東京だからこそ出会う人や店をつれづれなるままに紹介


by cafegent
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31
「四万六千日、お暑い盛りでぇございます」古典落語でお馴染み黒門町の桂文楽師匠の十八番(おはこ)『船徳』の語りだネ。
b0019140_16384241.jpg
毎年、夏になるとこの噺をCDで聞いている。と云うよりも、これを聴かなくちゃ僕の夏は来ないのでアル。

浅草、浅草寺では昨日と今日に「ほおずき市」が催されているが、毎年この時に浅草の観音様にお詣りをすれば、四万六千日もお祈りしたことと同じだけの功徳が得られると伝わっている。
b0019140_1640376.jpg
今日も東京は朝から良い天気に恵まれたので、僕もお詣りへと出かけた。


ちょうど一週間前から座骨神経痛に見舞われて、右足が痛くて歩くのもままならない状態なのだが鎮痛剤が効いている間は多少痛みも和らいでいる。その間を見計らって地下鉄に乗って浅草寺まで足を伸ばしたのだナ。
b0019140_16424090.jpg
平日だというのに、宝蔵門の先も人で溢れていたナ。賑わう人々の後に並んでお詣りをしよう。

思いのほかスムーズに列が流れ、時間も掛からなかったナ。
b0019140_16422198.jpg
無事にお詣りを済ませると浅草寺から「雷除守護」のお札を賜ることが出来る。
b0019140_16495689.jpg
よし、これで座骨神経痛が早期に治ることを願うとしよう。
b0019140_1645201.jpg
境内をぐるりと回り、ほおずき市の賑わいも楽しんだ。

浅草寺の喧騒を抜けると、裏路地は平日らしさを取り戻していた。
b0019140_16462100.jpg
『浅草サンボアバー』の扉を開けると、いつものように凛とした空気が漂っていたナ。帽子を脱いでカウンターへと進む。此処で最初に頼むのは、決まってハイボールだ。
b0019140_16504118.jpg
いつも「初心忘れず、の気持ち」で丁寧に作ってくれる、その姿も酒の旨味を増幅させるのだナ。

この時間に飲むハイボールは、どうしてこんなにも美味しいのだろう。
b0019140_1651911.jpg
キリリと冷えたグラスを手に取り、口へと運ぶ。おぉ、仄かな柑橘の香りが鼻腔を刺激する。
ゴクリ、炭酸の泡が僕の喉を刺激する。ふぅ、汗ばんだ肌に一筋の涼が沁み込んでいくようだ。

遅めのランチは、評判の100%ビーフのハンバーガーにしようか。
b0019140_16513844.jpg
これもハイボールに合う一品だネ。
b0019140_1652331.jpg
さぁ、神経痛が目を覚まさないうちに早々に引き上げるとしよう。
# by cafegent | 2017-07-10 16:53 | ひとりごと
今日7月6日は大安であり「一粒万倍(いちりゅうまんばい)日」だネ。一粒万倍とは、たった一粒の籾(もみ)が万倍にも実り、見事な稲穂になるという日なんだナ。加えて、今日は「天赦日(てんしゃにち)」と言って開業や結婚、引っ越しなど大事な催しの事始めに良いとされている日なのだ。

そんなワケで、今日は大安、一粒万倍日、天赦日と三つの縁起が重なっているメデタイ日なのだネ。
b0019140_1217527.jpg
※稲穂の画像は、淀屋橋心理療法センターのフリー写真素材からお借りしました。

閑話休題。

一昨日から腰痛がひどくなり、昨日はその痛みがお尻まで移動した。

最初は右腰あたりの痛みだったのだが、突然右の臀部がズキズキと痛み出し、翌日にはその痛みが膝に来た。普通に椅子に座って安静にしている分には痛みも少ないのだが、キッチンで洗い物をしていたら急に太ももから下が重くなり痺れと膝小僧あたりが痛み出したのだ。
b0019140_1220386.jpg
特に何か重いものを持ったりしたという訳ではないが、ちょうど一ヶ月程前の引越しの作業中に本が詰まったダンボールを運んだり、冷蔵庫を動かしたりした時にギックリ腰の前兆のようなピキッといった痛みを感じたのだが、それ以降はさほど何も症状が出なかったから放っておいたのだった。

数日前から再び右の腰あたりが痛み出し、風呂の中で腰を押したりしていたのだが、その日の晩に急に右のお尻の辺りに激痛が走ったのだナ。そして、昨日の朝一番に病院に行った次第だ。しかも、家から病院に向かう途中で、右足が重くなり、膝に痛みが生じた。こりゃ堪らん、と児童公園のベンチで少し休むと痛みも和らいだ。

先生に症状を伝えると、ウンウンと頷き、先ずは骨を見てみましょう、とレントゲン室へ。

再び診察室に戻り、レントゲン写真を見ると僕の背骨は、明らかに曲がっていた。

積み上がった背骨のお尻に近い側の椎骨の間の隙間が他の部分よりも狭くなっていたのだネ。脊柱管の中には神経が通っている。この神経に沿う血管が椎骨の間の狭まりによって圧迫されて、神経が刺激されて痛みや痺れを疾患するのだと伺った。

どうやら、腰部脊柱管狭窄(ようぶせきちゅうかんきょうさく)症と言う疾患が生じてしまったらしい。
難しいことは解らないが、所謂(いわゆる)ヘルニアの一種だそうだ。それによって神経が圧迫されて引き起こされる痛みなのだネ。

そして、歩くと膝が痛むのは「間欠性跛行(かんけつせいはこう)」という症状とのこと。これも坐骨神経の症状だそうだ。

さて、原因はなんだろう?長時間パソコンに向かっている時の姿勢が悪かったのかもしれない。先生は「何が原因かははっきりとは判らない。色々な要因が積み重なってきたのかもしれないしネ。まぁ、そんな歳になったってことだよ。」だった。トホホ、還暦を目前に控えたとはいえ、まだまだ自分は若いつもりでいたのだヨ。加齢が引き起こした疾患だったのネ。

右の尻から足にかけての痛みは続いているが、今日は新しい仕事が始まるのだ。「一粒万倍日」と「天赦日」のご利益を賜れるように、痛みをグッと堪えてひと頑張りしようかナ。
# by cafegent | 2017-07-06 12:21 | ひとりごと
夏至が過ぎて、季節は半夏生(はんげしょう)を迎えたネ。田畑などで半夏(からすびしゃく)が生え始める頃というわけだ。烏柄杓(からすびしゃく)の茎から取れる生薬の名を半夏(はんげ)と呼ぶのだナ。

この半夏生の時季に花を咲かせるのがハンゲショウ(半夏生、半化粧とも記す)で、葉の半分ほどが白くなるので、半分化粧を施しているように見えるからだ。
b0019140_15585766.jpg
漢方薬に用いられる半夏と半夏生は違う花だが、同じ頃に開花するから混同しがちなのだネ。

関西では、ちょうど鱧(ハモ)の季節になった頃だ。
b0019140_1541244.jpg
梅雨の季節が一番脂が乗って美味いと言われている鱧だが、東京だとちょいと敷居の高い食材と思われているかもしれないナ。京都の家々では、祇園祭の話に花を咲かせながら、鱧料理を楽しんでいる。捌いたり骨切りしたりと手間がかかりそうだが、家庭料理として親しまれているのだナ。

あぁ、「鱧の落とし」(骨切りした鱧を湯の中に落とし、冷水で締め梅肉で食す)も葛粉をまぶして吸い物にした「ぼたんはも」夏の季節に欠かせない一品だ。

そう云えば、先日NHKのテレビドラマ『みをつくし料理帖』を観ていたら、「ふっくら鱧の葛叩き」という料理が登場した。
b0019140_15403562.jpg
黒木華演じる澪(みお)も素敵だが、毎回彼女が作る料理がこのドラマの最大の魅力だよナァ。
b0019140_1540471.jpg
最後に彼女がドラマの中で作った料理を家庭でも作れるように再現してくれるのが、またイイのだ。モダンなキッチンスタジオでドラマ同様に着物に割烹着姿で料理を作る姿につい見惚れてしまうのだナ。

ハモハモ言っていたら、徳島の居酒屋『小島』で食べた鱧料理が食べたくなったナ。
b0019140_1540935.jpg
まーどーでもイーか。

     ◇        ◇        ◇
先日、巷で評判になってい店に行ってみた。この歳になると中目黒や代官山、学芸大学など若者たちが賑わうエリアから足が遠のいている。その中でも、新規オープンの店となると余程の知り合い関係じゃないと、億劫になってしまうのだナ。だが、友人たちが挙(こぞ)って足繁く通っていると聞いたので、重い腰を上げたのでアル。

いつものように武蔵小山の酒場『牛太郎』からスタートだ。
b0019140_15452781.jpg
此処ではホッピーは飲まない。何故ならば、地元武蔵小山を代表するハイサワーの本社が近くに在るからだ。
b0019140_15454761.jpg
僕と同い年の三代目社長の田中秀子さんの人柄も素敵だし、何よりキリリとしたレモン果汁の味が好きだからなのだ。
b0019140_15482642.jpg
ハイサワーは甲類焼酎を割って飲むのも旨いが、白ワインで割ってもイケるのだ。

牛太郎に来たら、先ずはコレを食べなくちゃ!
b0019140_15442929.jpg
一皿120円の「とんちゃん」は、酒がススむ最高の肴だヨ。ガツやアブラなどをニンニクなどに漬け込んで、特製の丸鍋で蒸し焼きにする。熱々のとんちゃんに刻んだネギと自家製の味噌ダレを添えてくれるのだ。都内縦横無尽に東京の酒場を飲み歩いているが、この料理を目にしたことは一度も無い。以前、店主の城(じょう)さんこと、新井城介さんに「とんちゃん」のことを伺ったことがある。元々は九州の筑豊地方の炭鉱向けのスタミナ料理だったそうだ。初代牛太郎の店主だった城さんの父が炭鉱夫だった店のお客さんに聞いた料理を思考錯誤して創り出した一品で、いつしかこの店の名物となったのだネ。

此処は煮込みも美味い。居酒屋のもつ煮込みと言えば、味噌が効いた濃い味が主流だが、牛太郎は玉ねぎの甘さが際立っている。優しい味が沁みたシロやフワなどがたっぷりと入っており、パンチの効いたとんちゃんとは対極の味わいだ。とんちゃんと煮込み、この二品が絶妙な酒菜のコンビネーションとなり、酒のグラスがどんどんと空いていくのだナ。

ハツ、ガツ、テッポウ、タン、なんこつなどの焼きとん串もスバラシイ。
b0019140_15441363.jpg
塩かタレを選んで焼いて貰うのだが、素焼きにして戴いてとんちゃんに乗せる味噌ダレで食べるのも実に旨い。そうそう、ピーマン焼きも美味いのだ。此処では、ピーマンの種を取り除かずに焼くのだが、種の部分も香ばしくて好い味だ。
b0019140_15431855.jpg
僕もピーマンの種は、牛太郎で初めて食べたかもしれないナ。

さて、程よく飲んだので、後ろで待つお客さんに席を譲ろう。この店では、後ろの待合席で待つことも大事なのだ。初めて訪れた方々も、待ち席で先客の注文の仕方やタイミング、帰り際の食器の片付けなどを黙って眺めていれば覚えてしまうからネ。
b0019140_15473565.jpg
城さん、ご馳走様でした!

随分と日が長くなった。午後7時だと云うのにまだ空が明るいネ。牛太郎を出て、26号線を夕日の沈む方へと歩いた。目黒通りの信号を渡り、左斜めの道へ入ると学芸大学駅の方へと続く。担担麺でお馴染みの『香気』の角を左斜めに進みUFJ銀行の前を右手に入ると、目指す店に到着だ。

初めてだったが、近くに友人の酒場も在るからスグに判るだろうとタカを括っていたら案の定迷ってしまった。店名の記された看板を探していたのが失敗だった。酒朋のライター森一起さんに場所が判らないので教えて、とラインで送ったりしながら、路地を何度もグルグル回ってしまった。そして、改めて「立ち飲み」だったよナ、「イタリアン」だったよナ、と視覚と嗅覚を再度発揮して店々を見て回ると、漸く辿り着いたのだ。

其処は、角地に立つ新しいビルの一階。オープンエアな間口で、ひと際賑わっている酒場だ。そう、此処が今回初訪問の立ち飲みイタリアン『あつあつ リ・カーリカ』だ。
b0019140_1549162.jpg
それにしてもだ!小さな木の板に手書きのアルファベットで『atsuatusu Ri Carica APERTO』と描いてあっても、これじゃやっぱり判らないよナ。

学芸大学で評判のイタリア料理店『リ・カーリカ』『カーリカ・リ』に続く3店舗目となる新店は、この春にオープンしたばかりだが、既に連日大賑わいとなっている。

この日も午後8時前に訪れたのだが、L字型のカウンター席も壁際の席も満杯だった。こりゃ駄目かナ、と思っていたらタイミングよく壁際のお客さんがお会計を済ませて出てきてくれた。

細長い木のカウンターの下にはフックが付いているので、バッグを掛けて狭い通路を妨げないようにするのだネ。それでもオープンキッチンに面したメインのカウンター席と壁際の間は狭いのだ。双方にお客が立てば、その間をすり抜けるのは至難の技でアル。それでもボウタイ姿が可愛いスタッフの男の子は器用に往き来してワインや料理を運んだり、接客に勤しんでいたナ。

ワインはビオワインが中心で、700円から1,200円の幅で白・赤を数種類セレクトして用意している。もちろん、スパークリングも有るし、ビールや日本酒も有るのだヨ。ビールは冷蔵庫からセルフで出して栓を抜く。

料理も冷菜と温菜がそれぞれ10種類ほど、それにパスタが数種類あるのだネ。小体の店なので、これ位の品数が丁度良い。

さぁ、ワインはイタリア産の「レ・コステ・リトロッツォ」の赤を戴いた。
b0019140_15502829.jpg
瓶ごとラッパ飲みする男のイラストが洒落ているリトロッツォは、爽やかな口当たりでガブ飲みしちゃいそうなビオワインだネ。一杯700円は、納得の値段だナ。

このワインに合わせたのが、ズッキーニとからすみのサラダだ。
b0019140_15505087.jpg
煮浸しにした?のかナのズッキーニの輪切りに擦り下ろしたからすみがたっぷりとかかっている。おぉ、こりゃからすみだけを指につけて舐めてもワインがススむススむ。

お次は王様しいたけの熟れクリームソテーが運ばれてきた。
b0019140_15533352.jpg
これは、その名の通りキングサイズの椎茸だが、香りも際立っている。堤シェフが厨房でソテーしている場からも、豊かな香りが漂ってくるものネ。その香りだけで、ワインがクィクィとススんでしまうヨ。二杯目のワインはシチリア・パレルモで造られた「アレッサンドロ・ヴィオラ・ノート・ディ・ロッソ」だ。
b0019140_15513184.jpg
無添加・無農薬の自然派ワインは、栗の樽で熟成しており、何とも言えない深い味わいを醸し出している。こちらは一杯1,000円だが、迷わずお代わりしたくなる味だ。

豚ロースの塊を丸焼きにしたアリスタが焼けていると聞いた。「アリスタ」とはギリシャ語で〝最高のもの〟という意味。トスカーナ地方に伝わるおもてなしの伝統料理なのだネ。

シェフ自慢の一品は、売り切れ御免のスペシャリテなので、来訪したら真っ先に残っているかどうかを聞いておくと良いかもしれない。

ウヒョッ!こりゃ凄いネ!
b0019140_15543468.jpg
ローズマリーやセージの香りを纏った豚ロースは、脂身の部分も最高に美味しい。粒マスタードを乗せて口へと運べば、誰もが頬を緩ませる筈だナ。

白ワインと肉汁が極上のソースとなり、白いんげん豆に旨みが染み込んでいる。あぁ、幸せなひと時だ。

此処は午後7時から、深夜3時まで営業しているのだヨ。
b0019140_15552421.jpg
酒朋の森さんも毎晩のように武蔵小山で飲んだ帰り、夜更けの「あつあつ リ・カーリカ」に立ち寄っていると聞いた。店のスタッフもタフだが、森さんもタフだよネ。僕が訪れた日の前日が、堤シェフの誕生日だったらしい。オーバーオール姿が似合っているシェフは、手を休める暇もない。オープンキッチンは片時も気を抜けないけれど、それ以上にお客さんとのコミュニケーションが深まるって訳だ。それって、料理以上に大事な財産になるものネ。
b0019140_15555320.jpg

さて、次々とひっきりなしにお客さんが店を訪れる。外で待っている方々も見受けられるし、此処は立ち飲み酒場だ。長っ尻はイケナイね。ご馳走様でした!此処は本当に噂に違わず素晴らしい店だったナ。また、近いうちにお邪魔します。これからは、もう少し億劫がらずに新しい店にも顔を出すようにしなくちゃナ!

と、再び武蔵小山を目指して歩いたのでアール。
# by cafegent | 2017-07-05 15:59 | 食べる
先日、神田の出世不動通りに在る居酒屋『あい津』のご常連さんたちと集い京成曳船駅近くに佇む『岩金酒場』へと出かけた。
b0019140_16212817.jpg
この日は、浅草駅で集合し、東京スカイツリーラインに乗り、二駅目の曳舟駅で下車。曳船文化センター前の大通りへ出たら、左へと曲がり八広方面へと歩く。約10分程歩けば、目当ての『岩金酒場』に到着だ。

この界隈には、八広の『丸好酒場』や『三祐酒場』『亀屋』など下町ハイボールの旨い酒場が多いので、僕もよく来るエリアだ。
b0019140_16215514.jpg
岩金酒場の建屋も随分と年季が入っておりとても渋く、初めて訪れる方は「オォっ」と声を上げることだろうナ。
b0019140_16221559.jpg
暖簾を潜り、ガラリと戸を開けると、L字型のカウンター席はもう満杯だ。でも、この日は予め人数を言っておいたので、卓席を3つ開けていてくれたのだヨ。
b0019140_16501156.jpg
かくして、総勢15人の酒宴が始まった。

此処に来たら、先ずは迷わずハイボールだネ。
b0019140_16464055.jpg
焼酎に天羽の梅エキスが入っているグラスと炭酸が運ばれてくる。氷ありと無しを選べるのだが、僕は氷無しにするのだ。そこへ下町でお馴染みのヤングホープ炭酸を一気に注ぐとシュワシュワッと泡が立ち自分だけの特製ハイボールの完成だ。1/4にカットされたレモンが良いアクセントになる。
b0019140_16504952.jpg
酒朋Qちゃんは、ビール党だから、こちらでもやっぱり瓶ビールだったネ。

この日は僕らのために、紅ズワイガニを仕入れていてくれたそうだ。
b0019140_1647493.jpg
どうですか、このボリュームでなんと480円なのだから恐れ入りやの鬼子母神。
b0019140_16474080.jpg
こちらのちくわカレーきんぴらも酒の肴に好い。350円でこの量なのだから、ウレシイ限りだネ。

そうそう、此処に来たら絶対にオススメなのが、この特製ニラナンコツつくねだヨ!
b0019140_16471727.jpg
コリコリなんこつの食感とニラの風味が効いて、酒との相性バッチリだ。

この酒場は素敵な女性たちがテキパキと仕事をこなしている。ベテランの女将を筆頭に若いコたちまで、実にリズミカルに陽気に動いており、見ていてとても心地が良い。で、肝心のマスターは?と云えば、いつものようにカウンター席の隅っこでご常連さんたちと笑顔で酒を酌み交わしているのだナ。
b0019140_16563895.jpg
この酒場は、酒の肴も充実しているが、実は炭水化物メニューの品揃えも豊富でアル。
b0019140_16403648.jpg


「あい津」と「岩金酒場」両方のご常連である市村さんは、この炭水化物たちをこよなく愛している。
b0019140_16415968.jpg
うっかりしていると僕らの隙を見ては何品も頼んでしまうのだネ。

岩金のナポリタンも絶品だ。
b0019140_16425719.jpg
懐かしい昭和の喫茶店の味がするのだヨ。

そして、こちらがもんじゃグラタンだ。
b0019140_1644829.jpg
熱々ウマウマだ!
b0019140_16443139.jpg
この明太もちピザも大衆酒場ならではの味で、イタリアンな店では絶対にお目にかかれないひと皿だ。

お次は、明太バターうどんだ。
b0019140_164558100.jpg
刻み海苔がイイネ!ハイボールのお代わりもススむススむ。

続々と炭水化物メニューが運ばれてきたが、皆さんペロリと平らげているネ。僕もハイボールを8杯ぐらい飲んだんじゃないだろうか。

そろそろ満腹だナァ、と思っていたら岩金特製のタンタン麺を作ってくれるとのことだった。これも市村さんがお願いしていたんだろうナ。嬉しいネ。此処のタンタン麺は、何故か千葉のB級グルメとして有名な勝浦タンタンメンなのだネ。
勝浦タンタンメンは醤油ベースのスープに真っ赤なラー油が特徴的なラーメンで、ゴマや芝麻醤(チーマージャン)は一切使わないのだ。
b0019140_16474756.jpg
女将さん特製の味は最高に美味い。しかも、人数分に小さめなお椀に小分けして作ってくれたのには感謝多謝!ありがとうございました!

あぁ、喰った喰った!呑んだ呑んだ!

外に出るとちょうど日が沈んだ頃だった。何処かの民家で育てているのだろうか。オシロイバナの香りが通りに漂っていたナ。この花は夕方に咲き始めるので、夜になると強い香りを放つのだネ。
b0019140_16514068.jpg
酒朋の荒木マタェモンさん、Qちゃん、愉しい酒宴でしたネ〜!

夜の帳が降りる時刻、曳船駅界隈のスナックの灯りも点き始めた頃だ。そして、僕ら一行は次の酒場へと移動。
b0019140_16515966.jpg
夜空に輝くスカイツリーを目印に『岩金酒場』のマスターが、先頭をズンズンと歩いていく。

そして、僕らはカラオケスナック『輝 in(シャイン)』の扉を開けたのでアール。
b0019140_16524520.jpg
あい津マスターの石村さん、楽しい酒宴をありがとうございました!また行きましょうネ〜!!
# by cafegent | 2017-07-03 17:00 | 飲み歩き
今日、6月29日はフランスの作家サン=テグジュペリの誕生日だそうだ。
b0019140_1625823.jpg
今から50年近くも前、父親から2冊の本を貰った。一冊がバージニア・リー・バートンが書いた「せいめいのれきし」という絵本、そしてもう一冊がサン=テグジュペリの書いた「星の王子さま」だったナ。

「せいめいのれきし」は大判の絵本で、地球に三葉虫などの生命が誕生してから、現代までの壮大なヒストリーをカラフルな絵と分かりやすい文章で紐解いてくれた。鳥も恐竜が進化したものだったなんて、この本で初めて知ったっけ。

  みなさん、お待たせいたしました。いよいよ、舞台の幕が上がります。プログラムは「せいめいのれきし」。地球上に生命が誕生した瞬間から、地上でひとびとの暮らしが営まれている今、この時までのおはなし。・・・・

タキシードを着た司会者がステージに立って生まれたての地球の姿を紹介しているイラストは、まるでスペースオペラを客席で観劇しているかのように、その絵に魅入ったナァ。

三畳紀、ジュラ紀、白亜紀と続いた恐竜の時代が白亜紀の後期にこの地球上から姿を消したのだが、恐竜の絶滅の原因がまさか巨大な隕石がメキシコのユカタン半島沖に衝突した衝撃によるものだったなんて、この絵本が出た頃は誰も知らなかったからネ。そんな歴史の大発見を踏まえて、実に半世紀ぶりにこの絵本の改訂版が出たのだネ。

当時読んだ絵本は、もう手元に残っていないけれど、隕石の衝突や、その後の恐竜の進化などが新たに書き加えられているみたいなので、「せいめいのれきし 改訂版」を買ってみようかナ。
b0019140_1541533.jpg
おっと、サン=テグジュペリの誕生日から話がそれてしまったネ。「せいめいのれきし」は何処かへ無くなってしまったが、「星の王子さま」は当時読んだものと同じモノが、今も僕の手元に有る。10年ほど前に新橋の古書市で見つけて、懐かしさのあまり手に入れた一冊だ。岩波少年文庫の小学5・6年以上向けのもので、扉の王子さまとバオバブの木の挿絵以外は全部がモノクロだ。
b0019140_1551843.jpg
この本は、小学生の頃に読んだ時、高校生の頃に読み返した時、そして社会に出てから再び読んだ時とまるで印象が違っていたのだナ。

大人になってから、誰かのエッセイで「星の王子さま」からいろんなことを学び、心が洗われた、と綴ってあったので読み返してみたワケだ。なるほど、その通りだったナ。

バラの花のことでキツネと話をしている場面があった。五千ものバラの花が咲いた庭で、王子さまは遠い星に残してきた一本のバラのことを想っていたのだナ。「僕はこの世に、たった一つという、珍しい花を持っているつもりだった。ところが、実は、当たり前のバラの花を、一つ持っているだけだったんだ。僕はこれじゃあ偉い王様になんかなれない...」と嘆いて泣いたのだ。

そこで出会ったキツネが泣いていた王子さまと言葉を交わし、少し元気を取り戻した。仲良しになったキツネは「もう一度、バラの花を見に行ってごらんよ。あんたの花が、世の中に一つしかないことがわかるんだから。・・・・」

再びたくさんのバラの花の庭に行った王子は、花たちに向かって「あんたたち、僕のバラの花とは、まるっきり違うよ。ただ、咲いているだけじゃないか。だぁれも、あんたたちとは仲良くしなかったし、あんたたちの方でも、誰とも仲良くしなかったんだからね。...あの一輪のバラの花は、僕が水をかけて、ガラスで覆いをかけ、つい立てで風に当たらないようにしたからね。不平も聞いてやったし、自慢話も聞いてやったし、黙っているならいるで、時には、どうしたのだろう、と聞き耳を立ててやった花なんだからね。僕の花なんだからね」と言って、キツネのところに戻って来た。

キツネは「もう一度、バラの花を見に行ってごらんよ。あんたの花が、世の中に一つしかないことがわかるんだから。・・・・」そして、「心で見なくちゃ、物事はよく見えないってことさ。肝心なことは、目には見えないんだから・・・・あんたがバラの花を大切に思っているのはね、そのバラの花のために、時間を無駄にしたからだよ」

偶然出会ったキツネとの会話を通じて、王子さまは大切なことを気付かされたのだナ。「人間っていうものは、この大切なことを忘れているんだよ」

なるほどネ。旅の途中で王子さまが気づいた多くの事柄が、社会に出た自分のことに置き換えられるのだ。忘れていたことを思い出させてくれるのだ。
b0019140_1557252.jpg
そんな訳で、「星の王子さま―オリジナル版」をもう一度読んでみようかナ。
# by cafegent | 2017-06-29 15:57 | ひとりごと
西武新宿線の沿線を散歩していると、民家の庭から線路際まで伸びた木にたくさんの枇杷の実がなっていた。枇杷の旬が終わると、東京も暑い夏に突入だネ。

西武新宿線の野方駅には人気のもつ焼き店「秋元屋」が二店舗営業しているが、この街にはもう一軒忘れちゃならないもつ焼きの名店が在る。駅を出て交番の前の道を左へと進み、野方文化マーケットの手前の道を入ると右手に『すっぴん酒場』の赤い提灯が見えてくる。
b0019140_16571176.jpg
暖簾を潜りガラリと戸を開けると細長いコの字のカウンター越しにご主人とママさんの笑顔が出迎えてくれる。
b0019140_16545419.jpg
小体の立ち飲み酒場だが、アットホームな雰囲気でいつも奥席ではご常連さんたちで賑わっている。

先ずは財布から千円札を2枚ほど出してカゴの中へと放り込む。さて、飲み物は何にしようか。下町ハイボールも好いが、黒ホッピーにしよう。此処のホッピーは黒しか置いていないのだネ。
b0019140_16552723.jpg
此処は焼酎が多めに入っているので、ホッピーのボトルでナカ焼酎がもう3杯ぐらいはイケるのだヨ。

ご主人が焼き台に立ち、ママさんは酒やサイドメニューの支度と、夫婦二人三脚で切り盛りをしている。

ご主人が目の前でコブクロを捌いている。よし、コブクロ刺しを戴こう。
b0019140_16541362.jpg
その丁寧な仕事ぶりを眺めているだけで、この店の揺るぎない自信が感じられるのだ。
b0019140_1656265.jpg
店主の徳宿(とくしゅく)さんは、元は洋食店で働いていたのだが、もつ焼きに惹かれ神田の焼き鳥・焼きとんの名店で修業を積み、11年前にこの地に「すっぴん酒場」を開いたのだナ。

此処は素材の仕入れに絶対の自信を持っており、ひと串、ひと串を絶妙な焼き加減で提供してくれるので、タイミングを逃すとスグに品切れとなってしまうのだ。カウンター上の木札が裏返しになって赤い文字になっている品書きは売り切れという訳だ。

焼き物も他店とは一味違う工夫が感じられる。中でもピータンを使った「ピータンピーマン」串や豚肉でミョウガと生姜を巻いた「しょうがみょうが」串は絶大な人気を誇っている。フゥッ、ホッピーのナカをお代わりし、クィクィと喉を流れていく。

此処は焼きとんも美味いが、ツクネも素晴らしい。
b0019140_16531050.jpg
定番のつくね串の他に、ニラの風味が効いたオヤジつくね、チーズつくね、そしてたたきつくねと4種類もあるのだヨ。

串が焼きあがるとキャベツを敷いた皿に乗せて出してくれる。この皿もひとひねりしていて楽しい。カツ丼や親子丼を作る時に使う親子鍋の木の持ち手を取り払って、皿代わりにしているのだネ。

料理が来ると、ママさんがカウンター上のザルから代金を取っていく。キャッシュ・オン・デリバリーなので明朗会計だ。僕らもザルの中の小銭を数えて、千円札を追加したり、これで打ち止め!と思案するわけだ。

ご主人は僕と同い年なので、特撮映画や懐かしいドラマの話などで盛り上がってしまう。
焼酎の濃いホッピーを飲み続けていると酔ってウトウトしてしまいそうだが、立ち飲みなのでナントカ持ちこたえるのだナ。そんな時は、酔い覚ましにママさん特製のガラスープが効くのだ。
b0019140_16534118.jpg
鶏の旨味が凝縮した熱々のスープで、酔った頭もシャッキッとして、また酒に戻れるのだナ。

さて、ザルの小銭も僅かになった。
b0019140_1772099.png
空はまだ青紫色のマジックアワー、もう少しこの界隈を散策して、次の酒場へと向かおうか。
# by cafegent | 2017-06-28 17:09 | 飲み歩き
地下鉄神保町駅のA7番出口の階段を登り右手の路地へと入る。車も通れないこの細い路地を作家の坂崎重盛さんは著書『神保町「二階世界」巡り』の中で、「さラミ兵三」横丁と命名している。
b0019140_1425620.jpg
路地に入ってスグ右手に喫茶『さぼうる』が在る。名物のナポリタンを求めて、いつも人が並んでいるネ。
b0019140_14252188.jpg
その路地を歩き進めると喫茶『ラドリオ』だ。
b0019140_14253269.jpg
昭和24年創業の老舗喫茶は重厚なレンガ造りで、創業当時はかなりハイカラでモダンだったであろう。
なるほど、ラドリオとはスペイン語でレンガのことだネ。
b0019140_14282199.jpg
古書店巡りに疲れたら、此処のウィンナーコーヒーが体を癒してくれる。
b0019140_14283735.jpg
我が国でウィンナーコーヒーを最初に出したのもラドリオだと聞いたことがある。

ラドリオの斜め前には世界のビールが揃う『ミロンガ・ヌォーバ』だ。昔は炭火焙煎の珈琲を味わいながらタンゴの名曲に耳を傾けるタンゴ喫茶「ミロンガ」だったのだが、ビールを提供するようにあってから「ヌォーバ」を付けたそうだ。向かい合う重厚なレンガ造りがこの路地を古き良き時代へとタイムスリップさせてくれるのだナ。
b0019140_1429378.jpg
ミロンガ・ヌォーバの前を過ぎると老舗居酒屋の『兵六』が在り、路地の突き当たりが『三省堂書店』の裏口にぶつかる。駅から三省堂書店までの路地の名店の頭文字をとって「さラミ兵三」となった訳だネ。

日が長くなった六月、酒場『兵六』の縄のれんが出る五時はまだ明るい。
入り口を半分ぐらい覆うほどに大きな提灯が初夏の風に揺れている。買ったばかりの本を抱えて、三省堂書店の裏口からまっスグに「兵六」の暖簾を潜るご常連も多い。
b0019140_14365652.jpg
此処は昭和二十年代頃から続く民衆酒場である。来年創業70周年を迎え、東京でも古参の居酒屋と言えるだろう。小体の店だが、店主をグルリと囲むコの字カウンターが妙に和む。口開け早々から席が埋まり、皆が良い笑顔で酒を愉しんでいる。初代店主の平山一郎氏は、まだ東京の酒場では馴染みがなかった鹿児島の本格焼酎を提供していた。

一年中、芋焼酎のさつま無双は燗酒で出される。
b0019140_14354724.jpg
添えられた小さなアルマイトの薬缶には白湯が入っており、自分の好みの濃さに湯で割って嗜むのが此処の流儀だ。

麦焼酎は氷の入ったグラスと水が供される。そして度数の高い球磨焼酎「峰の露」は冷凍庫でキンキンに冷やされており、ストレートで出されるのだナ。

店内には、初代の写真と共に『阿Q正伝』で知られる作家、魯迅の額が飾られている。上海で魯迅と邂逅した平山氏は、文化芸術と共に上海仕込みの餃子と炒豆腐(ちゃーどうふ)を酒の肴にこの地に『兵六』を開いたのだ。
b0019140_14401068.jpg
店の片隅に小さな張り紙が貼られている。紫煙で燻された紙には「他座献酬、大声歌唱、座外問答、乱酔暴論」と記されている。「他の席にお酌をするな!声張り上げて高らかに唄うな!他の席に行って喋るな!酔って暴論を交わすな!」と云う意味だネ。

此処では誰もが襟を正して、酒と向き合う。初代の平山氏が作ったこの「酒紳四戒」が、今も店と客の間に無言で保たれているからだ。だが、恐れる事はない。愉しく酔う分には、皆大歓迎だから。但し、無粋な客は今も三代目店主平山真人氏が厳しく叱る。代々引き継がれたコの字酒場の伝統である。

兵六では「酒は三合まで」と云う暗黙のルールがある。誰もがこの酒場に通うにつれて、自然にあの四戒が身に付き、大人の酒の愉しみ方を覚えていくのだナ。

つけあげ(薩摩揚げ)を肴にさつま無双をゴクリ。あぁ、五臓六腑に染み渡る。皆が銘々に酒と向き合っている姿を眺めているだけで、酒の味がグンと上がるのだ。

この酒場で僕は「ダレヤメの酒」と言う言葉を覚えた。「ダレは疲れ、ヤメは取るの意。仕事の疲れを取り、再び活力を得るには、肩の力を抜いて無心で酒と対する時間がオトコには必要だと思います。此処はそういう場であり続けたい。」と三代目の真人さんが語っていたのだ。スバラシイね。酒と向き合って無心になる。肩に乗った疲れも、明日への糧となるのだよネ。

此処は九州の郷土料理の他に、初代が本場中国で覚えた中華も美味い。乾麺で作る焼きそばや皮から手作りの焼き餃子、野菜と豆腐を炒めた炒豆腐(ちゃーどうふ)の濃い目の味付けが焼酎の旨みを引き立てる。
b0019140_144491.jpg
厨房を仕切るのは、初代店主の娘さんたち。現在三代目の柴山真人さんは初代の甥に当たる。初代から受け継ぐ自慢の酒菜も此処の酒に合う。

独り盃を持ちながら、向こうの壁を見ると林芙美子や壷井繁治の額が目に入る。
     
    友のさし入れてくれた林檎一つ 
     
    掌にのせると地球のように重い
 
プロレタリア詩人の壷井重治が獄中で詠んだ詩を読み返す度に自分の今までの道のりを思いおこし、薩摩無双で我が身を清めるのだ。
 
此処は、開店以来ずっと電話無し、冷暖房無しだったが、厨房を守る初代の次女、茅野邦枝さん他女性陣たちの夏の辛さを考えて数年前よりエアコンが入った。それでも、今の様な季節は窓も入り口の戸も開け放たれて、路地を抜ける風を取り込んでいる。エアコンが無かった頃は、扇子や団扇が欠かせなかった。夏真っ盛りの季節になると、三省堂の社員通用口が開く度に流れ込んでくる書店の冷気を有り難く待ったっけ。

この店は初代が始めた頃とは違う建屋だが、最初の店の醸し出していた大正レトロな雰囲気をそのまま生かしてデザインされている。
b0019140_1525895.jpg
これは、昔の兵六の写真だが、今の店舗を設計したのは建築家の中島猛詞氏で、今も時々この店で一緒に酒を酌み交わしている。

口開けの時間は、初代の頃からの古い常連さんが多い。八十を超える方々も沢山居るのだ。前にも隣りに並んだ御仁が、「戦後」にもこんな素晴らしい酒場が在るのだよ、と独り言を言って猪口を口へと運んでいたナ。この酒場に集う彼らの酒の嗜み方を見習いながら、僕も知らず知らずのうちに酒飲みの作法を覚えていったのかナ。
b0019140_15534586.jpg
『兵六』は酒呑みの学校かもしれない。神保町の片隅で酒呑みの作法を覚えるのは素晴らしいことだ。此処で出会った御仁のように、誰もが素敵に歳を重ねて行くのだから。
# by cafegent | 2017-06-26 15:31 | ひとりごと
昨日の東京は朝から雨が降り続き、テレビでは「新幹線も豪雨により運転見合わせ」とのニュースが流れていが、夕方には雨も上がり雲間から夕日が覗いてきた。雨宿りがてらに立ち寄った馴染みの酒場を出ると、午後6時過ぎには空の色が青、紫、群青と美しいグラデーションとなり、武蔵小山の駅前でしばらく空を眺めてしまった。
b0019140_1343521.jpg
「夏至」とは二十四節気の中で、1月の小寒から数えて12番目にあたり、一年で一番昼間が長くなる日だネ。

梅雨時だけれども、晴れた日には初夏の色合いが濃くなり夕焼けの中を飛ぶツバメの姿に見入ってしまう。暑い夏の日差しもツラいが、早く梅雨が明けて欲しいものだ。

     のびきって夏至に逢うたる葵かな  

夏至の頃の東京は、梅雨真っ盛り。大粒の雨に当たってタチアオイもグングンと空に向かって伸びていき美しい花を咲かせるのだネ。我が家では昔から、夏至の日にはイチジクの実を食べると聞いていた。なんでもイチジクは「不老長寿の実」と言って、高血圧や脳梗塞、動脈硬化の予防になるそうだ。本当かどうかは定かじゃないが、誰かが必ず買って来たような思い出があるナァ。

先の句は、正岡子規が明治29年に詠んだ句だ。前年、日清戦争の従軍記者として中国に渡った子規だが、帰りの船の中で吐血し帰国しすぐに入院生活を送ることになったのだネ。子規がこの句を読んだ時は東京に戻っていたが、激しい腰痛で床に臥せっていたことだろう。空に向かってぐんぐんと伸びる葵(タチアオイ)の花を、腰が痛くて立ち上がれない自分の身と照らし合わせて、夏至の遅い日の入まで縁側越しに寝床から眺めていたのだろうか。
     ◇           ◇           ◇
閑話休題。

人が好きで、酒場が好きだから、いつも酒朋が集う居酒屋に顔を出し酒を酌み交わすことが多い。でも時々、一人でしみじみと酒と向き合いたくなる時がある。そんな時は神楽坂の酒場『伊勢藤』や恵比寿の『さいき』に行くことが多い。

そして、少し遠出になるが目黒から山手線に乗って鶯谷駅へと出かけることがある。30分程電車に揺られ、鶯谷に到着すると降りた車両によって北口か南口のどちらかの改札を出るのだ。

北口から出るとスグに怪しい女性たちの視線を浴びることになる。ミニスカート姿に派手なメイクを施した彼女たちの年齢は不詳だ。ボクの母親よりは若いだろうナァ、と思う方も見受けられるが、女性の好みが合う御仁ならば、この街はパラダイスだネ。
狭い土地に乱立したラブホテルの合間を抜けて言問通りの信号を渡ると住所は根岸になる。立ち飲み『晩杯屋』の手前の路地を曲がると左手に、根岸の里の侘び住いが現れる。

日が長くなったので、17時を過ぎてもまだまだ明るい。
b0019140_135259100.jpg
うん、いつ見てもこの『鍵屋』の佇まいは渋い。
b0019140_13521687.jpg
夏場は白地の暖簾が出ているのだネ。そう云えば、今テレビ朝日で放送している倉本聰脚本のドラマ「やすらぎの郷」の初回、主人公の石坂浩二がテレビのプロデューサー役の近藤正臣と待ち合わせる居酒屋のシーンで店の入り口が映ったのだが、此処「鍵屋」が撮影場所に使われていたのだったネ。

ガラリと戸を開くと店主の清水賢太郎さんの笑顔が出迎えてくれた。

この日は珍しくまだお客さんの姿が少なかったナ。ずっしりとした楓(かえで)の木のカウンター席に腰を下ろし、櫻正宗をぬる燗でお願いした。お通しは煮豆だ。
b0019140_13513444.jpg
この時季になると、煮こごりになったり心太(ところてん)が出たりするのだが、こんな酒肴が東京の居酒屋らしいところだネ。

台東区根岸は、正岡子規が住んでいた街でアル。先ほどの夏至の一句もきっとこの地で詠まれたのだろう。かつては文人墨客が多くすむ街だったが、今では周りをラブホテルに囲まれて、この「鍵屋」の在る一角だけが古き良き時代の名残を感じられるのだナ。

開け放たれた玄関から心地よい初夏の風が吹き込んでくる。今年もあと二週間もすれば入谷の朝顔まつりだネ。毎年、朝顔の鉢を手にした方々が鍵屋の暖簾を潜るので、店も大賑わいとなるので、今回はつかの間のゆったりとした空気の中で酒を味わえたのだ。

初夏の時季、ぬる燗に合わせるのは味噌おでんが好い。
b0019140_13554978.jpg
焼き豆腐、ちくわぶ、こんんにゃくにたっぷりと甘い味噌が乗っている。柚子の香る味噌おでんに和辛子をつけて、竹串を口へと運ぶのだ。あぁ、やっぱりちくわぶが美味い。甘味噌が絡んだちくわぶの存在感は抜群だ。そこへ櫻正宗のぬる燗をグィっとやる。うーん、幸せだナ。

鍵屋のカウンター席に座ると自然に背筋がピンと伸びてしまう。還暦を目前に控えた僕でさえ、この店の醸し出す空気の中では少し緊張するのだナ。でも、その緊張感がいつまでも酒場では初心忘れずに控えめであれ、と諭してくれているのかもしれない。
b0019140_1424130.jpg
真っ白な徳利を持ち、ゆっくりと盃に酒を注ぐ。この店では幾つかの大きさの猪口が用意されているのだが、何故か僕の前には一番デカいものが置かれるのだナ。
b0019140_1432486.jpg
この蛇の目のぐい呑みだと多分二回も注げば徳利が空になってしまうだろう。
b0019140_13582381.png
鍵屋には、櫻正宗の他に菊正宗と大関と冷酒が用意されている。
b0019140_13511588.jpg
僕はいつも櫻のぬる燗から始めるが、食後に立ち寄る時などは辛口の大関を冷や(常温)で戴くことが多い。また、朝顔まつりの帰りや暑い夏の盛りには、飲み切りボトル櫻正宗の上撰本醸造クールチェリーが好い。生貯蔵酒のような爽やかな味わいだ。グイッとひと口呑めば、乾ききった喉にキリリと一筋の滝が流れていくようだ。仄かな酸味が暑さを忘れさせてくれるのだナ。

此処、鍵屋の創業は実に古い。今から160年前、幕末の安政三年に遡る。その時代、日本に来航していたペリーの旗艦に乗船し海外に出ようとして投獄された吉田松陰が、出獄し松下村塾を引き継いで明治維新に向けて奔走したのがちょうどこの時期だネ。それにしても大政奉還よりも10年も前から酒屋として開業しているのだから、鍵屋の初代は徳川慶喜の時代を過ごしていたのだナ。

店内の彼方此方に酒屋時代から使われていたであろう道具類や装飾品がさりげなく飾られている。
b0019140_13502029.jpg
この燗つけ器も年季が入っているよネ。

時代と共にこの酒場を訪れる客たちを眺めてきたのだろう。煙草の紫煙や焼き物の煙で飴色になった壁や柱も時代の陰影を刻んでいる。

今の建物も大正元年に建てられたものなので既に106年も経っているのだが、それ以前の酒屋時代から続いた居酒屋「鍵屋」の建物が移築保存されており今も見ることが出来るのだ。小金井公園内に併設されている「江戸東京たてもの園」の中に昔の鍵屋がそっくりそのままの状態で保存されているのだネ。
b0019140_1405537.jpg
安政の大地震も、関東大震災も無事に切り抜け戦火にも耐えた鍵屋だが、昭和49年の道路拡張と云う都市化の波には抗えなかったとは皮肉だネ。
b0019140_1413344.jpg
移築保存された建屋の店内は、1970年頃の居酒屋の姿に復元されている。現在の店も十分老舗の風格を感じさせられるが、歴史が物語る揺るぎない風情を感じることが出来るのだ。
b0019140_14203581.jpg
此処は賢太郎さんの奥様の実家だが、先代のご主人も毎日パリッと糊の効いた白いワイシャツに身を包んで燗酒をつけていたと伺った。ご主人から女将さんに引き継がれ、娘さんにバトンが渡され今こうしてご夫婦二人が中心となって店を切り盛りしている。
この店に通い始めた頃は、口数が少ない賢太郎さんは気難しい人なのかナァと思っていたが、通っているうちに、気さくに声をかけて下さり言葉を交わすようになっていた。この辺りのさじ加減も先代譲りなのかもしれないネ。

女将さんは先代の母親から、燗酒のつけ方やビールの冷やし方、客との接し方についてもきっちりと教えを乞うたそうだ。そして、賢太郎さんと二人、何十年も同じ流儀を貫いているのだ。この日も隣に並んだ客といつの間にか話に花が咲いた。客筋が良い酒場は、居心地が良い。
b0019140_1416469.jpg
昨年、神保町の古書店で見つけた加太こうじ著の「落語的味覚論」の中で、昔の鍵屋の写真を見ることが出来た。当時の坂本二丁目都電角に、幕末から残る二軒の建物が在ったと記されている。
b0019140_1417040.jpg
紺地の暖簾が掛かり、半分は葦簾(よしず)に覆われている。
b0019140_14174760.jpg
店内では、先代の女将が燗酒をつけている。
当時から酒の肴は、冷ややっこ、うなぎのくりから焼き、味噌おでん、さらしくじら、それにたたみいわしなどと、今と変わらない。

今から54年前に出版された本だが、働き盛りのサラリーマン諸氏がびっしりとカウンターを埋め尽くし酒を酌み交わしている姿は今と差ほど変わらない光景だ。
b0019140_1418896.jpg
開催目前に迫っている東京オリンピックの話題で盛り上がっているのだろうか、はて?

さて、桜のぬる燗をおかわりしよう。
b0019140_1415850.jpg
そして、売り切れる前に名物うなぎのくりから焼きをお願いしようか。

     六月を綺麗な風の吹くことよ    正岡子規

東京黄昏酒場/その11.根岸『鍵屋』で東京の酒場を知る。
# by cafegent | 2017-06-22 14:22 | ひとりごと
朝の公園散歩の時、いつも居る留鳥を観察たり、他の地からやって来た野鳥を探したりしている。
今の時期はあいにく渡りの途中の鳥は少ないので、スズメやシジュウカラ、コゲラなどの姿を眺めているのだ。五月六月あたりは営巣をしてヒナが巣立つ季節だネ。
b0019140_1243463.jpg
木々の上では親鳥がせっせと虫を捕まえては、小さなヒナに餌を与えているのだナ。大きな口を開けたヒナにクチバシを突っ込んで餌を与える姿の、なんと微笑ましいことか。

ようやく飛べるようになったシジュウカラは、なんとか自力で虫を捕まえたようだ。
b0019140_1249528.jpg
小さなスズメのコも地面を突いてミミズなどを探しているのだが、時折目を閉じて眠ってしまう姿も実に可愛い。
b0019140_12491612.jpg
コゲラはオスとメスが交互に餌を運んでいる。口いっぱいに虫を咥えて巣穴に戻っていく姿は頼もしいネ。

そんなヒナたちもうっかりしているとカラスの餌食になってしまうのだヨ。カラスだって営巣をしているので、ヒナに餌を運ばなくちゃならないのだからネ。先日もコゲラのヒナがカラスに襲われてしまったし、猛禽類のツミ(雀鷹)のオスがこの公園に毎日のように現れている。
b0019140_12493155.jpg
ツミもスズメやシジュウカラなどを襲い餌にするのだネ。

ツバメは賢くあえて人間が出入りする所で巣作りをするのだヨ。
b0019140_12535328.jpg
ガレージの天井とか民家の軒下で営巣すればカラスなどに襲われる危険性が少ないからネ。

我が家の近所でも次々とツバメの巣立ちが見られるようになった。
b0019140_125428.jpg
都会に暮らしていても、多くの野鳥の姿を見られるから朝の公園散歩がやめられないのだナ。
       ◇           ◇           ◇
閑話休題。

赤羽ハシゴ酒は『まるます家』からスタートし、二軒目へ。「まるます家」の前の路地へ入ると赤羽一番街シルクロードに出る。足を進めるとスグに外で立ち飲みをしている方々が目に入る。そう、お次はおでんで立ち飲みが出来る『丸健水産』だ。
b0019140_12594419.jpg
手作りおでんの具材は、昭和33年から販売している老舗なのだヨ。いつも出来たてのおでん種を追加しているので、その時々でオススメのおでんを味わえるのがウレシイ限りでアル。
b0019140_12553713.jpg
赤いバンダナ姿がいなせな大将は、地元でも有名な堀井浩二さんだ。毎年四月末に催される「赤羽馬鹿祭り」ではバンド丸健’ズのリーダーとしてカッコイイ演奏を聴かせてくれるのだ。今年はクレージーケンバンドのギタリスト小野瀬雅生さんもゲスト参加したんだネ。

おでんの盛り合わせとカップ酒を戴いた。
b0019140_1257561.jpg
酒は地元赤羽が誇る丸真政宗のマルカップを常温で!

以前は自分で立ち飲み席まで運んで勝手に空いたテーブルに向かったのだが、システムが変わったようだ。なるほど、最近の赤羽ブームでお客さんが激増したことから、お店の方がスムーズに卓を空けて誘導してくれて、おでんも運んでくれるようになった。

オォ、相変わらず此処のおでんは最高だ!
b0019140_125818.jpg
大将はボクがちくわぶ好きなのを知っているから、いつも忘れずに入れてくれるがウレシイのだナ。むふふ。カツオのダシがしっかりと大根に沁みていてウマイのなんの南野洋子!なんちて!

僕が頼んだ「おでんセット」は、お任せで4種類のおでんを盛り合わせてくれる。それに缶ビールか缶チューハイ、またはこの丸真政宗マルカップから一つ選んで、なんと800円なのだヨ。

カップ酒は最後まで飲み干さずに八分程飲んだら注文カウンターへと持っていくのだ。すると大将がおでん鍋から熱々のダシを慣れた手つきでカップ酒へと注いでくれる。このカッコよくダシを注ぐ姿を見るのも此処に来る楽しみのひとつなのだナ。ダシを注いだら、ニンニク七味をたっぷりとふりかけてくれる。
b0019140_12583618.jpg
さぁ、これでダシ割り酒の完成だ。これは是非とも皆さんにも飲んで貰いたいナァ。

ひっきりなしにお客さんがやって来るので、長居は無用だ。サクッと吞んで食べて席を譲ろう。

大将、ご馳走様でした!
b0019140_131217.jpg
下北沢のアーケード「下北沢駅前食品市場」も今夏には解体されることになったし、昭和レトロな風景がどんどんと東京から消え去ってしまう中、このアーケード商店街「一番街シルクロード」はいつまでもこのままの姿で残っていてほしいネ。

この後、三軒目にやって来たのは立ち飲み『喜多屋』の裏手に佇む居酒屋だ。
b0019140_1335923.jpg
黒地に金色で描かれた手書きの『立呑み居酒屋 桜商店』の看板が目立つのでスグに分かるだろうネ。

此処は兎に角赤羽らしい価格設定がウレシイ居酒屋だ。
b0019140_1341966.jpg
プレミアムモルツの中ジョッキが350円、トリスハイボールはなんと220円。ホッピーは瓶が300円で焼酎は150円だからナカをお代わりしたら一杯300円になるのだネ。

椅子席が有るが、300円の席料がかかるので迷わずカウンターの立ち飲み席に向かうのだ。
b0019140_1343964.jpg
そして、此処に来たら絶対に頼んで欲しいのが「レバテキ」と「ハツテキ」だ。どちらも350円で、鶏のレバーとハツを絶妙なレアに仕上げ、たっぷりの刻みねぎが乗っている。
b0019140_1352025.jpg
もうこの二皿だけで酒がススむススむ。

懐具合が寂しい時だって、此処ならバッチリさ!煮込みだって武蔵小山『牛太郎』に負けず劣らずの堂々150円だし、ハムマヨネーズや冷やしトマトも100円だ。

二杯目のホッピーを飲み干して切り替えた緑茶ハイも空になってしまった。時計に目をやると午後8時を回ったところだ。帰りは赤羽岩淵駅から一本で戻れるし、久しぶりに『米山』に行ってみようかナ。
# by cafegent | 2017-06-16 13:06 | 飲み歩き
東京と埼玉を繋ぐ北の玄関口と呼ばれている赤羽は、漫画家清野とおる氏が漫画アクションに連載し大人気となった『ウヒョッ!東京都北区赤羽』やその漫画に感化された俳優の山田孝之が主演したドラマ『山田孝之の東京都北区赤羽』のヒットにより、一躍人気エリアへと躍り出て「住みたい街」ランキングでも第2位になったのだネ。

僕の住む武蔵小山からも東京メトロの南北線で乗り換え無しで赤羽岩淵駅まで行けるし、恵比寿駅からも湘南新宿ラインや埼京線で20数分で着いてしまう。以前はちょっと遠いかなと思っていたのだが、今では思い立ったらスグ飲みに行けるエリアとなったのでアル。

時々、気分転換を兼ねて荒川と隅田川に挟まれた土手沿いや荒川赤羽桜堤緑地を歩いたりしている。深く深呼吸をしながら、たっぷりと歩いたら、ちょいと一休みだ。この街には昭和の香りを色濃く残した純喫茶が幾つか在るのだネ。スズラン通りの『純喫茶デアー』のウィンナーコーヒーも美味しいし、駅前の『梅の木 本店』のレモンスカッシュもスバラシイのだナ。

読みかけのペーパーバッグを区切りの良いところまで読み進めたら、丁度良い酒場タイムとなる訳だ。

昨日は梅雨らしい雨が降り続いていたが、赤羽に着いた途端に上がってくれた。この街に来たら真っ先に足が向くのが赤羽一番街の中に在る大衆酒場『まるます家』だネ。朝の9時から開いており、朝から晩までいつも老若男女で賑わっている。この日も外に7、8人が並んでいたが、雨も止んでいるし並ばないとネ。でも、心配ない。ひっきりなしにお客さんも入れ替わるので、そんなに長くは待たずに入れるのだナ。

程なくして二つあるコの字カウンターの左側に座ることが出来た。
b0019140_1557137.jpg
いつもは二階の座敷席を仕切る和子さんが、この時間は一階で働いていたネ。

「ジャン酎ひとつ!モヒートも下さいナ!」ジャン酎とはハイリキの1リットル瓶の酎ハイでアル。
b0019140_1602670.jpg
ジャンボサイズの酎ハイだから「ジャン酎」なのだ。これにフレッシュミントの葉とライムがセットになった100円のモヒートを足すのだヨ。
b0019140_15581121.jpg
味も香りも一段とアップした酎ハイを氷の入ったジョッキに注ぐのだ。クゥーッ!旨い!

大根にたっぷりと味が沁みた牛すじ煮込みも酒がススむ一品だナ。此処に来るとあれもこれも食べたくなってしまうから二人とか数人で来ると良いだろうか。ジャンボメンチカツもイカフライも美味い。どじょうの柳川鍋も外せない。あぁ、たぬき豆腐も頼まなくちゃ!ってな具合になってしまうのだ。

そして出てきたのは熱々に揚がった里芋の唐揚げだ。カリカリに揚がったまん丸のフライは、一口噛むとサクッ、そしてスグにねっとりとした甘い里芋の味が口の中に広がり、そこへ酎ハイをゴクリ!ふぅ、至福のひと時とはこういうことなんだナ。

暫くすると店のお姉さんから「うなぎの肝焼き、もうスグ焼きあがりますヨ~!」と声が掛かった。これも「まるます家」の名物で、一日に数回しか焼かないのでタイミングが合った時には必ず頼みたい一皿なのでアル。
b0019140_15583048.jpg
おぉ、香ばしく焼かれているネ。山椒の香りが僕の鼻腔を刺激する。ほろ苦のうなぎ肝にタレが絡み、これまた酒がススむススむ。
b0019140_15562243.jpg
そう言えば、長年に渡り朝9時から営業していた「まるます家」だが、七月四日より平日は朝10時開店となるそうだ。ただ、土日祝祭日は今まで通り朝9時から開くとのことなので一安心。

午後6時過ぎ、外は買い物かごを下げた主婦や学校帰りの小学生が行き交っている。この雑多な混在感もこの街の魅力なのだネ。さぁ、もう1、2軒ハシゴ酒といこううかナ。
# by cafegent | 2017-06-14 16:06 | ひとりごと