口外の席でいい塩梅で出来上がっていた。
JR高田馬場で乗り換えて、7時半を廻った頃に野方に着いたのだが、もう店内満席状態。こりゃ無理かなぁと訪ねてみれば、一番奥の冷蔵庫前が運良く空いていた。あぁラッキー、まずは特製ハイボールをひとつ。
『丸好酒場』のレバ刺しは、特製タレがピリリとパンチを効かせているが、『秋元屋』のレバ生はなんとも上品な味わいで驚いてしまった。
結構甘い味の味噌なのだが、薬味がとても合い、あと引く美味さだ。
続いて、串を焼いてもらうがシロたれ以外は焼き場の方にお任せにすることにした。カシラもタンも実に旨し。
生キャベツに味噌が付いて100円も嬉しい。と気持ち良く飲んでいると入口の方から友人の取引先の方がこちらへやって来たのでご挨拶。既にゴキゲン状態で笑顔も赤い。卒なく、新しいハイボールがやってきた。あれまぁ、ご馳走してくれたんだねぇ、まぁ粋な計らい。と感謝しつつ素直に頂くことにした。
メニューに何やらおかしな文字を見つけた。「ハムカツ焼き」とある。はて、何だろうと頼んでみれば、読んで字の如く揚げたハムカツに程よく焦げ目がついて焼かれていた。
渋谷に戻り、『立ち飲み なるきよ』に向かうと外の階段の処まで人で溢れている。編集人の鈴木行さんと合流し、駆けつけ生ビールで乾杯。
暫くすると可愛い女子二人がやってきたので、そちら達と酒を交わすことにした。女子たちは魚が喰いたいとの事だ。
なるきよも張り切って美味いもん出してくれている。
新秋刀魚は初ものだなぁ。「初ものは東の空を見て笑いながら食べろ」って云うが、どっちが東か判らねぇ。
次々と美味い魚料理がカウンターに載る。
外に出ると顔に当たる風が少し涼しかった。あぁ、もう季節は秋になるのだなぁ。