








さて、クルマに乗らなくなって何年か経つが、最近は多少健康の事も考えて一駅二駅の距離は電車やバスも使わず足で歩く事にしている。
音楽家のハルキさんがいつも何処へ行くにも歩いているって聞いてから、妙に気になり出してきて僕も歩き出すようになったのだ。
今では、朝は自宅からオフィスまで25分、仕事が終わるとオフィスから渋谷まで40分程度歩くようにしている。当然、渋谷の『Non』や青山『なるきよ』や『マルクス』あたりで呑んでいても帰りは家まで30分歩いている。
たまにブタドクロと二人で呑んでいて、終電が無くなり仕方なく歩いて帰っていった事もあったが、いざ自分から前向きに歩き始めると日々どんどんと調子が良くなるのである。
奥田秀明の小説「イン・ザ・プール」の中でプール水泳にハマってしまい中毒症状に陥ってしまう話があったけれど、ほぼそれに近いのかもしれない。
時間の許す限り歩きたくなるのだ。休みの日などは家からジムまで歩き、ジムで筋トレして、また家まで歩く。
日々の行動パターンの中で、ちょうど40分か60分になるような道順を考えてみる。しかし、その大半がオフィスから飲み屋までの道のりなのだが、それもまた良し。
昨日は目黒のオフィスから恵比寿経由で表参道まで歩き60分ぴったしでゴールドジム到着。筋トレ後は銀座線にて新橋へ。駅前のビルではもう屋上ビアガーデンをやっていた。



『ビアライゼ ’98』を出たあと、無性にフレンチが食べたくなり代々木の『ダルテミス』に向ったら、なんと灯りが消えている。なんと毎週火曜が定休日だったのだ。火曜定休って珍しいよねぇ。
松濤の『Labo』も海外仕入れ中とかで休みだし、松見坂の『ボラーチョ』に行く事にした。



道玄坂を下りのんべい横丁の『Non』へ移動。隣の『莢』が改装中で閉まっていると思ったら、もう新装開店していた。帰ろうかと思ったが『立ち飲み なるきよ』のケースケ君が一人で焼酎を呑んでいたので、ここでもう一杯呑んで行く事にした。

森さんが『ミコノス』に移動すると云うので『莢』を出た。外は少しだけ風が吹いていたので心地が良い。
ならばと、ここから約30分。また歩いて帰ることにした。
昼メシを兼ねて郵便局まで請求書を出しに行ったのだが、オフィスから郵便局に行く途中には歴史ある「大鳥神社」が在る。
全国の神社では毎年6月の晦日(30日)になると一年の半分が終わり、お祓(はら)いをする『夏越の大祓』(なごしのおおはらえ)と云う行事がある。氏子が茅(かや)で編んだ大きな輪『芽の輪』(ちのわ)を歌を唱えながら3回くぐって抜けてお参りをするのである。


ウチのオフィスの近くにある「大鳥神社」でも毎年6月30日の『夏越の大祓』と12月31日の『年越しの大祓』の行事が執り行われるので今年後半もなんとか乗り切りたいと思っている方々は是非行ってみてはどうか。

先週末は梅雨の真っただ中だと云うのに外は日差しが強くうだるような暑さだった。








夕方になっても外はまだ暑さ厳しいのだ。汗カキ王子は、日陰でビールを目指して渋谷『730』に逃げ込み生ビールをまたもゴクリ。


女主人の新堀ちゃんも元気そうでなにより。



夕方『730』で過ごしてから、この日はゆる〜く過ごしたくなってきた。恵比寿駅を越えてテクテク歩き、八重山の風が吹く『マンタ食堂』へ移動。小さな店なので、入れないかと思ったら外のデッキの方々が「ここ空くから、ちょっと待っててねぇ!」と嬉しいおコトバをかけてもらう。
『マンタ食堂』は石垣出身の方々で切り盛りしていて、実にアットホームな海の家的酒場である。トイレの中にはしっかりと永山尚太の「ありがとう」のフライヤーが貼ってあった。嬉しいなぁ。聞けば、尚太とは別の所で結構会っているそうだ。
近々、ブタドクロを連れて来てきてあげなくてはなぁ。
八重泉の水割りにテビチを焼いた「スパイシーテビチ」「ゴーヤチャンプルー」それに豚モツの「中身汁」をお願いする。




さて、歩いて帰るとするか、と外に出ると足元がガクッとふらついた。またもや怪我はたまらんと、ここん所深酒は控えている筈なのになぁ。あぁ、そうか、そのせいか。朝のジムでバーベル・スクワットやり過ぎた事を思い出したのだ。トホホ。
ここ数年、夏至と冬至の夜に「100万人のキャンドルナイト」と云うイベントが開催されており、今日も全国津々浦々で明かりを消してキャンドルを灯す人たちが大勢いる事だろう。
僕も芝公園で催される「東京八百夜灯」なるイベントに行って見ようかと思っている。ここは、東京タワーのふもとにある公園だから20時から開始される東京タワーの消灯も目の前で観れる訳だ。消灯直前になるとカウントダウンが始まり、集まった人たちもかなり盛り上がってくる。
それまでに雨が上がってくれると良いのだが。
「100万人のキャンドルナイト公式ホームページ」
こう日が長くなってくると夕暮れを待たずに酒が呑みたくなるってもんだ。
しかし、どうしてこうお天とうさんが出ているうちから呑むってのは気持ちが良いんだろうねぇ。
新橋で用事を済ませ時計を見れば午後1時半。
腹もかなり減ったので、愛宕の慈恵医大のすぐ近くにある鰻の老舗『ての字』に立ち寄ってみた。
さて、今日は何を頼もうかと考えていて、そう云やぁ最近地方の仕事先から重箱のスミをつッ突くようなムカつく事をされたのを思い出し「お重は駄目だ、縁起が悪い、辞めとこう」と勝手に解釈し、うな重は辞めてみた。そこで、鰻をザク切りにしてご飯にまぶす「信長丼」を食べる事にした。
向いに座った爺さんも麻のスーツに山高帽でお洒落をしているが、年金生活を楽しんでるんだろうか昼間っから美味そうにビール呑んでる。その後ろでは熟年夫婦だろうか、二人で楽しそうに鰻を食べていた。


最初の一口は細かく刻んだ海苔とうなぎをご飯と混ぜて戴くのである。で、それ以降はテーブルに置かれている刻んだ長ネギをドバっと乗せ、タレをかけてかき込むのである。むふふ、ビールを我慢しても十分満足な昼飯だった。
日がまだ長い夕方、地下鉄に乗って南千住まで出てみた。
南千住の駅を出るとすぐにあるのが「大坪屋」。





泪橋を越えてすこし歩くと今日のハシゴ始め『大林』だ。


入口の戸も開いているので、窓から風が抜けて行く。夏が近づいている気配を感じるなぁ。煮こごりをアテにキンミヤをもう一杯。この季節は煮こごりがイイね。フランス料理屋のコンソメの冷製ジュレなんつーのも夏の定番だが、大衆酒場の煮こごり最高でありんす。さて、ここは2杯で切り上げてお会計950円也。ぐふふ。
『大林』を過ぎて少し行くと自家焙煎珈琲の名店『カフェ・バッハ』がある。



泪橋まで戻り、そこから明治通りをひたすら歩き隅田川を渡ることにする。この3、40分の徒歩が次の酒を美味くする心掛けなのだ。白鬚橋を渡り東向島の交差点を左へ水戸街道をずんずんと進んで行く。


しかし、この日は迷わず決めていたのだ。心地良く汗をかいたところでハシゴの二軒目『丸好酒場』に到着だ。雨がぽつりぽつりと降り始めてきたがタイミング良く濡れずに済んだ。


煮込みの丸鍋の前のカウンターに座るとその空き瓶が割り箸に変わるのだが、なんとも合理的な計算方法だよなぁ。〆て900円、満足なのだ。外に出るともう雨も上がっていた。雨に濡れた車道にヘッドライトの灯りが美しい。
さてと、京成八広駅から新橋『へそ』に向うとするか。
最近、観よう観ようと思っていた映画や展覧会も手帳に書き忘れたりして気がつけば終わっていた、なんて云う事が多くなっている。単にボケ度が増しただけなんだろうが...。
そんな矢先、渋谷のんべい横丁の『Non』で会った友人トダカ君が雑誌社の依頼で会田誠さんと仕事をするかもしれないから明日の最終日に観に行く、とゆー訳で僕も展覧会のチケットをいただいた。

10時開館なので、早々に入ったのだが、結構人が来ていたんで驚いた。平日だからって、余り関係がないんだね。

「ミヅマアートギャラリー」
今回の展覧会でもそのほとんど漫画な作品が展示されていたが、東京藝大で油絵を学び、絵の基礎がしっかり出来ているからこそ、の成せる技なのだ。その時ギャラリーの一階に一際大きな作品が飾られていて強烈な印象を醸し出していた「オオサンショウウオ」も今回展示されていた。映像作品や自身の作品に対するイコン化に於ける実験的考察はかなり面白い作品だったが、これらを観る限り「会田誠」そのものが既に存在芸術になっていると思う。
「会田誠プロフィール」
以前、三潴さんから会田誠率いる「こたつ派」の作家を教えてもらったのだが、その中の一人が山口晃だった。最近ではテレビCFのマナー広告や日本橋三越100周年のポスター等で急激に認知度が増している感があるが、会田誠の作品に観られるシニカルで過激な程のパロディ、引用とは対照的に山口晃の作品は狩野派の屏風絵等へのオマージュや江戸から昭和への日本文化風俗的要素を含んでおり、それが時空を越えていて、楽しく拝見することが出来る作品が多い。
「山口晃プロフィール」
二人とも1960年代の後半生まれだが、少年マガジンやサンデーに始まり、アニメ文化真っただ中の時代に育っているのだから、彼らの作品の描き方などに漫画、劇画、アニメ的な部分が肌に滲みているように感じたのだ。だが、それでいて、ひたすら真面目に美術を勉強してきたのだなぁ、と思える程真剣に作品に取り組む姿が絵から伝わって来た。アナーキーな作品を放っている様で、実はとっても真面目にアートに取り組む姿勢を感じた展覧会だった。
「上野の森美術館のサイト」
みんなに観てもらいたかったのに、行くのが遅くて相済まんこっテス。

トダカ君と二人で、このまま上野のガード下で一杯やりたい気分に見舞われたが、午後に打合せがあったのでグッと我慢で電車に乗ったのだった。

事故現場の真向かいで営業している『グラニテ』はどうやら無事だったらしいけど、近頃思いもよらぬ事故や殺人事件が日常茶飯事で起きているので、他人事では済ませられない時勢になってきているなぁ。
お亡くなりになった方のご冥福を心よりお祈りする次第。合掌。
さて、前の晩「煮込みや なりた」でガツンと肉料理を食べたのでこの日は魚をアテにさっぱりと一献やることにした。
で、場所は恵比寿駅近くの『酒蔵 丸福』へ。

最初は『さいき』にしようと思ったのだが、地下鉄で配布する「メトロミニッツ」をめくっていたら『さいき』が紹介されていて火曜は常連の日とか書いてあったので、きっと混んでいるだろうなぁと躊躇してしまったのだ。

まずは、冷たいビールにかんぱちの刺身とマテ貝焼きを頼む。


夏も近づき、今が旬のアオリイカが食べたいと思ったが、この日はスルメイカが入っていた。スルメイカも夏が一番美味しい時期なので、迷わず刺身を頂いた。運んできたオバちゃんから「今日のイカいつもより値が張るけどごめんねーっ」と出されてから云われてしまった。

2軒目は『居酒屋 久美』でもう一杯といこう。
まぁ、「にべもなく、キッパリと」と云う意味に使われるのだが、僕はずっと「剣もほろろ」だとばかり思っていて、凄いと思っていた剣先がいとも簡単にホロロと欠けてしまう、との意味だと勝手に解釈をしていたのである。(しかし、僕と同じ見解の人もかなりいるみたいだ。)
ところが、これがまったくもって違っていたのだった。
江戸時代にこれに似た「つっけんどん」と云う言葉の慳貪(けんどん)とキジの鳴き声が愛想悪さげで「ケーン、ケーン、ホロロロロ〜」と聞こえることから、「けんもほろろ」と云う言葉が生まれたのだそうだ。
しかし、こーゆー事をちゃんと調べている人たちは偉いねぇ。
ほんと!凄い限りです。
「科学技術のアネクドート/けんもほろろ」
それで、だ。
最近良くこの「けんもほろろ」に断られる店が多くなった気がするのだ。
青山通りのスパイラルビルの脇の路地を入ったピザ屋に入ろうと思った時には、「ウチは、予約も無しじゃぁ、無理ですよ!!」って、まるでこちらがお伺いを立てなくては駄目なくらい高飛車な態度で断られてしまったのだった。
で、無性に腹が立ち(じゃなく)腹が減ったので、恵比寿から白金台に向う途中にあるピッツェリア『パルテノペ』にタクシーすっ飛ばして行ったのである。ほーら、ここは、ちゃんとしていた。
「予約が一杯で多少待つ事になりますが、何とか席を作りますね。」と言ってくれたのである。嬉しいじゃないか。こっちだって幾らでも待ちますよ、って気になるのだ。
「つっけんどん」のピザ屋は、東京ミッドタウンにも出店していたが、ますます勘違いしなければ良いが。まーどーでもいいけど。
中目黒から祐天寺に向う角にあるもつ焼きの『源』も「今日はもう見ての通りダメですねーッ!!」って、「けんもほろろ」に断られ、歩いて『ばん』に行き、おもてなしの暖かさにグっと来たのだった。『源』は、祐天寺の「忠弥」と「ばん」を足して2で割ったような、味は良い店なのだが、あの入口での対応は無いだろう、と思うくらい冷たい態度だったなぁ。
少なくても「すいませんねぇ、わざわざお越しいただいたのに。次回は先にお電話でもくださいな」ぐらい言ってだなぁ、店の電話番号でも教えてくれれば良いのだが。
例えば、青山『立ち飲み なるきよ』や恵比寿『ほりこし亭』などは、数在る店の中でわざわざこの店に足を運んでくれたんだから、何とかしてでも席や場所を作ってあげよう,って言う思いやりが感じられる。
だからこそ、こっちだって狭い中でだって、彼らに感謝しながら呑んでいるのである。そーゆー店は自然に足が向くよなぁ。
まぁ、中には店そのものが小さすぎて、なお且つ大人気の名店だから急に思い立って行っても入れない事もある。代々木の駅近くにあるワイン・ビストロの『煮込みや なりた』なんぞがそう云う店だろうか。
先日も8時半頃に美味いフレンチが喰いたいと思い立ち代々木まで行ったのだが、まるでフレンチ料理店の人には見えない、そうだなぁ昔バンドやってました的なフロア(カウンターのお客さんに、じゅんさんと呼ばれていた。)の方に「今日は無理ですねぇ。」とけんもほろろに言われてトホホとなった次第。でも、そのあとここを知っている友人のみんなから「あそこは、狭いからちゃんと電話してからじゃないと駄目だよ」って言われてしまい、「なるほど、そうなのか」と実感した次第。
だが、しかし美味いものは頭に浮かんでしまうとどうしても食べないと気が済まないタチなので、昨日はちゃんと席を確保してもらい美味いワインと料理を楽しむ事が出来たのだった。(当然、予約をしたのだが。)
数日前に「けんもほろろ」に断られた事も忘れて、キンキンに冷えたビオワインの白をお願いした。







そしてさりげなく用意されるカトラリーもクリストフルの銀食器だったりするのだ。
こんな店が街の名店なんだろうなぁ。あぁ満腹で満足だ。
シェフのなりたさんも気さくな方だし、あの店の忙しさを目の当たりにすれば、この前入れなかったのも十分理解出来た。
次回も「けんもほろろ」に断られないよう、また予約をして来るとしよう。



それにしても、『丸好酒場』はここ最近僕が一番通っている居酒屋じゃないだろうか。こんな居酒屋を自分の家から数分の処に探したいものだ。
以前、「センセイの鞄」と云う、キョンキョン主演のドラマを観たが、彼女が仕事帰りに立ち寄る居酒屋がとてもイイ雰囲気で、あーゆー「行き着け」が近所に欲しいのである。
さてと、八広の駅をまたぎもう少し東墨田の方に行った処に在る『伊勢元酒場』にて、もうちっとばかり呑む事にした。

日没前のまだ明るい時間に呑む酒は数杯でアタマがホケーっとなってくるが、そんな時間でも馴染みの常連さん達がもういい感じで酔っぱらっている。


この店の壁には、「つもりちがい十ヶ条」なる訓示が貼ってあるのだ。
これが、また実に「言い得て妙」なんである。

高いつもりで 低いのが 教養
低いつもりで 高いのが 気位
深いつもりで 浅いのが 知識
浅いつもりで 深いのが 欲望
厚いつもりで 薄いのが 人情
薄いつもりで 厚いのが 面皮
強いつもりで 弱いのが 根性
弱いつもりで 強いのが 自我
多いつもりで 少いのが 分別
少いつもりで 多いのが 無我
そのつもりでがんばりましょう
おぉ、これって、僕に云っているんだろうか。
ようやく足のケガも回復の兆しを見せていることだし、当分は慎ましく、大人しく呑む事に決めたばかりだからなぁ。
「えっ、それでも呑むのか、大馬バカ者が」って云われそうだが、どーにもこーにも禁酒は10日が我慢の限界だった。
このバカたれは、「呑んだつもり」すら出来ないのである。トホホ。

昔懐かしいエポック社の「魚雷線ゲーム」を持参してきたので、仕事を早々に切り上げて二人でゲームにハマってしまった。これ、たしか僕が小学生の頃に流行ったんじゃなかったっけ。


最近では、魚や鳥をモティーフにした動くモビールなどを制作して展覧会を開いたり、子供たちのためにペーパー・クラフトの面白さなどを広める活動などを積極的に繰り広げている。
今回は5月末に東京ビッグサイトで開催された「デザインフェスタ」に出品する為に限定で300体制作したフィギアとの事で、僕もソク買いしてしまったのである。

当分、どこに行くにも『箱犬パピー』は欠かせないフォト・アイテムになりそうだ。「箱犬パピーのサイト」
で、早速先日池袋の中華料理店『永利』にパピーを連れて行って来た。

ここの名物「東北醤大骨」(ジャンダーグゥ)なる肉料理は、韓国鍋のカムジャタンに入っている豚の背骨を醤油ベースで煮込んだ物だが、骨をしゃぶりながら食べるコレはビールにも合うし、ここの名物だろう。
但し、これ夜からメニューなので、この日は昼だから「酢豚」を注文。

さっぱりと酒のアテにぴったしなのが、シャキシャキとしたジャガイモの千切りを辛く合えたモノ。これ、とびきり辛いが酒に合うのである。

他にも新宿『随園別館』の名物でもある「野菜の五目炒め玉子焼き乗せ」を中国クレープで巻いて食べる料理や「目黒菜館」の人気料理「羊肉のクミン炒め」もオススメだ。
ここは一皿の量がかなりボリュームがあるので大勢でワイワイと来ると良い。いろんな日本に馴染みの薄い本場料理を楽しめる店だ。毎回、違う料理を頼みたくなるほど興味をそそる店だ。酢豚がヘビーだったので、〆は「羊の水餃子」を頼んだら、これまた量が多かった。

ところで、壁に貼ってある手書きのメニューの中に「狗」と云う字が入るモノがあるのだが、たしか中国語で「犬」である。はたして、犬料理なのだろうか、とっても気になってしまったので、次回頼んでみようと思っている。
そう云えば、芝大門のエロ爺ぃの『味芳斎』の店内の棚には犬の缶詰が置いてあったっけ。



「ぃよっ、杏子ッ!!」「よっ、まり恵!」ってな具合で実に粋なのである。
第83回の記念すべき150周年は4日間で計12回の公演であったが、今回は人気があり、僕はなんとか最終日の千秋楽を観る事が出来たのだ。

前の回が終わるまで新橋演舞場の外で待っていたのだが、結構知り合いに多く会って驚いた。
日産の前で信号待ちをしていると、はて何処かで見た顔が来る。あれっと思い声を掛けたらバンコクに居るものとばかり思っていた服飾デザイナーの小栗壮介さんだった。以前、タイのお宅で世話になっていたので、その頃の話をしつつ信号が青になり、「で、どこまで行くの?」って聞かれ、「そこの東をどりを観に」って云うと「いやぁ、僕もなのよ」と同じ所へ向う途中だったのだ。それにしても流石、紺のスーツをお洒落に着こなしていたなぁ。
会場前では、銀座を代表する高級料亭『金田中』の2代目で新橋演舞場のある岡副昭吾社長が馴染みのお客と挨拶を交わしておられた。ぞくぞくと文化人、財界人が黒塗りの車で来場し、新橋芸者と料亭の凄さを目の当たりに出来るのも僕ら一般人にとっちゃ、これもまた年に一度の楽しみなのだ。
そんな中、銀座の高級店「クラブ クラブ」の金澤京子ママ姉妹にも声を掛けられた。最近、顔を出していないから、ドキっとしてしまう。
さて、会場に入り、まずは2階の「点茶席」にてお茶菓子を貰い、さより姐さんの点前によるお抹茶を頂く。


満員御礼の会場では様々な方を拝見した。白髪の怪人、いや失礼、戦後ボリショイバレエ、ボリショイサーカスやレニングラードフィルを招聘して時の人となった興行師の神彰さん。(それにしても、この人の風貌はいつお見かけしても死神博士だ。)ソニーの出井さん、俳優の宇津井健さんもお見かけした。(でも、前日は藤原紀香の披露宴で関西に行っていたのに。タフだなぁ)
途中30分の休憩をはさみながら、前半は「四君子」、後半は「お好み 芸者の四季」そしてフィナーレは艶やかな「花の賑い」で締めくくった。
花道に立つ芸者さんたちが最後に客席に向って投げる「東をどり」の手拭も人気で良い記念品になる。最後に各料亭の女将さんたちと芸者さんが一堂、舞台の上に勢揃い。新橋芸者の7代目頭取の小千代さんのご挨拶と手締めで幕となった。小千代さんは3年前に現役を引退した花柳界を代表する踊り手だが、まだまだ元気そうで何よりだった。

僕は『東をどり』を見て、ようやく初夏に移る気配を感じるのである。さて、来年も楽しみだなぁ。
明け方4時、六本木ヒルズから歩いて帰ると空が気持ちよく澄んでいる。家に近づいてくるにつれて、空の色が明るくなり始めている。夏の気配を漂わせながら、夜明けが早くなってきた。

先日、銀座のカウンターフレンチを紹介して頂いたのだが、日記にも記した通り、それはもう実に素晴らしかった。
で、僕の場合、美味いモンを食べると同じ様な料理を立て続けに食べたくなる癖があるらしい。そんな訳でまたも美味しいフレンチを求めて夜の街へ繰り出した。
さて、フランス料理と云えども、酒のアテになる料理が一番好きなので、どうも堅苦しいレストランよりもビストロの方が行く機会が多い。
その日も本当は代々木駅近くのフレンチビストロ『煮込みや なりた』に行きたかったのだが、あいにくの満席で「今日は、ごめんなさい」との事だった。で、北参道方面に去年の暮れにオープンしたビストロ『ダルテミス』と云う店に行ってみることにした。
原宿で数年前から営業しているフレンチレストラン『ラルテミス』の姉妹店なのだが、そちらの評判も結構良いので期待に胸踊ってしまった。

中に入ると天井が高く、壁の至る所に「サヴィニャック」のポスターが貼ってある。壁の鏡の使い方も天井までのワインセラーもパリに居る様だ。小さな雑貨類も無造作な感じが作り過ぎてなくすこぶる居心地が良い。
女性のマネージャーの方も僕のぶしつけな質問に快く応えてくれたり、薬を呑む時にさ湯を持って来てくれたりと気遣いが嬉しい方だった。今朝、サイトで観てみたら彼女は浜田三奈子さんと云う方で、広告代理店からこの世界に移り、青山の『ブノア』でソムリエをしていたらしい。あぁ、『ブノア』の山鳩が美味かったなぁ。まぁ、どうでもよいか。
店って、味が良いのは当たり前であって、彼女の様な人が居るから、また逢いに行こうかなって云う気になって通うようになるのだ。えっ、人の温かさに飢えているのかなぁ、俺。
まずは前菜に「ダルテミス風サラダ」を頂いた。
(それにしても写真が暗くて失敗だ。トホホ。)

そして、次の料理が登場。
席に着いて、メニューを見た時にこれまた凄いモノが目にとまったのだ。その名も「カン風 トリップ」。
何それ?眺めながら、頭の中がぐるぐると回ってくる。
「アチョーッ!アッチャチャチャチャチャー〜ッ!!」とブルース・リーが草キメて、ブっ飛んでる姿が浮かんでしまうのだ。
はて、何だろうと聞いてみるとトリッパの煮込みだった。蜂の巣やセンマイなどがじゃがいも、人参などと一緒に煮込んである。


メイン料理は、「カスレー」にしてみた。
この店のメイン料理の中に「ブーダンノワール」と云う豚の血を凝固させて腸詰めにしたソーセージがある。
スペイン料理にも同様な豚の血のソーセージがあり、たまに恵比寿の『ティオ・ダンジョウ』にて食べさせてもらう。でも、これかなり濃厚な味わいなので好き嫌いがハッキリと分かれる食材だ。
ここでは、この「ブーダンノワール」のリンゴソース和えと云うメニューが在ったが、これだけだと結構ヘビーだと思ったので、それが少し入った料理をオーダーした。「カスレー、鴨のコンフィーと自家製ソーセージ」である。僕はどこの店に入っても「リエット」と「カスレー」がメニューに記されていれば必ず頼むのだ。これが美味い店は大抵贔屓にして通うことになる。要するにワインのアテに最高なのだ。

そう云えば、新宿伊勢丹と先日オープンした東京ミッドタウンの中にアラン・デュカスの『be』(ブーランジェピシエ)なるパンと食材の店があるのだが、ここではこの血のソーセージを使ったハンバーガーを売っている。この「ブーダンバーガー」、食べるまでは抵抗があったが、店員さんのアドバイスで食べる前にパンをトースターで温めてみた。いざ食べてみると、これがまた病みつく味でおウチでワインにピッタリなのだ。まぁ、濃厚な味ってことには変わらんが。興味が湧けば、1個1,260円なり。
話がそれたが、ここのカスレーは凄いボリュームだ。どの料理もボリュームがあり、それがまぁビストロたる所以だが、女性ならば3人でシェアしても十分だろう。

比較的どの料理も味が濃い目なのだけれど、ワインにはとても合う味付けだった。同じ代々木にある『レストラン・キノシタ』もガツンと濃い味の「男のフレンチ」と云う感じで大好きなのだが、ここの味はとても上品なのだ。
あぁ、満腹。なれど、デザートも食べたいと「チェリーのクラフティ」と珈琲を戴いた。


「リエット」をアテにワインをやるならば松濤の『ラボ』に行く。
シュークルートや冬のジビエ料理なら、乃木坂の『シェ・ピエール』。ガツンと行きたきゃ『ローブリュー』の豚足パン粉焼きと豚すね肉のコンフィだろう。田舎風パテが食べたくなれば、東京ミッドタウンに出店した名シェフ、ジョエルの『レストランJJ』しか浮かばない。
あと最近、気に入っているのが白金の『シェ・トモ』の野菜だ。これがまた、素晴らしく美味い。野菜の味そのものを楽しむことが出来る。
そして、この『ビストロ ダルテミス』の「カスレー」と「カン風 トリップ」は僕の楽しみの一つになった。
ワインも手頃な価格だし、キッシュやフレンチフライなんかのアテもあるので、ちょっと呑もうかと云う時にも使える店だ。天井まであるワインセラーのハシゴを登ってワインを取る姿も眺めていて楽しい限り。夜中の1時まで開いているのも呑んだくれたちにはピッタリだ。
『ビストロ・ダルテミス』は、期待した通りの美味しい料理とやり過ぎない程度のおもてなしは、肩肘張らずに楽しく食事して酔える処だった。次回はビオワインでも呑みながら、気の合う仲間たちとゆったりとした時間を楽しみたいものだ。
『ビストロ・ダルテミス』
