東京だからこそ出会う人や店をつれづれなるままに紹介


by cafegent
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マジックアワーに誘われて、一日七軒のハシゴ酒。さすがに酩酊だ。

今日は朝から気持ちよく晴れたね。
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目黒川沿いを歩いていても日差しは強いが風も心地よく、北海道にでも居るような感じだった。
新緑が眩しい中、雀たちも沢山飛び交い、眺めているだけで心穏やかになれた。

先日、三谷幸喜監督の映画「ザ・マジックアワー」を観た。
マジックアワーと云う言葉は以前、「ほぼ日」に連載していた写真家の菅原一剛さんのコラムで初めて知った映画用語だが、テレンス・マリック監督が撮った「天国の日々」では全編をこの太陽が沈みかけるマジックアワーどきに撮影したそうだ。夕暮れに輝く麦畑の何とも美しかったことか、映像美の魅力に惹き付けられた作品だった。
三谷監督もこの映画用語を知った事で、興味を抱き、そこから内容を考えていったと語っていた。
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前出の「天国の日々」とは似ても似つかぬコメディに仕上がっており、終始大笑いしてしまった。三谷組とでも云うべき、役者陣も勢揃いしており、カメオ出演している役者も楽しみながら参加している様子が伝わってきた。撮影中に市川崑監督が亡くなってしまったのは非常に残念だったが、映画を撮っている姿がこの映画に残された事はファンには嬉しい限りだ。

そして、何よりも此の映画が素晴らしかったのは、初めて喜劇を演じた佐藤浩市の凄さだろう。役者と云う仕事って凄いんだなぁとつくづく感じさせられた。
僕は全編笑い転げてしまった程だが、もうこの一場面だけでロードショーで見る価値があるナと思ったシーンがある。酒場で敵のボスと鉢合わせする場面での佐藤浩市の演技は最高に面白かった。

昔、大友克洋の漫画「ショートピース」の中で、四畳半程の部屋に新年会で四人が集って居るのだが「実はオレ宇宙人なんだよね」ってシーンが有ったのだ。それを思い出しちまって、暫く他のプロットに移っても佐藤浩市の演技を思い出して、笑いが止まらずに困ってしまった程だ。

是非この映画で、とんでもなくクレージーな佐藤浩市を観て欲しいモンです。
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先日、そんなマジックアワーな時間に大門で打ち合せが終わったので、一緒に居たライターのモリンコさんと共に一杯やりますか、とふらりと都営浅草線に乗り荒川を越えたのだった。
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立石に降り、迷わず「宇ち多”」へと向かったが、既に沢山の人が並んでいた。

それでも、30分も待たずに席に着く事が出来た。久しぶりの鏡下の席。
この日が初宇ち多”と云うモリンコと梅割りにレバ生塩を戴いた。ツル、てっぽうは既に終わっていたが、脂少ないとこ良く焼いてタレで頂き、煮込みも間に合った。
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二人で3杯づつ吞み、八広の「丸好酒場」へと移動したら、ナント休みだった。体力的な問題なのか、週4日営業に変わっていた。ちょっと、心配だナ。

まぁ、仕方ないと夕暮れ時の曳舟川通りを散歩しながら、「岩金酒場」の暖簾をくぐる。

此処は四方一面を蔦に覆われており、古き良き昭和の香りが漂っている居酒屋だ。陽が沈みかけた群青色の空の下、その建物は風に揺れる暖簾を引き立たせて、自ら存在証明を誇示しているようだ。隣家も取り壊されて仕舞ったので、本当にポツンと佇むと云った雰囲気だったナ。
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思わず、二人ともシャッターを切っていた。

暖簾をくぐり、ガラリと戸を開けると優しい笑顔の姉妹がカウンターの中から「いらっしゃい」と声を掛けてくれるのだ。
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先ずは居酒屋の定番メニュー、ポテトサラダをアテに焼酎ハイボールを戴く。

グラスに注がれた焼酎は既に此処独自のブレンドが施されており、炭酸の効いたソーダが横に置かれる。
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氷無しにすれば、ソーダ1本が丁度良くグラスを満たしてくれるのだ。曳舟、八広、立石と京成沿線の酒場では何処の店もそれぞれの味を誇るハイボールが有るので、コレを呑み歩くだけでも実に愉しい散歩になる訳だ。

カウンターに座ると、正面には食器棚を覆い隠すかの様に沢山の短冊が貼られている。
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ほら、昭和にワープだ。

ハムカツ、あじフライ、鯨ベーコン、豚モツ煮込みと下町の居酒屋定番のメニューがずらりと書いてある。此れからの季節は、煮こごりや冷やしトマトがビールのアテに最適だろう。
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ウィンナーもお約束通りにカットされていて嬉しい限り。
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モリンコさん、頭のてっぺん怪我してるけど、大丈夫ですか?
昔から、このお方は酔っぱらってはドコかしらにカサブタ作ってたからねぇ。まるで、マジックアワーが過ぎた後の満月の様なアタマだね。

良い気分になってきた。
この後、新橋「ぼんそわ」へ行きレモンサワーで楽しんだ。

渋谷「Non」ではビールで乾杯。
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「田神バー」とハシゴして、「ビブラビ」、「マルクス」と駄目押しで吞んだ。さすがに七軒もハシゴ酒すると酩酊する。ぼんそわ以降の記憶がまるで無し。

屋根裏の酒場マルクスがこの日が最後の営業だったのだが、人、人、人で大盛況だった様子。でも、誰に会ったかもまるで覚えていない。
あぁ、参ったネ。

タボちゃん、楠林さん、マルクスお疲れさまでした。次もまた良い酒場を作ってくだされ。
by cafegent | 2008-06-24 17:24 | 飲み歩き