東京だからこそ出会う人や店をつれづれなるままに紹介


by cafegent
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東京は8月に入り、益々暑さが厳しくなっている。暦では「大暑」、文字通り一年で一番暑い真夏の頃ってわけだ。

行きつけの酒場の軒先では開店前に水打ちをしていたが、日差しが強いせいで涼しいのも束の間すぐに路面は乾いてしまう。店の主人もお客さんたちが開店前に熱中症になられては困ると、口開けに並んだ順番に番号札を手渡していた。なるほど、暑い外で待たなくともエアコンの効いた駅ビルに逃げ込めば良いって寸法か。開店ギリギリまでに戻って来れば番号札の順番に入店出来るのだから、なかなか気が利いたアイディアだナァ。

七十二候では「大雨時行」(たいう、ときどきにふる)、夏の雨が急に激しく降る季節が来たのだネ。
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青空の上から照り返しの強い太陽が出ているかと思えば、モクモクと入道雲が大きく広がりザーッと激しい夕立が街を襲う。8月は、そんな時季でアル。街を歩いていても、アブラゼミやミンミンゼミの鳴き声の応酬が、暑さの体感をより激しく掻立てるようだ。

昨日、8月1日は「土用の二の丑」だった。夏バテしないように鰻で精をつけたいが、この日ばかりは何処も満員御礼だ。しかも、有名店となると「土用の丑は臨時休業します」なんて貼り紙を出しているところも多い。そんな訳で、ボクも丑の日をハズして、鰻を食べに行ってきた。

午前11時過ぎ、自由が丘で電車を降りて鰻屋の『ほさかや』へと向かう。
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おぉ、まだ先客は5人か。読みかけの本を開いて、開店を待つことにする。そして、きっかり11時半、親父さんが暖簾を出した。此処は小体の鰻屋だ。年季の入ったコの字カウンターに奥から腰掛けていく。

日々、仕事の途中で街の鰻屋の前を通ると、あぁ喰いたいナァ、と思うのだが値段に目をやると4、5千円だ。とてもじゃないが、手が出ない。そんな時、真っ先に浮かぶのは赤羽の『まるます家』か自由が丘の『ほさかや』だ。どちらも安い酒と美味しい料理で庶民の心を癒してくれるのだ。程々に酒を嗜み、〆に鰻を喰う。懐を気にすることなく、これが出来るのだから、最高だ。

午前中でも気温が高く、外で待つのは厳しい。ボクより早くから並んでいた御仁たちはさぞ辛かっただろう。先ずは冷えたビールで汗を拭おうか。
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お新香をつまみながら、ビールが喉をスゥーッと流れていく。あぁ、心地よい。

はい、お待ちどうさま!、からくり焼きときも焼きが運ばれてきた。
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山椒をふりかけて串を頬張るのだ。むふふ、こりゃ堪らないネ。肝焼きも、食べた途端に元気が出そうだネ。
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塩焼きが来たところで日本酒を戴いた。
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冷えた上撰がグラスになみなみと注がれた。こりゃ、口から持っていかないと零してしまいそうだ。おぉ、鰻よりもこっちの方が元気を貰えそうだナ。キュッと呑み干して、うな丼をお願いした。

ちょっと前までは昼のうな丼は1,300円だったが、今でも1,500円なのだから良心的だよネ。
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ふっくらと焼きあがった鰻は、口の中で溶けてしまいそうだ。此処のタレは甘すぎないところが好きなのだナ。
蒲焼をめくって下のご飯に山椒をふりかける。こうすると山椒の風味が後追いで鼻腔を刺激し、鰻の旨味をより感じることが出来るのだ。

あぁ、幸せなひとときだ。ひっきりなしにお客さんが入ってくる。うな丼をかき込んで、ご馳走さま!

人は時として、ほんの些細なことで幸せになれる。この日も前日に原稿を書き上げて、久しぶりの平日休みだった。鰻屋の口開けに並び、冷えた酒と旨いうな丼。これだけで、一日が幸せに感じられた。

よし、これで今年の夏も乗り切れそうな気がしてきナ。
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by cafegent | 2018-08-02 11:54 | 食べる | Trackback | Comments(0)