東京だからこそ出会う人や店をつれづれなるままに紹介


by cafegent
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以前、歌川広重が浮世絵に残した風景を辿って歩いたことがある。「東都三十六景」の中で描かれた富岡八幡宮は、今でも東京の名所として親しまれているネ。僕が門前仲町に足を運ぶきっかけとなったのも、「東都三十六景」シリーズの「深川八まん」と云う浮世絵だった。

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この絵はちょうど桜が満開の季節。鳥居の上から鳩たちが参道に向かって飛び立つ姿が印象的だ。広重は、この版画の他にも「江戸名所」や「江戸高名会亭尽」などで何度もこの場所を描いているのだナ。

この「深川八幡境内」の絵では蘇鉄(ソテツ)の木が大きく描かれており、周りを料理茶屋が囲んでいる。この頃から、此処は多くの人々が訪れ賑わいを見せていたのだネ。


荒川と隅田川に囲まれた門前仲町は、周辺に木場公園や清澄庭園、深川不動堂などが在り、いつも大勢の人々が訪れている。駅から十分も歩けば、越中島の水上バス乗り場も有るので天気の良い日に東京水辺ラインの船旅もまた愉しい。


江戸三大祭りの一つ「深川八幡まつり」で知られる富岡八幡宮では、日曜に骨董市が催され、掘り出し物を見つける事が多い。僕も此処で「民平」(淡路焼き)の皿を見つけて、値段交渉をして手に入れた事があったナァ。


江戸情緒が随所に残る深川の中心、門前仲町の名は、永代寺の門前に開かれた町であり、江戸時代には辰巳芸者目当てに多くの旦那衆が茶屋に集まり賑わっていた。


その門前から真っ直ぐ清澄通りへと続く通りを歩く。深川公園を過ぎた辺りに、そこだけ昭和にワープした様な「辰巳新道」が在る。かつては、江戸から続く辰巳芸者たちが通りを行き交い、色香を放っっていたことだろう。男を真似て羽織を纏った辰巳芸者は、吉原芸者の派手さに対し、粋さを重んじ、いなせと俠気を売りにしたと云う。そんな気質が江戸っ子たちにウケて、広重の浮世絵などにも頻繁に登場したのだろうネ。


「辰巳新道」は、間口九尺二軒の小さな店が三十店近く軒を連ねており、夕暮れと共に酒を求める人たちが集まって来る路地だ。


辰巳新道と清澄通りの間にひっそりと佇む『大阪屋』は、大正時代から続く牛煮込みの酒場でアル。

使い込まれた白木のカウンターには「この店の主人は私だ」とでも言わんばかりに、真ん中にデンと煮込み鍋が鎮座している。


サッポロ赤星の大瓶をお願いすると、シュポンッと栓を抜いてくれて小さなビールグラスと共に白木のカウンターに置いてくれる。

此処では、席に着くと四つに折った白い布巾と自家製のお新香が出てくるのだ。この白い布巾はよくおしぼりと勘違いする方も多いのだが、大坂屋の煮込みは濃い色の煮込みツユの中に串に刺さった牛モツが浸かっているので、串もしっかりと鍋に浸かっているのだネ。そんなワケで、串を持った手を拭くために用意されているのだ。

 

鍋から聞こえるグツグツと沸く音が至福の時へと誘ってくれるのだ。此処の煮込みはシロ、フワ、ナンコツの三種のみ。甘過ぎず、辛過ぎず丁度良い塩梅に煮込まれて、どの酒にも合う。焼酎の梅割りが一番だが、三杯も呑めばボディーブロウのように酔いが回って来る。


夕方四時の口開け時は、先代の頃からの古いご常連が多い。

今は、三代目に当たる佐藤元子さんとお嬢さんが煮込みの味を守っているのだが、天井近くを覗いてみると、先代がじっと鍋を見つめているのだナ。


2010年の春の紫綬褒章を受賞した映画監督の根岸吉太郎さんも此処の煮込みが好きでアル。監督が色紙に残したコトバが何とも素敵なのだ。


        写真の中の親父の煙草 

        灰が鍋の中に落ちないか

        気にかかる。

        それにしても、いい顔。


頑固な親父さんの意志をしっかりと受け継いだ元子さんも、行儀の悪い人やタチの悪い酔っぱらいには手厳しい。ちゃんと酒の吞み方を判っている方には、とても優しい笑顔で迎えてくれるのだナ。皆さんも是非、此処を訪れたら鍋の上に飾られている先代の写真と根岸監督の色紙を見てもらいたい。この酒場を知って良かったと、しみじみと感じる筈だから。


僕はもっぱら一人で訪れるのだが、俳句の話や旅行の話でいつも愉しい酒となる。


今は、元子さんの厳しい指導の元、四代目を受け継ぐお嬢さんも店に立っている。元々、ピアノの先生をしていたのだが、以前から店が忙しい時は手伝いに来ており、古いご常連さんたちからも可愛がられていたので、四代目になると聞いた時もそんなに違和感はなかったナ。


都会の喧噪を逃れ、ちょいと路地に入れば、ほっこりとなれる酒場が待っているのだ。ビールを飲み干したら、梅割りにしよう。ストレートグラスになみなみと注がれた焼酎に下町ハイボールでお馴染みの梅エキスを垂らしてくれるのだ。冷たく冷えた梅割りが呑みたければ、氷の入ったグラスを出してくれる。こんなちょっとした気遣いが名酒場たる所以なのだナ。


小さな半円カウンターと壁際の席で十人も入れば一杯になってしまう小体の店だが、此処は心優しい客が多く、席を詰めてくれたり切り上げて席を譲ってくれる。そんな下町の心意気に触れられるのも、煮込みの味と共に「大坂屋」の魅力である。四時開店なので、深川散歩に疲れたら此処の暖簾を潜ると良い。牛もつ煮込みを肴に、焼酎の梅割りや燗酒が疲れを癒してくれるのだ。


煮込みの〆には、名物の卵スープがおススメだ。崩した黄身に串から外したシロをつけて食べてみて欲しい。ほっぺたが落ちそうになる程に美味いのだ。


小さな酒場故に長ッ尻もいけない。程よく酔ってきたら、新客に席を譲ろう。路地を曲がれば「辰巳新道呑み屋街」も在るし、永代通りを渡れば魚が旨い『魚三』だって開いている。さぁ、広重も愛した街を歩いて、酒場の暖簾を潜ってみてはいかがかな。



東京黄昏酒場/大坂屋
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# by cafegent | 2017-07-14 14:51 | 飲み歩き | Trackback | Comments(0)

二十四節気では「小暑」の時季なのだが、東京は朝から気温が高く「何が小暑だ!」と言いたくなってしまうほど暑い。もう梅雨明けしたのだっけ?と思ってしまうネ。


以前、この季節に京都の祇園祭りを観に行ったことがある。

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京都フリー写真素材
最初のうちは胸躍る気持ちの方が強く大勢の観客に混じって見物していたのだが、次第に体がダルくなり目眩がしてきたのだ。京都特有の茹だるような暑さに僕の躰がついていけなくなったのだナ。朦朧としている僕を心配してか、カミさんが近くの甘味茶屋の『梅園』に連れて行ってくれた。


店内の冷房でホッとしたのも束の間、急に躰が冷えたせいか余計にダルくなってしまったのだ。そんな僕を尻目にカミさんは梅園の宇治金時白玉のかき氷を美味そうに食べていたっけ。七月の茹だるような暑さの中に身を置くと、何故かトラウマのように梅園のかき氷さえ食べられないほどにヘタっていたことを思い出してしまうのだナ。トホホ。


あぁ、それでもこの季節になると京都に行きたくなるのだナ。

京都フリー写真素材
鱧(ハモ)は、梅雨明け頃が一番美味い。鱧は江戸時代「海鰻(ハモ)」とも記された。なるほど、と思う当て字だネ。江戸期の料理本『海鰻百珍』の中には「鱧の木屋町焼き」など120種類の鱧料理が紹介されていた。鱧の歴史は古く平安時代に書かれた『和名抄』の中にも、夏場でも内陸まで生きて運べるほど生命力が強く、大変美味しい魚だと記されていると聞いたことがある。


海鰻百珍を始め、豆腐百珍、鯛、蒟蒻(こんにゃく)、卵、甘藷(さつまいも)などの江戸の料理を840種も紹介している『料理百珍集』が出ているので、是非!

ちなみに「鱧の木屋町焼き」とは、ふっくらとしたハモの身をパリッと焼いた皮で挟み、とろとろの葛で旨味を包んだ料理。二枚の鱧の皮目を鴨川と高瀬川に見立てたので、この名が付いたのだ。そうか、川と皮をシャレたのだナ。この江戸の鱧料理が食べたくなったら、京料理の『木乃婦(きのぶ)』だ。海鰻百珍の「木屋町焼き」を現代風に復活させたり、鱧の釜飯も実に旨い。だが、しかし!懐に優しくないのが、玉に瑕(きず)だナ。財布の中に福沢諭吉が何人も居る時じゃないと、不安で美味い料理も喉を通らなくなっちまうからネ。


僕が子供の頃は、鰻が主流の東京では「鱧」なんて言葉さえ出ることもなく、ましては家庭で食べるものではなかった。もっとも鰻だって家で造るワケじゃなく出前だったけれどネ。

七月の梅雨明け前、木屋町、高瀬川舟入の目の前に佇む割烹『やました』で、是非とも味わって貰いたいのが「鱧の焼き霜」だ。
炭火の上に丸く足高の網を乗せたカンテキの上で鱧の皮目だけを炙ってくれるのだ。
梅雨の雨を飲んだ鱧は身が一段と旨いのだ。あっさりとした味わいの夏ハモの皮目を香ばしく炙り、脂や身の旨味をギュッと封じ込めている。パリっとした皮の食感と刺身のような身の食感の相対する美味さを口の中で愉しむのだナ。これに、灘の「大神力」純米酒の冷酒を合わせれば、クィクィと呑んでしまいそうだナ。


京都の伝統的な鱧料理と言えば「鱧落とし」だネ。「落とし」とは、湯引きのこと、骨切りしたハモを湯引きして氷水の中に落とすことから、こう呼ばれている。これも身がクッと引き締まって旨いのだ。鱧落としが食べたくなったら、老舗の『堺萬(さかいまん)』だナ。創業150余年を誇る鱧料理の名店で、鱧の骨切りの技は絶妙で日本一を誇るといわれているのだヨ。あぁ、鱧そうめんや薄造りなどが楽しめる堺萬の「鱧づくし」も食べたいナァ。

うーん、机の前で一人京都旅行を空想している僕だが、座骨神経痛が悪化して、右足に疼痛(とうつう)が発症し、まともに歩くことが出来ない状態だ。

病院の先生から「リリカカプセル」と言う神経痛に効く薬を処方して貰って痛みを凌いでいるのだが、クスリが切れるとまた激痛が走る。これじゃ、まるでヤク中だよネ。参ったナァ。早く治して、旅にでも出たいものだ。トホホ。
過去の東京自由人日記「京都の旅」
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# by cafegent | 2017-07-14 11:06 | ひとりごと | Trackback | Comments(0)

梅雨明け間近の東京は暑い日が続いている。先日の日曜日も灼熱の太陽が強い西日をアスファルトに叩きつけるように放っていた。
午後3時半過ぎ、東中野の駅近くに扇子片手にパナマ帽姿の酒朋たちが続々と集い始めていたのだナ。

そう、最近の日曜日の夕暮れは東中野の「丸松」で酒を酌み交わすのが恒例となってきた。

歳を重ねると、自然に浴衣姿も板に付くから粋だよネ。


今年の三月、東中野の駅からスグ近くに『もつ焼き 丸松』が開店した。店主の松浦辰也さんは、城西地区を代表する野方の名店「やきとん 秋元屋」で8年半もの長きに渡り働いて、先輩のたっつんが独立した後は、店長として店を切り盛りし、満を持して独立開業したのでアル。

僕は10年以上「秋元屋」に通っていたので、松っちゃんが入った頃から知っている。秋元屋の桜台店を任されている三浦さんの下で長い間修行していた「たっつん」こと藤井龍成さんも沼袋で『やきとん たつや』を営み、この10年の間にも多くのスタッフが巣立ちして、都内各地に12店舗以上もあるだろうか。まっちゃんより後に入った者が先に独立したりしており、僕らも彼がいつ独立するのか、と気を揉んでいたっけ。


西武新宿線エリアには既に何軒もの秋元屋出身者の店が在るので、松っちゃんも違う沿線で物件を探していたのだが、随分と物件が見つからなかった。そして、偶然この場所に出会ったので開業を決めたのだネ。

L字型のカウンターが12席、小さな4席の卓が一つ、壁際に2席程度のスペースが有るが、決して広いとは言えない空間に連日多くのお客さんが足を運んでいる。


秋元屋出身らしい味噌だれのもつ焼きをはじめ、白レバ、せせり、ねぎま、ぼんじりなど鶏の部位も用意してあるのがウレシイ限りだナ。


生ビールはサッポロ、瓶ビールは僕の大好きなサッポロ赤星だ。ホッピーや酎ハイ用の焼酎は、お馴染みのキンミヤ焼酎なので、クィクィとイケるのだナ。


この日は白ホッピーを頂いた。

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暑い夏の盛りにはシャーベット状に凍ったシャリ金ホッピーが最適だ。注文の仕方は秋元屋と同様にメモ用紙に自分で書いていく。


    かしら タレ 1

    レバー 味噌 1

    なんこつ 塩 1

    せぎも タレ 1

    手羽先 塩  1

  ーーーーーーーーーーー

    もつカレー  1

    ゆでたん山葵 1

    キャベツみそ 1

    自家製ぬか漬 1


と、こんな具合にネ。秋元屋スタイルだとメモ用紙の真ん中に横線を引いて、上段に串もの、下段に単品料理を記すのだ。それ故に、僕らは自然にその調子で書いているのだナ。


書いた紙をスタッフに渡し、暫しの間飲んで待つ。小体の酒場のよい所は、厨房との距離が近く炭火で焼かれていく串を眺めたりするのも愉しいし、店主との他愛ない会話もまた楽しいひとときとなる。


キャベツやぬか漬はスグに出てくるので、酒の肴にちょうど好い。焼きモノ以外を用意してくれているのは松っちゃんの同級生だそうだ。そうか!狭いカウンターの中でも、あ・うんの呼吸でスムーズに切り盛りしていたのは、少年時代の絆がもたらしていたのだネ。


この日はちょうど大相撲名古屋場所の初日だったので、入口上に有るテレビで相撲中継を流してもらい、皆でそれぞれの贔屓の力士たちの応援となった。


もつカレーには炭火で焼いたバゲットが二つ添えられる。

バゲットが無くなったら、キャベツにもつカレーを載せても実にウマいのだヨ。

さぁ、お待ちかねの串モノが焼き上がってきた。

先ずは、せぎも串から。タレで焼いたせぎもに山椒が香ばしい。

ハラミもジューシーで美味いナァ。この自家製ぬか漬も、漬かり具合が抜群なのだ。これは日本酒がススみそうだネ。「丸松」では、定番の酒「宮の雪」が醸造、純米、にごり酒と常備されているのだが、季節に合わせた純米酒を数種類用意している。この日の日本酒は、静岡の土井酒造場が造る「開運 涼々」特別純米だ。
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夏限定の純米酒で、仄かな酸味が喉に涼しさを感じさせて、クィクィとススむ夏らしい一杯だ。この他にも神奈川は海老名の泉橋酒造が造る「夏ヤゴ」も仕入れていたネ。こちらも夏季だけの限定で、冷酒でクィッといきたいもんだナ。

ゆでたんは、豚の舌をじっくりと柔らかくなるまで茹でてあり、柚子胡椒か山葵で戴く。


「丸松」では、他にも上タン串や自家製つくね、てっぽうなど絶品な焼き加減の串も多い。オープンした日にひと串の大きさが大きいなぁと思っていたのだが、松っちゃんは「原点回帰じゃないけれど、自分が衝撃を受けた頃の秋元屋で食べたもつ焼きの部位の大きさにしたんです」と語ってくれた。なるほど、そう云えばこの食べ応えのある大きさは昔の秋元屋を思い出させてくれたナ。


おっと、テレビでは幕内の力士たちの取組も中盤を迎えていた。外では待っている方々も数人居たし、そろそろ席を空けるとしよう。
松っちゃん、ご馳走さま、また来週ネ!


「もつ焼 丸松」

中野区東中野1-56-4 第一ビル1F TEL 03-5338-4039

16時~23 月曜定休

JR東中野駅 西口2番出口を降りて右手へ進み、正面の通りを左折してスグ


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# by cafegent | 2017-07-11 16:40 | 飲み歩き | Trackback | Comments(0)
「四万六千日、お暑い盛りでぇございます」古典落語でお馴染み黒門町の桂文楽師匠の十八番(おはこ)『船徳』の語りだネ。
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毎年、夏になるとこの噺をCDで聞いている。と云うよりも、これを聴かなくちゃ僕の夏は来ないのでアル。

浅草、浅草寺では昨日と今日に「ほおずき市」が催されているが、毎年この時に浅草の観音様にお詣りをすれば、四万六千日もお祈りしたことと同じだけの功徳が得られると伝わっている。
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今日も東京は朝から良い天気に恵まれたので、僕もお詣りへと出かけた。


ちょうど一週間前から座骨神経痛に見舞われて、右足が痛くて歩くのもままならない状態なのだが鎮痛剤が効いている間は多少痛みも和らいでいる。その間を見計らって地下鉄に乗って浅草寺まで足を伸ばしたのだナ。
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平日だというのに、宝蔵門の先も人で溢れていたナ。賑わう人々の後に並んでお詣りをしよう。

思いのほかスムーズに列が流れ、時間も掛からなかったナ。
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無事にお詣りを済ませると浅草寺から「雷除守護」のお札を賜ることが出来る。
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よし、これで座骨神経痛が早期に治ることを願うとしよう。
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境内をぐるりと回り、ほおずき市の賑わいも楽しんだ。

浅草寺の喧騒を抜けると、裏路地は平日らしさを取り戻していた。
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『浅草サンボアバー』の扉を開けると、いつものように凛とした空気が漂っていたナ。帽子を脱いでカウンターへと進む。此処で最初に頼むのは、決まってハイボールだ。
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いつも「初心忘れず、の気持ち」で丁寧に作ってくれる、その姿も酒の旨味を増幅させるのだナ。

この時間に飲むハイボールは、どうしてこんなにも美味しいのだろう。
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キリリと冷えたグラスを手に取り、口へと運ぶ。おぉ、仄かな柑橘の香りが鼻腔を刺激する。
ゴクリ、炭酸の泡が僕の喉を刺激する。ふぅ、汗ばんだ肌に一筋の涼が沁み込んでいくようだ。

遅めのランチは、評判の100%ビーフのハンバーガーにしようか。
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これもハイボールに合う一品だネ。
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さぁ、神経痛が目を覚まさないうちに早々に引き上げるとしよう。
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# by cafegent | 2017-07-10 16:53 | ひとりごと | Trackback | Comments(0)
今日7月6日は大安であり「一粒万倍(いちりゅうまんばい)日」だネ。一粒万倍とは、たった一粒の籾(もみ)が万倍にも実り、見事な稲穂になるという日なんだナ。加えて、今日は「天赦日(てんしゃにち)」と言って開業や結婚、引っ越しなど大事な催しの事始めに良いとされている日なのだ。

そんなワケで、今日は大安、一粒万倍日、天赦日と三つの縁起が重なっているメデタイ日なのだネ。
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※稲穂の画像は、淀屋橋心理療法センターのフリー写真素材からお借りしました。

閑話休題。

一昨日から腰痛がひどくなり、昨日はその痛みがお尻まで移動した。

最初は右腰あたりの痛みだったのだが、突然右の臀部がズキズキと痛み出し、翌日にはその痛みが膝に来た。普通に椅子に座って安静にしている分には痛みも少ないのだが、キッチンで洗い物をしていたら急に太ももから下が重くなり痺れと膝小僧あたりが痛み出したのだ。
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特に何か重いものを持ったりしたという訳ではないが、ちょうど一ヶ月程前の引越しの作業中に本が詰まったダンボールを運んだり、冷蔵庫を動かしたりした時にギックリ腰の前兆のようなピキッといった痛みを感じたのだが、それ以降はさほど何も症状が出なかったから放っておいたのだった。

数日前から再び右の腰あたりが痛み出し、風呂の中で腰を押したりしていたのだが、その日の晩に急に右のお尻の辺りに激痛が走ったのだナ。そして、昨日の朝一番に病院に行った次第だ。しかも、家から病院に向かう途中で、右足が重くなり、膝に痛みが生じた。こりゃ堪らん、と児童公園のベンチで少し休むと痛みも和らいだ。

先生に症状を伝えると、ウンウンと頷き、先ずは骨を見てみましょう、とレントゲン室へ。

再び診察室に戻り、レントゲン写真を見ると僕の背骨は、明らかに曲がっていた。

積み上がった背骨のお尻に近い側の椎骨の間の隙間が他の部分よりも狭くなっていたのだネ。脊柱管の中には神経が通っている。この神経に沿う血管が椎骨の間の狭まりによって圧迫されて、神経が刺激されて痛みや痺れを疾患するのだと伺った。

どうやら、腰部脊柱管狭窄(ようぶせきちゅうかんきょうさく)症と言う疾患が生じてしまったらしい。
難しいことは解らないが、所謂(いわゆる)ヘルニアの一種だそうだ。それによって神経が圧迫されて引き起こされる痛みなのだネ。

そして、歩くと膝が痛むのは「間欠性跛行(かんけつせいはこう)」という症状とのこと。これも坐骨神経の症状だそうだ。

さて、原因はなんだろう?長時間パソコンに向かっている時の姿勢が悪かったのかもしれない。先生は「何が原因かははっきりとは判らない。色々な要因が積み重なってきたのかもしれないしネ。まぁ、そんな歳になったってことだよ。」だった。トホホ、還暦を目前に控えたとはいえ、まだまだ自分は若いつもりでいたのだヨ。加齢が引き起こした疾患だったのネ。

右の尻から足にかけての痛みは続いているが、今日は新しい仕事が始まるのだ。「一粒万倍日」と「天赦日」のご利益を賜れるように、痛みをグッと堪えてひと頑張りしようかナ。
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# by cafegent | 2017-07-06 12:21 | ひとりごと | Trackback | Comments(0)
夏至が過ぎて、季節は半夏生(はんげしょう)を迎えたネ。田畑などで半夏(からすびしゃく)が生え始める頃というわけだ。烏柄杓(からすびしゃく)の茎から取れる生薬の名を半夏(はんげ)と呼ぶのだナ。

この半夏生の時季に花を咲かせるのがハンゲショウ(半夏生、半化粧とも記す)で、葉の半分ほどが白くなるので、半分化粧を施しているように見えるからだ。
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漢方薬に用いられる半夏と半夏生は違う花だが、同じ頃に開花するから混同しがちなのだネ。

関西では、ちょうど鱧(ハモ)の季節になった頃だ。
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梅雨の季節が一番脂が乗って美味いと言われている鱧だが、東京だとちょいと敷居の高い食材と思われているかもしれないナ。京都の家々では、祇園祭の話に花を咲かせながら、鱧料理を楽しんでいる。捌いたり骨切りしたりと手間がかかりそうだが、家庭料理として親しまれているのだナ。

あぁ、「鱧の落とし」(骨切りした鱧を湯の中に落とし、冷水で締め梅肉で食す)も葛粉をまぶして吸い物にした「ぼたんはも」夏の季節に欠かせない一品だ。

そう云えば、先日NHKのテレビドラマ『みをつくし料理帖』を観ていたら、「ふっくら鱧の葛叩き」という料理が登場した。
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黒木華演じる澪(みお)も素敵だが、毎回彼女が作る料理がこのドラマの最大の魅力だよナァ。
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最後に彼女がドラマの中で作った料理を家庭でも作れるように再現してくれるのが、またイイのだ。モダンなキッチンスタジオでドラマ同様に着物に割烹着姿で料理を作る姿につい見惚れてしまうのだナ。

ハモハモ言っていたら、徳島の居酒屋『小島』で食べた鱧料理が食べたくなったナ。
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まーどーでもイーか。

     ◇        ◇        ◇
先日、巷で評判になってい店に行ってみた。この歳になると中目黒や代官山、学芸大学など若者たちが賑わうエリアから足が遠のいている。その中でも、新規オープンの店となると余程の知り合い関係じゃないと、億劫になってしまうのだナ。だが、友人たちが挙(こぞ)って足繁く通っていると聞いたので、重い腰を上げたのでアル。

いつものように武蔵小山の酒場『牛太郎』からスタートだ。
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此処ではホッピーは飲まない。何故ならば、地元武蔵小山を代表するハイサワーの本社が近くに在るからだ。
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僕と同い年の三代目社長の田中秀子さんの人柄も素敵だし、何よりキリリとしたレモン果汁の味が好きだからなのだ。
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ハイサワーは甲類焼酎を割って飲むのも旨いが、白ワインで割ってもイケるのだ。

牛太郎に来たら、先ずはコレを食べなくちゃ!
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一皿120円の「とんちゃん」は、酒がススむ最高の肴だヨ。ガツやアブラなどをニンニクなどに漬け込んで、特製の丸鍋で蒸し焼きにする。熱々のとんちゃんに刻んだネギと自家製の味噌ダレを添えてくれるのだ。都内縦横無尽に東京の酒場を飲み歩いているが、この料理を目にしたことは一度も無い。以前、店主の城(じょう)さんこと、新井城介さんに「とんちゃん」のことを伺ったことがある。元々は九州の筑豊地方の炭鉱向けのスタミナ料理だったそうだ。初代牛太郎の店主だった城さんの父が炭鉱夫だった店のお客さんに聞いた料理を思考錯誤して創り出した一品で、いつしかこの店の名物となったのだネ。

此処は煮込みも美味い。居酒屋のもつ煮込みと言えば、味噌が効いた濃い味が主流だが、牛太郎は玉ねぎの甘さが際立っている。優しい味が沁みたシロやフワなどがたっぷりと入っており、パンチの効いたとんちゃんとは対極の味わいだ。とんちゃんと煮込み、この二品が絶妙な酒菜のコンビネーションとなり、酒のグラスがどんどんと空いていくのだナ。

ハツ、ガツ、テッポウ、タン、なんこつなどの焼きとん串もスバラシイ。
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塩かタレを選んで焼いて貰うのだが、素焼きにして戴いてとんちゃんに乗せる味噌ダレで食べるのも実に旨い。そうそう、ピーマン焼きも美味いのだ。此処では、ピーマンの種を取り除かずに焼くのだが、種の部分も香ばしくて好い味だ。
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僕もピーマンの種は、牛太郎で初めて食べたかもしれないナ。

さて、程よく飲んだので、後ろで待つお客さんに席を譲ろう。この店では、後ろの待合席で待つことも大事なのだ。初めて訪れた方々も、待ち席で先客の注文の仕方やタイミング、帰り際の食器の片付けなどを黙って眺めていれば覚えてしまうからネ。
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城さん、ご馳走様でした!

随分と日が長くなった。午後7時だと云うのにまだ空が明るいネ。牛太郎を出て、26号線を夕日の沈む方へと歩いた。目黒通りの信号を渡り、左斜めの道へ入ると学芸大学駅の方へと続く。担担麺でお馴染みの『香気』の角を左斜めに進みUFJ銀行の前を右手に入ると、目指す店に到着だ。

初めてだったが、近くに友人の酒場も在るからスグに判るだろうとタカを括っていたら案の定迷ってしまった。店名の記された看板を探していたのが失敗だった。酒朋のライター森一起さんに場所が判らないので教えて、とラインで送ったりしながら、路地を何度もグルグル回ってしまった。そして、改めて「立ち飲み」だったよナ、「イタリアン」だったよナ、と視覚と嗅覚を再度発揮して店々を見て回ると、漸く辿り着いたのだ。

其処は、角地に立つ新しいビルの一階。オープンエアな間口で、ひと際賑わっている酒場だ。そう、此処が今回初訪問の立ち飲みイタリアン『あつあつ リ・カーリカ』だ。
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それにしてもだ!小さな木の板に手書きのアルファベットで『atsuatusu Ri Carica APERTO』と描いてあっても、これじゃやっぱり判らないよナ。

学芸大学で評判のイタリア料理店『リ・カーリカ』『カーリカ・リ』に続く3店舗目となる新店は、この春にオープンしたばかりだが、既に連日大賑わいとなっている。

この日も午後8時前に訪れたのだが、L字型のカウンター席も壁際の席も満杯だった。こりゃ駄目かナ、と思っていたらタイミングよく壁際のお客さんがお会計を済ませて出てきてくれた。

細長い木のカウンターの下にはフックが付いているので、バッグを掛けて狭い通路を妨げないようにするのだネ。それでもオープンキッチンに面したメインのカウンター席と壁際の間は狭いのだ。双方にお客が立てば、その間をすり抜けるのは至難の技でアル。それでもボウタイ姿が可愛いスタッフの男の子は器用に往き来してワインや料理を運んだり、接客に勤しんでいたナ。

ワインはビオワインが中心で、700円から1,200円の幅で白・赤を数種類セレクトして用意している。もちろん、スパークリングも有るし、ビールや日本酒も有るのだヨ。ビールは冷蔵庫からセルフで出して栓を抜く。

料理も冷菜と温菜がそれぞれ10種類ほど、それにパスタが数種類あるのだネ。小体の店なので、これ位の品数が丁度良い。

さぁ、ワインはイタリア産の「レ・コステ・リトロッツォ」の赤を戴いた。
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瓶ごとラッパ飲みする男のイラストが洒落ているリトロッツォは、爽やかな口当たりでガブ飲みしちゃいそうなビオワインだネ。一杯700円は、納得の値段だナ。

このワインに合わせたのが、ズッキーニとからすみのサラダだ。
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煮浸しにした?のかナのズッキーニの輪切りに擦り下ろしたからすみがたっぷりとかかっている。おぉ、こりゃからすみだけを指につけて舐めてもワインがススむススむ。

お次は王様しいたけの熟れクリームソテーが運ばれてきた。
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これは、その名の通りキングサイズの椎茸だが、香りも際立っている。堤シェフが厨房でソテーしている場からも、豊かな香りが漂ってくるものネ。その香りだけで、ワインがクィクィとススんでしまうヨ。二杯目のワインはシチリア・パレルモで造られた「アレッサンドロ・ヴィオラ・ノート・ディ・ロッソ」だ。
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無添加・無農薬の自然派ワインは、栗の樽で熟成しており、何とも言えない深い味わいを醸し出している。こちらは一杯1,000円だが、迷わずお代わりしたくなる味だ。

豚ロースの塊を丸焼きにしたアリスタが焼けていると聞いた。「アリスタ」とはギリシャ語で〝最高のもの〟という意味。トスカーナ地方に伝わるおもてなしの伝統料理なのだネ。

シェフ自慢の一品は、売り切れ御免のスペシャリテなので、来訪したら真っ先に残っているかどうかを聞いておくと良いかもしれない。

ウヒョッ!こりゃ凄いネ!
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ローズマリーやセージの香りを纏った豚ロースは、脂身の部分も最高に美味しい。粒マスタードを乗せて口へと運べば、誰もが頬を緩ませる筈だナ。

白ワインと肉汁が極上のソースとなり、白いんげん豆に旨みが染み込んでいる。あぁ、幸せなひと時だ。

此処は午後7時から、深夜3時まで営業しているのだヨ。
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酒朋の森さんも毎晩のように武蔵小山で飲んだ帰り、夜更けの「あつあつ リ・カーリカ」に立ち寄っていると聞いた。店のスタッフもタフだが、森さんもタフだよネ。僕が訪れた日の前日が、堤シェフの誕生日だったらしい。オーバーオール姿が似合っているシェフは、手を休める暇もない。オープンキッチンは片時も気を抜けないけれど、それ以上にお客さんとのコミュニケーションが深まるって訳だ。それって、料理以上に大事な財産になるものネ。
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さて、次々とひっきりなしにお客さんが店を訪れる。外で待っている方々も見受けられるし、此処は立ち飲み酒場だ。長っ尻はイケナイね。ご馳走様でした!此処は本当に噂に違わず素晴らしい店だったナ。また、近いうちにお邪魔します。これからは、もう少し億劫がらずに新しい店にも顔を出すようにしなくちゃナ!

と、再び武蔵小山を目指して歩いたのでアール。
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# by cafegent | 2017-07-05 15:59 | 食べる | Trackback | Comments(0)
先日、神田の出世不動通りに在る居酒屋『あい津』のご常連さんたちと集い京成曳船駅近くに佇む『岩金酒場』へと出かけた。
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この日は、浅草駅で集合し、東京スカイツリーラインに乗り、二駅目の曳舟駅で下車。曳船文化センター前の大通りへ出たら、左へと曲がり八広方面へと歩く。約10分程歩けば、目当ての『岩金酒場』に到着だ。

この界隈には、八広の『丸好酒場』や『三祐酒場』『亀屋』など下町ハイボールの旨い酒場が多いので、僕もよく来るエリアだ。
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岩金酒場の建屋も随分と年季が入っておりとても渋く、初めて訪れる方は「オォっ」と声を上げることだろうナ。
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暖簾を潜り、ガラリと戸を開けると、L字型のカウンター席はもう満杯だ。でも、この日は予め人数を言っておいたので、卓席を3つ開けていてくれたのだヨ。
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かくして、総勢15人の酒宴が始まった。

此処に来たら、先ずは迷わずハイボールだネ。
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焼酎に天羽の梅エキスが入っているグラスと炭酸が運ばれてくる。氷ありと無しを選べるのだが、僕は氷無しにするのだ。そこへ下町でお馴染みのヤングホープ炭酸を一気に注ぐとシュワシュワッと泡が立ち自分だけの特製ハイボールの完成だ。1/4にカットされたレモンが良いアクセントになる。
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酒朋Qちゃんは、ビール党だから、こちらでもやっぱり瓶ビールだったネ。

この日は僕らのために、紅ズワイガニを仕入れていてくれたそうだ。
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どうですか、このボリュームでなんと480円なのだから恐れ入りやの鬼子母神。
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こちらのちくわカレーきんぴらも酒の肴に好い。350円でこの量なのだから、ウレシイ限りだネ。

そうそう、此処に来たら絶対にオススメなのが、この特製ニラナンコツつくねだヨ!
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コリコリなんこつの食感とニラの風味が効いて、酒との相性バッチリだ。

この酒場は素敵な女性たちがテキパキと仕事をこなしている。ベテランの女将を筆頭に若いコたちまで、実にリズミカルに陽気に動いており、見ていてとても心地が良い。で、肝心のマスターは?と云えば、いつものようにカウンター席の隅っこでご常連さんたちと笑顔で酒を酌み交わしているのだナ。
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この酒場は、酒の肴も充実しているが、実は炭水化物メニューの品揃えも豊富でアル。
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「あい津」と「岩金酒場」両方のご常連である市村さんは、この炭水化物たちをこよなく愛している。
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うっかりしていると僕らの隙を見ては何品も頼んでしまうのだネ。

岩金のナポリタンも絶品だ。
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懐かしい昭和の喫茶店の味がするのだヨ。

そして、こちらがもんじゃグラタンだ。
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熱々ウマウマだ!
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この明太もちピザも大衆酒場ならではの味で、イタリアンな店では絶対にお目にかかれないひと皿だ。

お次は、明太バターうどんだ。
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刻み海苔がイイネ!ハイボールのお代わりもススむススむ。

続々と炭水化物メニューが運ばれてきたが、皆さんペロリと平らげているネ。僕もハイボールを8杯ぐらい飲んだんじゃないだろうか。

そろそろ満腹だナァ、と思っていたら岩金特製のタンタン麺を作ってくれるとのことだった。これも市村さんがお願いしていたんだろうナ。嬉しいネ。此処のタンタン麺は、何故か千葉のB級グルメとして有名な勝浦タンタンメンなのだネ。
勝浦タンタンメンは醤油ベースのスープに真っ赤なラー油が特徴的なラーメンで、ゴマや芝麻醤(チーマージャン)は一切使わないのだ。
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女将さん特製の味は最高に美味い。しかも、人数分に小さめなお椀に小分けして作ってくれたのには感謝多謝!ありがとうございました!

あぁ、喰った喰った!呑んだ呑んだ!

外に出るとちょうど日が沈んだ頃だった。何処かの民家で育てているのだろうか。オシロイバナの香りが通りに漂っていたナ。この花は夕方に咲き始めるので、夜になると強い香りを放つのだネ。
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酒朋の荒木マタェモンさん、Qちゃん、愉しい酒宴でしたネ〜!

夜の帳が降りる時刻、曳船駅界隈のスナックの灯りも点き始めた頃だ。そして、僕ら一行は次の酒場へと移動。
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夜空に輝くスカイツリーを目印に『岩金酒場』のマスターが、先頭をズンズンと歩いていく。

そして、僕らはカラオケスナック『輝 in(シャイン)』の扉を開けたのでアール。
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あい津マスターの石村さん、楽しい酒宴をありがとうございました!また行きましょうネ〜!!
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# by cafegent | 2017-07-03 17:00 | 飲み歩き | Trackback | Comments(0)
今日、6月29日はフランスの作家サン=テグジュペリの誕生日だそうだ。
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今から50年近くも前、父親から2冊の本を貰った。一冊がバージニア・リー・バートンが書いた「せいめいのれきし」という絵本、そしてもう一冊がサン=テグジュペリの書いた「星の王子さま」だったナ。

「せいめいのれきし」は大判の絵本で、地球に三葉虫などの生命が誕生してから、現代までの壮大なヒストリーをカラフルな絵と分かりやすい文章で紐解いてくれた。鳥も恐竜が進化したものだったなんて、この本で初めて知ったっけ。

  みなさん、お待たせいたしました。いよいよ、舞台の幕が上がります。プログラムは「せいめいのれきし」。地球上に生命が誕生した瞬間から、地上でひとびとの暮らしが営まれている今、この時までのおはなし。・・・・

タキシードを着た司会者がステージに立って生まれたての地球の姿を紹介しているイラストは、まるでスペースオペラを客席で観劇しているかのように、その絵に魅入ったナァ。

三畳紀、ジュラ紀、白亜紀と続いた恐竜の時代が白亜紀の後期にこの地球上から姿を消したのだが、恐竜の絶滅の原因がまさか巨大な隕石がメキシコのユカタン半島沖に衝突した衝撃によるものだったなんて、この絵本が出た頃は誰も知らなかったからネ。そんな歴史の大発見を踏まえて、実に半世紀ぶりにこの絵本の改訂版が出たのだネ。

当時読んだ絵本は、もう手元に残っていないけれど、隕石の衝突や、その後の恐竜の進化などが新たに書き加えられているみたいなので、「せいめいのれきし 改訂版」を買ってみようかナ。
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おっと、サン=テグジュペリの誕生日から話がそれてしまったネ。「せいめいのれきし」は何処かへ無くなってしまったが、「星の王子さま」は当時読んだものと同じモノが、今も僕の手元に有る。10年ほど前に新橋の古書市で見つけて、懐かしさのあまり手に入れた一冊だ。岩波少年文庫の小学5・6年以上向けのもので、扉の王子さまとバオバブの木の挿絵以外は全部がモノクロだ。
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この本は、小学生の頃に読んだ時、高校生の頃に読み返した時、そして社会に出てから再び読んだ時とまるで印象が違っていたのだナ。

大人になってから、誰かのエッセイで「星の王子さま」からいろんなことを学び、心が洗われた、と綴ってあったので読み返してみたワケだ。なるほど、その通りだったナ。

バラの花のことでキツネと話をしている場面があった。五千ものバラの花が咲いた庭で、王子さまは遠い星に残してきた一本のバラのことを想っていたのだナ。「僕はこの世に、たった一つという、珍しい花を持っているつもりだった。ところが、実は、当たり前のバラの花を、一つ持っているだけだったんだ。僕はこれじゃあ偉い王様になんかなれない...」と嘆いて泣いたのだ。

そこで出会ったキツネが泣いていた王子さまと言葉を交わし、少し元気を取り戻した。仲良しになったキツネは「もう一度、バラの花を見に行ってごらんよ。あんたの花が、世の中に一つしかないことがわかるんだから。・・・・」

再びたくさんのバラの花の庭に行った王子は、花たちに向かって「あんたたち、僕のバラの花とは、まるっきり違うよ。ただ、咲いているだけじゃないか。だぁれも、あんたたちとは仲良くしなかったし、あんたたちの方でも、誰とも仲良くしなかったんだからね。...あの一輪のバラの花は、僕が水をかけて、ガラスで覆いをかけ、つい立てで風に当たらないようにしたからね。不平も聞いてやったし、自慢話も聞いてやったし、黙っているならいるで、時には、どうしたのだろう、と聞き耳を立ててやった花なんだからね。僕の花なんだからね」と言って、キツネのところに戻って来た。

キツネは「もう一度、バラの花を見に行ってごらんよ。あんたの花が、世の中に一つしかないことがわかるんだから。・・・・」そして、「心で見なくちゃ、物事はよく見えないってことさ。肝心なことは、目には見えないんだから・・・・あんたがバラの花を大切に思っているのはね、そのバラの花のために、時間を無駄にしたからだよ」

偶然出会ったキツネとの会話を通じて、王子さまは大切なことを気付かされたのだナ。「人間っていうものは、この大切なことを忘れているんだよ」

なるほどネ。旅の途中で王子さまが気づいた多くの事柄が、社会に出た自分のことに置き換えられるのだ。忘れていたことを思い出させてくれるのだ。
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そんな訳で、「星の王子さま―オリジナル版」をもう一度読んでみようかナ。
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# by cafegent | 2017-06-29 15:57 | ひとりごと | Trackback | Comments(0)
西武新宿線の沿線を散歩していると、民家の庭から線路際まで伸びた木にたくさんの枇杷の実がなっていた。枇杷の旬が終わると、東京も暑い夏に突入だネ。

西武新宿線の野方駅には人気のもつ焼き店「秋元屋」が二店舗営業しているが、この街にはもう一軒忘れちゃならないもつ焼きの名店が在る。駅を出て交番の前の道を左へと進み、野方文化マーケットの手前の道を入ると右手に『すっぴん酒場』の赤い提灯が見えてくる。
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暖簾を潜りガラリと戸を開けると細長いコの字のカウンター越しにご主人とママさんの笑顔が出迎えてくれる。
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小体の立ち飲み酒場だが、アットホームな雰囲気でいつも奥席ではご常連さんたちで賑わっている。

先ずは財布から千円札を2枚ほど出してカゴの中へと放り込む。さて、飲み物は何にしようか。下町ハイボールも好いが、黒ホッピーにしよう。此処のホッピーは黒しか置いていないのだネ。
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此処は焼酎が多めに入っているので、ホッピーのボトルでナカ焼酎がもう3杯ぐらいはイケるのだヨ。

ご主人が焼き台に立ち、ママさんは酒やサイドメニューの支度と、夫婦二人三脚で切り盛りをしている。

ご主人が目の前でコブクロを捌いている。よし、コブクロ刺しを戴こう。
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その丁寧な仕事ぶりを眺めているだけで、この店の揺るぎない自信が感じられるのだ。
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店主の徳宿(とくしゅく)さんは、元は洋食店で働いていたのだが、もつ焼きに惹かれ神田の焼き鳥・焼きとんの名店で修業を積み、11年前にこの地に「すっぴん酒場」を開いたのだナ。

此処は素材の仕入れに絶対の自信を持っており、ひと串、ひと串を絶妙な焼き加減で提供してくれるので、タイミングを逃すとスグに品切れとなってしまうのだ。カウンター上の木札が裏返しになって赤い文字になっている品書きは売り切れという訳だ。

焼き物も他店とは一味違う工夫が感じられる。中でもピータンを使った「ピータンピーマン」串や豚肉でミョウガと生姜を巻いた「しょうがみょうが」串は絶大な人気を誇っている。フゥッ、ホッピーのナカをお代わりし、クィクィと喉を流れていく。

此処は焼きとんも美味いが、ツクネも素晴らしい。
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定番のつくね串の他に、ニラの風味が効いたオヤジつくね、チーズつくね、そしてたたきつくねと4種類もあるのだヨ。

串が焼きあがるとキャベツを敷いた皿に乗せて出してくれる。この皿もひとひねりしていて楽しい。カツ丼や親子丼を作る時に使う親子鍋の木の持ち手を取り払って、皿代わりにしているのだネ。

料理が来ると、ママさんがカウンター上のザルから代金を取っていく。キャッシュ・オン・デリバリーなので明朗会計だ。僕らもザルの中の小銭を数えて、千円札を追加したり、これで打ち止め!と思案するわけだ。

ご主人は僕と同い年なので、特撮映画や懐かしいドラマの話などで盛り上がってしまう。
焼酎の濃いホッピーを飲み続けていると酔ってウトウトしてしまいそうだが、立ち飲みなのでナントカ持ちこたえるのだナ。そんな時は、酔い覚ましにママさん特製のガラスープが効くのだ。
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鶏の旨味が凝縮した熱々のスープで、酔った頭もシャッキッとして、また酒に戻れるのだナ。

さて、ザルの小銭も僅かになった。
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空はまだ青紫色のマジックアワー、もう少しこの界隈を散策して、次の酒場へと向かおうか。
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# by cafegent | 2017-06-28 17:09 | 飲み歩き | Trackback | Comments(0)
地下鉄神保町駅のA7番出口の階段を登り右手の路地へと入る。車も通れないこの細い路地を作家の坂崎重盛さんは著書『神保町「二階世界」巡り』の中で、「さラミ兵三」横丁と命名している。
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路地に入ってスグ右手に喫茶『さぼうる』が在る。名物のナポリタンを求めて、いつも人が並んでいるネ。
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その路地を歩き進めると喫茶『ラドリオ』だ。
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昭和24年創業の老舗喫茶は重厚なレンガ造りで、創業当時はかなりハイカラでモダンだったであろう。
なるほど、ラドリオとはスペイン語でレンガのことだネ。
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古書店巡りに疲れたら、此処のウィンナーコーヒーが体を癒してくれる。
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我が国でウィンナーコーヒーを最初に出したのもラドリオだと聞いたことがある。

ラドリオの斜め前には世界のビールが揃う『ミロンガ・ヌォーバ』だ。昔は炭火焙煎の珈琲を味わいながらタンゴの名曲に耳を傾けるタンゴ喫茶「ミロンガ」だったのだが、ビールを提供するようにあってから「ヌォーバ」を付けたそうだ。向かい合う重厚なレンガ造りがこの路地を古き良き時代へとタイムスリップさせてくれるのだナ。
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ミロンガ・ヌォーバの前を過ぎると老舗居酒屋の『兵六』が在り、路地の突き当たりが『三省堂書店』の裏口にぶつかる。駅から三省堂書店までの路地の名店の頭文字をとって「さラミ兵三」となった訳だネ。

日が長くなった六月、酒場『兵六』の縄のれんが出る五時はまだ明るい。
入り口を半分ぐらい覆うほどに大きな提灯が初夏の風に揺れている。買ったばかりの本を抱えて、三省堂書店の裏口からまっスグに「兵六」の暖簾を潜るご常連も多い。
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此処は昭和二十年代頃から続く民衆酒場である。来年創業70周年を迎え、東京でも古参の居酒屋と言えるだろう。小体の店だが、店主をグルリと囲むコの字カウンターが妙に和む。口開け早々から席が埋まり、皆が良い笑顔で酒を愉しんでいる。初代店主の平山一郎氏は、まだ東京の酒場では馴染みがなかった鹿児島の本格焼酎を提供していた。

一年中、芋焼酎のさつま無双は燗酒で出される。
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添えられた小さなアルマイトの薬缶には白湯が入っており、自分の好みの濃さに湯で割って嗜むのが此処の流儀だ。

麦焼酎は氷の入ったグラスと水が供される。そして度数の高い球磨焼酎「峰の露」は冷凍庫でキンキンに冷やされており、ストレートで出されるのだナ。

店内には、初代の写真と共に『阿Q正伝』で知られる作家、魯迅の額が飾られている。上海で魯迅と邂逅した平山氏は、文化芸術と共に上海仕込みの餃子と炒豆腐(ちゃーどうふ)を酒の肴にこの地に『兵六』を開いたのだ。
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店の片隅に小さな張り紙が貼られている。紫煙で燻された紙には「他座献酬、大声歌唱、座外問答、乱酔暴論」と記されている。「他の席にお酌をするな!声張り上げて高らかに唄うな!他の席に行って喋るな!酔って暴論を交わすな!」と云う意味だネ。

此処では誰もが襟を正して、酒と向き合う。初代の平山氏が作ったこの「酒紳四戒」が、今も店と客の間に無言で保たれているからだ。だが、恐れる事はない。愉しく酔う分には、皆大歓迎だから。但し、無粋な客は今も三代目店主平山真人氏が厳しく叱る。代々引き継がれたコの字酒場の伝統である。

兵六では「酒は三合まで」と云う暗黙のルールがある。誰もがこの酒場に通うにつれて、自然にあの四戒が身に付き、大人の酒の愉しみ方を覚えていくのだナ。

つけあげ(薩摩揚げ)を肴にさつま無双をゴクリ。あぁ、五臓六腑に染み渡る。皆が銘々に酒と向き合っている姿を眺めているだけで、酒の味がグンと上がるのだ。

この酒場で僕は「ダレヤメの酒」と言う言葉を覚えた。「ダレは疲れ、ヤメは取るの意。仕事の疲れを取り、再び活力を得るには、肩の力を抜いて無心で酒と対する時間がオトコには必要だと思います。此処はそういう場であり続けたい。」と三代目の真人さんが語っていたのだ。スバラシイね。酒と向き合って無心になる。肩に乗った疲れも、明日への糧となるのだよネ。

此処は九州の郷土料理の他に、初代が本場中国で覚えた中華も美味い。乾麺で作る焼きそばや皮から手作りの焼き餃子、野菜と豆腐を炒めた炒豆腐(ちゃーどうふ)の濃い目の味付けが焼酎の旨みを引き立てる。
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厨房を仕切るのは、初代店主の娘さんたち。現在三代目の柴山真人さんは初代の甥に当たる。初代から受け継ぐ自慢の酒菜も此処の酒に合う。

独り盃を持ちながら、向こうの壁を見ると林芙美子や壷井繁治の額が目に入る。
     
    友のさし入れてくれた林檎一つ 
     
    掌にのせると地球のように重い
 
プロレタリア詩人の壷井重治が獄中で詠んだ詩を読み返す度に自分の今までの道のりを思いおこし、薩摩無双で我が身を清めるのだ。
 
此処は、開店以来ずっと電話無し、冷暖房無しだったが、厨房を守る初代の次女、茅野邦枝さん他女性陣たちの夏の辛さを考えて数年前よりエアコンが入った。それでも、今の様な季節は窓も入り口の戸も開け放たれて、路地を抜ける風を取り込んでいる。エアコンが無かった頃は、扇子や団扇が欠かせなかった。夏真っ盛りの季節になると、三省堂の社員通用口が開く度に流れ込んでくる書店の冷気を有り難く待ったっけ。

この店は初代が始めた頃とは違う建屋だが、最初の店の醸し出していた大正レトロな雰囲気をそのまま生かしてデザインされている。
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これは、昔の兵六の写真だが、今の店舗を設計したのは建築家の中島猛詞氏で、今も時々この店で一緒に酒を酌み交わしている。

口開けの時間は、初代の頃からの古い常連さんが多い。八十を超える方々も沢山居るのだ。前にも隣りに並んだ御仁が、「戦後」にもこんな素晴らしい酒場が在るのだよ、と独り言を言って猪口を口へと運んでいたナ。この酒場に集う彼らの酒の嗜み方を見習いながら、僕も知らず知らずのうちに酒飲みの作法を覚えていったのかナ。
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『兵六』は酒呑みの学校かもしれない。神保町の片隅で酒呑みの作法を覚えるのは素晴らしいことだ。此処で出会った御仁のように、誰もが素敵に歳を重ねて行くのだから。
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# by cafegent | 2017-06-26 15:31 | ひとりごと | Trackback | Comments(0)