東京だからこそ出会う人や店をつれづれなるままに紹介


by cafegent
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「辻そば」の茄子汁そばは、風邪っぴきの躯に優しいナァ。

今朝は冬到来かと思ってしまう、そんな色の空だったなぁ。
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昨日から風邪をひいてしまい喉と鼻の奥が痛い。午前中、新橋に出掛けて居たので用事を済ませた後、新橋五丁目に在る「辻そば」で昼飯を喰う事にした。

先日伺った時は、昼の蕎麦が全部無くなってしまったとの事でご主人との立ち話で帰ってきた。今日は1時過ぎだったので、何とか蕎麦に間に合った。
辻さんは夜の営業が終わると、時々ふらりと近所の「ぼんそわ」に現れるので、先日もそこで呑んでいる時にお会いした。
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今朝は冬の様な空模様だったが、午後には気温も上がり穏やかな晴天になった。喉だけがいがらっぽい感じだった風邪の菌がどうやら本格的に躯に浸食した様で、腕や足の節節の神経がピリピリと痛み出している。うーん、葛根湯でも飲もうか。

辻そばの細打ちが喉に優しいかナと、今日は「茄子汁そば」を戴いた。
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さらっと揚げた茄子、ピーマン、長葱が鴨汁そばのように蕎麦猪口に入っている。温かい汁に冷たいそばを浸けてズルっとすするのだ。あぁ、たまらなく美味い。ここのお昼の品書きは夜の値段から百円安くなっているのだ。また、ざるそばのお替わりは一枚400円ととても良心的な価格である。「竹やぶ」で腹一杯喰おうと思ったら昼でも5、6千円は取られてしまうのだが、「辻そば」では財布の紐を気にせずに安心して美味しいそばが食べられる。丁度,今は新そばの時期だ。
昨日「海老民」のそばを喰い損ねた分、とても幸せな気分に浸れた。ざるを一枚追加して腹も満腹だ。

最後に飲む蕎麦湯がトロっとしてこれがまた珠らない。風邪っぴきの喉に優しい味わいである。いつも思うが、辻さんは素晴らしい蕎麦を打つ。店の入口脇で廻っている石臼で北海道産のそば粉自家製粉し、つなぎなしの生粉打ち蕎麦にご主人の意気込みを感じるのである。
今度はゆっくりと夜に飲みに来よう。
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店を出て、塩釜神社に一礼し、柳通りを歩く。

新橋駅で新幹線のチケットを買い、SL広場に出ると「新橋古書市」を開催していた。都内の何軒かの古書屋さんが一堂に集まり、青空の下で店を開いていた。
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欲しいナと思った本も数冊見つけたが、以外と値が張ったので諦めた。
欲しい本を安価で手に入れるのが古本屋巡りの楽しいところだしナ。

そんな中、池田弥三郎が編者の「古典落語 人情ばなし」と晶文社発行の「銀座名バーテンダー物語」の2冊をそれぞれ200円で手に入れた。
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古典落語の方は「芝浜」や「子別れ」などのお馴染みの落語話が掲載されている。もう一冊は、「ブルータス」などでエディターをしていた伊藤精介が今は無き銀座の名バー「クール」の古川緑郎翁を丁寧に取材した物をまとめた一冊だ。昔、「バッカス」と云う雑誌に連載をしていたので読んだ事があったが、こちらは可成り加筆しているみたいだ。

さて、御成門駅まで歩いていると或る民家の前に小さな机が出ている。そこに「ご自由にお持ちください」と貼り紙があり、本が置いてある。
きっと午前中にはもっと沢山の本が山積みになっていたのだろうか、2冊の本が残っていた。「新橋古本市」に合わせて、家に有った古い本を処分したのだろうか。

で、せっかくなので残りものの本を頂いた。これが、また思わぬ拾い物だったのだ。一冊は曾野綾子の「誰のために愛するか」だ。作家の三浦朱門と一緒に成った曾野綾子の夫婦論である。
乗っけから、「その人のために死ねるか」と説いているのだ。これって、もしかして神様が僕に何かを悔い改めろ、と諭しているのだろうか。いやはや、まいったナ。

もう一冊は岩波少年文庫の第53番目、サン・テグジュペリ作 内藤濯(あろう)訳の「星の王子さま」だ。初版は昭和28年発行で、これは昭和33年の第10刷発行なのだが、それでも僕の生まれる前の本である。
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なんだか凄い取り留めも無い組み合わせの二冊だが、何故か両方(どちら)もとても惹かれる出会いだ。きっと、改めて読むと新しい発見を見出せるような気が、チョットだけしたのでアル。

仕事場に戻っても躯がだるい。葛根湯は果たして効くのだろうか。今日は酒を控え、大人しく早寝でもしようか。
by cafegent | 2007-11-08 18:20 | 食べる