東京だからこそ出会う人や店をつれづれなるままに紹介


by cafegent

2012年 05月 08日 ( 1 )

       田一枚植て立ち去る柳かな

この季節になると、松尾芭蕉が詠んだこの句と共に日本画家・小野竹喬が描いた「奥の細道句抄絵」の中の一枚が浮かぶ。
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西行の辿った道のりを芭蕉もまた俳句を通じて歩いた。栃木県の那須芦野にて、芭蕉は暫しの間柳の下で田植えに励む早乙女の姿を眺めていたのか、はたまた一緒に田に入り田んぼ一枚に苗を植えたのだろうか。
それは、芭蕉本人しか知り得ぬことだが、俳句は詠み手が素直に思い描く解釈で良いのだナ。

僕は西行さんが「芭蕉よ、そう先を急ぐな。この長閑な時間を与えられたのだから、早乙女が一枚の田を植え終わるのを眺めながら過ごせよ」とでも云ったか云わないか、芭蕉の脳裏に囁いたのだと思うのだ。

一昨年の春、小野竹喬生誕120年の展覧会にて「奥の細道句抄絵」全10作品を間近で観ることが出来たが、本当にどれもが芭蕉の句を豊かな心象で表していたナ。
     ◇         ◇          ◇
閑話休題。
5月5日の子供の日、東京は青空が広がり、暖かい陽気になった。
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この日は昼から駒沢公園の自由広場にてピクニックにお誘いを戴いた。大岡山から二子玉川に出て、そこから渋谷方面に戻ったのだが、間違って急行に乗ってしまった。駒沢大学駅を通過して、三軒茶屋へ。トホホと思いつつ、何喰わぬ顔で反対の電車に乗り換えた。
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公園の木の上では、四十雀のつがいが子育ての真っ最中だった。
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野鳥も人も家族仲良くが一番だネ!
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建築家の山本健太郎さんと音楽家ヲノサトルさんが仲良しだったことを最近になって知った。
偶然にもお二人ともに知っていたので、なんとも驚いた訳でアル。
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さぁ、ヲノさんの乾杯の音頭で酒宴のスタート!
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子供たちは元気一杯に遊び廻り、僕たちは大いに酒宴を楽しんだ。

僕は、カミサンお手製のレバーパテと武蔵小山のパン屋さん『NEMO』のバタール、そして赤ワインを持参。
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ヲノさんは重箱に沢山の手料理を詰めて来てくれました。これが、本当に美味しいのだ。鍵盤以外に料理の腕も見事なのだネ。
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元秋元屋冷蔵庫前改め、荻窪『やきや』のユリちゃんは、手作りのスモーク玉子などを持って来てくれた。
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青空の下では、本当に何もかもが美味しい。
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音楽家の奥慶一さんが持って来てくれたジンも最高だった。

ハードボイルド小説の名作「深夜プラス1」は、主人公のケインと相棒のハーヴェイが命を狙われながら富豪の実業家をある時刻までに護送する話だ。

アルコール中毒のガンマン、ハーヴェィ・ロヴェルは、マティーニの作り方について実に洒落た事を言っていた。

グラスがうっすらとくもるていどに冷やすのだ...凍らせてはいけない。凍らせるとたいがいのものは一応うまく見せかけることができる...
くだらないオリーブやオニオンは入れない。ただ夏の薫りだけなんだ
(ハヤカワポケットミステリー/菊地光訳)

アル中で、何年も酒を断っているハーヴェィが云う台詞だけに、実に胸に沁みるのだナ。
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木漏れ日の下で、ジンをグラスに注いだ。ただ夏の薫りだけでステアしたジンは、ハーヴェィが何年も飲んでいないマティーニの味だろうか。

ピクニックではビールやワインが常だが、時にはジンも良いネ。
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この日はボサ・ノヴァ好きの高木クン夫妻を始め、ボサノヴァの弾き語りをするミチさんも参加。
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建築雑誌の編集者の三紀さんは、ユリちゃん持参の一升瓶ワインを独り占めでしたナ!(あっ、今は広告営業だそうな。スイマセーン)
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う〜ん、ボトルを抱えてもチャーミング!
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ライターの水谷美紀さんなど沢山の方々も参加してくれましたナ。帽子がお洒落でした!
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子供達はTシャツと同じ色のアイスクリームを舐めてましたネ。
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しかし、吞んだくれが集まると凄い。持参した酒が総て空になってしまったのだヨ。
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日が暮れる前に撤収したが酒宴はまだまだ続いた。

皆さんと別れた後は、一人恵比寿のバー『TRACK』にお邪魔してハイボールを飲んだ。
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朝目が覚めたら左腕が腫れて、擦り傷が出来ていた。
高木クン曰く、タクシーに乗る前に生け垣に転げていたらしい。だが、まるで記憶が無い。そして、案の定お気に入りの帽子を紛失していた。トホホのホな休日であった。
by cafegent | 2012-05-08 13:18 | 飲み歩き