東京だからこそ出会う人や店をつれづれなるままに紹介


by cafegent

2012年 10月 30日 ( 1 )

明日10月31日はハロウィンだネ。以前住んで居た白金台では外国人居住者が多く、玄関先に大きなカボチャをくり抜いた「Jack-O' Lantern」(ジャック・オー・ランタン)を魔除けとして飾っていたが、武蔵小山周辺では殆ど見かけることはないナ。
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欧米では子供たちがお化けや魔女等に扮して近所の家々を廻りながら訪れて「Trick or Treat !」と言って歩くのだ。トリック・オア・トリートとは、「お菓子をくれないと悪戯するよ!」と云う意味だ。

だが、最近は事情がチト変って来たようだ。貰ったお菓子類に何が混入されているか判らないし疑わしいとの理由から親たちは子供が貰ってきたお菓子を食べてはいけないと躾けているそうだ。

数年前までは、僕もハロウィンが近づくと馴染みのクラブやバー等で催される「Halloween Party」に仮装して参加していたが、今じゃすっかり興味が薄れてしまったのだナ。
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    ハロウィンの南瓜が嗤(わら)う山手かな  八十八

     ◇         ◇         ◇
さて、夕べは目黒からまっすぐ神保町へ出た。

地下鉄の階段を昇ると秋の空はまさに日が沈もうとしていた。この時季の夕陽は「釣瓶落とし」と云われている。井戸の底にストンと一気に太陽が沈むからだネ。そして辺りの景色は、井戸の底の様な漆黒の闇となるのだナ。

暦では「霜降」を迎え、昨日は近畿地方で木枯らし1号が吹いた。

喫茶『さぼうる』の前の路地にも冷たい風が通り抜ける。秋の虫も寒いのか鳴く声が聞こえなかった。

いつもの酒場へと向かう途中に有る画廊『アートスポット・ラド』にて寄席文字書家として活躍する春亭右乃香さんの個展「だいじなかんじ」展が開催されていた。
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先週の土曜日、神田古本まつりに立ち寄った際にはまだ設営中だったので、昨日訪問した次第だ。

「寄席文字」とは寄席や落語会などで噺家の名前を紹介する「めくり」に書かれる文字のこと。

様々な書体で書かれた漢字が白い額に納められ、凛とした雰囲気を醸し出していた。今回はあえて寄席文字ではタブーとされている「かすれ」文字での作品も展示されている。
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春亭右乃香(しゅんていうのか)さんは、早大落研出身だそうだが「話すのが苦手」ともっぱら寄席文字を手掛けていたらしい。そして、’87年に橘流寄席文字家元の故橘右近さんに弟子入りし、既に25年のキャリアだそうだ。浅草の寄席「木馬亭」などの「めくり」で彼女の筆耕を観ることが出来るらしい。

個展は入場無料。来月4日まで開催しているので、是非落語好きな方も神保町好きな方も是非ご覧頂きたい展覧会だ。

作家にもお会いしたが、実に物腰の優しい女性だったナ。何かの折には是非、文字を書いてもらいたいものだ。

さて、素敵な書を拝見した後は、いつもの酒場『兵六』へお邪魔した。
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この日も馴染みの面々がコの字のカウンターを囲んで酒を酌んでいる。
いつもは瓶ビールから始めるのだが、宵寒の風にあたったので、さつま無双のお湯割りを頂戴した。
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お隣には酒朋の丸口屋舌波(まるくちやぜっぱ)さんが先客で来ておられた。掌中(しょうちゅう)人形作家でもある舌波さんが、新作の人形作品を持参しており拝見させて頂いた。
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往年の名噺家を手掛けた作品だったのだが、ほんの十数分前に素敵な寄席文字を観たばかりだったので、正にグッドなタイミングでアル。

こちらは、古今亭志ん生師匠だネ。
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前回の作品よりも顔の部分だけ少し大きくなっており、より個性的な噺家の表情を捉えた作品に仕上がっていた。
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そして、こちらは、ご存知六代目三遊亭圓生師匠だ。
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で、三人目は黒門町こと、八代目桂文楽師匠。

どれも手の中に入る大きさだから掌中人形。あと十数体完成したら、また作品展を開催するそうなので、こちらも楽しみでアル。

あぁ、久しぶりに黒門町の「愛宕山」が聴きたくなったナ。
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兵六自慢の餃子は皮から此処で手作りされており、その口当りと味は酒のアテにぴったしだ。

無双の白湯割りでほっこりとし、店を出た。ご馳走様でした。

夕べは酒場一軒に抑え、家に戻った。
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板わさをアテに越後の純米酒を呑む。
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福島に住む友人、呑み師さんから届いた酒「あさ開」を燗酒で酌む。
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ぬる燗より熱燗が旨い酒だったナ。あぁ、幸せ!

パルム商店街の北海道物産ショップにて、昔懐かしいベル食品の「華味ラーメンスープの素」を見つけたので、カミサンにキャベツたっぷり肉たっぷりの醤油ラーメンを作って貰った。
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家ラーもたまには良いものだネ。

今夜は、満月だが昨夜は一段と美しい月が浮かんでいた。
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少しだけ欠けた十三夜の月も趣があって素敵だが、まぁるい月も秋の夜長の酒に良いものだネ。

「東京新聞」春亭右乃香さん個展紹介の記事
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by cafegent | 2012-10-30 15:18 | 飲み歩き | Trackback | Comments(0)