東京だからこそ出会う人や店をつれづれなるままに紹介


by cafegent
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都会の喧噪をのがれ、分とく山で桜海老ご飯。

先日は、西麻布分とく山の離れ個室での宴となった。いつも板場が見える席しか利用した事が無かったのだが、都会に居る事を忘れてしまいそうな程静かな佇まいで雨の音すら風情良く感じられた。

まずは先附から。
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三味豆腐 豌豆(えんどう)タピオカ、亀甲あん掛け。
そら豆、かぼちゃ、胡麻の豆腐が彩りも良く、初夏の訪れを感じさせてくれた。
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前菜は、穴子松前煮(昆布巻き)、鴨酢煮緑酢掛け、トコブシ香味揚げ、そして山吹空豆飯蒸し。どれを食べても酒に合う一品ばかりだ。穴子の昆布巻きと黄色が眩しい空豆のおこわは素晴らしかった。
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烏賊、筍、鹿の子糝薯(しんじょう)、小メロン、山河豚素麺、葉山椒の椀もの。
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お造りは鰈(カレイ)、五月鱒、五三竹、湯葉蒟蒻(こんにゃく)に山葵添えだ。
もう鰈の季節が来たのだナ。夏の城下鰈も最高に美味いしね。

ビールから焼酎に変えて、白子蕗東寺揚げを戴く。東寺揚げって湯葉巻きの事か。たらの芽が香り高く美味しい。

進肴で登場したアワビでは、一堂驚嘆の声を上げて仕舞う程凄かった。
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「鮑の磯焼き」だそうだが、山盛りの岩海苔の下にはアワビの肝をたっぷりと用いた餡が絡まったており、大変柔らかく煮た鮑だった。濃厚な肝がお出汁と絶妙にマッチした逸品だった。もう、美味過ぎて写真もブレるブレる。

組肴もまた酒の為にある品々である。
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チーズ豆腐、しどけ荏胡麻和え、鶏蓬(よもぎ)衣巻き、新順才(じゅんさい)赤貝キウイ酢掛け、海老生姜巻揚、南京博多寄せ、これらが美しく器に盛られているのだが、総てが素晴らしい味だ。

強肴で登場したのは、小さな小さな土鍋である。スペインバルあたりで出す小皿料理程の大きさの土鍋は形も美しく、皆欲しい欲しいと唸っていた。(結局最後に貰って帰ったのだが。)
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京筍と牛肉の卵とじの花山椒鍋だ。花山椒のピリリとした香りと辛さがこんなにも牛肉に合うとは思わなかった。此れは初めて体験した味だったが、素直に感動した。

此処までで可成り腹が膨らんだのだが、男4人と云うもんは兎に角食べる、食べる。
〆めに出て来たのは、桜海老炊き込み御飯だ。
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分とく山の楽しみは最後の土鍋で炊いたご飯なのだが、新筍のご飯も4月で終わったらしく、桜えびの美味しい季節到来だ。ほんのり桜色の炊き込みご飯は満腹だった事さえ忘れて、皆たらふく食べて仕舞った。
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付け合わせの三つ葉汁と香の物でご飯もお替わり。

濃いめのお茶で戴いた甘味の蓬羹(よもぎかん)のフルーツ添えも「立夏」を舌で味わえた感じだ。

美味しい食事と離れの佇まいで、梅雨の様な蒸し蒸しした暑さも忘れ、箱根あたりにでも来た気分になっていた。外に出ると雨もすっかり上がっており、此の夜は渋谷の「Non」で一杯飲んで帰ることにした。
by cafegent | 2008-05-09 19:24 | 食べる