週末は神田、恵比寿、立石、祐天寺と酒に彷徨う。
2008年 09月 29日
「兵六」の暖簾をくぐれば、酒友の矢野寛明師にひとみ姐さんがカウンターで既に吞んでいた。僕はテーブル席に腰を下ろし、お通しのひじきをアテにさつま無双を呑む。白湯で割る焼酎は口当たりが良いねぇ。
カウンターを見渡せば、ずらりと見た顔ばかり。皆、前日にも一緒に呑んだばかりだったネ。
友のさし入れてくれた
林檎ひとつ
掌にのせると
地球のように
重い
壷井繁治
プロレタリア詩人の壷井繁治は、その活動や詩の内容から、何度も投獄された作家だ。この詩もきっと獄中で詠んだのだろう。うーん、一杯の無双がグッと重く喉を通った。
神田を後にして、恵比寿横丁へと向かった。博多屋台「純ちゃん」へ入ると隣の席に偶然ヤマジュン君が居た。彼は一時期僕の処で仕事をしていた事があったが、今の方が元気良さそうだネ。良かった、良かった。
そんな処へ神田からひとみ姐さんが戻って来た。
土曜日は肌寒い秋風が吹いていたが、天気は良かったネ。
10時20分頃、立石駅に着くといつもの眠り猫君が珍しく起きていた。
もつ焼き「宇ち多”」の前へ行くと酒仲間のイシワちゃんが友達連れて早々と並んでいた。
雑談に花が咲き、そんなこんなの待ち時間が実に楽しいのだ。
この日は、また随分と宇ち多”仲間が集った。奥の席があっと云う間に塞がってしまい、立石の重鎮イシさんは、セイキさんと共に真中の卓だ。イシさんが着物の親爺さんの前に座る光景も珍しいナ。そして、宇ち多”のマドンナあいちゃんと岩崎弟コンビは、なんと鏡下。想えば、宇ち多”初心者の頃は、廻りの古株たちから「先ずは鏡下3年からだナ。」なんて云われたものだ。今、こうして普通に一番奥の卓に座ってるのが不思議なくらいだ。
タン生をアテにビールで喉を潤し、梅割りを戴いた。
「カシラ素焼き若焼きお酢」に「アブラ少ないとこ良く焼いてタレ」を追加し、満足。行列が切れない様子なので、早々にご馳走さまだ。
外へ出るとあいちゃん達が次の店へ向かうところだ。
午後から原宿で髪を切る予定が有ったので、僕だけ早々に引き上げた。
ハテ、皆はその後何処へ流れたのだろう。彼等の事だから、あと2、3件はハシゴ酒だろう。
さっぱりと髪を短くカットして、気分一新だ。夕方、ひとみ姐さんも仕事が終わったらしく、祐天寺の「ばん」に誘われた。
日が暮れるちょいと前の空が一番美しいネ。
相変わらず、此処も混んでいたが、いろんな席に知った顔が居たナ。トンビ豆腐をアテにレモンサワーが美味い。暫くすると、徐々に皆が同じ席に集り出した。こうやって、自然に呑んべい達が集う訳なのだナ。
大いに吞んで騒いで、祐天寺駅へ向かうバス通りを歩く。